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定期テスト400点の偏差値はいくつか—中2の400点、中3の350点を平均点と順位で読む|武蔵野個別指導塾

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学年の平均点が同じ320点でも、標準偏差が40点か80点かで400点の偏差値は70にも60にも動きます。個票の平均点と順位から位置を読む手順と、中3の350点との比べ方を計算の例で確かめられます。

5教科で400点という数字だけでは、偏差値は一つに決まりません。学年の平均点と、点の散らばりを表す標準偏差の二つがそろったとき、初めて計算できます。たとえば学年の平均点が320点なら、標準偏差が40点のとき400点は偏差値70、80点のときは偏差値60です。個票に標準偏差が無ければ、学年順位を人数で割って上位何%かを出し、表で偏差値の目安に置きかえれば足ります。中3の350点も同じ手順で読めます。中2の400点と比べるときは点数どうしを並べず、偏差値か上位の割合を並べてください。

よくあるのは、2学期の中間テストの答案が5教科そろって返ってきた日に、中2の生徒が教室の入り口で「400点いった。これって偏差値いくつ」と聞いてくる場面です。手にあるのは5つの点を足したメモが1枚だけで、学年の平均点と順位が載った個票は、かばんの底で四つ折りになっています。部活の先輩に「400点なら偏差値65はある」と言われたそうで、本人はもうその数字を信じかけています。答える前に、まずその個票を机の上に広げてもらいます。

同じ400点が偏差値70にも60にもなる—平均点と散らばりが位置を決める

偏差値は、点の高さそのものではなく、学年の点の並びの中で自分がどこに立っているかを表す数字です。並びの真ん中にあたる平均点を50に置き、そこから標準偏差1つ分だけ上にいれば60、2つ分上なら70と数えます。式で書くと次のとおりです。

偏差値 = 50 + 10 × (自分の合計点 − 学年の平均点) ÷ 標準偏差

式の中に、平均点と並んで標準偏差が入っているところが要です。平均点より80点上という同じ差でも、学年のほかの生徒が平均点のまわりに詰まっているのか、上にも下にも広く散っているのかで、その80点の重さが変わります。標準偏差は、その散らばり具合を「点」の単位で表した数字です。散らばりが小さい学年では80点の差が大きな差になり、散らばりが大きい学年では同じ80点がそれほど目立たなくなります。

たとえば平均点が同じ320点の学年を、図1のように上下に二つ並べてみます。上の学年は標準偏差が40点で、点の並びの形は細く高い釣り鐘になります。学年の点の並びが釣り鐘の形(正規分布)に近ければ、280点から360点のあいだに全体の約68%が収まり、400点より上にいる生徒はひと握りです。そのため400点は偏差値70になります。下の学年は標準偏差が80点で、釣り鐘は低く横に広がります。240点から400点のあいだに約68%が収まるので、400点は真ん中の約68%の帯のちょうど上の端にあたり、偏差値は60です。点数は同じ400点、平均点も同じ320点なのに、位置は偏差値で10も違います。図の赤い部分が400点より上にいる生徒の割合で、上の学年ではほとんど見えないほど細く、下の学年でははっきり幅があります。

図1 平均点が同じ320点でも散らばりで400点の偏差値は70と60に分かれる

標準偏差の出し方も一度だけ見ておきます。たとえば4人の合計点が270点・310点・330点・370点なら、平均点は320点です。それぞれの点から平均点を引くと -50・-10・10・50、それぞれを2乗すると 2500・100・100・2500 で、この4つの平均は1300です。1300の平方根をとった約36.1点が、この4人の標準偏差になります。差をそのまま平均すると上と下が打ち消し合ってゼロになるので、いったん2乗してから平均し、最後に平方根で点の単位へ戻しているわけです。学年の全員で同じ計算を手でするのは大変なので、個票に標準偏差が書いてあればその値を使い、無ければ次の節の順位の方法に切りかえます。

教室で見せてもらう個票には、学年の平均点と学年順位は載っていても、標準偏差の欄までは無いことがよくあります。平均点だけを手がかりに「平均より80点上だから偏差値はこのくらい」と決めるのは、図1の二つの学年のどちらにいるかを決めずに答えるのと同じです。400点の偏差値を聞かれて「平均点と、標準偏差か順位を見せて」と返すのは、もったいぶっているからではありません。式そのものが、その二つを求めているからです。

個票から偏差値を出す7つの手順—標準偏差があるときと順位しかないとき

答案と個票が返ってきた日のうちに、机の上で15分ほどあれば終わる手順です。図2のように、個票を開いたら「標準偏差はあるか」で道が二つに分かれます。あれば式に入れ、無ければ順位÷人数から表で目安を読み、どちらの道も最後は「幅で書き残す」に戻ってきます。

図2 個票の標準偏差の有無で計算の道を分け、最後に幅で書き残す流れ
  1. 個票から数字を5つ写す(2分)。自分の5教科の合計点、学年の5教科合計の平均点、標準偏差(載っていれば)、学年順位、テストを受けた人数です。平均点が教科ごとにしか書いていなければ、5教科の平均点を足すと合計点の平均になります。全員が5教科とも受けていれば、合計点の平均と、教科ごとの平均点の合計は同じ値になるからです。人数は、在籍の人数とテストを受けた人数が別に書いてあれば、受けた人数のほうを使います。

  2. 標準偏差があれば式に入れる(3分)。たとえば中2の学年の平均点が330点、標準偏差が60点で、自分が400点なら、(400 − 330) ÷ 60 で約1.17、これを10倍して50を足すと偏差値は約61.7です。電卓では「自分の点から平均点を引く、標準偏差で割る、10を掛ける、50を足す」の順に押すと、かっこを気にせずに済みます。

  3. 標準偏差が無ければ、順位を人数で割る(1分)。たとえば同じ400点が学年160人中21位なら、21 ÷ 160 で0.131、つまり上位13.1%です。割り算の答えを100倍した数が、上から何%のところにいるかを表します。

  4. 上位の割合を、表で偏差値の目安に読みかえる(2分)。点の散らばりが釣り鐘の形に近いと考えたときの目安が次の表です。たとえば学年が160人なら、いちばん右の列の順位までがその割合に入ります。

学年の上から 偏差値の目安 160人の学年なら
2.28% 70 3〜4位
5% 66.4 8位
6.68% 65 10〜11位
10% 62.8 16位
15.87% 60 25位
20% 58.4 32位
30% 55.2 48位
50% 50 80位

上位13.1%は、10%の行と15.87%の行のあいだにあるので、偏差値は60から62.8のあいだです。釣り鐘の形の割合から細かく計算し直すと約61.2になり、手順2で出した61.7と近い値が出ました。二つの方法の差は、実際の点の並びが釣り鐘の形から少しずれている分だと考えてください。

  1. 中3の350点も同じ手順で読む(3分)。たとえば中3の学年の平均点が290点、標準偏差が50点なら、(350 − 290) ÷ 50 で1.2、偏差値は62.0です。標準偏差が無く、学年155人中19位だけがわかるなら、19 ÷ 155 で0.123、上位12.3%です。表では10%と15.87%の行のあいだに入り、細かく計算すると約61.6になります。

  2. 二つの学年の結果を、点数ではなく位置で並べる(1分)。中2のときの400点と、中3になってからの350点を、同じ形の表に入れます。

比べる項目 中2の400点 中3の350点
学年の平均点 330点 290点
平均点との差 70点上 60点上
標準偏差 60点 50点
式で出した偏差値 約61.7 約62.0
順位 ÷ 人数 21 ÷ 160 19 ÷ 155
順位から読んだ目安 約61.2 約61.6

点数は50点低いのに、中3の350点は中2の400点とほぼ同じ位置にいて、どちらの方法で出した値でもわずかに上です。平均点との差は10点縮んでいますが、中3の学年は散らばりも小さくなっているので、60点の差が中2のときの70点の差と同じくらいの重さを持っています。

  1. 偏差値を幅で書き残す(1分)。ノートの最後の頁に、テストの名前・合計点・平均点・順位÷人数・偏差値の目安を1行で書きます。偏差値は「61〜62」のように幅で残し、小数まで書きません。次の定期テストでも同じ5つの数字を写して同じ手順で出せば、点数が上下しても、学年の中の位置が動いたのかどうかを並べて見られます。

400点の読み違い—差だけで決める、点数で比べる、模試と並べる

手順そのものは難しくありません。つまずくのは計算の前後、数字をどう受け取るかのところです。

平均点との差だけで偏差値を決めてしまう

「平均より70点上だから偏差値は65くらい」と、差の大きさだけで答えを出してしまう読み違いです。図1で見たとおり、同じ差でも散らばりが倍になれば、50に上乗せされる分は半分になります。こう変えます。差を出したら、必ず標準偏差で割るか、標準偏差が無ければ順位÷人数に切りかえる。差だけを書いた行には偏差値を書き込まない、とノートの決まりにしてしまうのが早道です。

中2の400点と中3の350点を点数で比べてしまう

「中3になって50点も下がった」と落ち込むのは、テストが変われば平均点も散らばりも変わることを数えに入れていないからです。問題の量も難しさもテストごとに違い、学年の平均点はそれに合わせて上下します。こう変えます。学年やテストをまたいで比べるときは、点数の列には目を向けず、偏差値か上位の割合の列だけを並べる。手順6の表のように、点数が下がって位置が上がっていることもあります。

定期テストの偏差値を、模試や高校の偏差値と並べてしまう

たとえば学年の中で偏差値61くらいの生徒が、同じ月に受けた模試では偏差値54と出ることがあります。定期テストの偏差値を決めるのは同じ中学の同じ学年の生徒で、問題は教科書の決まった範囲から出ます。模試の偏差値を決めるのは、その模試を受けに来た人たちで、範囲も問題の作り方も違います。図3のように、同じ生徒でも物差しを当てる集まりが替われば、真ん中の50がどこにあるかが変わります。逆に模試のほうが高く出ることもあり、どちらに動くかは受けた人の顔ぶれと範囲しだいです。こう変えます。定期テストの偏差値は「学年の中の位置」として、前の定期テストとだけ比べる。高校の偏差値の表と並べたいときは模試の成績表の偏差値を使い、定期テストから出した数字はそこへ持ち込まない。

図3 同じ生徒でも学年の中と模試の中で偏差値の物差しが違う

順位から読んだ偏差値を小数まで信じてしまう

上位の割合から読む方法は、点の並びが釣り鐘の形に近いことを前提にした目安です。定期テストでは点が上のほうに詰まり、下へ長く伸びる形になることがあります。同じ点の生徒が何人も並んで順位が飛ぶこともありますし、学年の人数が少ないと、順位が1つ違うだけで割合が大きく動きます。たとえば学年が80人なら、順位が1つ動くたびに上位の割合は1.25ポイントずつ変わります。こう変えます。順位から出した値は「61〜62」のように幅で書き、1や2の上下で喜んだり沈んだりしない。

確かめの問題

問1 5教科の合計点は383点でした。学年の5教科合計の平均点は311点、標準偏差は45点です。偏差値はいくつですか。

問2 個票に標準偏差は載っていません。学年240人中12位でした。上位何%にいるかを出し、手順4の表を使って偏差値の目安を答えてください。

問3 1学期の期末テストは学年184人中46位でした。2学期の中間テストは、合計点が1学期より28点低く、学年176人中33位でした。学年の中の位置が高いのはどちらのテストですか。理由もつけて答えてください。

答えと考え方

問1 (383 − 311) ÷ 45 = 1.6 です。これを10倍して50を足すと、偏差値は66.0になります。平均点との差の72点をそのまま偏差値に足そうとせず、いったん標準偏差で割るところがこの問題の要です。

問2 12 ÷ 240 = 0.05 で、上位5%です。表の5%の行から、偏差値の目安は66.4です。順位から読んだ値なので、ノートには「66くらい」と幅をもたせて書いておきます。

問3 1学期は 46 ÷ 184 = 0.25 で上位25%、2学期は 33 ÷ 176 = 0.1875 で上位18.75%です。上位の割合が小さい2学期のほうが、学年の中の位置は高いと読めます。表で見ると、25%は20%と30%の行のあいだで偏差値は56〜57くらい、18.75%は20%の行より少し上で59くらいです。合計点が28点下がったことは、位置を比べる材料には使いません。

保護者が家でできること

お子さまが「400点だった」と言ってきたら、点数をほめたあとに一つだけ「学年の平均点は何点だった」と聞いてみてください。平均点を聞かれると、お子さまは個票を探しにいきます。それだけで、点数を答案の上の数字から学年の並びの中の数字へ持ちかえる準備ができます。個票が出てきたら、手順1の5つの数字をお子さまに読み上げてもらい、電卓を押すのもお子さまに任せます。保護者の方は、写した数字が個票と合っているかを指でなぞって確かめる役に回るのがちょうどよい距離です。

テストのたびに、ノートの最後の頁の1行を一緒に見る日を決めておくと、前回との比べが点数の比べにすり替わりにくくなります。見るのは偏差値か上位の割合の列だけです。個票は返ってきた日に捨てたり折ったまま放ったりしやすいので、家の中にしまう場所を一つ決めておくと、次のテストのときにすぐ並べられます。

言わないほうがよい言葉もあります。「400点なら偏差値70くらいでしょう」は、平均点も散らばりも見ずに数字を決めてしまう言い方なので、「平均点と順位がわかったら、一緒に計算してみよう」に変えます。「中3になって50点も下がった」は、点数どうしを比べているので、「順位は何人中何位だった。前のテストと割合で比べてみよう」と言いかえます。「定期テストで60あっても、模試ならもっと下がる」は、違う集まりの数字を並べてしまっているので、「定期テストは学年の中の位置、模試は模試どうしで比べよう」と分けて伝えてください。

個別指導で確かめること

偏差値が出たところで止めず、5教科それぞれの点を学年の平均点と並べて、平均点との差がいちばん小さい教科、または平均点を下回った教科の答案まで戻ります。その教科で落とした大問を、計算や写し間違いで失った点と、範囲の単元そのものが抜けていて失った点に分け、次のテストまでの2週間でどちらから埋めるかを決めます。偏差値をいくつ上げたいかの話は、その内訳が見えてからにします。

まとめ

400点は答案の上の数字で、偏差値は学年の並びの中の数字です。平均点と、標準偏差か順位がそろうまでは、誰にも偏差値は言い当てられません。中2の400点と中3の350点を比べる日も、並べるのは点数ではなく上位の割合です。偏差値いくつ、と聞かれた日に最初に開くべきなのは、電卓よりも、かばんの底で四つ折りになっている個票です。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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