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学校推薦型選抜の活動報告書—様式の欄に何を書くか、実績が少ないときの書き方|武蔵野個別指導塾

入賞歴が無くても、活動期間と自分の担当と試した手順を書けば欄は埋まる。文部科学省のイメージ例にある3つの欄に沿って、探究のレポートのどこから材料を拾えばよいかを順に追います。
活動報告書は、大学が求めたときに出す書類です。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、その「イメージ例」として次の3つの欄を示しています。
| 欄 | 書くこと | 書くときの軸 |
|---|---|---|
| 1 学業に関する活動 | 学内(総合的な探究の時間・部活動・生徒会など)と学外(ボランティア・大会・留学など)の中身と、それぞれの活動期間 | 何に、どれだけの期間取り組んだか |
| 2 課題研究等 | テーマを選んだ理由、概要と成果 | どんな問いを立て、どう調べ、何がわかったか |
| 3 資格・検定等 | 名称、級やスコア、取得した年月 | 証明書のとおりの事実 |
この様式はあくまで例です。推薦で出すかどうか、書くのが本人か高校か、欄の名前と大きさは、大学が決めて募集要項に書きます。入賞や役職のような実績が少ないときは、結果の代わりに「何を試したか(過程)」「何の担当だったか(役割)」「どれだけ続けたか(期間)」の3つで欄を埋めます。
よくあるのは、探究の時間のレポートを引き出しの奥から探す場面です。募集要項の提出書類の一覧に「活動報告書」の5文字を見つけて、高2の秋に出したレポートをクリアファイルごと引っぱり出す。ホチキスの外れかけた表紙にテーマは書いてあるのに、なぜそれを選んだのかがどうしても思い出せない。部活は2年の夏まで、賞状は1枚も無い。机に広げた様式の中で、「成果」と書かれた欄だけがやけに広く見えてくる、そんな夜です。
活動報告書の3つの欄—イメージ例を上から読むと見えること
文部科学省の要項は、活動報告書を使う目的を、高校までにどんな学習と活動をしてきたかという履歴を大学がつかめるようにすること、と書いています。その目的のために示された様式が、図1の3つの欄です。

図1のいちばん上の「学業に関する活動」は、学内と学外の2段に分かれ、どちらの段にも活動期間を書く括弧が付いています。見落とされやすいのは、学内の段の注です。総合的な探究の時間だけでなく、部活動や生徒会活動についても「取り組んだ課題研究等」を書くよう示しています。この欄は、部活の大会名や役職の名前を並べる場所として作られてはいません。部活動や生徒会の中で何を課題として見つけ、どう取り組んだかを書く場所です。学外の段には、ボランティア、大会やコンクール、留学や海外での経験などが例に挙がっています。
2番目の「課題研究等」は、テーマを選んだ理由と、概要・成果の2段です。要項は、活動報告書に書かせる内容の筆頭に、総合的な探究の時間や理数探究で取り組んだ課題研究を置いています。探究のレポートが手元にある人には、ここがいちばん材料のそろった欄になります。
3番目の「資格・検定等」は、名称、級やスコア、取得した年月を並べる表の形です。ここは文章を練る欄ではなく、事実を正確に写す欄です。証明書に印刷された正式な名前と、級やスコアの表記をそのまま使い、取得の年月も証明書の日付に合わせます。略した呼び名や、記憶で書いた年月は、提出の前に必ず証明書と照らし合わせます。
3つの欄を上から順に見ると、並び方にも意味があるとわかります。1で取り組みの広がりと長さを示し、2で1つの問いを掘り下げた深さを示し、3で外から証明できる到達点を示す。同じ活動を3つの欄に少しずつ書き散らすより、1で挙げた活動のうちの1つを2で深く書く、という組み立てのほうが、読む人には筋の通った1人の高校生として見えます。
出すか、誰が書くかは大学しだい—募集要項の提出書類の欄の読み方
要項のQ&Aは、この様式について、大学が「志願者本人又は高等学校に作成を求める場合」のイメージ例であり、必ず作らなければならない物ではないと答えています。高校が受験生全員の分を用意してくれる書類でも、受験生が全員書かされる書類でもない、ということです。
総合型選抜と比べると、違いがはっきりします。要項は総合型選抜について、活動報告書や大学入学希望理由書などの本人が書く資料を、評価に必ず使うよう求めています。学校推薦型選抜の節には、その「必ず」がありません。推薦の中心にあるのは校長の推薦と調査書で、本人の書く資料は大学が要ると考えたときに加わる、という作りです。同じ大学の中でも、推薦の区分によって活動報告書を求めたり求めなかったりすることは、制度の上で起こりえます。
ですから、公募推薦の募集要項を開いたら、提出書類の一覧を次の順で読みます。
- 活動報告書、または同じ役目の書類が一覧にあるか
- 作成者が「本人」か「出身学校長」か
- 様式は大学が配る物か、自由な形か
- 記入の注意(手書きの指定、書ける量、別紙を付けてよいか)
- 証明書の写しなど、一緒に出す物があるか
様式については、要項が大学に、本人が書く資料を編集できるデータの形でダウンロードできるようにするなど、書く人の負担を軽くする工夫を望んでいます。大学のサイトの入試の頁に様式のファイルが置かれていないかを、紙の様式を待つ前に探してください。手書きかパソコンかも、その様式と記入の注意の指定で決まります。
もう1つ覚えておきたいのは、志願者が書いた事柄と出した書類に偽りが無いかを、大学の側で確かめるよう要項が求めている点です。活動報告書の一行は、大学の側から見れば、確かめようと思えば確かめられる事実の申告です。
課題研究の欄—探究のレポートから「選んだ理由」と「成果」を取り出す
引き出しから出てきたレポートは、そのまま写しても欄には収まりません。レポートは調べた結果を順に並べる書き物で、課題研究の欄は、なぜその問いを立て、何がわかったかを短く示す書き物だからです。レポートを読み返しながら、次の4つに付箋を貼っていきます。
- 問い(何を知りたかったのか)
- きっかけ(その問いに気づいた場面)
- 方法(何を調べ、誰に聞き、何を数えたか)
- わかったことと、わからないまま残ったこと
「テーマを選んだ理由」の欄には、2つ目のきっかけを書きます。たとえば「文化祭の模擬店で出る売れ残り」というテーマなら、「おもしろそうだったから」「社会問題だから」で始めず、「片付けの日に、自分たちの店のごみ袋だけがあふれていた」という場面から書き始めます。具体的な場面が1つあると、面接で「なぜそのテーマを選んだのですか」と聞かれたときにも、同じ場面から話を広げられます。
「概要・成果」の欄で大事なのは、成果を賞や校外の発表に限らないことです。「売れ残りは昼過ぎの1時間に集中していて、並べる順番を変えた日に減った」のように、調べてわかったことそのものが成果です。思ったとおりの結果が出なかったときも、書くことはあります。「アンケートの回収が少なく、結論までは言えなかった。次は配る場所と時間を変える」と書けば、自分の調べ方を自分で見直したことが伝わります。わからないまま残ったことまで書いておくと、大学で何を続けて調べたいのかが、欄の中から自然に立ち上がってきます。
調査書にも「総合的な探究の時間の記録」の欄があります。こちらは先生が、どんな学習活動をしたか、どんな力が身に付いたかを端的に書く欄です。つまり同じ探究について、先生の書く調査書と、本人の書く活動報告書が並べて読まれます。テーマの名前、個人の研究かグループの研究か、取り組んだ学年といった事実が食い違わないよう、下書きの段階で探究の担当の先生か担任に見せておきます。
実績が少ないときに書くこと—結果の代わりに、過程と役割と期間
入賞も役職も無い。推薦を考える人がいちばん手を止めるのはここです。けれども様式をもう一度見てください。学業に関する活動の欄には活動期間の括弧があり、課題研究の欄には選んだ理由と概要の段があります。結果だけを書く枠は、思っているよりずっと狭いのです。
図2のように、結果の欄が「入賞なし」で止まってしまうときは、過程・役割・期間の3つに分けて書き直します。

過程は、何を試し、何を変えたかです。「練習を頑張った」では何も伝わりませんが、「音が合わない場所を録音して聞き比べ、パート練習の順番を入れ替えた」なら、考えて動いたことが見えます。役割は、自分の担当です。部長でなくても、記録係、備品の係、練習の計画を作る係など、引き受けた仕事は必ずあります。期間は、続けた長さです。高1の4月から高3の6月まで同じ活動を続けたなら、それ自体が書く価値のある事実で、図2の右端の「続けた長さ」がそれにあたります。
書き直しの前と後を、1組だけ並べます。
前の文は「吹奏楽部に所属。大会では入賞できなかった。」です。後の文は「吹奏楽部(高1の4月〜高3の6月)。2年から楽譜と備品の管理を担当し、紛失の多かった譜面を、棚に番号を振って貸し借りを記録する仕組みに変えた。」です。後の文には賞が1つも出てきません。それでも、期間と担当と、自分で変えたことが入っています。面接でこの一行を指されても、この3つなら自分の言葉で話し続けられます。
避けたいのは、欄を埋めるために短い活動を数多く並べることと、関わった度合いを実際より大きく書くことです。提出書類の読み方の節で触れたとおり、書いた事実は確かめられることがあり、面接で一行ずつ聞かれることもあります。活動は2つか3つに絞り、1つずつ深く書くほうが、話したときに崩れません。
学校推薦型選抜のエントリーシートと活動報告書—名前が違っても、書く前に見るのは欄の見出し
大学が本人の書く書類に「エントリーシート」という名前を付けていても、書く前に見るのは欄の見出しです。高校でしてきたことを書く欄なら、ここまでの活動報告書の書き方が使えます。入学したい理由や入学後の計画を書く欄なら、要項の言う大学入学希望理由書や学修計画書の側の書き方になります。1枚の中に両方の欄が並んでいることもあるので、見出しごとに「過去の話か、これからの話か」を鉛筆で書き分けてから下書きを始めます。
「エントリー」という言葉には、もう1つ気をつけたい点があります。要項のQ&Aは、名前が「エントリー」であっても、実際の選抜やそれにもとづく評価は、その入試の入学願書の受付日以降に行うよう大学に求めています。公募推薦の願書の受付は2026年11月1日より前には始まりません。その一方で、出願の条件として講義を聞かせたり課題を書かせたりする部分は、願書の受付より前に済ませてもよい、とも答えています。出願の前に何かを出すよう求められたときは、それが出願の条件なのか、評価の一部なのかを、募集要項の文言で確かめてください。
欄に書くことの範囲について、要項は大学に、本人の確認や出願資格の確認、連絡などに要るものを除き、評価に使わない情報を志願者に求めないよう定めています。欄の見出しは、大学が評価に使うと決めた項目だと読み、見出しが問うことに答える形で書けば足ります。家庭の事情などを、問われてもいないのに書き足す必要はありません。
面接の側から見ても、活動報告書は重い書類です。2027年度入試の要項から、推薦の評価には原則として面接が入ります。入学を確約して受ける非公募型は大学が要否を決められ、前からある区分で面接を入れにくいものには、遅くとも令和11年度(2029年度入試)までの猶予があります。そして要項は、推薦や総合型選抜で、本人が書いた資料をプレゼンテーションなどで積極的に使うよう求めています。面接のある区分なら、活動報告書の一行一行が、そのまま質問の種になると考えて書きます。
よくある質問
学外の欄に書くことが無いときは、空けておいてもいいですか
空欄の扱いを決めるのは大学の様式と記入の注意なので、まず記入の注意に、該当が無いときの書き方の指示が無いかを読みます。指示が無いときは、学外の活動を急いで作るより、学内の欄と課題研究の欄を厚く書くほうが、面接で話せる中身が増えます。それでも迷うなら、大学の入試の窓口に空欄でよいかを問い合わせてかまいません。
部活を途中でやめたことは、書かないほうがいいですか
書くかどうかは自分で決めてかまいませんが、書くなら活動期間を正直に書き、その期間にしたことと、やめたあとに時間を使った先を組にして書きます。期間の短さを面接で聞かれたら、やめた理由を長く話すより、その後に何をしたかを話せるようにしておきます。調査書の記録と期間がずれていないかは、担任に確かめます。
手書きとパソコンのどちらで書けばいいですか
大学の様式と記入の注意の指定に従います。要項は大学に、編集できるデータの様式を配るなどして負担を軽くする工夫を望んでいるので、データの様式が配られていればそれを使います。手書きの指定があるなら、別の紙で下書きを仕上げ、書ける量を確かめてから清書します。
推薦書と同じ活動を書いてもいいですか
かまいません。推薦書は、高校が本人の学習歴や活動歴をふまえて学力の三要素についての評価を書く書類で、活動報告書は本人が事実と過程を書く書類です。同じ活動が両方に出てくるのは自然なことで、困るのは期間や役割が食い違うことのほうです。下書きができたら担任に渡し、推薦書を書く先生の手元にも同じ事実が届くようにします。
確かめる順番
今週のうちに、図3の順で手を動かします。

- 志望先ごとに、募集要項の提出書類の一覧で、活動報告書の有無と作成者を確かめる。
- 様式を手に入れ、記入の注意(手書きの指定、書ける量、別紙、一緒に出す物)に印を付ける。迷う所はこの段階で大学の入試の窓口に聞く。
- 材料を集める。探究のレポート、部活や委員会の記録、資格の証明書を1か所にまとめ、名称・級やスコア・年月を証明書から写す。
- 下書きを担任と探究の担当の先生に見せ、調査書や推薦書と事実が食い違わないかを確かめる。
- 声に出して読み、どの一行を指されても2分は話せるかを試す。
高3ですでに出願を済ませた人は、手元の控えを読み返し、5番目から始めてください。高2の人は、来年の様式が来年の募集要項で決まるので、今年の募集要項で欄の形を知り、3番目の材料集めを今のうちに始めます。レポートは高3の秋には引き出しの奥に沈んでいます。
個別指導で確かめること
武蔵境駅から徒歩30秒の教室では、活動報告書の下書きを欄ごとに読み、過程・役割・期間の3つが入っているか、調査書や推薦書と食い違う所が無いかを確かめます。面接の練習では、書かれた一行を指して質問し、答えが書類からずれないか、2分話し続けられるかを、お子さまと本番の形で試します。資格の名称や取得の年月のように証明書で確かめられる所は、証明書の写しを横に置いて一行ずつ照らします。
まとめ
活動報告書の欄を前に手が止まるのは、たいてい、そこを賞を並べる欄だと思っているときです。実際の様式には、活動期間の括弧と、テーマを選んだ理由の段があります。引き出しの奥のレポートには、賞状は無くても、なぜその問いを立てたかと、どうやって調べたかが残っています。その2つを期間と役割で囲めば、入賞の行が1つも無くても、活動報告書は面接で最後まで話し切れる1枚に変わります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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