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IELTSの勉強法—独学の順番と、ライティングの直し方|武蔵野個別指導塾

読む聞くは40問の正答数で自己採点し、書く話すには人の目を入れる順番です。Task 2の重みはTask 1の2倍。下書きを課題、組み立て、語彙、文法の順に4回読み直す手順は例文で試せます。
答えを先に置きます。IELTSの独学は、自分で採点できる技能から始め、自分では採点できない技能に人の目を入れる順番で進めます。ライティングの直しは「問いに答えているか」から始め、文法は最後です。
| 順番 | やること | その順番にする理由 |
|---|---|---|
| 1 | 公式のサンプル問題を、時間を計って解く | 弱い技能を知らないまま計画を立てない |
| 2 | リーディング | 正答数で測れて、書くときの語彙も集まる |
| 3 | リスニング | 正答数で測れる。音声は本番で1回しか流れない |
| 4 | ライティング(Task 2、次にTask 1) | Task 2の重みがTask 1の2倍。ここで添削を入れる |
| 5 | スピーキング | 書いて作った主張を声に出す。聞いてくれる相手が要る |
| 6 | 本番と同じ時間で通す | 技能ごとの力を、1日の中で出し切る練習 |
よくあるのは、閉館前の図書館でTask 2の下書きを3回直したのに、赤を入れたのは冠詞と単語の言いかえばかりという場面です。ノートの余白には important を crucial に替えた跡が並んでいます。ところが読み返すと、問いは賛成か反対かを聞いているのに、自分の立場がどこにも書いてありません。きれいになった英文が、問いに答えないまま250語続いている。直す場所が違っていたのです。
試験の形を、勉強の順番に使う
順番を決める材料は、試験の形の中にあります。IELTSの公式サイトにあるAcademicの形式を、「自分で採点できるか」という列を足して並べると次のようになります。
| 技能 | 時間 | 形 | 自分で採点 |
|---|---|---|---|
| リスニング | 約30分 | 4パート、各10問で40問。音声は1回 | できる |
| リーディング | 60分 | 3セクション、合計2,150〜2,750語、40問 | できる |
| ライティング | 60分 | Task 1は150語以上で約20分、Task 2は250語以上で約40分 | できない |
| スピーキング | 11〜14分 | 試験官と対面で、3パート | できない |
リスニングとリーディングは1問1点で、40点満点の点が、最高9のバンドに置きかえられます。公式が示す平均的な対応は、どちらも23問で6、30問で7、35問で8です。テストの回によって少し動くので、目安として読んでください。つまり、この2技能は解いて丸をつければ今の位置がわかります。ライティングとスピーキングは資格を持つ試験官が基準に照らして判定するので、自分で丸はつけられません。
総合のバンドは4技能の平均を0.5刻みに丸めた値です。平均の端数が .25 なら次の0.5へ、.75 なら次の整数へ上がります。合計点で勝負する試験ではないので、1つの技能を捨てる作戦は最初から立ちません。
受ける形も先に確かめてください。日本英語検定協会の案内では、ペーパー版は2026年8月で終わり、リスニング、リーディング、ライティングはコンピューターで、スピーキングは試験官と対面で受けます。General Trainingはリーディングが別の問題で、Task 1は手紙です。留学先や手続きによって求められる種類が違い、英国のビザ申請用のIELTS for UKVIもあるので、どれを受けるかは提出先の案内で決めます。
独学の順番は、自分で採点できるかで決める
図1のように、最初に測り、次に自分で採点できる2技能を固め、そのあとで人の目が要る2技能へ進みます。理由は単純で、書く材料は読むことからしか集まらないからです。

測る段階は1週目で終えます。公式サイトのサンプル問題を時間を計って解き、書いた答案と録音した自分の話も残します。この時点のできばえは悪くてかまいません。後で比べるための原本です。
リーディングは、3セクションで60分なので、1セクション20分を上限にして解きます。答え合わせのあと、まちがえた問題の根拠の文を本文から探して線を引き、なぜ読み落としたのかを1行で書きます。さらに、読んだ文章の主張を自分の英語で1文にまとめます。教育、環境、都市といった話題ごとにこの1文と語句をノートに集めると、Task 2を書くときの持ち札になります。読む練習と書く材料集めを別々にしないのが、独学で時間を浮かせる一番の手です。
リスニングは本番で音声が1回しか流れません。練習では、まず1回で解き、そのあとで何度も聞き直します。聞き取れなかった箇所は、音がつながって聞こえなかったのか、語を知らなかったのかに分けます。前者は音声に重ねて声に出す練習で、後者は語彙のノートで埋めます。原因を分けないまま聞き流しても、同じ箇所で同じように落ちます。
ライティングはTask 2から始めます。Task 2は自分の立場を示して論じる課題で、ここで作った主張はスピーキングにも転用できるからです。Task 1は、グラフや図の要点を選んで比べる別の技術なので、Task 2の型が立ってから足します。
スピーキングのPart 2は、1分の準備のあと2分話します。タイマーをかけ、スマートフォンで録音して聞き返すと、言葉に詰まる場所がはっきりします。Part 3はPart 2の話題をより一般的、抽象的に話し合うパートなので、Task 2のために集めた主張がそのまま使えます。録音は自分の癖を見つける道具であって、採点の代わりにはなりません。月に数回は英語を話せる相手に聞いてもらってください。
採点基準は、4つの欄を同じ重さで読む
ライティングの採点基準は、IELTSの公式サイトでPDFとして読めます。Task 1は課題の達成(Task Achievement)、Task 2は課題への応答(Task Response)を見ます。図2では、この欄を「課題への答え」とまとめました。これに組み立て(Coherence and Cohesion)、語彙(Lexical Resource)、文法(Grammatical Range and Accuracy)を加えた4つが基準です。図2のように4つの重みは同じです。

ここで見方が変わるはずです。文法は4分の1にすぎません。文法の誤りをゼロにしても、問いに答えていない欄と組み立ての欄は別々に判定されます。下の段のとおり、時間も重みもTask 1とTask 2は1対2です。仮にTask 1が6.0でTask 2が7.0なら、2倍の重みで平均すると約6.67で、Task 2に引っ張られます。実際の成績の出し方そのものではなく、重みの感覚をつかむための計算です。
読み方のこつは、目標のバンドと、その1つ下を並べて読むことです。全部を訳す必要はありません。差が出ている語に線を引きます。Task 2の6と7を比べると、要点は次のとおりです。
| 基準 | 6の要点 | 7の要点 |
|---|---|---|
| 課題への応答 | 主な考えは問いに関係するが、展開の足りないものがある | 主な考えが展開され、支えられている |
| 組み立て | つなぎの語が機械的になったり、誤ったりすることがある | つなぎの語や指示語を、多少の誤りはあっても柔軟に使える |
| 語彙 | 語の幅がやや狭く、選び方の正確さに欠けることがある | ある程度の柔軟さがあり、やや一般的でない語も使える |
| 文法 | 単文と複文が混ざるが、柔軟さは限られる | さまざまな複文を使え、誤りのない文が多い |
表を見ると、6から7へ上がるのに必要なのは、難しい単語の前に「考えを展開すること」だとわかります。公式の文書には、そのバンドの肯定的な記述を全部満たして初めてそのバンドになる、という趣旨の説明もあります。1つ光る表現があっても、欄全体は上がりません。
ライティングは1本を4回、別の目で読み直す
下書きは1回で全部を直そうとしません。読むたびに見る欄を1つに絞ります。順番は図2の左から右です。段落ごと消すことになる文の冠詞を直しても、時間が消えるだけだからです。
たとえば、高校は宿題をやめるべきだという意見への賛否を問う課題で、次の段落を書いたとします。
Nowadays, homework is a very important topic. Firstly, many students are busy. Secondly, homework is bad. In conclusion, there are many advantages and disadvantages.
文法の誤りはほとんどありません。だからこそ、文法から読むと「よくできた」と錯覚します。4回読み直すと、次のように見えます。
1回目は問いへの答えです。問いの文に線を引き、求められていることを数えます。この課題の答えは賛成か反対かの立場ですが、段落のどこにもありません。理由にも具体例がなく、busy と bad で止まっています。
2回目は組み立てです。各段落の1文目だけを続けて読み、主張がつながるかを確かめます。つなぎの語は丸で囲みます。Firstly と Secondly は並んでいるだけで、理由の関係を示していません。In conclusion のあとに結論がないのも、ここで見つかります。
3回目は語彙です。very important や bad のように、どの話題にも使える語を探します。必要なら具体的な語に替え、語の組み合わせは辞書の例文で確かめます。
4回目が文法です。主語と動詞の一致、時制、冠詞、カンマなど、自分がよく誤る型を4つほど書いた一覧を横に置き、その型だけを探します。
直すとこうなります。
I largely disagree with abolishing homework, because short assignments make students use what they learned on the same day. For example, a student who solves five chemistry problems at night can see which step she did not understand, and she can ask her teacher about it the next morning. However, this benefit disappears when the amount is so large that students copy answers from friends.
語が特別に難しくなったわけではありません。立場があり、理由があり、例があり、条件がついています。変わったのは、段落が問いに答え始めたことです。
添削は、頼み方で効き方が変わる
自分で4回読んでも、自分の書いた文は意味が通って見えてしまいます。だから人の目を入れます。ただし、赤の入った答案を受け取って読むだけでは、次の1本で同じ誤りが出ます。図3のように、添削を6段の中の1段として回してください。

頼むときは、問題文、かけた時間、語数を答案と一緒に渡します。40分で書いた250語と、2時間かけた250語では、直すべき点が違うからです。自分で見立てた4つの欄のバンドも添えると、自分の見立てと相手の見立てのずれがわかります。そのずれこそ、独学で一番見えない部分です。
頼む内容は「全部直してください」ではなく、「4つの欄それぞれで、一番大きな問題を1つと、その理由を教えてください」にします。文法の赤ばかり増えて、問いに答えていないことに触れてもらえない添削では困るからです。
戻ってきたら、指摘を4つの欄に分けて数えます。課題への応答に3つ、文法に8つ、というように数字にすると、次に何を練習するかが決まります。そのあと、添削の文を閉じて、同じ課題を見ずに書き直します。写すと手は動きますが、頭に残りません。次の課題では、前回多かった型が減ったかだけを数えます。
機械の添削は、綴りや文法の見落としを拾うのに使えます。ただ、画面に出たバンドは公式の判定ではありません。問いに答えているかの判断まで任せず、4回目の読み直しの補助として使うくらいが安全です。
例題で確かめる
問1 次の課題の書き出しとして、問いに一番よく答えているものはどれでしょう。
Some people think city governments should make buses free for everyone. Discuss both views and give your own opinion.
A. Buses are very important in modern cities, and there are many advantages and disadvantages.
B. Free buses would help people on low incomes, but taxpayers would have to cover the cost. I believe that fares should be free only for children and older people.
C. Free buses are good because people can save money, and they can also go shopping more often.
答えはBです。この問いが求めているのは、2つの見方と自分の意見の3つです。Aには立場がなく、Cは片方の見方しか扱っていません。Bは短くても、3つが揃っています。文法の正しさでは3つとも差がつかないので、ここを見分ける目は1回目の読み直しでしか育ちません。
問2 次の2文のどこを、どう直しますか。
Online classes save travel time. Moreover, students cannot ask questions easily.
Moreover を However に替えます。1文目は長所で、2文目は短所です。Moreover は同じ向きの内容を足す語なので、逆の内容をつなぐと読み手が迷います。語の問題に見えますが、考えの関係を示せていないので、組み立ての欄の問題です。つなぎの語を丸で囲む2回目の読み直しで見つけられます。
問3 リスニング6.5、リーディング6.0、ライティング5.5、スピーキング6.0の人の総合のバンドはいくつでしょう。ライティングが6.0に上がった場合と、6.5に上がった場合も求めてください。
今の平均は24.0を4で割って6.0で、総合は6.0です。ライティングが6.0になると平均は6.125で、丸めると6.0のまま動きません。6.5になると平均は6.25で、総合は6.5に上がります。1技能を0.5上げても総合が動かないことがあるので、目標までの距離は4技能の合計で見ます。総合6.5なら合計25.0が目安です。
まちがえやすいところ
語数は多いほどよいわけではありません。150語と250語は下限です。超えても減点はされないと公式にありますが、Task 1を長く書けば、重みが2倍のTask 2の時間が削られます。Task 1は20分で切り上げると決めて練習します。逆に、下限に届かない答案は判定の材料が足りなくなります。
覚えた言い回しを貼りつけても上がりません。採点基準の低いバンドの記述には、覚えた表現や定型句の不適切な使い方への言及があります。難しい語も同じで、6の記述には、冒険して語の幅を広げると正確さが落ちることも書かれています。使うなら、辞書の例文で確かめた語にします。
箇条書きやメモの形で書かないでください。公式は完全な文で書くことを求めていて、箇条書きやメモの形は減点の対象です。時間切れが近づいても、最後の理由は短い文で書き切ります。
AcademicのTask 1に、原因や自分の意見を足さないことも大切です。見るのは与えられた図やグラフの要点の選び方と比べ方で、図の外の推測は求められていません。売上が伸びた理由を想像で書くより、どの年に一番伸びたかを比べるほうが点につながります。
手書きの下書きだけで練習を終えないでください。冒頭の図書館のノートは考えを整理するにはよい道具ですが、日本英語検定協会の会場ではコンピューターで答えます。週に1回は、キーボードで40分、250語を打ち切る練習を入れます。打つ速さが足りないと、英語の力より先に時間で詰まります。
よくある質問
独学だけで受けてもよいですか
リスニングとリーディングは、独学で十分に回せます。正答数という動かない物差しがあるからです。ライティングとスピーキングも練習そのものは1人でできますが、判定は自分でできません。回数は少なくてよいので、どこかで人の目か耳を入れてください。それがないと、ずれたまま練習量だけが増えます。
何か月前から始めればよいですか
一律には言えません。今のバンドと目標の差、1日に取れる時間で変わります。決めるのは提出先の締切からの逆算です。日本英語検定協会の案内では、結果は試験の1〜5日後にウェブで確認でき、申込は試験日の3日前の9:00まで、受験料は税込29,700円です。腕試しに何度も受ける金額ではないので、1回目で届かなくても2回目に間に合う日程を先に手帳に入れます。
ライティングだけ受け直せますか
One Skill Retakeという制度があり、初回の4技能の試験のうち1技能を受け直せます。公式の条件は、初回がコンピューター版で、その会場が制度を実施していること、初回の試験日から60日以内で、1回の試験につき1回までです。提出先が認めているかは機関ごとに違うので、申し込む前に確かめてください。
今週の進め方
月曜はサンプル問題でリーディングとリスニングを時間どおりに解き、火曜と水曜はまちがえた根拠を探して語句をノートに集めます。木曜にTask 2を1本、40分で打ちます。金曜は4回に分けて読み直し、土曜に問題文と時間を添えて添削を頼みます。日曜はPart 2を録音して聞き返します。個別指導では、立場が立たない答案なら英語の前に日本語で主張を言えるかまで戻り、同じ文法の誤りが続くなら高校の該当単元まで戻って確かめます。
まとめ
冠詞を直す前に、問いの文へ線を引いてください。独学の時間が足りないと感じたら、勉強時間を増やす前に読み直しの順番を疑います。1回目で消える文に、4回目の手間をかける余裕はありません。問いに答えていない段落は、どれほど文法を磨いても、消す段落です。
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