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東京都立武蔵高等学校附属中学校—校風と成績の付け方、6年間の学び|武蔵野個別指導塾

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高校からの募集を止めた併設型の6年間で、中1の5月の中間考査から何が積み上がるのか。観点別評価と習熟度別授業、地球学の4年間を都立武蔵の公表資料でたどっていきます。

項目 内容
所在地 武蔵野市境4丁目
最寄り駅 JR中央線・西武多摩川線の武蔵境駅(学校案内では徒歩約10分)
設置 都立(併設型の中高一貫教育校。高校からの募集は停止)
共学・別学 男女共学
一般枠の募集人員 152名(2026年度入学者の応募状況の公表による)
生徒数 中高あわせて893人(2025年度の学校運営連絡協議会報告で、アンケート対象とした全校生徒の数)
授業の形 1コマ45分・1日7時間、土曜の授業なし
確かめた資料 2026年度の学校経営計画、2025年度の学校経営報告、2027年度入学者向けの学校案内パンフレット、学校の公式サイト(2026年11月に確認)

よくあるのは、適性検査の合格通知を受け取ったあとの春休みに、居間の机で入学書類を書き終えたお子さまが「で、中学では何をすればいいの」と聞いてくる場面です。受検勉強の目標は消えたのに、高校受験という次の目標もありません。保護者の側も、6年間を一本の道として見る地図をまだ持っていません。合格の翌日から始まるのは、ゴールのない長距離走ではなく、5月の中間考査を最初の目印にした、6年分の積み上げです。この記事は、その地図を学校の公表資料だけで描きます。

学校が掲げる目標と校風

都立武蔵の教育目標は3つの言葉でできています。豊かな知性と感性、健康な心と体、向上進取の精神。この3つが、学校のめざす人物像である「国際社会に貢献できる知性豊かなリーダー」へ集まっていく、というのが学校のグランドデザインの骨組みです。図1のように、目標は横に並ぶ3本の柱で、その上に1つの人物像が載る形になっています。

図1 3つの教育目標が1つの人物像に集まる関係

学校の歴史を見ると、この言葉の重さがわかります。昭和15年に東京府立第十三高等女学校として開校し、昭和25年に男女共学の都立武蔵高校になりました。附属中学校は平成20年4月に開校しています。2027年度入学者向けの学校案内では、高校は開校から85年目、附属中は18年目と書かれています。向上進取の精神は、附属中ができる前からこの学校が使ってきた言葉で、附属中の生徒はその伝統の途中に入っていくことになります。

校風を形にしているものの第一は、地球学です。総合的な学習(探究)の時間に置かれた学校独自の探究活動で、自然・人間・社会にまたがる課題を、教科の枠を越えて扱います。文献調査、実験、観察、インタビュー、アンケートを使い、まとめとして論文と研究発表を行う、と学校の特色の頁に書かれています。中学1年から高校1年までの4年間で系統的に取り組み、2026年度の学校経営計画では、中学校での探究活動に50時間、キャリアの時間に20時間をあてる目標が示されています。中3で各自が研究テーマを決め、高1でテーマの領域別に約20名のゼミに分かれて研究論文と発表会まで進む、という流れが学校案内に載っています。

第二は、生徒が自分たちで動かす行事です。音楽祭・文化祭・体育祭は三大行事と呼ばれ、高校生の委員長団を中心に、附属中の実行委員と全校生徒が一緒に企画と運営を担います。中学生にとっては、数年後の自分の姿を目の前で見る場でもあります。宿泊を伴う行事も多く、中1の尾瀬サマーキャンプ、中2の結い(農業)体験学習、中3の関西方面への修学旅行、高1のオーストラリア語学研修が並びます。

第三は、中学と高校で違う決まりです。学校運営方針の頁には、高校には校則がない、と書かれています。一方で中学には生活指導の重点目標と校則の概要が公表されていて、指定の制服を着る、授業に関係のない物を持ち込まない、携帯電話は年度当初の届け出で登下校の携行だけを認め校内では使わない、自転車で通学しない、許可のない立ち寄りをしない、といった項目が並びます。目指す態度として、挨拶、時間を守ること、人の話を聞くこと、思いやり、物を大切にすること、身だしなみの6つが挙げられています。中学の3年間で自分を律する習慣をつくり、高校で自由を自分たちの手で回す。学校案内に載る高校生徒会の文章も、自由な校風は中学時代に培った規範意識が信頼されて成り立っている、という趣旨で書かれています。

部活動は、中学に陸上競技、ラグビー、男子バレーボール、サッカー、女子バスケットボール、女子バレーボール、男子硬式テニス、女子硬式テニス、卓球、剣道の運動系と、吹奏楽、合唱、室内楽、生物、美術、茶道、パソコン、文芸の文化系があります(学校の特色の頁の一覧)。卓球部のように中高合同で練習する部や、中3が夏以降に高校の練習へ加わる部もあり、学年をまたいだ縦のつながりが日常の中にあります。

成績の付け方と高校への進み方

附属中は都立の中学校です。成績の付け方の土台は、市立中学校と同じく国の学習指導要領と、生徒の学習の記録である指導要録の決まりにあります。ここでは、国の決まりによる一般の仕組みと、学校が経営計画や学校案内で公表している方針を分けて書きます。教科ごとの細かな評価の計画は、入学後に学校から示されるものを見てください。

まず一般の仕組みです。各教科の学習は、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つの観点で見られます。観点ごとに、十分満足できる状況ならA、おおむね満足できる状況ならB、努力を要する状況ならCがつき、その3つの観点の結果をまとめて、学年末に5段階の評定が決まります。定期考査の点数はおもに知識・技能と思考・判断・表現の材料になり、レポート、ノート、提出物、授業中の発言や振り返りの記述は、思考・判断・表現と主体的に学習に取り組む態度の材料になります。どの課題をどの観点に何回使うかは、教科と学校が決める部分です。

次に学校の公表分です。2026年度の学校経営計画には、中高の各学年で過半の生徒が教科の目標に照らして十分満足できる水準以上になるよう、学習ポートフォリオによる補充と発展の学習を行い、学習評価と一体化した指導をする、という目標が書かれています。十分満足できる、という言い方は、観点別評価のAの定義と同じ言葉です。学校は、評価の物差しを指導の目標にそのまま使っていると読めます。

学習ポートフォリオは、成績の付け方を考えるうえで外せない道具です。学校案内では、定期考査の分析や対策、個人面談の内容を生徒自身が記録するワークシートとして説明されています。数学科は、テストのあとにポートフォリオを作り、テストの復習と関連した問題に取り組むと書いています。つまり定期考査は、点数が出て終わりではありません。間違えた問題を自分で分析し、次の考査までに何を直すかを書く。その記録が、主体的に学習に取り組む態度を見る材料にもなりうる、という構造です。どこまでが評価に入るかは教科ごとに違うので、入学後の最初の説明で確かめる価値があります。

授業の形も成績に関わります。国語・数学・英語を中心に、多くの教科で少人数・習熟度別の授業が行われ、中学理科は2時間続きの授業で、チームティーチングによる実験と観察を行うと学校は書いています。学校の教育課程表では、中1は国語4、社会4、数学5、理科4、英語5コマなど、週34コマの時間割が組まれています。2025年度の学校経営報告によれば、7時間授業によって中学校では年間の授業の合計が1100時間になりました。授業の量が多いぶん、1回の考査の範囲も広くなりがちです。範囲表が配られてから慌てるのではなく、日々の授業の復習でポートフォリオを埋めていく生徒ほど、考査前の負担が軽くなります。

そして、もう1つの物差しが実力テストです。学校案内によれば、定期的に学力の到達度を確かめる実力テストを行い、全国の中高一貫校の生徒と同じ問題で自分の位置を見られます。経営計画では中学校で学力推移調査を行い、学年と教科の担当が分析会を開くとされています。定期考査が授業の範囲をどれだけ身につけたかを見る物差しなら、実力テストはそれまでの全範囲がつながっているかを見る物差しです。評定に直接入るのは前者ですが、6年間の学びの穴を早く見つけるのは後者です。

定期テストと1年の流れ

学校が公表している年間行事を並べると、定期考査は年に5回あります。1学期の中間考査が5月、期末考査が7月、2学期の中間考査が10月、期末考査が12月、そして3月の学年末考査です。図2のように、考査と考査のあいだに大きな行事がはさまる配置になっています。

図2 定期考査5回と三大行事の時期を並べた1年の流れ

この並びで気をつけたいのは、6月と9月です。6月は音楽祭、9月は文化祭と体育祭が続きます。三大行事は生徒が企画と運営を担うので、実行委員になれば放課後の時間がかなり行事に向かいます。そのすぐあとの7月と10月に考査が来るため、行事の前に考査の範囲を半分は終えておく、という段取りが効きます。

学年ごとの行事も、学習の山と重なります。中1は5月に地域巡検、7月に尾瀬のサマーキャンプ、11月にもう1回の地域巡検があり、2月には中学生のマラソン大会、学校案内によれば中1の百人一首大会もあります。中2は5月に結い(農業)体験学習、11月に職場体験と地学巡検があります。中3は8月に上級学校訪問、9月に模擬国連、10月に修学旅行、11月に地学巡検と東京グローバルゲートウェイでの英語研修、3月に地球学の発表会と続きます。

特に中3の秋は、修学旅行、英語研修、地球学のテーマづくりが重なり、2学期の中間と期末の考査もその中に入ります。高校入試がないぶん、この時期は時間に余裕があるように見えますが、実際には行事と探究と考査が一度に来る、6年間でも密度の高い季節です。夏休みのうちに数学と英語の既習範囲を固めておくと、秋の負担を考査以外のことに回せます。

1日の時間割は、8時50分に1時間目が始まり、7時間目が15時45分に終わり、そのあと清掃とホームルームです。毎朝10分の朝読書があり、学年によっては洋書の多読も行うと学校案内にあります。7時間の授業のあとに部活動があるので、平日の家庭学習の時間は限られます。学校が土曜を部活や家庭学習など自分で取り組む日と位置づけているのはそのためで、土曜の過ごし方が、平日の授業の復習を間に合わせられるかどうかを左右します。

高校への進み方

都立武蔵は、高校からの生徒募集を停止した併設型の中高一貫校です。学校案内に載る卒業生の言葉にも、高校受験のない中高一貫校、という表現があります。附属中から武蔵高校へ進む生徒は、都立高校の一般入試で使われる調査書点の計算や、中3の評定をにらんだ受験勉強とは別の道を歩くことになります。図3のように、中3と高1のあいだに入試の壁がなく、地球学は高1まで続き、評定は高校に入ってから大学入試の調査書へつながっていきます。

図3 中1から高3までの6年間と評価が向かう先の流れ

壁がないことは、気をゆるめてよいという意味ではありません。中学の3年間は高校の学習内容を取り入れた発展的な授業が組まれ、数学では早い段階から大学入試レベルの問題も扱うと学校は書いています。中学の数学や英語に穴が残ったまま高1に上がると、その穴は高校の授業の速さの中で広がります。中学の評定は高校入試に使われない代わりに、高校の授業についていける土台があるかどうかの、いちばん早い警告になります。

高校に入ると、春に高1のスプリングセミナーがあり、学校案内では、高校生としての心構えと主体的な学習姿勢を確かめ、3年間の見通しを立てる場とされています。地球学では中3で決めた研究テーマをゼミで1年以上かけて深め、研究論文と発表会で締めくくります。高2の冬にはウィンターセミナーがあります。経営計画によれば、6年間を見通した進路面談の計画があり、各学年で2回以上の面談を行います。中学生はLearning Diary、高校生はキャリアパスポートに記録を残し、高校での科目選択や志望校選びに使います。

大学入試との関係で言えば、高校の3年間の評定は、学校推薦型選抜や総合型選抜で提出される調査書に記載されます。高校でも評価は観点別の考え方で行われるので、中学でポートフォリオを使って考査を振り返る習慣がついていれば、そのまま高校の評定を支える力になります。地球学の研究論文や発表の経験も、志望理由や研究の計画を書く場面で材料になります。

なお、附属中から武蔵高校へ進まずに外部の高校を受けることを考える場合は、受けられる高校の範囲や手続きを含めて、早い時期に学校へ確かめる必要があります。ただし、都の令和9年度の入学者選抜実施要綱は、都立中学校を卒業する見込みの生徒の都立高校への応募を認めていません。外部の高校を考えるなら、相手は私立や国立の高校になります。出願に要る書類と中3の成績の扱いは、早めに学校で確かめてください。

保護者が学校で確かめること

入学後の保護者会や面談では、次のことをそのまま聞いてみてください。

学校の答えは、年度によって変わることがあります。説明会の資料や配布物はとっておき、学年が上がるたびに見直すと、6年間の変化が追えます。

個別指導で確かめること

都立武蔵の生徒を個別指導で見るときは、考査の点数より先に、数学と英語の既習範囲のどこで手が止まるかを確かめます。習熟度別の授業で進む速さが変わるので、学校のノートとポートフォリオを見せてもらい、中1の計算や文法まで戻る必要があるかを、最初の1回で見きわめます。

まとめ

都立武蔵の6年間には高校入試という区切りがない分、中1の5月の中間考査のあとにポートフォリオへ何を書いたかが、そのまま高3の調査書まで続く一本の線の書き出しになります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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