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藤村女子中学校(2027年4月から共学の吉祥寺湧水中学校)—校風と成績の付け方、高校への進み方|武蔵野個別指導塾

学習のイメージ写真 武蔵野個別指導塾
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2027年4月に共学化し吉祥寺湧水へ校名を変える藤村女子中学校。校是と異学年のハウスTIME、通知表の読み方、内部進学と外部受験の分かれ目を、保護者が学校に聞く質問とあわせて押さえておきたい。

項目 内容(2026年11月に学校の公式サイトと東京私立中学高等学校協会の学校の頁で確かめた値)
所在地 武蔵野市吉祥寺本町2丁目(本校舎)。改修工事の期間中、中学は武蔵野市中町3丁目の仮校舎(FINDER BASE)で学ぶ。2027年4月の入学者は、中学生が改修後の吉祥寺校舎、高校生が仮校舎で始める予定
最寄り駅 本校舎はJR中央線・京王井の頭線の吉祥寺駅。中町の仮校舎はJR三鷹駅から歩いて約10分
公立か私立か 私立(学校法人井之頭学園)。中高一貫
共学か別学か 2026年度までは女子校。2027年4月に共学化し、校名を吉祥寺湧水中学校・高等学校に変える予定
募集の規模(公表分) 2027年度の中学1年の募集は男女60名
創立 1932年。1948年に藤村女子高等学校(中学校併設)となった

よくあるのは、中2の秋、夕食のあとにお子さまが部活のシューズを玄関に置いたまま「部活を続けるか、勉強に切り替えるか決められない」と言い出す場面です。テストの点が少し落ちた。けれど体育館で過ごす時間はいちばん自分らしい。親としては成績表を見たくなりますが、この学校はいま校舎も校名も放課後の仕組みも大きく変わっている最中です。迷いの答えは、学校が何を書いて公表しているかを読むところから出てきます。

学校が掲げる目標と校風

この学校の芯は、創立者の藤村トヨが残した言葉にあります。学校の沿革の頁は、教育とは他人の知識を注ぎ込むことではなく、その人の個性を伸ばすことだという創立者の考えを冒頭に掲げ、それをいまの言葉に置き直したものとして校是「己を識り、世に応う」(おのれをしり、よにこたう)を示しています。自分を知るだけでは足りない、社会に合わせるだけでも足りない。自分を深く知ったうえで、その自分で世の中に応える。学校は、創立者のこの考えは時代を超えても、共学になっても変わらないと書き、それをいまの言葉にしたのが校是だと説明しています。

教育理念は、一人ひとりの内側にある水脈を信じ、自分で問い、学び、選び、他者とともによりよい世界をつくる人を育てる、という趣旨です。新しい校名の湧水は、学園名の井之頭(井の頭池が神田川の水源であること)に結びつけた名で、紫は藤村女子の歴史、水色は新しい校名を表す色だと学校は説明しています。名前が変わっても、根っこの言葉は1932年から地続きです。

図1のように、学校の歩みを並べると、いまがどれほど大きな節目かがわかります。

図1 1932年の創立から2029年の本館完成までの学校の歩み

1932年に井之頭学園の女学部ができ、1948年に藤村女子高等学校(中学校併設)となりました。2026年3月に仮校舎が完成し、2026年4月から本校舎の改修工事が始まっています。2027年4月に共学化と校名変更、2027年に南館、2029年に本館が完成する予定です。2026年の文化祭は、お知らせの欄で「最後の藤村祭」と呼ばれています。藤村女子という名前で過ごす最後の学年が、いまの在校生です。

校風を形にしている仕組みは、学校の公表から具体的に読めます。まず異学年の組です。同じ学年の学級とは別に、学年の違う25〜30人で組むハウスTIMEがあり、複数の教員がチームで関わります。人間関係が同じ学年の教室だけに閉じないようにする設計です。次に、忘れ物や先延ばしを性格のせいにしないための整理と段取りの授業(セルフ・ナビ)と、道徳の時間を発展させて自分の心の動きを3年間かけて言葉にしていく授業(COCOROラボ)。毎日数秒で心と体の状態を入力する仕組み、教室でも保健室でもない居場所、オンライン上の居場所も公表されています。

部活動の考え方もはっきりしています。学期ごとに種目を選べる放課後の仕組みと、バスケットボール、バレーボール、ダンス、吹奏楽、ミュージカルなどを外部の専門コーチのもとで深める仕組みの二本立てで、生徒が自分たちで部をつくるための支援制度もあります。どちらを選んでも、英語と数学の学内の学習がセットになると学校は説明しています。冒頭の中2の迷いは、この学校では「部活か勉強か」の二択として組まれていません。ここは読み落とさないでください。

成績の付け方と高校への進み方

まず前提です。私立の中高一貫校では、中学の成績は都立高校の入試のための内申点として集められるものではありません。高校へは内部進学で上がるのが基本の道です。ただし、通知表の評定がなくなるわけではありません。学期ごとの成績は、内部進学の判断の材料にもなり、外部の高校を受けるなら調査書にそのまま書かれます。中学の評定は、私立でも軽くはありません。

国の決まりとしての一般の仕組みを先に押さえます。中学校の学習評価は、学習指導要領にもとづき、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つの観点で見ます。観点ごとにA・B・Cをつけ、それをまとめて5段階の評定にします。定期考査の点数は主に知識・技能と思考・判断・表現の材料になり、提出物、授業中の発言や発表、振り返りの記述などは、主体的に学習に取り組む態度を含めた複数の観点の材料になります。私立は、この枠組みの中で、どの材料をどのくらいの重さで扱うかを学校ごとに決めています。

この学校が公表している中で、成績の付け方に関わるのは次の3つです。

1つ目は、学校が独自に運用する仕組みの中のAI通知表です。学校は、点数だけでなく得意の芽と伸び幅を、生徒自身の言葉で振り返れるようにすると説明しています。点数の一覧を渡されて終わる通知表ではなく、本人が振り返りを書く前提の通知表だということです。

2つ目は、英語のCan-Doリストです。中高6年間の英語を、英語で何ができるようになったかの一覧で設計し、人前で発表できる、相手と2〜3往復のやりとりができる、といった「できる」を授業と評価とフィードバックにつなげると公表しています。中学1・2年には、すべて英語で進める英語の授業があり、その授業では教員との1対1の短い会話が毎回あります。英語の成績は、筆記の点数だけでは決まらない作りだと読めます。

3つ目は授業の型です。学校はすべての授業をアクティブラーニングを前提に設計し、プロジェクト型の学習、反転授業、対話と発表を重ねると書いています。授業の中で生まれる発表、レポート、作品は、一般の仕組みでいえば思考・判断・表現と主体的に学習に取り組む態度の材料になりやすいものです。

定期考査も置かれています。放課後の学習の説明に、日々の授業、定期考査、検定、進路に向けた学びを切れ目なくつなげるという書き方があります。考査の回数、各教科の中で考査の点と提出物や発表をどう配分するか、評定の基準を生徒に示しているかどうかは、公表の範囲には出ていません。だからこそ、面談で具体的に聞く価値があります。

中2の迷いに引き寄せて言えば、部活をやめたら成績が上がるという単純な式は、この学校の評価の作りには当てはまりにくいはずです。発表や振り返りの質、課題の出し方まで評価の材料になるなら、放課後の時間を削るよりも、授業の中で何を出しているかを見直すほうが効きます。

定期テストと1年の流れ

2026年度のこの学校の1年は、例年の行事予定に加えて、校舎の移り変わりが重なっています。中学は2026年度、三鷹駅に近い中町3丁目の仮校舎で学んでいます。高校は同じ期間、姉妹校の東京女子体育大学・短期大学のキャンパス(国立市)で学んでいます。通学の道も、放課後の移動も、例年とは違う年です。

行事のうち、学校が学年ごとに公表しているものを並べると、中学の3年間の手触りが見えてきます。月1回、外部のアーティストを招くアートの日があり、中1で表現を出し、中2で問い、中3で社会とつなげる段階を踏みます。教室の外に出て企業や専門機関を訪ねるキャリアの体験は、中1で知らなかった仕事に出会い、中2で心が動いた瞬間を記録し、中3で関わる側に立ち位置を広げます。中3の最後には、3年間の体験をまとめて自分の学び方を宣言する場があります。文化祭は、班ごとに来場者の心や行動をどう動かすかという課題を立てて準備する、と学校は書いています。

考査の時期と回数は、在校生向けの年間予定で確かめてください。そのうえで、家庭でできるのはテストから逆算した準備の型を一つ決めておくことです。図2のように、範囲表が出た日を起点にすると、部活を続けながらでも準備が崩れにくくなります。

図2 範囲表が出た日から考査当日までの準備の逆算

範囲表が出た日に、提出物の一覧と締切を先に書き出します。2週間前は提出物を片付ける週、1週間前は問題を解いて間違いを直す週、前日は直した問題だけを見直す日にします。この学校のように発表や作品が評価に入るなら、考査の週に発表の準備が重なっていないかも、範囲表が出た日に確かめておきます。部活の大会や発表会が考査の直前に重なる学期は、2週間前の段階で提出物を終わらせておくのが、両立を壊さないいちばん確かな手です。

高校への進み方

図3のように、中3の先の道は大きく2つに分かれます。

図3 中学3年から内部進学と外部受験に分かれる道

1つ目は内部進学です。学校は中学の入学者に中高6年間の学びを希望することを求めており、特待生の制度の説明にも、高校への内部進学が前提だと明記しています。2026年度の中学生は、2027年4月以降、校名が変わった同じ学校の高校へ進む道を歩くことになります。高校の外部からの募集は2027年度で男女40名で、活動や探究の過程を書類と対話で見る方式と、英語・国語・数学の学力で見る方式の2つが公表されています。中学から上がる生徒と、外から入ってくる生徒が高1で合流する作りです。内部進学の条件、つまり中学の成績や出席、生活面のどこを見て判断するのかは、公表の範囲に書かれていません。ここは学校に確かめる最重要の項目です。

2つ目は外部の高校を受ける道です。都立高校の一般入試を受けるなら、調査書点は中3の評定から計算されます。学力検査を行う5教科は評定をそのまま、学力検査を行わない音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科は評定を2倍にして合計し、満点は65点です。これを学力検査の点と組み合わせて合否を出し、英語の話すことの検査の結果も加わります。細かな配点や比率は年度ごとに都教委の募集要項で確かめてください。私立中に通っていても、外部の都立高校を受ければ、中3の通知表の評定がそのまま調査書に載ります。

ここで中2という学年の意味がはっきりします。内部進学なら、中2の成績は中3の判断に向けた途中経過です。外部受験を考え始めるなら、中2の学年末までに、評定の材料が何でできているかを親子で把握しておく必要があります。中3になってから調べ始めると、残りの学期が少なすぎます。

もう一つ、学校の方向性を読んでおきます。学校は高3の最後に、どこへ、なぜ進むのかを自分の言葉で語る場を置き、進路を行ける場所ではなく行く理由で選ぶと書いています。高校の学びは、外部コンテストへの挑戦、個人のテーマの探究、卒業制作へと進む設計です。内部進学を選ぶなら、この6年間の流れに乗ることになります。

保護者が学校で確かめること

三者面談や説明会で、そのまま読み上げられる形にしておきます。

  1. 中学から高校への内部進学の条件は何ですか。成績、出席、生活面のどれを、いつの時点で見ますか。
  2. 定期考査は年に何回ありますか。各教科の評定は、考査の点、提出物、発表や作品、振り返りの記述をどう組み合わせて決めますか。
  3. 3つの観点の評価の基準は、学期の初めに生徒へ示されますか。
  4. AI通知表の振り返りは、評定とどう関係しますか。本人が書いた振り返りの中身は成績に入りますか。
  5. 新しい放課後の仕組み(学期ごとに選ぶ活動、専門コーチのもとで深める活動、学内の英語と数学の学習)は、いまの在校生に、いつから、どこまで適用されますか。
  6. 校舎の改修工事の期間中、部活動の練習場所と時間はどう変わりますか。考査前の部活動の扱いに決まりはありますか。
  7. 外部の高校を受けたい場合、学校はどの時期に、どのように相談に乗りますか。
  8. 共学化と校名変更のあと、在校生の制服や行事、学級の編成で変わる点と変わらない点は何ですか。

質問は事前に紙に書いて持っていくと、答えを聞き漏らしません。答えは、日付と答えた先生の名前と一緒に記録しておくと、次の面談で話が早く進みます。

個別指導で確かめること

中2で成績が揺れたときは、点が落ちた教科の単元を1年生のどこまで戻れば崩れが止まるかを、実際に問題を解いて確かめます。あわせて、発表やレポートの準備と考査の勉強が同じ週に重なっていないかを、範囲表と提出物の一覧で一緒に点検します。

まとめ

藤村女子中学校は、校名も校舎も変わる最中にあっても、1932年に藤村トヨが「個性の発展」と呼んだ考えを、自分を知ってその自分で世に応えるという言葉に置き直し、手放していません。部活と勉強のどちらかを捨てる前に、内部進学の条件と評定の材料を学校から聞き出す。迷っている中2に要るのは、決断ではなくその2つの答えです。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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