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不登校の回復期に勉強を始めていいか—始めてよい合図と、始めるときの強さ|武蔵野個別指導塾

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起きる時刻、好きなこと、外出、学校の話への返事。この四つの合図を二週間記録し、三つ続いたら読むだけ、1問、10分と強さを一段ずつ上げる家の手順と、切り出す一言の例を載せています。

始めてかまいません。ただし、始める日を決めるのは親の焦りではなく、二週間ぶんの暮らしの様子です。起きる時刻がそろう、好きなことに自分から向かう、玄関の外へ出る、学校の話題に返事がある。この四つのうち三つが続いていたら、最初は「読むだけ」から入り、「1問」、「10分」と一段ずつ強さを上げます。病院や相談機関にかかっているなら、そこの見立てが先です。今夜の最初の一手は、親の手帳に、お子さまが今朝起きた時刻を書き込むことです。

よくあるのは、昼まで寝ていた子が、朝ごはんの時刻に起きてきた三日目という場面です。一日目はたまたまだと思い、二日目は何も言わずにトーストを一枚多く焼きました。三日目、牛乳をコップに注ぐお子さまの横顔を見ているうちに、「そろそろ勉強も」という言葉が喉元まで上がってきます。言えば崩れる気がする。言わなければ、このまま季節が一つ過ぎていく気もする。どちらにも決めきれないのは、決めるための材料が、まだ手元にそろっていないからです。

始めてよいかを見る四つの合図

不登校の「回復期」は、家庭や支援の場でよく使われる呼び方で、医学の診断ではありません。ある朝を境に切り替わる線が引かれているわけでもありません。文部科学省の令和元年の通知は、「不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」と書いたうえで、学業の遅れや、進路を選ぶときに不利になるおそれにも目を配るよう求めています。休んでいる時間には意味がある。それでも、勉強に戻る日はいつか視野に入れておきたい。この二つを同時に抱えておくための物差しとして、家の中で見える四つの様子を使います。

起きる時刻がそろう

見るのは早起きではなく、そろうことです。昼の12時でも、毎日12時前後に起きてくるなら、合図の一つに数えます。生活の時刻がそろってくると、一日の中に勉強の枠を置ける場所が生まれます。反対に、朝7時に起きた翌日は夕方まで眠る、という波が続くうちは、枠を置いても枠ごと流れてしまいます。一日の早起きに喜びすぎず、一週間の幅で眺めてください。

好きなことに向かう

ゲーム、絵、料理、動画、プラモデル。中身は何でもかまいません。見るのは、誰にも言われずに始めて、途中で放り出さずにしばらく続いたかどうかです。好きなことに注げる力が戻ってくると、その一部を勉強へ回す余地も出てきます。好きなことにさえ手が伸びない日が続いているうちは、勉強の入口もまだ閉じていると考えます。

玄関の外へ出る

コンビニへ一人で行く。家族の買い物について来る。夕方に少しだけ歩く。行き先が学校の方角でなくてもかまいません。家の外とつながる動きが戻ってきたかを見る合図です。勉強はいずれ、先生や教室という家の外のものとつながっていくので、この合図はあとになって効いてきます。

学校の話題に返事がある

学校からお便りが届いた。同じ学年の子を近所で見かけた。そうした話が暮らしの中で自然に出たとき、「ふーん」の一言でも返事があるか、黙って部屋を出ていくか。返事の中身は問いません。ただ、合図を確かめたくて、わざと学校の話を持ち出すのはやめてください。試された側にとって、それはいちばん重い話題になります。

図1のように、四つは横に並んだ合図で、順番も点数もありません。記録を付けた二週間のうち、後半の一週間で三つ以上が続いていたら、勉強の話を一度だけ出してよい時期と考えます。二つ以下なら、記録をもう一週間続けます。合図は行ったり来たりするもので、一日崩れたからといって、数え直しを最初からやる必要はありません。

図1 始めてよいかを見る四つの合図と、勉強の話を出す目安

病院や相談機関にかかっている場合は、この四つより、そこでの見立てを先に置きます。家の中で見える様子と、診察室や相談室で見えている様子は、同じとは限らないからです。

家でできる手順

  1. 今夜、記録の置き場所を決めます。使うのは親の手帳か、スマートフォンのメモです。冷蔵庫に貼るカレンダーは使いません。見張られていると感じた時点で、合図そのものが引っ込んでしまうからです。日付の横に起きた時刻を書き、残りの三つの合図があった日には、「好」「外」「返」の一字ずつを書き添えます。
  2. 二週間は、印を付けるだけにします。この間は勉強の話をしません。「最近どう」と様子を尋ねることも控えます。親が黙っている二週間は長く感じますが、合図を言葉で引き出そうとしないことが、記録をゆがめないための条件です。
  3. 十五日目の夜に数えます。後半の一週間で、起きた時刻が前後1時間の幅に収まった日、好きなことに向かった日、外へ出た日、学校の話に返事があった日を、それぞれ数えます。一週間のうち4日以上あった合図を「続いている」とし、三つ以上が続いていれば次の手順へ進みます。足りなければ、もう一週間記録します。
  4. 見立てを聞きます。病院や相談機関にかかっているなら、次の受診か面談に手帳を持っていきます。聞くのは一つで足ります。「家で、教科書を読むだけの時間を作ってみてもいいでしょうか」。止められたら、その答えに従い、次にいつ聞き直せばよいかも確かめておきます。どこにもかかっていない場合も、学校のスクールカウンセラーに同じ問いを預けておくと、始めるかどうかの判断を親だけで抱えずに済みます。
  5. 切り出す時刻を選びます。起きてすぐと、食事の席は避けます。お子さまが好きなことに一区切りをつけて、居間で手が空いている時間を待ちます。言葉は一回だけで、ふだんの様子の話とはつなげません。「ちょっと相談。教科書を読むだけの時間を、一日に一回作ってみる?作らない、でもいいよ」。答えが「やらない」なら話はそこで終え、「じゃあ次の日曜にもう一回だけ聞くね」と、次に聞く日だけを伝えます。
  6. 段階1は「読むだけ」です。本人が選んだ一冊を、本人が選んだページから読みます。書かない、解かない、答え合わせもしない。親は中身を尋ねません。本人が「読んだ」と言ったら、その日はおしまいです。これが3回続いたら、次の段階を本人に持ちかけます。
  7. 段階2は「1問」です。問題を一つ解いて終わります。本人がもう少しやると言っても、その日は2問までで止めます。やりたい気持ちが少し残ったまま終わるほうが、翌日に机へ向かう足が軽くなるからです。丸つけは、本人が見たいと言ったときだけ一緒にします。これも3回で次へ進みます。
  8. 段階3は「10分」です。台所のタイマーを10分に合わせ、鳴ったら途中でも止めます。解きかけの問題は、翌日の最初の一問に回します。10分より長くするかどうかは、次の見直しの日に本人と相談して決めます。
  9. 週に一度、見直しの日を置きます。たとえば日曜の夜に、手帳の一週間ぶんを見て、「上げる」「保つ」「戻す」のどれにするかを手帳の印で選びます。上げるときは本人に持ちかけて一緒に決め、保つときと戻すときは一言で伝えます。上げるのは、同じ段階を3回、合図を減らさずにこなせたときだけです。合図が二つ以下に減った週は、一段だけ戻します。10分なら1問へ、1問なら読むだけへ。読むだけの段階で合図が減ったときは、週に一度「読む?」と聞くだけにして、読むかどうかは本人に任せます。

図2のように、段階は三つしかなく、上がるときは3回ずつ、戻るときは一段ずつです。この手順の要は、上がる速さより、戻るときの幅の小ささにあります。崩れた週に全部をやめてしまうと、もう一度読むだけに戻るまでに、二週間の記録からやり直すことになるからです。一段だけ戻すと決めておけば、崩れた週も「続いている途中」のまま扱えます。

図2 読むだけ、1問、10分と一段ずつ上げ、合図が減ったら一段戻す

勉強の話を切り出す言葉

切り出すときの言葉と、始めたあとの言葉は、同じくらい先の流れを左右します。言いがちな言葉と、その言い換えを五組並べます。

回復を勉強の前ふりにしない

元気な様子のすぐあとに勉強の話が続くと、お子さまは、元気な姿を見せること自体を避けるようになります。合図が隠れてしまえば、手帳の記録も意味を失います。目に見えた様子は様子のまま口にして、勉強とはつなげずに置いておきます。勉強の話は、手順5の一回にまとめて切り出します。

量の話を先にしない

遅れの話は量の話です。読むだけの段階では、量を測る必要がそもそもありません。最初に要るのは、教科書を開いて閉じても何も起きなかった、という経験のほうです。

「だけ」を後から増やさない

「だけ」が後から増えると、次に親が言う「だけ」が信用されなくなります。約束の量で止めるのは親の側です。物足りなさそうな顔をしていても、そこで止めたという事実が、翌日の1問へ向かう敷居を低くします。

褒めた直後に次の量を置かない

褒め言葉のすぐあとに次の量が来ると、褒め言葉そのものが、要求の前置きに聞こえるようになります。できた日に返すのは、できた事実をなぞる短い一言で足ります。量を変える話は、見直しの日まで取っておきます。

前の日と比べない

前の日と比べる言葉は、できた日の記憶まで重たいものに変えてしまいます。理由を聞かれても、本人にも言葉にできないことがあり、黙るしかなくなります。タイマーを机の端に置いておくのは、入口は開いたままだと、言葉を使わずに伝えるためです。

やりがちな三つのずれ

1. 合図一つで始めてしまう

朝ごはんの時刻に起きてきた三日目に、机を片付けて教科書を並べておく。気持ちはよくわかります。ずれているのは、起きる時刻が四つの合図のうちの一つにすぎず、しかも三日では一週間の幅にもなっていない点です。直し方は、二週間の手帳の印で決めることです。三日目の朝は、トーストを焼くだけで十分です。

2. 最初から元の量に戻そうとする

休んでいた分を取り戻そうとして、初日から1時間の勉強を組んでしまう。ずれているのは、段階を飛ばしたぶん、できなかった1時間がそのまま「やっぱり無理だった」という記憶として残る点です。直し方は、親から持ちかけるときは、どれだけ遅れていても読むだけから入ることです。遅れを数えるのは、10分が安定してからでも遅くありません。

3. 一日の様子で上げ下げする

読めた日の夜に翌日の量を増やし、やらなかった日に「もうやめよう」と全部を片付ける。ずれているのは、一日の波で決めると、本人の側から基準が見えなくなる点です。昨日は褒められて量が増え、今日は何も言われずに全部が消える。これでは、何をすれば続くのかがわかりません。直し方は、上げるのも戻すのも見直しの日に、手帳を見て決めることです。

図3のように、三つのずれはどれも、親の手元にある記録より、その日の気持ちが先に動いたときに起きます。記録を見てから動く、という順番を一つ守るだけで、三つとも避けやすくなります。

図3 回復期の勉強でやりがちな三つのずれと直し方

よくある質問

回復期に入ったように見えるのに、勉強だけはしません。待っていていいですか。

待ってかまいませんが、ただ待つのではなく、手帳を見直してください。四つの合図のうち、どれがそろっていて、どれが欠けているか。起きる時刻と好きなことはそろっていても、学校の話になると部屋を出ていくなら、勉強の話もまだ、学校の話と同じ重さで届いているのかもしれません。暮らしの合図より勉強は一歩遅れて戻ってくる、と考えておくと、待つ時間の見え方が変わります。そのうえで、週に一度の「読むだけ、やってみる?」は続け、断られても記録はやめません。四週続けて断られ、合図も増えないときは、手帳を持って学校のスクールカウンセラーか、市の教育支援センターに相談してください。

本人から「勉強したい」と言い出しました。すぐに1時間やらせてもいいですか。

自分から言い出したのは大きな合図です。読むだけを飛ばして1問から入ってかまいません。ただ、「やりたい」と「続けられる」は別のもので、2問までの決まりは同じにします。言い出した日の勢いのまま1時間に入ると、翌日に同じ量が重くのしかかります。お子さまには理由をそのまま伝えてください。「最初の週は短くしよう。長くするのは日曜に一緒に決めよう」。言い出した気持ちを止めるのではなく、続く形に置き直す言い方です。

病院で「まだ無理をさせないで」と止められています。勉強の話は出さないほうがいいですか。

その見立てに従ってください。そのうえで、「無理」の中身を次の受診で確かめます。教科書を読むだけの時間も無理に入るのか、それとも学校の課題を期限どおりに出すことを指しているのか。手帳を見せながら尋ねると、家で見えている様子を医師に伝える材料にもなります。答えが出るまでは、手順の1から3の記録だけを続け、勉強の話を家の判断で先に進めないでください。

学校と相談先で確かめること

学校の担任やスクールカウンセラーには、次の四つをそのまま聞けます。

家での学習を出席や成績の上でどう扱うかは、在籍している学校が判断することなので、三つめの問いのついでに尋ねておくと話が一度で済みます。生活や気持ちの様子の相談は、武蔵野市なら教育支援センター、家庭への訪問や市の学びの場の見学を相談したいときは、市のスクールソーシャルワーカーが窓口です。都内全体では、東京都教育相談センターが保護者からの相談を受けています。武蔵野市にお住まいでない場合は、地元の市の教育相談へ。体や心の不調が気になるときは医療機関です。どこへ行くときも、二週間ぶんの手帳を持っていくと、話の出発点がそろいます。

個別指導で確かめること

武蔵境の教室で1対1の授業を始めるときは、まず家の手帳で、いまどの段階にいるかを聞きます。授業もその段階から入り、授業の中で段階を上げることはしません。読むだけの段階なら、講師の横で教科書を眺め、声に出すかどうかも本人に任せます。家で1問まで来ているなら、授業でも1問を解き、親以外の大人の前で鉛筆が動くかを確かめます。

確かめるのは、正解かどうかより、間違えたときに手が止まるか、終わりの時刻に「もう少し」と言うか「やめたい」と言うかです。その様子を家に伝え、次の見直しの日に使ってもらいます。学年をどこまでさかのぼるかを考えるのは、10分が安定してからです。

まとめ

三日目の朝に飲み込んだ一言は、消えたわけではありません。手帳の印が三つそろった週に、読むだけという一番軽い形に変えて、一度だけ口にすれば足ります。崩れた週は一段戻り、また印を数える。そのくり返しの最初の一歩として、トーストを一枚多く焼いた朝の判断は、間違っていませんでした。

「落ち着いている」は、「学んでいる」ではない。

武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。

まず15分だけ電話で話したい方は、無料電話相談(15分)から。塾からお電話を差し上げます。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

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