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学校推薦型選抜は併願できるか—「専願」と「併願可」の見分け方と、国公立の決まり|武蔵野個別指導塾

私立の公募推薦は募集人員の表と出願資格の欄で専願か併願可かを読み、国公立は推薦が1年に1つの大学・学部に限られます。メモの3校を3つの関門に通して、出す数を決めてください。
学校推薦型選抜で併願できるかどうかは、私立と国公立で答えの持ち主が違います。私立は大学ごとの募集要項の数行が、国公立は国立大学協会と公立大学協会の2027年度の実施要領が答えを握っています。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 私立の公募推薦は併願できるか | 大学ごと、区分ごとに違う。募集要項の区分名と出願資格の欄に、専願か併願可かが書かれる |
| 専願はいくつ重ねられるか | 結果が出るまで、ほかの専願と重ねない。両方に受かれば、どちらかの約束を破ることになる |
| 国公立の推薦はいくつ出せるか | 共通テストを課す推薦と課さない推薦を合わせて、1年に1つの大学・学部 |
| 国公立の推薦に受かったら | 2027年2月17日(水)までに入学手続。出願してあるほかの国公立を受けても合格者にならない |
| 落ちたときの備え | 推薦を受けた人も一般選抜に出願しておける。数は推薦を受けない人と同じで、前期・後期の2つ、公立大学中期日程も使えば3つまで |
| 私立は何校まで | 全国共通の上限は無い。専願か、日程の重なり、高校の推薦の扱い、の3つで決まる |
よくあるのは、出願を考えている大学を3つ書いたメモを前に、ペンが止まる場面です。3行とも横に「公募推薦」と書き、締切の日付も鉛筆で足した。ところが1行目の募集要項を読み返すと、出願資格の最後の行に「合格した場合は入学を確約できる者」とある。2行目と3行目の要項は、まだ開いてもいない。メモの3行は同時に生きるのか、1行目を選んだ瞬間に残りの2行が消えるのか。答えはメモの上ではなく、3冊の募集要項の、それぞれ数行の中にあります。
学校推薦型選抜の専願と併願は、募集要項のどこに書かれるか
文部科学省の令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、推薦の願書の受付や発表の時期の枠を全国でそろえていますが、専願にするか、併願を認めるかまでは決めていません。決めるのは各大学で、書かれる場所は募集要項です。要項は、推薦が本人の意志だけで出せる入試ではないことを理由に、推薦要件をできるだけ具体的に決めて募集要項などで示すよう、大学に求めています。合格したら入学するかどうかも出願の条件の一つなので、書かれるとすれば募集要項の中です。
「専願」は受験生のあいだの俗語ではありません。文部科学省の要項にも、入学を辞退した人への授業料などの返還について書いた箇所で、扱いを分ける目印として出てきます。大学と受験生が交わす、れっきとした約束の名前です。
読む場所は3つあり、図1の順に見ていくと見落としが減ります。

1つめは募集人員の表です。区分の名前そのものに「専願」「併願」の文字が入っている形が、いちばん読みやすい。要項は、評価の方法や対象の扱いに差をつけるなら募集人員を分け、区分ごとに設ける理由と人数を示すよう大学に求めています。同じ公募推薦が表の上で2行に割れていたら、扱いの違いがある合図です。
2つめは出願資格、または推薦要件の欄です。区分名に何も書かれていなくても、条件の文の中に約束が埋め込まれていることがあります。探す語は「専願」「単願」「第一志望」「入学を確約」「合格した場合は入学」。どれか1つでも見つかったら、その文を一字一句ノートに書き写してください。自分の言葉に縮めると、次の節で読む「どこまで縛るか」が消えてしまいます。
3つめは入学手続の欄です。併願可と書かれていても、手続の締切がほかの大学の発表より前に来るなら、暦の上では先に決めることを迫られます。3つの欄のどこにも専願とも併願とも書かれていないときは、都合よく併願可と読まず、大学の入試の窓口に確かめます。
専願の約束はどこまで縛り、併願可は何と組めるのか
専願の文を書き写したら、文の最後の動詞を見ます。約束の深さは、おおむね3段に分かれます。いちばん浅いのは「合格したら入学する」という約束です。合格した瞬間に効き始めるので、発表までは、ほかの大学に出願する読み方が残ります。次は「入学手続の締切までに手続をする」まで書いた形で、合格のあとに迷える時間が募集要項の日付で区切られます。いちばん深いのは「ほかの大学に出願しない」「ほかの推薦を受けない」と、出願の時点の行動まで縛る形です。ここまで書かれていたら、メモの残りの2行は、その専願の結果が出るまで止めるしかありません。
浅い形か深い形か、文から読み切れないときは、自分に都合のよい方へ読まないことです。書き写した文を手元に置いて大学の入試の窓口に問い合わせれば、聞くことが1つに絞れているぶん、短いやりとりで答えにたどり着けます。
併願可の側では、何と組んでよいかを読みます。「併願可」の3文字のあとに続く文が、相手を限っていることがあるからです。組む相手は大きく3種類あります。ほかの大学の一般選抜、ほかの大学の推薦や総合型選抜、同じ大学の別の学部や区分です。一般選抜との併願しか認めない書き方なら、推薦どうしを並べる計画は最初から成り立ちません。
もう1つ、併願可の推薦に受かって手続をする重さも知っておきます。文部科学省の要項は、3月31日までに入学辞退を申し出た人には、授業料などを原則として返すよう大学に求めています。そのうえで、専願、または学校推薦型選抜に合格して大学と在学契約を結んだ人を、この原則の外に置いています。併願可であっても、推薦は推薦です。手続をして席を押さえるなら、原則の外の側に立つことになります。実際の扱いは、大学の入学手続の案内で読んでください。
国公立の学校推薦型選抜は、1年に1つの大学・学部
国公立の推薦の数は、私立とはまったく別の文書が決めています。文部科学省の要項は、国立大学と公立大学の日程などを、それぞれ国立大学協会と公立大学協会の実施要領に基づいて行うと書いています。その2027年度の実施要領が、どちらも同じ言い回しで、1人の推薦は1つの年度に「一つの大学・学部に限る」と定めています。共通テストを課す推薦と課さない推薦を合わせての数です。同じ大学の別の学部へ、推薦を2本出すこともできません。
要領が添えている例外は1つの形です。同じ大学・学部の同じ募集単位で、共通テストを課さない推薦の発表のあとに、共通テストを課す推薦をもう一度行う場合、前の推薦で不合格だった人を後の推薦に推すことは認められています。国立と公立をまたいで推薦を2つ出せるかについては、両協会の要領がそれぞれの側で1つと書いているだけで、またぐ場合の扱いには触れていません。出せるとも出せないとも決めつけず、出身高校の進路指導と、両方の大学の募集要項で確かめてください。
国公立の推薦に受かったあとは、強く縛られます。要領は、推薦の合格者は「入学するのが当然」と書き、2月17日までに入学手続をさせ、出願してあるほかの国公立の大学・学部を受けても合格者にはしないと決め、その旨を募集要項に書くよう求めています。辞退が認められるのは、特別な事情があって、推薦した校長から2月17日までに推薦入学辞退願が出され、許可された場合に限られます。名前に専願と書かれていなくても、中身は専願に近い約束です。
その一方で、落ちたときの備えは残されています。推薦を受けた人も、不合格に備えて一般選抜に出願しておけます。数は推薦を受けていない人と変わらず、国立大学協会の要領は前期と後期で合計2つ、公立大学協会の要領は公立大学中期を加えて合計3つと数えています。図2のように、国公立の併願は、推薦どうしを横に並べる形ではありません。推薦1つの後ろに、一般選抜の出願を控えておく形です。

順番にも気をつけます。共通テストを課さない推薦の発表の期限は2027年1月22日(金)で、一般選抜の出願が始まる1月25日(月)の3日前です。期限どおりに結果が出れば、合否を知ってから一般の出願に向かえます。共通テストを課す推薦の発表の期限は2月10日(水)で、一般選抜の出願の締切の2月3日(水)より7日あとです。期限近くに発表する大学なら、結果を知らないまま一般の出願を済ませることになります。実際の発表日は、志望する大学の募集要項で読んでください。
学校推薦型選抜は何校まで出せるか—メモの3校を3つの関門に通す
私立の推薦をいくつまで受けてよいかに、全国共通の上限はありません。上限を決めるのは、図3の3つの関門です。メモの3校を1校ずつ通すと、残る組み合わせが見えてきます。

1つめの関門は、専願かどうかです。専願が1つ混じったら、その結果が出るまで、ほかの専願は出しません。専願と併願可を組むことは、専願の文が出願の時点まで縛っていなければ、専願の側の条件としては成り立ちます。ただ、専願に受かった瞬間に、併願可の側の結果は使い道を失います。検定料と書類を書く時間をそこへ払う意味があるかは、発表の順番と一緒に考えます。総合型選抜で専願の約束をしている人は、その約束もこの関門に数えてください。
2つめの関門は、日程の重なりです。全国で決まっているのは、推薦の願書の受付を11月に入ってから、合否の発表を12月に入ってから始めるという線と、発表の遅い側の限りです。各大学の日付は、その枠の中に大学ごとに置かれます。メモの3校について、出願の締切、試験日、発表日、入学手続の締切の4つを、1枚の紙に横一列で並べてください。重なりは2つの型で現れます。1つは試験日がぶつかる型で、同じ日の同じ時間帯なら、どちらか一方しか受けられません。会場までの移動の時間も重なりに入れます。もう1つは発表と手続の逆転で、候補2の手続の締切が、候補1の発表より前に来る型です。このとき候補2は、席を押さえる手続をするか手放すかを、候補1の結果を知らずに決めることになります。
3つめの関門は、高校の推薦の扱いです。公募推薦も校長の推薦で出す入試なので、2校に出すなら推薦書は2通、3校なら3通が要ります。高校が併願の推薦を出すかどうか、出すなら何通まで、いつまでに申し出ればよいかは、高校が決めることです。調査書も出願先の数だけ頼みます。この関門だけは、担任と進路指導に聞かなければ通れません。
3つの関門を抜けたら、暦の組み方に移ります。行に候補、列に4つの日付と、専願か併願可か、高校への申し出の締切を並べた表を作り、発表の早い順に並べ替えます。第一志望が専願なら、その結果より前に手続の締切が来る併願可の推薦を、出すかどうか考え直します。推薦の複数受験で最後に足りなくなりやすいのは、日付ではなく、大学ごとに書き分ける志望理由書と面接の準備の時間です。紙の上で組める数と、質を落とさずに書ける数は、別々に数えてください。
よくある質問
専願の推薦に落ちたら、別の大学の推薦に出せますか
不合格の通知を受けた時点で、その専願の約束は果たす先がなくなります。次の推薦に出せるかを決めるのは、出願の締切にまだ間に合うかと、高校がもう一度推薦書を出すかの2つです。推薦の結果は12月に入るまで出ないので、次の締切が過ぎていることもあります。専願を出す前に、落ちた場合の次の締切を表の端に書いておいてください。
同じ大学の別の学部の推薦にも出せますか
国公立では出せません。要領が、1つの年度の推薦を1つの大学・学部に限っているからです。私立は大学ごとの決まりで、学部をまたぐ併願ができるか、第2志望の学部を書ける形があるかは、募集要項の出願資格か出願手続の欄に書かれます。どちらの欄にも見当たらなければ、大学の入試の窓口で確かめます。
国公立の推薦と私立の公募推薦は、両方受けられますか
国公立の要領は、国公立の大学が守る取り決めです。私立の推薦と組めるかは、私立の募集要項の専願と併願の欄、国公立の募集要項の出願資格の欄、高校の推薦の扱いの3か所を読んで決まります。私立が専願なら、私立に受かった時点で国公立の推薦は行き場を失うので、発表の順番を先に確かめてください。
推薦は何校くらい受けるのがふつうですか
ふつうの数という答えは、どの公式の文書にもありません。数を決めるのは3つの関門と、書類を書き分けられる時間です。3校に出すなら、志望理由書が3通、面接で話す「なぜこの大学なのか」も3通り要ります。1通ずつの質が落ちる数まで増やせば、増やした分だけ合格から遠ざかると考えてください。
確かめる順番
高3で推薦の出願をいま進めている人は、今週のうちに次の順で確かめます。
- メモの3校の今年の募集要項を開き、募集人員の表の区分名に専願か併願の文字があるかどうか、印を付ける。
- 出願資格と推薦要件の欄から、専願や併願の条件の文をそのまま書き写し、最後の動詞で縛りの深さを見る。
- 3校の出願の締切・試験日・発表日・入学手続の締切を1枚の表に並べ、試験日の衝突と、発表と手続の逆転に赤い印を付ける。
- 国公立の推薦を考えている人は、推薦を出す1校と、不合格に備えて一般選抜で出す先を、同じ表の下の段に書き足す。
- 担任と進路指導に、併願の推薦を出してもらえるか、何通まで、いつまでに申し出るか、調査書を何通頼むかを聞く。
- 書き写した文で読み切れない点だけを、大学の入試の窓口に問い合わせる。
高2の人は、今年の募集要項で3つの欄の位置だけを覚えておき、来年の要項が出たら同じ欄を読み直してください。出願の条件は年ごとに変わることがあるので、去年の読みをそのまま持ち越さないことです。
個別指導で確かめること
教室では、生徒が持ってきた募集要項の専願の文を一緒に書き写し、縛りの深さを読み分けるところから始めます。3校分の暦の表を並べて衝突を探し、志望理由書を学校ごとに書き分けたら、3通を横に置いて、同じ言葉で別の大学を褒めていないかを確かめます。国公立の推薦を考えている人とは、推薦を出す1校と一般選抜の出願先を、同じ表の上で組み直します。面接の練習では、専願を選んだ理由を自分の言葉で話せるまで、何度でも聞き返します。
まとめ
私立の推薦を併願できる数の上限は、どの公式の文書にも数字として載っていません。載っているのは、募集要項の専願の一文と、4つの日付と、高校が出せる推薦書の通数です。国公立なら、推薦を出せる大学・学部の数は、要領がもう1つと決めています。メモの3行の横にこの3つを書き込み終えた人だけが、何校に出すかを自分の手で決められます。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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