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TOEICの平均点—公式の統計の読み方と自分の位置|武蔵野個別指導塾

2025年度の平均は公開テスト616点、IPテスト492点です。友人と比べる前に受け方と集団をそろえ、595点以上が55.7%という分布表で自分の位置を読んでください。
TOEIC Listening & Reading(以下 L&R)の平均点は 1 つではありません。2025年度(2025年4月から2026年3月まで)の公式の数字は次のとおりで、自分の点は同じ受け方、同じ立場の行に当てて読みます。
| 比べる相手 | 平均点 | Listening | Reading | 受験者数 |
|---|---|---|---|---|
| 公開テスト全体 | 616点 | 337点 | 279点 | 755,473人 |
| 公開テストの大学生 | 601点 | 328点 | 272点 | 331,403人 |
| 公開テストの社会人 | 649点 | 353点 | 296点 | 308,493人 |
| IPテスト全体 | 492点 | 276点 | 216点 | 1,056,506人 |
| IPテストの大学生 | 466点 | 261点 | 205点 | 475,912人 |
IP テストは、学校や会社が実施する団体受験です。平均は合格点ではありません。自分の位置を知るには、平均との差より分布表が役に立ちます。公開テストでは、595点以上の人が全体の 55.7% です。
よくあるのは、大学からの帰り道で友人のスコア画面を見てしまった、という場面です。相手は 640点、自分は 600点。駅までの坂を下りながら「TOEIC 平均点」と打ち込むと、616、492、564 と違う数字が並びます。平均より上なのか下なのかさえ決まらないまま、改札を通ってしまう。この 3 つはどれも公式の発表で、どれも間違っていません。違うのは、誰の平均かです。
公式の平均はここで確かめます
確かめる先は、日本で TOEIC を実施している国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の公式サイトです。「公式データ・資料」のページに、入口が 2 つあります。
1 つ目は「実施回ごとにみる」です。試験日と午前・午後を選ぶと、その回の受験者数、Listening と Reading と合計の最高点・最低点・平均・標準偏差、点数帯ごとの人数が出ます。たとえば 2026年9月27日の午後の回は、受験者 15,795人、平均 606.3点、標準偏差 170.7 でした。
2 つ目は、同じページから開ける資料「TOEIC Program DATA & ANALYSIS」です。2026年版は 2025年度の公開テストと IP テストの受験者データをまとめたもので、所属学校、学年、専攻、職種、役職ごとの平均まで載っています。大学生や社会人の平均を調べるなら、こちらです。検索で出てくる解説の数字は、年度も受け方も書いていないことがあります。見つけたら元の資料に戻してください。
回ごとの平均は、かなり動きます。2026年4月から9月までの 18 回を公式ページで並べると、低い回は 598.1点(7月12日午後)、高い回は 628.7点(5月31日午前)で、30.6点の開きがありました。これを問題の難しさの差と読むことはできません。IIBC は、テスト問題や受験集団の違いが評価の基準に影響しないよう統計処理をしていると説明し、回ごとの平均の差は受験集団の違いが主な理由だと書いています。スコアも正答数そのままの素点ではなく、スコアの同一化と呼ばれる処理を経た換算点です。
だから、別の回に受けた友人と点を並べること自体はできます。できないのは、自分の回の平均との差をそのまま実力の差と言い切ることです。
616点と492点は、同じ物差しで測った別の集団です
図1のように、公開テスト全体の 616点と IP テスト全体の 492点には 124点の開きがあります。ここで「IP は問題が難しいのだろう」「公開の方が点が甘いのだろう」と考えるのは外れです。資料には、公開テストと IP テストの結果の意味は同じだと書いてあります。変わるのは受ける人です。

公開テストは、個人が申し込み、協会の決めた日時と場所で受けます。IP テストは、企業や学校が日時と場所を決めて、所属する人が受けます。大学生の内訳を見ると、この違いがはっきり数字に出ます。IP テストの大学生 475,912人のうち、1 年生は 271,712人で 57.1% です。公開テストで学年に回答した大学生 320,848人では、1 年生は 10.4% にとどまり、3 年生と 4 年生で 72.9% を占めます。資料は理由までは書いていませんが、入学して間もない学年がまとめて受ける場と、自分で申し込んで受けに行く場の違いと読むのが自然です。
比べる相手は、問いで決まります。「同じ授業で受けた中で自分はどのあたりか」を知りたいなら IP テストの大学の数字を見ます。「就職活動で公開テストの点を書く人の中でどのあたりか」なら公開テストの大学生の数字です。図1の「公開学生」592点は小学生から大学院生まで、「IP学校」462点は教育機関で実施された IP テスト全体を指すので、大学生だけの 601点や 466点とは別の行として読んでください。
もう 1 つの 564点(Listening 313点、Reading 251点)は、世界の受験者についての報告書にある日本の平均です。区切りは年度ではなく 2025年の 1 月から 12 月までで、国や地域を並べるための集計です。自分の点を当てる相手としては使いません。年度の数字は 3 年間ほとんど動いておらず、公開テストは 612点、615点、616点、IP テストは 492点、495点、492点でした。
自分の位置は分布表で読みます
平均は 1 つの点でしかなく、人がどう散らばっているかを語りません。図2は 2025年度の公開テストの人数を点数帯ごとに割合で並べたものです。平均の 616点は 595点から 640点までの帯にあり、ここが最も人の多い山の頂上です。帯はおおむね 50点ごとで、一番右は 895点から 990点までをまとめています。

公式の読み方は Percentile Rank です。自分のスコアに満たない受験者の割合を示す数字で、公式認定証に載っています。IIBC の説明では、Listening 300点で Percentile Rank が 41% なら、300点未満の人が 41% いて、その人は上位 59% に位置します。「実施回ごとにみる」の表の%も同じ読み方です。9月27日午後の回の 595点の行は 47.2 なので、595点未満が 47.2%、595点以上が 52.8% でした。
資料の人数から、2025年度の「この点以上の割合」を計算すると次のようになります。
| 点 | 公開全体 | 公開社会人 | 公開学生 | IP全体 | IP学校 |
|---|---|---|---|---|---|
| 795点以上 | 16.2% | 22.2% | 11.9% | 7.0% | 3.7% |
| 695点以上 | 34.3% | 43.0% | 28.0% | 15.4% | 9.6% |
| 595点以上 | 55.7% | 63.9% | 49.9% | 28.8% | 21.4% |
| 495点以上 | 75.4% | 80.6% | 71.7% | 46.9% | 40.1% |
| 395点以上 | 89.6% | 91.8% | 88.1% | 66.8% | 62.5% |
595点に届いた学生は、公開テストの学生の中ではちょうど半分のあたりにいて、学校で実施された IP テストの中では上位 2 割ほどにいます。同じ点の人が、集団を変えるだけで「普通」にも「上の方」にもなる。これが平均点の検索で迷う正体です。
差の大きさは標準偏差で見当をつけます。標準偏差は点の散らばりの大きさを表す数字で、9月27日午後の回では 170.7 でした。冒頭の 40点の差は、その 4 分の 1 に届きません。小さな差とまでは言いませんが、人の散らばり全体の中で見れば、落ち込むほどの距離でもありません。
大学生と社会人の差は48点、それだけでは読めません
公開テストでは大学生 601点、社会人 649点で、差は 48点です。Listening で 25点、Reading で 24点と、どちらか片方に偏ってはいません。ただ、社会人の内側の開きはもっと大きく、職種別では製造の 561点から海外の 717点まで 156点あります。学生の側でも、大学院の 642点は社会人の一般社員の 634点を上回り、専攻別では工学・建築の 562点と社会・法学系の 627点で 65点違います。大学生か社会人かという分け方は、数ある切り口の 1 つにすぎません。
図3は大学の学年別の平均を、公開テストと IP テストで並べたものです。どちらも学年が上がるほど高く、公開テストは 557点から 614点へ、IP テストは 451点から 537点へ上がっています。両者の差は 1 年生で 106点、4 年生で 77点です。

この図で最も多い読み違いは、「大学の 4 年間で 57点伸びる」と受け取ることです。図3の数字は、同じ人を 4 年間追いかけたものではありません。同じ年度に受けた、別々の人たちの平均です。人数も、公開テストの 1 年生は 33,391人、3 年生は 129,998人と大きく違い、受けに来る顔ぶれ自体が変わっています。あなたの伸びを見積もる材料には使えません。
社会人についても同じです。IP テストの社歴別を見ると、新入社員は 540点、入社 2 年目から 5 年目は 562点、6 年目から 10 年目は 561点、11 年目以上は 522点です。働いていれば自然に上がるとは、この表からは読めません。冒頭の 649点は公開テストを受けた社会人の平均であって、社会人全体の平均ではありません。
例題で確かめる
統計の読み方を 3 問で確かめます。平均点は公式の数字で、受験者の点と問2 の表は練習用に作ったものです。
問1 どちらに時間を割くか
公開テストで Listening 360点、Reading 205点、合計 565点でした。公開テスト全体の平均(Listening 337点、Reading 279点)と比べて、次の 1 か月に多く時間を割くのはどちらですか。
答えは Reading です。合計は平均の 616点より 51点低いので、全体が足りないように見えます。ところが分けると Listening は 23点上、Reading は 74点下で、差はすべて Reading の側にあります。合計の平均だけを見ていると、この偏りを見落とします。
問2 表から位置を読む
練習用の分布表があり、%はその点未満の人の割合です。695点の行は 78.0、645点の行は 66.0、595点の行は 53.0 でした。650点の人は上位何% 以内にいますか。
答えは 34.0% 以内です。650点は 645点の帯に入ります。645点未満が 66.0% なので、645点以上は 34.0% です。帯の中で何番目かまでは、この表からはわかりません。1 点ごとの位置が要るときは、自分の Percentile Rank を見ます。
問3 誰の平均かを言う
会社の IP テストで 555点だった人が、「公開テストの平均 616点に 61点足りないから、自分は平均以下だ」と落ち込んでいます。この読みの問題はどこですか。
点の意味は公開テストと IP テストで同じなので、公開テストの受験者の中で平均より下だという計算は正しいです。問題は、知りたいことと比べる相手がずれている点です。社内で同じ試験を受けた人の中での位置が知りたいなら、IP テストの企業・団体の平均 538点と比べるほうが近く、そこでは 17点上にいます。さらに正確に知りたいなら、自分の会社の中の分布を見るしかありません。
まちがえやすいところ
いちばん多いのは、平均を合格点と読むことです。TOEIC L&R の結果は合格・不合格ではなく、Listening 5点から 495点、Reading 5点から 495点、合計 10点から 990点のスコアで、5点刻みで出ます。平均を超えても何かに受かったわけではなく、下回っても何かに落ちたわけではありません。
午前と午後の差も、誤解されやすい数字です。2026年4月から9月までの 9 日のうち、8 日で午前の平均が午後を上回りました。たとえば 8月23日は、午前 619.2点、午後 601.5点です。ここから「午前に受ければ点が上がる」とは言えません。公式の説明どおり、受けている人が違うと読むべき数字であり、同じ人が午前と午後を受け比べた結果ではないからです。
人数の少ない集団の高い平均にも気をつけてください。公開テストの所属学校別では、小学校が 638点(1,074人)で、高校の 539点(34,383人)を 99点上回ります。小学生のほうが高校生より英語ができるという話ではありません。公開テストを受けに来る小学生が、ごく限られた子どもたちだということです。
細かいところでは、Listening と Reading の平均を足すと合計の平均と 1点ずれることがあります。公開テストの大学生は 328点と 272点で足すと 600点ですが、合計の平均は 601点です。資料の合計の平均は、合計点の総和を人数で割って出しているので、四捨五入の分だけ食い違います。また、社会人と学生の人数を足しても全体の 755,473人にはなりません。資料は無回答の分の掲載を省いています。
よくある質問
平均を超えたら履歴書に書けますか
書くかどうかの線を、平均点が決めるわけではありません。提出先が基準を示しているならそれに従い、示していないなら業界や会社ごとに見方が違います。平均は自分の位置を知るための数字で、提出先の評価を示す数字ではないと考えてください。
高校生の平均はどのくらいですか
2025年度の公開テストでは、高校に所属する受験者 34,383人の平均が 539点です。IP テストでは 18,389人で 436点、学年別には高校 1 年 401点、2 年 434点、3 年 443点でした。お子さまの点を見るときは、受け方をそろえて比べてください。大学入試での扱いは大学ごとに違うので、募集要項で確かめます。
平均点はいつ更新されますか
回ごとの数字は、公式ページの「実施回ごとにみる」で回を選んで見ます。年度のまとまった数字は DATA & ANALYSIS で確かめます。2026年版の中身は 2025年度の分なので、版の年と数字の年度が 1 つずれる点に注意してください。自分の結果は、公開テストなら試験日から 17 日後にインターネットで見られます。
今週の進め方
今週は、手元の結果を 1 行に書き出すところから始めます。受け方、合計、Listening、Reading、Percentile Rank の 5 つです。次に冒頭の表と図1から同じ受け方、同じ立場の平均を選び、差の大きいほうのセクションを 1 つ決めます。公開テストの認定証には項目別正答率(ABILITIES MEASURED)が Listening と Reading で 5 つずつ載っているので、最も低い 1 項目を今週の練習に当ててください。次の回を受けるなら、2027年1月10日の回の申込は 2026年11月26日 15:00 が締切です。個別指導では、項目別正答率の低い欄から、語彙と文法のどこまで戻れば解き直せるかを 1 問ずつ確かめます。
まとめ
平均点は、誰の平均かを言って初めて使える数字になります。同じ 600点でも、並べる集団を変えれば位置は変わります。そして友人の 640点とあなたの 600点は、公式の分布表では同じ 595点からの帯に入ります。
その 40点を縮める手がかりは、友人の画面ではなく、自分の項目別正答率に書いてあります。
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