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勉強がわからないとやる気がなくなる—止まった問題で何分粘り、どこまで戻るか|武蔵野個別指導塾

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家で一人のときに止まった一問は、中学生なら10〜15分で区切ります。教科書の例題、一つ手前の知識、もう一度解く、の順に手を動かし、解けなければ印と質問の一文を残して次へ進みましょう。

勉強がわからないとやる気がなくなるのは、問題の難しさそのものより、止まったまま時間だけが過ぎて、終わりの見えない夜になるからです。家で一人のときは、中学生なら1問に粘るのは10〜15分までと先に決めてください。その時間の中で「教科書の例題を探す」「一つ手前の知識に戻る」「もう一度解く」の順に手を動かします。戻るのは「その問題に使う知識の一つ手前」までです。時刻が来ても解けなければ、問題番号に印をつけ、どこで止まったかを一文に書いて翌日に持っていけば、その夜の勉強は止まりません。

よくあるのは、英語のワークの同じ問題を3回読んで、シャーペンを置いた夜9時という場面です。「次の文を受け身の文に書きかえなさい」という一問で、元の文は He wrote this letter. です。This letter was までは書けたのに、その先の一語が出てこない。問題文を読み、例文を読み、また問題文に戻る。3回目で手が止まり、気がつくとスマホを持っていて、机の端の数学のプリントは手つかずのまま10時を回っています。やる気はあったはずなのに、ワークの1問がその夜の残りを全部持っていきました。

なぜそうなるのか

家でわからない問題に当たったとき、机の前で起きていることを教室で見てきた形に分けると、理由は4つあります。どれも、気持ちの弱さの話ではありません。

粘る時間に終わりが決まっていない

学校の授業なら、チャイムが鳴れば次へ進みます。教室なら、手が止まった生徒に先生が声をかけます。家で一人のときには、その「ここでやめていい」という線がありません。止まった時間は、誰にも切られないまま伸びていきます。10分、20分と過ぎるうちに、頭の中は問題のことではなく「これもできない」という考えで埋まっていきます。やる気がなくなるのは、問題が解けないことより、出口のない時間を過ごしたあとの疲れのほうが大きいのです。

原因が目の前の問題にない

場面の英語の一問で止まったのは、受け身のきまりを知らなかったからではありません。write の過去分詞が written だと出てこなかったからです。受け身の説明を何回読み直しても、不規則動詞の変化はそこには書いてありません。数学でも同じことが起きます。2x + 3 = -5 のような方程式で止まったとき、実際につまずいているのは移項のきまりではなく、-5 − 3 の計算だったということがよくあります。目の前の問題は、つまずきが表に出てきた場所にすぎず、原因はたいてい一つ手前の段にあります。

図1 止まった問題と一つ前の知識、読み直しと戻る向き

図1のように、同じ問題を読み直すのは、いちばん上の段の上で同じ所を回っているだけです。一段下りなければ、原因には手が届きません。上の段で何周しても、足元の段は一度も目に入らないのです。

どこがわからないかが言葉になっていない

「わからない」と感じているうちは、何がわからないのかがまだ言葉になっていません。言葉にならないものは、教科書のどこを開けばいいかも決められず、人に聞くこともできません。「受け身がわからない」と「write の過去分詞がわからない」では、開くページがまるで違います。前者なら受け身の説明の欄、後者なら教科書の巻末に載っていることの多い不規則動詞の変化表です。わからないまま粘っている時間は、この一文を作る手前で足踏みしている時間でもあります。

順番どおりに解くことが足かせになる

ワークを1番から順に解くのはよい習慣です。けれど一つの問題で止まったとき、その習慣が足かせに変わります。飛ばすことを「ずる」だと感じる生徒ほど、止まった一問の前から動けず、その後ろにある解ける問題にも手をつけられません。1問の重さが、その夜の量全体の重さに見えてしまうのです。まじめな生徒ほど、この形で夜を失います。

今夜からの手順

止まったと気づいた瞬間から使う手順です。時間は中学生のふだんの家庭学習の目安で、図2のように15分を3つに分けて使います。高校生の長い問題では、それぞれの段を伸ばしてかまいません。

図2 止まってからの15分を例題、一つ前、解き直しに分ける

1. 終わる時刻を問題の横に書く

手が止まったら、まず時計を見て、問題番号の横に終わる時刻を小さく書きます。夜9時に止まったなら「9:15」です。書いた瞬間に、その一問は出口のある問題に変わります。長さは問題の種類で変えます。数学の文章題や英作文、理科の計算のように筋道を組み立てる問題は、考える時間そのものに意味があるので15分まで使ってかまいません。反対に、社会の用語や英単語のつづりのように、知っているかどうかで決まる問題は、知らなければいくら考えても答えは出てきません。1〜2分思い出そうとして出なければ、時刻を待たずに教科書で確かめ、覚え直しの印をつけて次へ進みます。

2. 最初の5分は、教科書とノートで同じ形の例題を探す

最初の5分は、問題から目を離して、教科書と自分のノートを開きます。探すのは、止まった問題と同じ形をした例題か、授業で写した板書です。学校のワークは、ページの端に教科書の対応するページが書いてあることが多いので、そこから開くと早く見つかります。

英語なら、その課の基本の文と文法の説明の欄を見ます。受け身なら、主語、be動詞、過去分詞の並びを例文で確かめます。数学なら、教科書の例題と、そのすぐ後の練習の問題です。例題の数字を自分の問題の数字に置きかえて、1行ずつまねてみます。理科なら、計算の手順が書かれた例と、その上の図を見ます。社会なら、本文の太字と、その前後の2〜3行を読みます。記述の問題なら、本文の中の「〜ため」「〜により」のような理由を表す言葉に線を引くと、答えの材料が見えてきます。

3. 次の5分は、一つ手前の知識に戻る

例題を見ても解けないときは、戻ります。戻る先を探すには、「この問題を解くのに何を使っているか」を2つか3つ、ノートの端に書き出します。場面の英語なら、受け身の文に使うのは「主語に合ったbe動詞」「動詞の過去分詞」「by のあとの語の形(He なら him)」の3つです。一つずつ自分でできるかを確かめていくと、止まっている所が見つかります。write の過去分詞が出てこないなら、戻る先は受け身の単元ではなく、不規則動詞の変化表です。

数学の 2x + 3 = -5 なら、使うのは「3を右辺に移すと符号が変わる」「-5 − 3 の計算」「両辺を2でわる」の3つです。答えは x = -4 ですが、止まるのは真ん中の計算であることが多く、戻る先は中1で習う正負の数のたし算とひき算です。

理科で、電圧6V、電流0.3Aから抵抗を求める問題に止まったなら、使うのは「抵抗は電圧を電流でわる」という関係と、6 ÷ 0.3 の計算です。関係は覚えているのに答えの20Ωが出てこないなら、戻る先は理科ではなく、小学校で習った小数のわり算です。戻る先は、同じ教科の中にあるとは限りません。

社会の記述の問題で止まったなら、戻る先はその出来事の一つ前の節です。「なぜ起きたか」を問う問題の答えは、その出来事のページより前に書いてあることがよくあります。

どの教科でも、戻るのは一段だけです。一つ手前を確かめたら、深追いせずに元の問題へ帰り、もう一度解きます。図1のいちばん下の段、そのまた前の知識まで下りるのは、長期休みに回します。

4. 時刻が来たら、印をつけて次の問題へ進む

書いておいた時刻が来たら、解けていなくても次の問題へ進みます。飛ばしてよいか迷ったら、次の3つを見ます。

どれか一つに当てはまれば飛ばします。飛ばす問題には、問題番号の横に印をつけます。途中まで書けた問題は三角、書き出しも見えなかった問題は番号を丸で囲む、と2種類に分けておくと、翌日に何から聞けばいいかがすぐに決まります。印をつけたら、その夜は次の問題に進むか、手が動く別の教科に移ります。英語で止まった夜なら、数学の計算練習のように、考え込まずに手を動かせるものに切り替えると、夜の残りの時間が戻ってきます。

5. 質問を一文にして、ワークごと翌日に持っていく

飛ばした問題は、その夜のうちに質問の形にしておきます。付箋かノートの端に、「どの問題か」「どこまではわかったか」「どこで止まったか」の3つを書きます。たとえば数学なら「p.48の3番。3を右に移すのはわかった。-5 − 3 が -8 か -2 か決められない」。ここまで書けていれば、質問は休み時間の2〜3分で終わります。持っていく先は、学校の教科の先生、塾の先生、同じ教科が得意な友達のどれでもかまいません。先生に聞くなら、ワークそのものを開いて、付箋を貼ったまま見せるのがいちばん早く伝わります。質問の一文ができた時点で、その問題は「わからない問題」から「明日聞く問題」に変わり、気持ちの上でも片がつきます。

学年と時期で変わるところ

中1は、戻る先が小学校の内容になることがあります。分数や小数の計算、割合、図形の面積。理科の計算で止まった原因が小数のわり算だった、という形は中1でよく見ます。戻ることへの抵抗が小さいこの時期に、止まったら一段戻る癖をつけておくと、あとの学年でそのまま使えます。

中2は、中1の内容に戻る量が増えます。英語なら過去形と不規則動詞の変化、数学なら文字式の計算と1次方程式。連立方程式で止まった原因が、中1の方程式の移項だったということも珍しくありません。

中3は、入試に向けた問題集で3年分が範囲になり、戻る先が2年前の単元ということも出てきます。止まった問題の単元名を、ノートの最後のページに書きためておいてください。それがそのまま、長期休みに戻る単元の一覧になります。

高校生は、1問の重さが中学とは違います。数学や物理の1問は、問題文を読むだけで数分かかることもあるので、粘る時間は20〜30分まで伸ばしてかまいません。戻る先が中学の内容(英語の文の形、数学の因数分解や2次方程式)になることもよくあります。高校の問題集は解説の厚いものが多いので、時刻が来たら解説を1行だけ読み、続きを自分で書くという段を挟むと、丸写しで終わらずにすみます。

時期によっても線は動きます。次の図3は中学生の目安です。

図3 ふだん、テスト前、長期休みで変わる粘る時間と戻る先

図3のように、ふだんの週は1問に10〜15分をとり、一つ前の単元まで戻ってかまいません。テスト前の2週間は、範囲を一周することが先です。粘る時間を5〜10分に縮め、戻るのはテストの範囲の中だけにします。範囲の外に原因がある問題は、印をつけてテストの後に回します。長期休みは、ふだんとテスト前にためた印を片づける時期です。粘る時間を20〜30分にのばし、前の学年の単元まで戻ってかまいません。ただし、1日に戻る単元は1つまでにしておくと、休みの終わりに今の学年の課題が手つかずで残る、ということが起きにくくなります。

よくある失敗と直し方

答えを見て「わかった」で終わる

時刻が来て解答を開き、解説を読んで「そういうことか」と納得して次へ進む。よくある形ですが、これだと翌週、同じ問題の前でまた手が止まりがちです。解説を読んでわかることと、何も見ずに解けることは別のことだからです。読んでいる間は解説の筋道を目で追っているだけで、次の一手を自分で選んではいません。直し方は、解説を読んだら閉じて、ノートの新しい行に最初から解き直すことです。解けたら印を「解説で解けた」の印に変え、2〜3日後にもう一度何も見ずに解きます。そこで解けて初めて、印を消します。

戻りすぎて、今の単元に帰ってこられない

中2が連立方程式で止まり、中1の教科書を最初から全部やり直そうと決める。1週間たっても今の単元に戻れず、学校の授業はその間にも先へ進みます。戻る先を「わからない所の全部」と考えると、穴はいくらでも見つかるからです。直し方は、戻るのを止まった問題に使う知識の一つだけにすることです。その一つを例題1〜2問で確かめたら、その夜のうちに元の問題へ帰ります。穴をまとめて埋めるのは、長期休みの予定として別に取っておきます。

印をつけたまま、次の日も開かない

飛ばすのは上手になったのに、テスト前に見返すと、ワークのあちこちに印が10も20も残っている。印をつけた時点で片づいた気になり、翌日の予定に入っていないのが原因です。直し方は、翌日の勉強の最初の10分を、前の夜の印の問題に使うと決めておくことです。質問に持っていった問題は、教わったその日のうちに一度、何も見ずに解き直します。週末に印の数を数え、先週より減っていれば、戻り方がうまく回っています。

よくある質問

わからない教科は、机に向かう前からやる気が出ません。どうすればいいですか

その教科の今日のページから始めないことです。2〜3ページ前の、前に解けた問題を2問だけ解いてから今日のページに入ると、最初の1問で止まる夜が減ります。ただし、教科全体がわからないと感じる状態が1か月以上続いているなら、家で一人の手順では追いつかない段階に来ているかもしれません。学校の先生か塾の先生に、どの単元から戻ればいいかを一度見てもらってください。戻る場所さえ決まれば、そこから先はまた15分の区切りで進められます。

わからない問題が多すぎて、やる気が出ません。1ページに印がいくつも付きます

1ページの半分以上に印が付くなら、1問ずつ15分粘るやり方は、そのページには合っていません。その日はワークを閉じ、教科書の例題をノートに写してから、例題を隠して自分で解き直すところから始めます。写すのは手抜きではなく、解き方の形を手に覚えさせる段です。例題を何も見ずに解けるようになってから、ワークへ戻ります。

学校の問題集が難しすぎて、やる気が出ません

学校の問題集は、基本・標準・発展のように段に分かれていることが多く、全部の段を同じ速さで解く必要はありません。まず基本の段だけを一周し、発展の段はテストの後に回してもかまいません。どこまでが提出の範囲か、テストに出やすいのはどの段かは学校ごとに違うので、学校の決まりと先生の指示を確かめてください。中3で入試向けの問題集に切り替わった直後は、急に難しく感じやすいものです。最初の1か月は、基本の段だけで十分と割り切ってかまいません。

保護者が手を貸すなら

お子さまがわからない問題の前で止まっているとき、「なんでわからないの」「さっきから同じページだね」という言葉は、出口のない時間をさらに重くします。かける言葉は「どこまではわかったの」の一つで足ります。答えが返ってきたら、それを付箋に書くのを手伝うだけで、翌日に持っていく質問の一文ができあがります。その教科を教えられる場合も、教えるのは一つ手前の知識だけにとどめ、元の問題はお子さまの手で解かせてください。答えを見たことを叱らないことも大事です。わからない問題とは関係なく、何日も沈んだ様子が続くときは、勉強のやり方の話はいったん横に置いて、学校の先生や医療機関に相談してください。

個別指導で確かめること

教室では、印のついた問題を一緒に開き、どの段まで下りれば手が動くかを1問ずつ確かめます。英語なら動詞の変化表、数学なら正負の数の計算まで下りることもあり、そこが解けたら、その時間のうちに元の問題へ戻って解き終えるところまで見届けます。粘る時間の長さも、問題の種類ごとに生徒と一緒に決め直します。

まとめ

夜9時にシャーペンを置いたのは、やる気が足りなかったからではなく、その一問に終わる時刻がなかったからです。時刻を書き、例題を探し、一段だけ戻り、解けなければ印と質問の一文を残す。止まった一問を翌日へ渡す手順さえあれば、置いたシャーペンはその夜のうちにもう一度持ち上がります。

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