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学校推薦型選抜の調査書—誰が作り、いつ頼み、両面1枚の9つの欄に何が載るか|武蔵野個別指導塾

担任などの原案を委員会が審議し、校長の名で大学へ出る調査書は、A4の紙1枚の表と裏に9つの欄があります。評定の欄の外まで読まれる前提で、出願先の数を数えてから高校に頼みましょう。
学校推薦型選抜の調査書について、答えを先に表にします。
| 問い | 答え |
|---|---|
| 誰が作るか | 担任などが原案を書き、関係する先生の委員会が審議したうえで、高校の校長が作成して大学へ出す |
| どんな紙か | A4判の1枚を表と裏の両面で使う。欄は全部で9つ |
| 何が載るか | 表に氏名と学校、科目ごとの評定、教科と全体の平均、学年の中の段階。裏に探究、特別活動、指導上参考となる諸事項、備考、出欠 |
| いつ頼むか | 出願先ごとに要る通数を数えてから、高校が決めた申し込みの締切までに |
| 大学はどこを読むか | 平均の欄だけで済ませず、ほかの欄も使うよう文部科学省の要項が大学に求めている |
よくあるのは、昼休みに進路指導室の前で、担任の先生から、のりで封をした封筒を何通か受け取るという場面です。封筒は軽く、中は透けません。出願の締切は来週です。廊下で封筒を数え、家で募集要項を開き直して、推薦に落ちたときの一般選抜のぶんを数えていなかったと気づく。調査書は、受け取った瞬間にはもう書き換えのきかない紙です。だから知っておくべきことは、受け取る前の段階に集まっています。
調査書は誰が作るか—学校の記録から、校長の名前で大学へ
調査書のもとになるのは、高校が生徒一人ずつについて残している指導要録という公式の記録です。その記録から担任などの先生が原案を作り、関係する先生で組んだ調査書づくりの委員会が中身を審議し、最後に校長が作成して、高校の責任で大学へ出します。図1のとおり、この流れの中に本人が書き込む場面は一つもありません。

紙の裏の下の端には、記載に誤りがないと証明する一文と日付、学校名、所在地、校長名と印、記載責任者の職と氏名と印が並びます。書き直した所があれば、そこに校長の印を押し、欄の外に加えた字と削った字の数を書くのが決まりで、紙を貼り足したときも校長の印で割印をします。大学と高校が個別に合意すれば、同じ事項を電子の記録で出すこともでき、そのときは印が要りません。
ここで押さえたいのは、調査書と推薦書の性格の違いです。校長の名で出る推薦書には、大学のアドミッション・ポリシーに照らして本人の学力の三要素を評価する文章が求められます。評価そのものが中身の書類です。一方の調査書は、文部科学省が示す記入の注意で、個人的な主観に流されず、特別な作為も加えずに作るよう求められています。先生に「よく書いてください」と頼む種類の紙ではなく、記録を写す紙なのです。記録に無いことは、どれほど頼んでも載りません。
では本人にできることは無いのかというと、一つだけはっきりあります。指導上参考となる諸事項の欄に、生徒の特徴や学校の外での活動を書く場合も、もとにするのは原則として指導要録に記された内容です。学校の外で続けてきた活動を学校が知らなければ、記録に残る道は最初から閉じています。載せるかどうかを決めるのは学校でも、事実を知らせることは本人と家庭にしかできません。原案が作られる時期は高校によって違うので、推薦で出すと決めた時点で担任に伝えるのが確実です。
表の4つの欄—推薦で読まれる成績は3つの形で載る
調査書はA4判の紙1枚を表と裏の両面で使う決まりで、2025年度入試(令和7年度)の要項からこの形になりました。教員の負担を軽くする考えと、新しい指導要録の参考様式に合わせる考えからだと、文部科学省のQ&Aが説明しています。欄や文字の大きさは高校しだいですが、記載の順番と枠の並びは変えないよう求められているので、今年卒業する人の調査書なら、どの高校でも図2の位置に同じ9つの欄が来ます。

表の上から見ていきます。「1 氏名・学校」の欄には、氏名、性別、生年月日、現住所、学校名、全日制・定時制・通信制の別、学科、入学と卒業の年月が入ります。表と裏の上の端にある※の付いた小さな欄は、大学が自分の用で書き込むための場所で、高校は何も書きません。
学校推薦型選抜の成績と一口に言っても、表の上では残りの3つの欄に、3つの形で載ります。「2 学習の記録」は、科目ごとに学年ごとの評定(5から1の5段階)と、修得した単位数の計を並べた欄です。出願の時点で最終学年の成績が決まっていなければ、高3の評定には、その学年の直近の成績を総合して高校が判定した数字が入ります。「3 学習成績の状況」は、国語や数学といった教科ごとの平均と、全部の科目をまとめた全体の平均の2種類で、いわゆる評定平均はここです。どちらも小数第1位までの数字として、高校が計算して書きます。
「4 概評と人数」は、全体の学習成績の状況を5つの段階に分けた学習成績概評と、段階ごとの人数の欄です。区分は次のとおりです。
| 概評 | 全体の学習成績の状況 | 境目のすぐ下 |
|---|---|---|
| A | 5.0から4.3 | 4.2ならB |
| B | 4.2から3.5 | 3.4ならC |
| C | 3.4から2.7 | 2.6ならD |
| D | 2.6から1.9 | 1.8ならE |
| E | 1.8以下 | 下の段階は無い |
以前の様式にあった丸つきのAは、2025年度入試の要項でなくなりました。人数のほうは成績段階別人数と呼ばれ、同じ学年の生徒全員(コースや学科が分かれていればその別)が、それぞれの段階に何人いるかを書きます。大学の手元には、本人の段階と一緒に、その学年全体の散らばりも届くということです。
裏の5つの欄—大学が評定の外まで読む決まり
裏は、成績の数字では表せない3年間の過ごし方の記録です。「5 探究の時間」の欄には、総合的な探究の時間に取り組んだ学習活動と、学校が決めた評価の観点、そして身に付いた力が短く書かれます。「6 特別活動」は、ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事の3つについて、学年ごとに、十分満足できる活動だったと判断されたときに○が付く欄です。「7 指導上参考」は正式には指導上参考となる諸事項で、学年ごとに要点を箇条書きにし、必要最小限にとどめます。「8 備考」には、単位制の課程であることや、転入した生徒の前の高校の記録の扱いなど、ほかの欄に収まらない説明が入ります。「9 出欠の記録」は学年ごとの欠席日数や出席日数で、高3の列は直近の学期末か、成績を判定した時点の数字です。出席停止や忌引きなどの日数と授業日数の2つは空けておく扱いで、遅刻や早退を書く欄はもともとありません。
大学が裏まで読むのは、そうするよう要項が求めているからです。文部科学省の令和9年度の実施要項は、大学に対し「3 各教科の学習成績の状況」の欄だけで済ませず、ほかの記載も有効に使うよう書いています。推薦は、要項の言葉で「調査書を主な資料としつつ」評価する入試です。平均の数字だけで合否が決まるなら、推薦を一般選抜と別に置く意味は薄れます。裏の5つの欄は、その主な資料の片面にあたります。
同じ節には、大学が重要と考える教科や科目を指定し、その単位の修得や一定以上の評定を出願の条件にしてよい、とも書かれています。学校推薦型選抜の評定の条件が、全体の平均ではなく特定の教科の数字で書かれていることがあるのはこのためで、どの欄の数字を指す条件なのかは、募集要項の出願資格の欄で読み分けてください。調査書の使い方は大学が年によって変えることもあり、Q&Aはそうした変更をできるだけ早く知らせるよう大学に求めています。去年の要項の書き方を、今年もそのまま信じないことです。
裏の欄は面接ともつながります。Q&Aは、出欠の状況が判定に響く場合に、大学が欠席の理由を面接などで本人に確かめる対応を例に挙げ、本人に責任の無い病気や事故による欠席は、高校がその旨を調査書の備考欄に書く対応も並べています。手元の書類が質問の種になる、と考えて準備するのが自然です。
何通を、いつ頼むか—出願先を数えるところから
2027年度入試の推薦は、2026年11月1日以降に出願を受け付ける決まりで、その受付はもう始まっています。これから出す高3にとって、調査書の段取りは先延ばしにできない作業です。
調査書は、出願先の大学がそれぞれ求める書類で、要項は一般選抜も含めて、大学が調査書の提出を求める形を基本にしています。だから最初にやるのは、頼むことではなく数えることです。たとえば推薦で2つの大学に出し、決まらなかったときの一般選抜で3つを考えているなら、出願先は5つです。その5つの募集要項を開き、提出書類の欄で、調査書が出願ごとに1通いるのか、同じ大学なら学部や日程が違っても1通でよいのかを確かめます。読んでもわからなければ、大学の入試の窓口に聞けば答えが出ます。一般選抜のぶんを推薦のときにまとめて頼むか、あとで改めて頼むかは、高校の申し込みの決まりに合わせます。
次に時期です。調査書は、原案、委員会の審議、校長の作成という手順を高校の中で通るので、申し込んだその日に受け取れる紙ではありません。申し込みの方法と締切、受け取れる日は、高校の進路指導の案内に書かれています。それを出願の締切から逆に並べ、郵送にかかる日も足して、間に合う申し込みの日を決めます。推薦書も調査書とは別の書類として校長の名で出るので、頼む窓口と締切が同じかどうかも、このとき確かめておきます。
受け取った封筒は、自分では開けません。封を切ってよいか、切ってしまった物をどう扱うかは、高校の指示と募集要項の提出書類の欄に従うもので、本人が決めることではありません。大学の側も、出願書類が本物であることを確かめるよう要項で求められています。中身を知りたいときは、写しを見せてもらえるかどうかを担任か進路指導の先生に尋ねてください。見せるかどうかを決めるのは高校です。
高2の人は、来年の様式や扱いを来年の要項で確かめることになります。2028年度入試(令和10年度)の要項はまだ出ていないので、今年の9つの欄で形を覚えておき、変わった所だけを来年に読み足すのが近道です。
よくある質問
高校を途中で転校しました。前の高校の成績は載りますか
載ります。いまの高校が前の高校の指導要録の中身を写して備考にその旨を書くか、調査書には写さずに前の高校の指導要録の写しを添えて備考に書くか、どちらかの方法で作ります。どちらにするかを決めるのは、いまの高校の校長です。海外の高校から編入した場合は、海外にいた期間の評定と修得単位数を空欄にし、事情を備考で説明する扱いです。
卒業してから推薦を受ける場合も、調査書は出ますか
出ます。過年度卒業者は前の様式のままで構わず、枚数の決まりもありません。指導要録には保存期間があり、入学や卒業などの記録は卒業後20年、指導の記録は卒業後5年を過ぎると、原則として調査書に書かなくてよいことになっています。調査書が手に入らないときは、卒業証明書や成績通信簿で代える措置を大学が募集要項などで知らせるのが望ましい、と要項にあります。卒業後でも出せる推薦かどうかは出願資格の欄で決まるので、そこを先に読んでください。
通信制や単位制の高校でも、同じ調査書ですか
同じ様式です。「1 氏名・学校」の欄で全日制・定時制・通信制のどれかが示され、学年で教育課程を区切らない課程では、様式の「学年」を「年度」と読み替えて書きます。単位制による課程であることは備考の欄で明示されます。読み替えや書き足しはあっても、9つの欄の並びそのものは全日制の生徒と変わりません。
書くことが多くて1枚に収まらないと、不利になりますか
両面1枚が原則で、やむを得ず別紙を付けるときは、高校が提出先の大学に扱いを確かめることになっています。大学の側には、別紙の付いた人と付いていない人とで判定が不公平にならないよう気を配ることが求められています。量で差がつく書類ではないので、本人が気にかけるべきなのは、欄の中身が志望理由書や面接の話と食い違っていないかどうかです。
確かめる順番
今週のうちに、次の順で手を動かします。図3の5段が、そのまま順番です。
- 出願先を数える。推薦で出す大学と、決まらなかったときに出す大学を、一般選抜も含めて1枚の紙に書き出します。
- 要項の提出書類の欄を読む。出願先ごとに、調査書の通数、封をしたまま出す指示の有無、推薦書と一緒に出すかを確かめ、読んでもわからない点は大学の入試の窓口に聞きます。
- 高校の申し込みと締切。進路指導の案内で、調査書と推薦書の申し込み方、締切、受け取れる日を確かめ、出願の締切から逆に並べます。
- 担任に事実を伝える。学校の外で続けてきた活動や、病気やけがで休んだ事情など、学校の記録に残っていないかもしれない事実を、原案ができる前に渡します。
- 封のまま出願する。受け取ったら封筒の数と宛先を数え、封を切らずに出願書類と一緒に送ります。

個別指導で確かめること
武蔵境の教室で推薦の書類と面接を受け持っていても、調査書そのものが授業の机に出てくることはありません。そこで、通知表の評定を学年ごとに並べ直し、表の2と3の欄に載るはずの数字と4の段階を生徒と計算し直して、出願資格の条件と照らします。裏の欄に載りそうな探究や行事の事実も書き出し、志望理由書と面接の答えがそれと食い違わないかを、声に出して確かめます。担任に渡す事実のメモを、出願先の一覧と並べて1枚に整えるところまでが、授業の中で扱う範囲です。
まとめ
調査書は、受け取った時点でもう書き換えのきかない紙です。中身を決めるのは3年分の記録で、その記録を付けるのは高校です。それでも、出す通数と期限と宛先を決めること、学校の知らない事実を担任へ届けること、封を切らずに出願の封筒へ入れることは、本人の手に残っています。高2なら、調査書の高3の列は、まだ一字も書かれていません。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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