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TOEICの点数の目安—500点から900点で何ができるか|武蔵野個別指導塾

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リスニング275とリーディング225を足すとちょうど500点。公式の帯の区切りを足し算すると、700点で言えることと言えないことの境目が見えてきます。

TOEIC L&R の点数に合否はありません。公式の相関表と、リスニング(L)とリーディング(R)それぞれの評価の区切りを重ねると、500点から900点の目安は次の表のとおりです。CEFR は公式の対照表にもとづく目安で、LとRを別々に判定します。

合計 相関表のレベル 内訳について言えること CEFRの目安
500点 C(470点から) L275とR225なら、両方が下から2番目の帯に入る最低点 両方B1には届かない
600点 C どちらか片方を、もう1段上の帯へ上げられる最低点 両方B1になりうる
700点 C(Bまで30点) L375とR325なら、Lは最上の帯、Rは上から2番目の帯 両方B2には届かない
800点 B(730点から) L375とR425なら、両方が最上の帯に入る最低点 両方B2になりうる
900点 A(860点から) Lは必ず最上の帯、Rは405点以上 両方B2以上、両方C1には届かない

表に「なら」や「なりうる」と書いたのは、合計が同じでも内訳で中身が変わるからです。点数の意味は、合計より先に内訳を見た人にしか読めません。

よくあるのは、昼の学食でスマートフォンにスコアを開いたまま、カレーが冷めていくという場面です。635点。前回より上がった。うれしい。ところが向かいの友人に「それって英語で仕事できるの」と聞かれた瞬間、言葉が止まります。数字は手の中にあるのに、その数字で何ができるのかを、本人がひとことも説明できない。説明できないまま次の試験を申し込むと、また同じ勉強を繰り返します。

合計点は5つのレベルで読みます

TOEIC L&R の結果は、Lが5〜495点、Rが5〜495点、合計が10〜990点で、5点刻みで表示されます。この合計点の読み方として公式が出しているのが、開発元の ETS の検証をもとに作られた相関表です。区切りは860点、730点、470点、220点の4本で、上から A、B、C、D、E の5つのレベルに分かれます。

図1 合計点の区切り4本と500点から900点の位置

図1のように、500点、600点、700点の3つは同じレベルCに入ります。800点はB、900点はAです。帯の幅も均等ではありません。Cは470点から725点までと広く、Bは730点から855点までと狭い。つまり500点の人と700点の人は、この表の上では同じ箱にいます。

評価の文は、語尾まで読むと印象が変わります。Cの見出しは「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」です。業務で使えるとは書いてありますが、「限定された範囲内では」が付いています。Bは「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」で、ここでも言い切っているのは「できる」ではなく「素地を備えている」です。Aでようやく「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」となり、それでも説明文には Native Speaker の域とは一歩隔たりがあると書かれています。

もう1つ、見落とされがちな注記があります。この表は本来、それぞれの状況やコミュニケーションの環境を考えて解釈すべきもので、実際のスコアの解釈は、英語力を求める個人や学校、企業や団体によって決まる、と公式の資料にあります。730点が合格で725点が不合格、という線ではありません。表は地図であって、判定の機械ではないのです。

同じ700点でも、内訳で別の人です

合計点の表だけでは、500点と700点の違いが見えません。そこで使うのが、公式の認定証にも載るレベル別評価(Score Descriptors)です。こちらはLとRを別々に評価し、Lは375点と275点の2本で3つの帯に、Rは425点、325点、225点の3本で4つの帯に分かれています。

読むと、帯の差はかなり具体的です。Rの320〜225点の帯では、解答するときに問題と同じ単語や句を文章の中から探すことに頼ることが多い、とあります。1つ上の420〜325点の帯になると、言い換えがあっても事実にもとづく情報が理解できる。ただし文章内の広い範囲にわたる情報を関連付けることはできない、と弱点に残ります。最上の495〜425点で、ようやく文章全体にわたる情報や、関連する2つの文章のつながりを理解できる、となります。

Lも同じ構造です。370〜275点の帯では、情報の繰り返しや言い換えがあれば長い話の主旨がつかめ、情報が繰り返されて答えの部分が最初か最後にあれば詳細も取れます。逆に言えば、一度しか言われない情報は取りにくい。495〜375点の帯になると、繰り返しがなくても、広い範囲の情報を結びつける必要があっても、詳細が理解できるようになります。

図2 LとRの帯の区切りが交わる点と合計点の線

図2は、横軸にL、縦軸にRをとり、帯の区切りに破線を、合計が同じになる組み合わせに斜めの線を引いたものです。区切りの交点は6つあり、合計はちょうど500点、600点、700点、800点のどれかに乗ります。275と225で500点。275と325、375と225で600点。275と425、375と325で700点。375と425で800点。100点ごとに、入れる帯の組み合わせが実際に変わります。500、600、700、800という目標は、切りがよいだけの数字ではありません。

ただし足し算はこちらで行ったもので、公式の表に合計点の帯はありません。斜めの線の上ならどの内訳もありうるので、700点でも L495 と R205 という形が数の上では成り立ちます。このRは、一番下の帯です。

500点から900点を1段ずつ読みます

ここまでの2つの物差しを、点数ごとに重ねます。書いてあるのは公式の評価を読み解いた目安で、ある点を取った人全員に当てはまる保証ではありません。

500点は、相関表のCの入口から30点上です。L275、R225という内訳なら、通常の会話の要点や、繰り返される話の主旨をつかむ力が見え始めます。読むほうは、短い文章なら簡単な推測ができる段階で、まだ本文から同じ語を探して当てにいくことが多い。合計が同じでも L250、R250 ならLはまだ一番下の帯なので、次に鍛える場所はまったく違います。

600点は、片方が一段上がれる最低点です。L375、R225 なら聞く力が先に上がった人、L275、R325 なら読む力が先に上がった人です。どちらの形かで、今後の勉強の配分は逆になります。

700点は、Bまであと30点です。L375、R325 の形なら、繰り返しのない長い話の詳細が取れ、読むほうも言い換えについていける。一方で、文章内の広い範囲にわたる情報を結びつけることが弱点に残ります。長い文書の離れた箇所をつなげて答える問題が、この位置の難所になります。

800点はレベルBの中で、両方が最上の帯に入れる最低点です。相関表の文では、通常の会話は完全に理解でき、業務上も大きな支障はない、となります。ただし「文法・構文上の誤りが見受けられる場合もある」と続きます。L&R の試験では発話も作文もしていないので、この部分は点数からは確かめられません。

900点はレベルAの中です。数の上で、Lは最低でも405点になるので必ず最上の帯に入ります。Rだけは405点までありうるので、最上の帯の入口である425点に届かない形が残ります。Rの最上の帯が確実になるのは920点からです。

CEFRに置くと、壁の位置が変わります

相関表とは別に、公式は CEFR との対照表も出しています。CEFR は言語力を A1 から C2 までの段階で示す国際的な枠組みです。L&R の場合、Lは B1 が275点、B2 が400点、C1 が490点、Rは B1 が275点、B2 が385点、C1 が455点からです。これは ETS が専門家の判定をもとに定めた対応で、あくまで目安です。

図3 CEFRの各段階に両方が届く最低の合計点

図3は、LとRの両方がその段階に届くための最低の合計点を、棒で積み上げたものです。B1 は550点、B2 は785点、C1 は945点。この合計は公式の表の値をこちらで足したもので、合計点の基準として公式が示した数字ではありません。赤い線の500点は B1 の棒の途中で止まり、700点は B2 の棒の途中、900点は C1 の棒の途中で止まります。

ここから言えることは3つです。500点では、LとRがそろって B1 になることはありません。700点では、片方が B2 になることはあっても、両方は無理です。900点でも、両方 C1 には45点足りません。相関表では700点の次の区切りが730点でしたが、両方 B2 という基準で見れば、壁は85点先にあります。どちらの物差しで語るかによって、同じ点数の聞こえ方が変わるということです。

履歴書や留学の書類で CEFR を問われたら、合計点を伝えるのではなく、LとRの点を別々に照らしてください。800点の人がそのまま B2 とは限りません。L495、R305 という内訳なら、Rは B1 の範囲です。出願先が CEFR で条件を書いているなら、その条件がセクション別か、どの試験の何点を認めるかまで募集要項で確かめる必要があります。

就職で見られる点は、会社ごとに違います

「何点あれば就職に有利か」に、1つの答えはありません。公式の相関表の注記も、スコアの解釈は企業や団体によって決まるとしています。企業では昇進や昇格の要件に使われることもありますが、その点数は各社が決めるものです。公式の就活向けの特集には、企業が社員に期待する点が部門ごとに載っていますが、それは調査の時点の集計で、あなたの志望先の条件ではありません。

確かめるのは、次の3つです。1つ目は、志望先の募集要項や採用ページに条件が書かれているか。書かれていれば、それが応募の条件なのか、参考にとどまるのかを文面から読みます。書かれていなければ、説明会で聞いて構いません。

2つ目は、仕事の中身です。海外の取引先の長いメールを読むのか、電話や会議で聞き取るのか、社内の資料を読むだけなのか。使い方が違えば、LとRのどちらが効くかも変わります。合計点が同じ2人を比べるなら、面接で内訳と、それで何をしてきたかを説明できる人のほうが、話が具体的になります。

3つ目は、スコアの古さです。公式のよくある質問によると、英語力は時間とともに変わるので最新のスコアを見ることを勧めるとして、開発元の ETS はスコアの有効期限を2年と設定しています。一方で、2年を超えたスコアを提出できるかどうかは ETS では決めておらず、提出先の方針によります。就職活動の時期から逆算して、提出先の扱いを先に調べてから受ける回を決めてください。

保護者の方がお子さまの点数について考えるときも同じです。合計の高低だけで就職の見通しを語るより、志望する仕事で聞く力と読む力のどちらが効きそうかを見たほうが、次の一手につながります。

例題で確かめる

問1

ある人のスコアは L340、R260 でした。合計は何点で、公式の帯ではLとRはそれぞれどこに入りますか。また、CEFR で両方 B1 と言えますか。

解説: 合計は600点です。Lは370〜275点の帯、Rは320〜225点の帯に入ります。CEFR の B1 はLもRも275点からです。Lの340点は届いていますが、Rの260点は15点足りません。合計は B1 の棒の550点を超えているのに、両方 B1 とは言えない例です。

問2

Aさんは L420、R295、Bさんは L325、R390 で、どちらも合計715点です。海外から届く長めのメールを読み、要点を社内に伝える仕事に近いのはどちらですか。逆に、電話や音声の案内を聞いて判断する場面で強いのはどちらですか。

解説: メールに近いのはBさんです。Rの390点は420〜325点の帯で、言い換えがあっても事実の情報が理解できる位置です。Aさんの295点は、同じ単語や句を探して答えることに頼りがちな帯です。聞く場面ではAさんです。Lの420点は最上の帯、Bさんの325点は370〜275点の帯で、情報が繰り返されないときに詳細が取りにくくなります。合計点を見ているだけでは、この逆転は読めません。

問3

次の掲示を読んで答えてください。

The Riverside branch will not accept deliveries on Friday while the loading dock is being repaired. Please send packages to the Hill Street branch until Monday.

Why can’t the Riverside branch accept deliveries on Friday?

解説: 正解は (A) です。掲示の和訳は「リバーサイド支店は、荷積み場の修理中につき、金曜日は配達を受け付けません。月曜日まではヒル通り支店へ荷物をお送りください」です。問いは「リバーサイド支店が金曜日に配達を受け付けられないのはなぜですか」で、(A) は「荷積み場が修理中である」という意味です。本文の loading dock が loading area に、is being repaired が under repair に言い換えられています。(B) は本文にある Hill Street を、(C) は packages と deliveries に似た語を入れた選択肢で、同じ語を探して答える癖があると引っかかります。(B) は「ヒル通り支店は閉まっている」、(C) は「荷物の配達が遅れた」、(D) は「月曜日は祝日である」という意味で、どれも本文からは読み取れません。Rの帯の差は、こういう1問に表れます。

まちがえやすいところ

1つ目は、相関表の区切りを合格線のように読むことです。725点と730点の差は、表の上ではレベルCとBの違いですが、点数の上では1刻みです。ここで「Bに上がったから業務は大丈夫」と考えるのも、「5点足りないから自分はまだ」と落ち込むのも、表の使い方を誤っています。

2つ目は、パーセンタイルランクの向きです。公式の認定証にある数字で、自分のスコアに満たない受験者が全体のどのくらいかを示します。70%と書かれていたら、上位70%ではありません。自分の点より下の人が70%いるという意味で、上位の側から数えれば30%の位置です。逆に読むと、自分の位置をまるごと取り違えます。

3つ目は、L&R の点を話す力や書く力の証拠にすることです。L&R が測るのは聞くことと読むことです。相関表の評価の文には会話での応答も出てきますが、試験の中であなたが話したわけではありません。800点だから英語の会議で発言できる、とは点数からは言えません。

4つ目は、CEFR を合計点で語ることです。図3の棒はLとRの最低点を積んだもので、合計がそれを超えても、片方が足りなければその段階とは言えません。問1の人はまさにこの形です。

5つ目は、2つの表を混ぜて読むことです。相関表の730点は合計点で、レベル別評価の375点や425点はセクションごとの点です。Rで425点を取っても、それだけで合計点のどこにいるかは決まりません。

よくある質問

1問まちがえると5点下がりますか

そうとは言えません。スコアは正答数そのままの素点ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理で出された換算点です。正答数から単純に計算できる点ではないので、1問あたりの点を考えるより、間違えた問題の種類を見るほうが得るものがあります。また、誤った解答で減点はされないので、迷ったらどれか1つにマークしてください。

項目別正答率は前回と比べてよいですか

比べられません。認定証の Abilities Measured は、LとRそれぞれ5つの項目の正答率を示しますが、公式の説明では、別のテストフォームの正答率とは比較できないとされています。前回との比較ではなく、同じテストフォームの平均正答率との差を見て、今回の自分の弱い項目を探す使い方が正しい読み方です。

話す力や書く力も示したいときはどうしますか

TOEIC S&W という別の試験があります。Speaking と Writing がそれぞれ0〜200点で、CEFR の B2 は Speaking が160点、Writing が150点からが対照の目安です。L&R の点と別の数字として示すことになります。提出先がどちらを求めているかは、募集要項か担当者に確かめてください。

今週の進め方

まずスコアを開き、合計を隠して、LとRの点を紙に別々に書きます。次に公式のレベル別評価の一覧表で、自分の帯の弱点の欄を読みます。認定証に載るのは長所なので、弱点は一覧表を開かないと読めません。そのうえで項目別正答率の低い2項目を選び、今週はそこに対応する問題だけを解き直します。最後に、次の試験で上げたい帯を、合計ではなくLかRの点で1つ決めます。個別指導では、間違えた問題を開き、言い換えで落ちたのか、語彙や中学の文法まで戻るべきなのかを確かめます。

まとめ

合計点は、LとRの2つの数字を足した結果にすぎません。足した瞬間に、どちらの帯にいて何が弱点なのかという情報は消えます。同じ合計でも、帯の組み合わせは何通りもあります。学食で友人に聞かれたら、合計ではなく内訳で答えてください。700点の人に必要な練習は、700という数字のどこにも書かれていません。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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