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指定校推薦を目指すなら模試は受けるか—校内の評定と模試の結果の使い道|武蔵野個別指導塾

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推薦一本に決めた高2が模試をやめる前に、校内選考で模試を使うかを先生に聞く3つの質問と、成績表で落とした設問を定期テストの日割りへ入れる手順が読めます。

指定校推薦(学校推薦型選抜のうち、大学が指定した高校から推薦を受けるもの)を目指す高2でも、模試は受けてください。自分の高校が校内選考で模試の結果を見るなら、受けないことは、選考の材料を自分から一つ捨てることになります。見ない高校でも、模試の使い道は二つ残ります。校内で選ばれなかったときに一般選抜へ切り替えるための足場と、入学してからの授業に耐える範囲の広い力の点検です。減らしてよいのは受ける回数で、成績表を読む手間ではありません。E判定が出ても、それは一般選抜での目安なので、推薦を目指すのをやめる理由にはなりません。

よくあるのは、高2の10月、模試の申込用紙が配られた日の帰りに「指定校推薦で行くから模試はいらない」と言い出す場面です。机の上には定期テストの範囲表と、評定を足して科目の数で割ったメモが並んでいます。定期テストの前の2週間は誰より熱心で、答案の点も悪くありません。ところが、範囲の決まっていない勉強の時間は、1週間の予定のどこにも書かれていません。前の学年で習った文法の設問を、本人は「もう終わったところ」と呼びます。

指定校推薦の関所は二つ、模試はそのどちらとも別の物差し

推薦の道には、関所が二つあります。一つ目は高校の中の校内選考です。大学から高校に届いた推薦の枠に、だれを出すかを高校が決めます。基準を決めるのは高校なので、評定だけで決めるのか、出欠や活動の記録も見るのか、模試の結果を使うのかは、自分の高校の先生に確かめるしかありません。先輩の年度の話や、別の高校の話が、そのまま自分に当てはまるとは限りません。

二つ目は大学の選考です。学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦を受けて出願し、大学が調査書を主な資料にして評価する入試です。文部科学省の令和9年度の実施要項は、この選抜を、本人の希望だけでは出願できず、その大学で学ぶのにふさわしいかを校長が判断するもの、と位置づけています。そのうえで、書類だけで決めずに、教科のテスト、共通テスト、小論文や面接、資格・検定試験の成績などのうち少なくとも一つを必ず使い、そのことを募集要項に書くよう大学に求めています。志望する大学が何を使うかは、その大学の募集要項で確かめます。

「指定校推薦」という言葉は、要項の用語ではありません。要項は「学校推薦型選抜」と書き、その中で、高校と大学が緊密に連携して行う「非公募型」の推薦に触れています。合格したら入学すると約束して出願する推薦なら、枠を使うことは、ほかの大学を一般選抜で受ける道を自分で閉じることでもあります。約束が要るかどうかは、高校の先生と募集要項で確かめてください。模試の結果は、その枠を使うかどうかを家族で話すときの材料にもなります。

模試は、この二つの関所のどちらとも別の物差しです。高校の外で作られた同じ問題を、同じ時間で、多くの受験生が解きます。範囲は、定期テストのように2週間前に知らされる数課ではなく、それまでに習ったところ全部です。評定は、授業と定期テストなどから先生がつける成績で、範囲の決まった勉強をきちんとこなした記録です。模試の点は、範囲の決まっていない勉強がどこまで頭に残っているかの記録です。教室で答案を並べると、定期テストでは学年の上のほうにいる生徒が、模試では前の学年の単元の設問を続けて落としている、という形がよく見えます。定期テストは直前の2週間で範囲を詰められても、模試の範囲は2週間では詰めきれないからです。

指定校推薦を目指す生徒が模試をやめると、後のほうの記録が途切れます。図1のように、推薦の道の途中で校内選考に選ばれなかったとき、もう一本の道へ移る足場がなくなるのです。

図1 校内選考と大学の選考、選ばれないときの一般選抜の道

図1の下の道は、使わずに済めばそれで構いません。ただ、使うことになってから作り始めると間に合いません。令和9年度(いまの高3)の日程で数えてみます。学校推薦型選抜は、入学願書の受付が2026年11月1日以降、判定結果の発表は早くても2026年12月1日です。共通テストの本試験は2027年1月16日(土)と17日(日)です。12月1日から1月16日までは46日しかありません。校内選考は出願より前にあるので、その結果は願書の受付より前に出ます。時期を決めるのは、やはり高校です。高2のみなさんの年度の日程は、その年度の要項が出てから確かめてください。

高2の秋から校内選考の結果まで、模試を6つの手順で組み込む

手順は、先生に聞く、予定を1枚に重ねる、受ける回を選ぶ、成績表を読む、落とした単元を戻す、結果で道を分ける、の6つです。どれも、定期テストの勉強を削らずに入る大きさにしてあります。

  1. 高校の先生に3つ聞く(今週中に、1回5分)。一つ目は、校内選考で模試の結果を見るか、見るならどの時期のどの模試か。二つ目は、校内選考の時期と、そのとき対象になる評定がいつまでの分か。三つ目は、志望する大学の推薦で、面接や小論文、教科のテストなどの何があるか、募集要項のどこを見ればよいか。答えは日付と先生の名前と一緒に、手帳の最初の頁に書きます。前の年と同じとは限らないので、高3の春にもう一度聞きます。
  2. 定期テストと模試を1枚の紙に重ねる(15分)。学校の年間予定表と模試の案内を並べ、定期テストの日と模試の日を同じ紙に書き込みます。定期テストの2週間前の線を赤で引き、その中に入る模試に印をつけます。紙が2枚に分かれていると、どちらか一方だけを見て予定を立ててしまいます。
  3. 受ける回を選ぶ(10分)。手順1で校内選考に使うと言われた模試は、必ず受けます。使わないと言われた場合でも、受けるのをゼロにはしません。定期テストの2週間前に重なる回だけを見送り、その前後の回を受けます。塾では、校内選考の結果が出るまで、学期に1回は受けるところから始めます。部活の大会と重なって学期に1回も受けられないときは、学校で申し込む模試を1回だけ残す形に直します。
  4. 成績表が届いた日に20分だけ読む。判定の文字は最後に見ます。先に見るのは、設問ごとの出来がわかるところです。落とした設問を、習っていなかった、習ったのに落とした、時間が足りなかった、の3つに分けて、ノートに3列で書き出します。推薦の準備に効くのは真ん中の列です。習ったのに落とした設問は、評定をつけた授業の範囲の中にあるからです。
  5. 真ん中の列の単元を、教科書の課に戻す。たとえば英語で、関係代名詞を使った長い一文が読めずに設問を落としたなら、その文法を扱った教科書の課まで戻って、本文を声に出して読み直し、関係代名詞の文だけを書き写して訳します。

図2のように、成績表から単元へ、単元から教科書の課へ、課から定期テストの日割りへ、という順で、模試で見つけた抜けを評定の勉強の中に入れていきます。図2の1と2が手順4の20分に、3と4が手順5にあたります。判定の文字は、この流れのどこにも出てきません。

図2 成績表の落とした設問を定期テストの日割りへ入れる流れ

戻る時間は、定期テストとの距離で変えます。次の表は、部活のある高2が、ふだんの平日は1時間前後、テストの2週間前からは1時間半から2時間あまり、家で机に向かえるときの、塾での始め方の例です。

時期 範囲の決まった勉強(評定のため) 範囲の広い勉強(模試で見つけた単元)
定期テストの4週前 授業の復習 1日20分 1日30分
定期テストの3週前 授業の復習と提出物 1日20分 1日30分
定期テストの2週前 範囲表どおりの日割り 1日90分 1日10分
定期テストの1週前 範囲表どおりの日割り 1日120分 1日10分
定期テストの翌週 答案の直し 1日30分 1日30分に戻す

テストの前の2週間は、右の列を10分まで縮めますが、ゼロにはしません。10分あれば、前の週に読み直した課の本文を1回声に出して読めます。表の時間が多すぎるときは、右の列の10分は残したまま、左の列を先生に言われた提出物の量に合わせて組み直してください。少なすぎて物足りないときは、右の列から先に増やします。

  1. 校内選考の結果で道を分ける。選ばれたら、出願と、募集要項に書かれた面接や小論文などの準備に移ります。模試は受けなくてよくなりますが、手順4のノートは捨てません。要項は、入学手続をとった人に、必要に応じて入学までの課題を出すなどの準備に努めるよう大学に求めていて、12月までに手続をとった人には特に積極的に行うよう書いています。入学前の課題や大学の最初の授業で、ノートの真ん中の列が役に立ちます。選ばれなかったら、その日のうちに一般選抜の道へ移ります。ノートの3列を全部の科目について見直し、残りの週に単元を割り振ります。模試をやめずに続けてきた人は、この割り振りを、白紙からではなく単元のリストから始められます。

「推薦だから」で始まる4つのつまずき

1つ目は、模試をまとめてやめてしまうことです。「推薦なら関係ない」と一度決めると、申し込みの紙を見ることさえしなくなります。こうなると、手順4のノートが一行も増えないまま高3の秋を迎えます。直し方は、やめる代わりに回を選ぶことです。手順2の紙で、定期テストの2週間前に重ならない回を一つ選び、その日だけは予定を空けておきます。

2つ目は、E判定を見て、推薦で目指していた大学まで手放してしまうことです。判定は、その模試の点から見た一般選抜での合格の可能性の目安で、文字が何%を表すかは、受けた模試の成績表の説明欄に書かれています。校内選考は高校の基準で行われ、大学の選考は調査書を主な資料に行われるので、判定の文字が推薦の結果を決めるわけではありません。ただ、評定が高いのに模試がEなら、定期テストの範囲を詰める力はあっても、範囲の広い力が足りていない形です。推薦を軸にしたまま、表の右の列を守ってください。大学に入れば、範囲を2週間前に知らせてくれる授業ばかりではありません。推薦の枠を使うか、一般選抜で別の大学を狙うかは、本人と家族が話して決めることです。判定の文字一つで決めず、手順1の答えと成績表の中身を並べてから話し合います。

3つ目は、校内選考で模試を使うと聞いて、模試の点を上げるために定期テストの勉強を削ってしまうことです。推薦の土台は評定で、模試はその上に重ねる材料です。表の2週前と1週前の行は、模試を使う高校でも変えません。模試の前の週が定期テストの2週間前より外にあるときだけ、右の列を40分に増やします。それ以上、模試のために左の列を削ることはしません。

4つ目は、判定がよかったときに、推薦の枠を使うかどうかを迷い続けることです。迷うこと自体は悪くありませんが、校内選考の申し込みが過ぎてからでは選べません。手順1で聞いた時期の1か月前を、家族で話す日として紙に書いておきます。

図3は、評定と模試の出来の組み合わせごとに、次に何をするかを並べたものです。

図3 評定と模試の出来の組み合わせで決める次の一手

図3の左上は、評定が高く模試が低い形で、2つ目のつまずきが起きる場所です。推薦を軸に、範囲の広い勉強を足します。どちらも高い右上は、4つ目のつまずきが起きやすい形で、推薦か一般選抜かを家族で決める日を先に置きます。評定が低く模試が高い右下は、校内選考の基準しだいで推薦が遠くなることもあるので、一般選抜も本線として準備します。どちらも低い左下は、判定を眺めるより先に、授業の単元から戻ります。

確かめの問題

問1 ある高2は、担任の先生に確かめて、自分の高校の校内選考では模試の結果を使わないとわかりました。そこで、届いた模試の成績表を開かずに捨てるようになりました。基準を先生に確かめた点はよいのですが、成績表を捨てるのは惜しい理由を2つ答えてください。

問2 たとえば、校内選考で選ばれなかったとわかった日から、一般選抜の最初の試験の日まで64日あるとします。そのうち8日は学校の行事などで入試の勉強ができません。残りの日に1日3時間ずつ入試の勉強をすると、合わせて何時間になりますか。また、模試の成績表から書き出した単元が14あるとき、1つの単元に平均で何時間あてられますか。

問3 推薦を目指す高2が、模試の数学で、確率の大問をまるごと落としました。確率は評定をつけた授業の範囲に入っていますが、次の定期テストの範囲には入っていません。次の定期テストまで5週間あるとき、確率の戻りをどう組むかを、本文の手順を使って答えてください。

答えと考え方

問1 1つ目は、校内選考で選ばれなかったときに一般選抜へ移る足場になることです。落とした設問の一覧があれば、残りの日に何を割り振るかを白紙から考えずに済みます。2つ目は、入学してからの授業に備える点検になることです。範囲の決まっていない力がどこで欠けているかは、定期テストの答案だけでは見えません。さらに、習ったのに落とした設問は評定をつけた授業の範囲の中にあるので、次の定期テストの勉強にもそのまま入れられます。

問2 勉強できる日は 64 − 8 = 56 日です。56 × 3 = 168 で、合わせて168時間です。168 ÷ 14 = 12 で、1つの単元に平均12時間あてられます。実際には単元ごとに重さが違うので、平均の12時間を目安にしながら、落とした設問の多い単元から厚く割り振ります。

問3 確率は「習ったのに落とした」の列に入る単元です。定期テストの2週間前より前の3週間は、1日30分を確率の戻りにあて、教科書の確率の課の例題から解き直します。2週間前からは定期テストの範囲を優先し、確率は1日10分に縮めて、前の週に解いた例題を1問だけ解きます。テストが終わった翌週に1日30分へ戻し、次の模試で確率の大問の出来を見て、戻りが足りたかを確かめます。

保護者が家でできること

お子さまが「推薦だから模試はいらない」と言ったとき、すぐに賛成も反対もしないでください。最初に聞くのは一つだけです。「校内選考で模試を使うか、先生に聞いてみた?」。聞いていなければ、手順1の3つの質問を紙に書き、三者面談か次の面談に一緒に持っていきます。

言わないほうがよい言葉もあります。「E判定なら推薦も無理なんじゃない」は、判定と推薦の選考を混ぜてしまう言い方です。「この成績表で、次の定期テストの勉強に入れられる単元はどれ?」と言い換えると、話が真ん中の列に向きます。「推薦なら模試なんて受けなくていいでしょう」も、本人が先生に確かめる前に結論を出させてしまいます。「受ける回を一つだけ選ぶなら、どれにする?」と聞けば、ゼロか全部かの話になりません。

成績表が届いた日は、判定の欄を見せてもらうより先に、お子さまが書き出したノートの3列を見せてもらってください。真ん中の列に単元が書いてあれば、その日の確かめは十分です。推薦の枠を使うか、一般選抜で別の大学を目指すかは、校内選考の申し込みより前に一度、家族で話す時間をとります。その場でも、答えを出すのはお子さまとご家族の話し合いで、判定の文字ではありません。

個別指導で確かめること

模試で落とした設問を1問ずつ開き、どの学年のどの単元まで戻れば解けるのかを、答案の途中の書き込みから確かめます。英語なら、読めなかった一文に線を引いてもらい、どの語で手が止まったかまで聞きます。戻る単元が決まったら、次の定期テストの日割りのどの週に何分で入れるかまで、その日のうちに決めます。高校の先生から聞いた校内選考の基準も書き写させてもらい、手順3で選んだ受ける回と食い違っていないかを見ます。

まとめ

指定校推薦の準備の中心は評定で、模試はその代わりにはなりません。それでも模試をやめないのは、校内選考に選ばれなかった日と、入学して最初の授業の日のためです。成績表の真ん中の列だけは、毎回書き出しておいてください。推薦の切符を握っていても、模試の成績表を捨てた日から、その切符は一本きりの綱になります。

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