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学校推薦型選抜の合格は辞退できるか—「蹴る」前に知る推薦入学辞退願と専願の約束|武蔵野個別指導塾

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国公立の推薦の合格を辞退できるのは、推薦した高校の校長が2027年2月17日までに推薦入学辞退願を出し、大学が許可したときだけ。手続をしないだけでは出願済みの一般選抜で合格者になれません。

学校推薦型選抜の合格を辞退できるかどうかは、国公立か私立か、私立なら専願か併願可かで答えが分かれます。先に結論を表にします。

合格した推薦 辞退できるか 誰が・いつまでに
国公立大学の推薦 特別な事情があり、大学・学部が許可したときだけ 推薦した出身高校の校長が推薦入学辞退願を出す。期限は2027年2月17日(水)
私立大学の専願の推薦 合格したら入学する約束のうえで出願している。辞退はその約束を破ることになる 約束の範囲は誓約書と募集要項の文面で読む
私立大学の併願可の推薦 入学手続の締切までに、進むかどうかを決める 締切と手続の中身は大学の入学手続の案内で読む

納めたお金の扱いも別の線で決まっています。文部科学省の令和9年度の実施要項は、2027年3月31日までに辞退を申し出た人へ授業料などを返すことを原則にしながら、専願か推薦で合格して在学契約を結んだ人をその原則から外しています。入学料は、その原則が返す物の中に名前がありません。どの場合も、最初に話す相手は自分の高校の担任と進路指導の先生です。

よくあるのは、1月の夜、第一志望の大学の一般選抜の出願画面を開いたまま、送信の手前で手が止まる場面です。机の端には推薦の合格通知と、入学手続の書類が入った封筒があります。共通テストの自己採点が思ったより良く、第一志望に届くかもしれないと考え始めた夜です。保護者の方は「出すだけ出してみたら」と言い、お子さまは入力欄と封筒を何度も見比べます。このとき確かめるべきなのは、出願の締切ではありません。手元の合格が、どんな約束のうえに出ているかです。

国公立の推薦を辞退する道は、校長の推薦入学辞退願と大学の許可の1本だけ

国立大学協会と公立大学協会は、2027年度入学者選抜(令和9年度)の実施要領で、推薦の合格者について同じ考え方をとっています。推薦で合格した人は、推薦という入試の趣旨からみて、その大学に手続をして入学するのが当然だ、という前提です。辞退は、その前提に例外を1本だけ開けた形で書かれています。

例外の条件は3つ重なっています。1つ目は、特別な事情があること。2つ目は、書類を大学・学部に出すのが本人ではなく、その人を推薦した出身高校の校長であること。3つ目は、2027年2月17日(水)までに推薦入学辞退願が大学・学部に届き、大学・学部がそれを許可することです。出せば終わる書類ではなく、許可を得てはじめて辞退が認められます。同じ要領が総合型選抜の合格者に求めている書類は入学辞退届という名前で、そちらの文面には許可の語がありません。推薦の側は、願い出て許される形になっているのです。

要領は、どんな事情が特別な事情に当たるかを例で示していません。許可するかどうかを決めるのは大学・学部で、書類を出すのは校長です。つまり、事情が生まれたときに向かう先は、大学の入試の窓口より先に、自分の高校です。校長の名前で出る書類は、高校の中で事情を聞き、書類を整え、大学に届けるまでに日数がかかります。2月17日は入学手続の締切と同じ日なので、締切の前日に相談しても間に合わないことがある、と考えておく方が安全です。

許可された人には、もう1つ道が開きます。推薦が不合格だったときに備えて出願してあった一般選抜を受け、合格すればその大学・学部の合格者になれます。裏を返せば、許可が無いかぎり、その道は開きません。国立も公立も、それぞれの要領にこの同じ並びで書かれています。

手続をしないまま一般選抜へ進む道は、国公立の推薦には無い

合格を「蹴る」、つまり入学手続をせずに、別の大学の一般選抜で勝負し直す。国公立の推薦では、この考え方は通りません。要領は、2月17日までに手続を終えなかった推薦の合格者について、2つのことを定めています。推薦の合格者としての権利がなくなること。そして、辞退を許可された人を除き、出願してある大学・学部の一般選抜を受けても合格者にはならないことです。手続をしないことは、辞退の代わりになりません。合格の権利だけが消え、前期や後期の合格者になる道は閉じたままです。

この決まりは、紙の上の約束だけで終わっていません。要領には、結果を大学どうしで確かめられるしくみも書かれています。推薦を実施した大学・学部は、推薦の合格者、そのうち手続を終えた人、辞退を許可された人を、2月18日(木)の午後5時までに大学入試センターへ知らせます。センターはそれを整理し、2月22日(月)以降、大学・学部の求めに応じて資料を渡します。前期の試験が始まるのは2月25日(木)からなので、試験より前に、大学が求めれば推薦の結果を手にできる順番です。

図1のように、国公立の推薦に合格したあとの道は3本に分かれ、どれも2月17日が境目になります。手続をすれば入学へ、手続をしなければ権利が消えるだけ、校長の辞退願が許可されたときにだけ一般選抜の合格者になる道が残ります。

図1 国公立の推薦に合格したあとの3本の道と2月17日の期限

ここで見落としやすいのが、出願と合格の違いです。推薦を受けた人は、推薦が不合格になったときに備えて、一般選抜に出願できます。国立は前期と後期で合計2つ、公立は公立大学中期を含めて合計3つまでです。一般選抜の出願期間は2027年1月25日(月)〜2月3日(水)で、共通テストを課す推薦の発表の期限(2月10日)より前に締め切られます。推薦の結果を知る前に、前期の出願を済ませる順番になることがあるわけです。けれども、出願画面で送信できたことは、その一般選抜で合格者になれることを意味しません。推薦に合格した時点で、その出願は、辞退を許可されないかぎり合格につながらない出願に変わります。

学校推薦型選抜の専願とは—誓約書に名前を書く意味

私立大学の推薦には、国公立の要領のような全国共通の辞退の決まりがありません。辞退できるか、いつまでに決めるか、納めたお金をどう扱うかは、大学ごとの募集要項と入学手続の案内が決めます。その中で最初に見分けるのが、専願か併願可かです。

専願とは、合格したらその大学に入学すると約束したうえで出願する形のことです。文部科学省の実施要項も、納付金の返還を定めた所で専願という語を推薦と並べ、合格して在学契約を結んだ人を別に扱っています。制度の文書の上でも、専願の合格は、ほかの合格とは別の扱いを受けているのです。

専願の推薦では、その約束を紙にした誓約書を出願書類に入れる大学があります。名前は誓約書のほかにもあり、様式も文面も大学が決めます。誓約書を出す前、あるいは出した控えを読み直すときは、次の4つを見ます。

もう1つ、誓約書には本人と家庭の約束だけでは済まない重さがあります。推薦は、本人の意思だけで出願できる入試ではありません。文部科学省の要項は、その大学で学ぶのにふさわしい力や意欲を持つ生徒かどうかを高校の校長が判断し、その判断に基づいて推薦する入試だと位置づけています。専願の誓約書は、その校長の判断に重ねて出す約束です。1月の出願画面の前で迷っている人が専願の推薦で合格しているなら、送信を押す前に誓約書の控えを読み、高校に話すのが先です。押してから相談すると、高校は済んだことの説明から聞くことになります。

授業料などは返るのか—3月31日の原則と、推薦で在学契約を結んだ人

文部科学省の令和9年度の実施要項は、入学を辞退した人への納付金について、返還を申し出る期限などを募集要項や入学手続の案内に書いてはっきりさせるよう、大学に求めています。中身の原則は、2027年3月31日(水)までに入学をやめると伝えた人が納めた授業料などと諸会費などは、原則として返す、という扱いです。

ただし、この原則には括弧書きの例外があります。専願か学校推薦型選抜(これに類する入試を含む)に合格し、大学と在学契約を結んだ受験者は、原則の外に置かれています。見落としやすいのは、ここに併願可かどうかの区別が無いことです。募集要項に併願可と書かれた推薦でも、推薦で合格して在学契約を結べば、この括弧の中に入ります。専願だけの話だと思って手続を済ませると、思っていた前提と違ってきます。

原則の外になることは、返らないと決まったことと同じではありません。要項が定めているのは、国全体の原則がその人には当てはまらない、というところまでです。推薦の合格者が辞退したときに実際どう扱うかは、その大学の入学手続の案内に書かれた扱いで決まります。どの手続を終えた時点で在学契約を結んだことになるのかも、案内に書かれた手続の完了の条件で読みます。

入学料は別に考えます。この原則が返す物として挙げているのは授業料などと諸会費などで、入学料はその一文に入っていません。入学料の扱いも、手続の案内の納付と辞退の欄で確かめます。

要項にはもう1つ、入学式を無断で欠席したら辞退とみなす、といった書き方を手続の案内に置いている大学についての定めがあります。その場合は、入学式の日までに在学契約を解いた人の授業料などの返還に応じる、という扱いです。推薦で手続をした人がこの扱いに入るかどうかは、案内の文面で確かめてください。

図2は、3月31日までに辞退を申し出たときの原則を、合格の種類ごとに並べたものです。左の列は在学契約の例外に当たらない合格者、右の列が専願か推薦で在学契約を結んだ人です。入学料の行は、どちらの列でも原則の文に名前がありません。

図2 3月31日までの辞退の申し出と授業料などの返還の原則

出願の前に決めておくこと—高校に先に話す理由

推薦の辞退で行き詰まるのは、合格のあとで初めて約束の中身を読んだときです。1月の出願画面の前で迷っても、選べる道はほとんど11月の出願のときに決まっています。だから、推薦に出願する前に、次の4つを決めておきます。

1つ目は、志望の順番です。推薦を出す大学が第一志望なのか、第二志望なのか。第二志望なら、推薦で合格したときに本当にそこへ進むのかを、出願の前に家庭で言葉にしておきます。「受かってから考える」は、国公立の推薦と私立の専願では使えない考え方です。

2つ目は、専願か併願可か。専願なら、誓約書の文面まで読んでから出すかどうかを決めます。併願可でも、推薦で合格して在学契約を結べば返還の原則の外に入ることを、この時点で知っておきます。

3つ目は、一般選抜に出すつもりがあるかどうか。あるなら、推薦をもらう前に担任と進路指導の先生へ伝えます。推薦は校長の名前で出るもので、国公立なら辞退願を出すのも校長です。高校が知らないところで組んだ予定は、あとで高校の手を借りるときに説明が難しくなります。

4つ目は、お金と日付です。入学手続の締切、納付の時期、辞退と返還を申し出る期限を、出願の前に手続の案内で読み、暦に書き込みます。国公立の推薦なら、共通テストを課さない推薦の発表の期限の1月22日(金)から2月17日(水)までは26日、一般選抜の出願の締切の2月3日(水)から2月17日(水)までは14日しかありません。この短さを先に知っておくと、高校に相談する日を前倒しにできます。

保護者の方は、誓約書に保護者の署名欄があるなら、お子さまと同じ文面を読んでから名前を書いてください。署名した人どうしで、約束の範囲の読み方がずれていないかを確かめておくと、1月に家の中で話が割れずに済みます。

よくある質問

国公立の推薦に合格したあと、手続をしなければ出願してある前期を受けられますか

受験しても、合格者にはなりません。期限までに手続をしなかった推薦の合格者が前期や後期で合格者になれるのは、辞退の許可を得た場合に限られます。手続をしないことは辞退の手続ではありません。前期に進みたい事情があるなら、2月17日より前に高校へ話し、推薦入学辞退願の道があるかを相談します。

推薦入学辞退願は、自分で書いて大学に送れますか

要領では、大学・学部に出すのは、その人を推薦した出身高校の校長です。本人が直接大学へ送る書類としては書かれていません。用紙や添える物は大学と高校の指示に従い、事情はまず担任に話します。許可するかどうかを決めるのは大学・学部です。

併願可の私立の推薦で手続をしたあと、ほかに受かったら授業料は返りますか

要項の返還の原則(3月31日までに辞退を申し出た人への返還)は、推薦で合格して在学契約を結んだ人を外しています。併願可かどうかは、この例外の範囲に関係しません。実際に返るかどうかは、その大学の入学手続の案内に書かれた辞退と返還の扱いで読み、読み切れなければ大学の入試の窓口に聞きます。

専願の推薦で不合格だったら、一般選抜は受けられますか

専願の約束は、合格したときに入学することが中身です。不合格のあとまで何かを縛る文面かどうかは、誓約書の控えで確かめます。国公立の推薦なら、推薦を受けた人は不合格に備えて一般選抜に出願できると要領に書かれています。私立の一般選抜の出願の締切は大学ごとなので、募集要項から日付を拾って並べます。

確かめる順番

図3の順に、今週のうちに5つを済ませます。

  1. 推薦の区分を書き出す。合格した推薦、または出願中の推薦が、国公立か私立か。私立なら専願か併願可か。募集要項の出願資格と出願書類の欄で確かめます。
  2. 誓約書の控えを読む。約束の範囲、署名欄、出す時期を見ます。控えが手元に無ければ、出願書類の一覧で誓約書を出したかどうかから確かめます。
  3. 手続の案内を読む。入学手続の締切、在学契約を結んだことになる手続、辞退と返還を申し出る期限、入学料の扱いを、1つずつ書き抜きます。
  4. 担任と進路指導の先生に話す。一般選抜に出したい事情があるなら、ここで伝えます。国公立の推薦なら、辞退願を出すのは校長なので、2月17日(水)から逆算して早めに動きます。
  5. 読めない所を大学に聞く。手続の案内で読み切れない所だけを、大学の入試の窓口に問い合わせます。聞く前に、どの欄のどの文で迷ったかをメモにしておくと答えが早く返ります。
図3 推薦の辞退を考えたときに今週確かめる5つの順番

順番には理由があります。1と2で自分が何を約束したかを先に固め、3でお金と日付を拾い、そのうえで4の相談に行くと、高校の先生は事実を聞き直さずに済みます。5を先にすると、高校と先に話すべき問いを大学に持ち込むことになり、答えが出ないまま日にちだけが過ぎます。

個別指導で確かめること

武蔵境の教室で推薦の書類と面接の準備を受け持っていると、出願の前の書類づくりの中で、この約束の話が出てきます。募集要項と誓約書と入学手続の案内を並べて読み、専願の約束と一般選抜の予定が食い違っていないかを表にします。高校へ相談に行く前に、話す順番と聞くことのメモも作ります。辞退するかどうかを決めるのはご本人とご家庭で、教室はそのための材料を机の上にそろえる役です。

まとめ

国公立の推薦の合格は、手続をしなければ消えますが、消えても前期や後期の合格者になる道は開きません。開くのは、校長の推薦入学辞退願と大学の許可だけです。私立の専願は誓約書の文面が、併願可の推薦でも在学契約という一語が、辞退のあとの扱いを左右します。1月の出願画面の前で探している答えは、11月に名前を書いた書類の中に、もう書き込まれています。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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