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学校推薦型選抜の服装と持ち物—制服か私服か、オンラインの面接の準備まで|武蔵野個別指導塾

私服でもかまわないと受験生に明記するよう、文部科学省は大学に求めています。待合室のスマートフォンの扱い、オンライン面接で回線が切れたときの繰り下げと予備日まで、前の晩に募集要項で読む所を押さえてください。
服装は、大学の指定が無いかぎり、制服でも私服でもかまいません。文部科学省は、2026年9月2日に更新した入試の Q&A で、試験の日の服装は私服でも差し支えないと受験生に明記するよう、各大学に求めています。一方、持ち物と待合室での電子機器の扱いには全国共通の一覧がありません。決めるのは受ける大学で、答えは募集要項と受験票の注意書きの中にあります。
| 迷うこと | 答え | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 制服か私服か | どちらでもよい。私服でよいと知らせるよう文部科学省が大学に求めている | 募集要項・受験票の注意 |
| 持ち物 | 大学が指定する物・持ち込めない物・自分で持つ物の三つに分けて読む | 募集要項の持ち物と注意事項の欄 |
| 待合室のスマートフォン | 使ってよいかは大学が決める。不正行為として扱うこともできる | 募集要項・当日の係の指示 |
| オンラインの面接で回線が切れたら | 時間の繰り下げや予備日が、要項に配慮の例として挙がっている | 受験の案内・大学の連絡窓口 |
よくあるのは、面接の前の晩、ハンガーに掛けた制服の前で手が止まるという場面です。襟は伸ばした。取れかけたボタンも付け直した。それでも、私服で来る人ばかりだったら浮くのではないか、逆に私服で行ったら軽く見られるのではないか、と考えが行ったり来たりします。鞄の中身も、筆記用具の次に何を入れるかで止まります。この迷いのほとんどは、募集要項の1ページと、文部科学省の Q&A の数行で片づきます。残るのは、自分で決めてよい部分だけです。
学校推薦型選抜の服装は、制服でも私服でもいい理由
文部科学省が大学に向けて出している入試の Q&A に、受験生が痴漢の被害にあったとき、またはその場を目撃したとき、大学はどう対応すべきかを問う項目があります。答えは二つの柱でできています。一つは、被害や目撃のせいで受験の機会を失わないよう、試験時間を繰り下げる、別の日程に振り替えるといった柔軟な対応に努めること。もう一つは、その対応を前もって受験生に知らせ、あわせて「試験当日の服装は私服でも差し支えない」旨も明記することです。
つまり、私服の容認は「楽な格好でどうぞ」という気づかいから出てきたものではありません。制服は、高校生であることが遠くからでもわかる服です。Q&A は、受験生の心理につけ込んだ被害という言い方をしています。遅れられない、騒ぎにしたくない。試験の朝のそういう気持ちにつけ込む加害があるから、服で見分けられない道を残しておく。そう読むと筋が通る決まりです。
ここから読み取れることは二つあります。第一に、私服で行くのは、文部科学省が大学に知らせるよう求めている選び方であって、型破りでも礼を欠くふるまいでもありません。第二に、被害にあったり目撃したりしたら、我慢して会場へ急がなくてよい、ということです。駅員や警察に伝え、受験票や募集要項にある大学の連絡先に電話する。繰り下げや振替をどう扱うかを決めるのは大学ですが、文部科学省は、そうした受験生が受験の機会を失わないよう努めてほしいと、各大学に頼んでいます。
では、どちらを選ぶか。制服の強みは、迷う時間が要らないことです。高校が決めた服なので、着ていく理由を説明する必要もありません。私服の強みは、移動の間に目立たないことと、制服の無い高校に通う人が普段の自分のまま行けることです。どちらにしても、基準は一つで足ります。面接のあいだ、座って話す自分の邪魔をしない服かどうか。袖が気になって手が止まる服、きつくて背中が丸まる服、履き慣れない靴は、制服か私服かという違いよりもはっきりと話し方に出ます。
要項の本文にも「服装」という語は一度出てきます。ただし場所は、評価の方法を定めた節ではありません。受験者の不正行為を防ぐ節で、試験監督が巡視のときに気を付ける観点として、服装と手の位置と目線が並べられています。服装は、何かを隠していないかを見られる対象として書かれているのであって、評価の材料として挙がっているわけではないのです。
学校推薦型選抜の持ち物は、大学ごとの募集要項が決める
全国共通の持ち物の一覧は、どこにもありません。文部科学省の要項にも Q&A にも、受験票や筆記用具を持って来させよという定めは無く、持ち物を決めるのは試験をする大学です。要項が大学に求めているのは、むしろ裏側の話です。試験場に持ち込めない物、試験の時間に使えない物や身に付けられない物、大学が禁止した物を試験中に見つけたら、不正行為として扱うことがあるなど、その扱いを募集要項などで受験者に知らせること。だから持ち物の欄は、「持って来る物」と同じ重さで「持ち込めない物」の行を読みます。
図1のように、鞄に入れる物は三つの箱に分けて考えると、読み落としが減ります。

一つ目の箱は、大学が指定する物です。受験票や筆記用具のように、募集要項の持ち物や注意事項の欄に名前が出てくる物がここに入ります。読むときは名前だけで済ませず、条件まで拾います。鉛筆かシャープペンシルか、ボールペンを使ってよいか、時計は持ち込めるのか、持ち込めるならどんな機能の物までか。小論文がある日は、この一行の読み落としが、手元の道具を丸ごと使えなくします。受験票を自分で印刷するのか、郵送で届くのかも、出願の案内で確かめておきます。
二つ目の箱は、持ち込めない物と、試験の時間に使えない物です。スマートフォンのような通信機器が代表ですが、ほかに何が入るかは大学によって線の引き方が違います。去年受けた先輩の話や、別の大学の決まりで埋めないことです。欄に書かれた言葉を、そのままの範囲で受け取ります。大学が禁止の物として名前を挙げていれば、鞄に入れていくこと自体を見直します。
三つ目の箱は、自分で持つ物です。出願のときに出した志望理由書や活動報告書の控えは、ここに入れます。推薦では本人が書いた資料をプレゼンテーションなどで積極的に活用するよう、要項は大学に求めています。面接で自分の書類の中身に触れられる場面を考えると、前の晩と当日の朝に読み返す紙が手元にあるだけで落ち着きます。ただし、待合室で紙を広げてよいかも大学の指示しだいです。ほかに、会場までの経路と大学の連絡先を書いたメモ、温度の調整に使う上着、替えのマスク。マスクについて、文部科学省の Q&A は、大学が着用を勧めたりお願いしたりするのはかまわないとしています。そのうえで、義務付けることも、着けていない人の受験を拒むことも適切ではない、という考えを示しています。着けるかどうかは自分で決めてかまいません。
待合室のスマートフォンは、大学が引いた線の内側で使う
面接の日は、名前を呼ばれるまでの時間が読めません。その間にスマートフォンで志望理由書を見直したい、家族に着いたと知らせたい、という気持ちは自然です。けれども待合室は、休み時間だから自由、とは限らない場所です。
文部科学省の Q&A は、面接の待機中に試験室で電子機器を使うことのように、要項に例として書かれていない行為でも、大学の判断で不正行為に当たるとしてよいか、という問いに答えています。答えは、受験者の不正を防ぐのに合理的な理由があるなら、受験者に求めることを整理して募集要項などで知らせてください、というものです。要項の例に無いから大丈夫、という読み方は通りません。
なぜ待合室にまで線が引かれるのか。面接が一人ずつ、あるいは組ごとに時間をずらして進むなら、先に終えた人から質問の中身や討論の題が届いた時点で、後の人だけが準備の時間を得てしまいます。調べものが一瞬でできる機器を手にしていれば、その場で考えて答える口頭試問の意味も薄れます。待合室も試験の一部として扱われる理由は、ここにあります。
準備そのものは単純です。会場に入る前に電源を切り、鞄にしまう。アラームや目覚ましの設定も止めておく。時刻はスマートフォンで見ず、持ち込みが認められた時計で見る。見直したい書類は紙の控えで持っていく。家族への連絡は、会場に入る前と出た後に済ませると決めておく。保護者の方は、お子さまが会場にいる間は返事が来ないものと思っておいていただくと、互いに慌てずに済みます。
どこからが使ってはいけない範囲なのかは、大学ごとに文言が違います。電源を切るだけでよいのか、決められた袋に入れるのか、身に付けているだけで扱いが変わるのか。募集要項の注意事項、受験票の注意書き、当日の係の説明の順に、言葉どおりに受け取ってください。迷ったら、その場で係に聞くのがいちばん早く、いちばん安全です。
オンラインの面接は、回線が切れたときの道を先に知っておく
令和9年度の実施要項は、推薦の面接の形として、集団討論やプレゼンテーション、口頭試問と並べて、オンラインでの実施も含めています。家の机で受ける面接も、面接として扱われるということです。
ただし、オンラインなら形は何でもよいわけではありません。Q&A は、評価する人が直接評価し、受験者が質問にその場でやりとりして答える形を求め、AI による面接やペーパーインタビューでは代えられないとしています。画面の向こうに人がいて、言葉が行き来する。準備の中身は対面と変わりません。
オンラインの試験については、家の回線や機器の違いで特定の受験者が損をしないよう、要項が配慮の例を四つ挙げています。通信の不具合で続けられなくなったら、その日の時間を繰り下げるか、予備日を設けて行う。自宅で通信の環境を整えられない人には、大学でオンラインの試験を受けられるようにする。サポートデスクのような連絡の窓口を置き、思いがけない事態に一人ずつ対応できるようにする。障害のある人への合理的配慮も、オンラインでも変わらず行う。図2は、このうち回線が切れたときと、家で受けられないときの道を並べたものです。

大事なのは、これが要項の中で「例えば」と前置きされた例だという点です。どの大学も四つすべてを用意している、とは読めません。受験の案内に、予備日の有無、大学で受ける道、連絡の窓口が書かれていれば、その三つを紙に書き写して画面の横に置きます。回線が切れてから案内を探そうとしても、探すための回線がもう無いのです。電話番号は紙で持つ。オンラインの面接の準備で、いちばん効くのはこの一手です。
もう一つ、Q&A は、感染症の流行などを理由に対面の面接をオンラインに切り替えることを、受験者の不利にならない変更の例に挙げ、その場合はホームページなどで早く広く知らせるよう大学に求めています。対面のつもりでいても、試験の前の週から大学のサイトのお知らせを見ておく理由になります。
機器と部屋は、前の日までに一度、本番と同じ時刻に試します。パソコンの充電と電源、カメラの高さ、マイクの音量、通知の止め方。背景に余計な物を映さず、家族には面接の時間を伝えて、玄関のチャイムや生活の音が入らないようにします。本人確認と不正の防止の方法は、オンラインの特性に合わせて大学が決めることになっているので、カメラの向きや机の上に置いてよい物の指示があれば、それに合わせます。服装は対面と同じ考えでかまいません。家だからと部屋着で画面の前に座ると、声の張りまで部屋着になります。
よくある質問
制服の無い高校です。推薦の面接のためにスーツを買うべきですか
推薦の面接にスーツを着て来いという決まりは、文部科学省の要項にも Q&A にもありません。私服でも差し支えないと受験生に知らせるよう大学に求めているのは、むしろ逆向きの考えです。大学の指定が無ければ、普段の私服の中から、清潔で、座って話しやすい物を選んでください。
待ち時間にスマートフォンで志望理由書を見直してもいいですか
使ってよいかどうかは大学が決め、待機中の電子機器の使用を不正行為として扱うことも認められています。募集要項と当日の指示に従うのが前提で、見直しは紙の控えで行うのが確実です。紙を広げてよいかも、その場の指示で確かめてください。
オンラインの面接で回線が切れたら、それだけで不合格になりますか
要項は、通信の不具合などで特定の受験者が不利益を受けないよう配慮することを大学に求め、その例として時間の繰り下げや予備日での実施を挙げています。切れたら、何度もつなぎ直す前に、案内に書かれた連絡の窓口へ伝えてください。どの扱いになるかは、受ける大学の受験の案内で事前に確かめておく項目です。
当日の朝に熱が出たら、どうすればいいですか
要項は、本人に責任の無い体の不調で当日に受けるのが難しい場合、試験時間の繰り下げや別の日程への振替などの柔軟な対応が望ましいとしています。Q&A も、感染症にかかった人が受けたいと申し出たときの措置として、別の日程への振替を伝える、別室で受けさせる、といった例を挙げています。家を出る前に大学の連絡先へ電話し、指示を受けてから動いてください。
確かめる順番
高3の人は、面接の日が近い大学から順に、次の流れで確かめます。1から4は、面接の前の週のうちに済ませます。
- 募集要項の持ち物と注意事項の欄に印を付ける。大学が指定する物、持ち込めない物、電子機器の扱いの三か所です。
- 受験票の注意書きを読み、服装の決まりや本人確認の方法が書かれていないかを見る。
- オンラインの面接なら、予備日、大学で受ける道、連絡の窓口を紙に書き写す。
- 担任や進路指導の先生に、高校として当日の服装や連絡の決まりがあるかを聞く。推薦は校長の名で出るので、高校の考えも先に聞いておきます。
- 前の晩に鞄を詰め、着ていく服をハンガーに掛ける。
- 当日の朝、大学のサイトのお知らせを見てから家を出る。会場に入る前にスマートフォンの電源を切る。
図3のように、前の週・前の晩・当日の朝の三つに分けると、前の晩にやることが鞄と服だけになります。前の晩に募集要項を初めて開くと、読み落としを直す時間がありません。

高2の人は、受けたい大学の今年の募集要項を開いて、持ち物と注意事項の欄がどこにあるかを一度見ておけば十分です。来年度の要項はまだ出ていないので、細かい決まりは、出願の年の募集要項で確かめ直します。
個別指導で確かめること
面接の練習は、本番に着ていく服と靴で行うこともできます。袖や靴で話し方が変わらないか、提出した書類の控えを手元に置いて答えが書類と食い違わないか、オンラインならカメラの高さと声の届き方を、講師が向かい側で確かめます。受ける大学ごとの持ち物と注意事項の欄の読み合わせも、出願書類の控えと並べて行います。前の週に書き写す予備日や連絡の窓口の表も、その場で作れます。
まとめ
要項にも Q&A にも、制服か私服かで評価を変えよという決まりはありません。私服でよいという一文も、受験生を守るために文部科学省が大学へ書くよう頼んでいるものです。前の晩までに読んでおくべきなのは服の色ではなく、募集要項の持ち物と注意事項の数行と、回線が切れたときにかける電話番号です。ハンガーの制服は、その数行に印を付け終えた夜、ようやくただの服に戻ります。
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