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植物の自由研究—観察の記録のしかたとテーマ|武蔵野個別指導塾

ベランダのミニトマトを例に、草丈と葉の数の測り方、1日1枚の記録カード、折れ線グラフと考察の書き方を手順で示し、家でできる植物のテーマ10個とあわせて最後まで進められます。
| 観察の型 | 何をするか | 向いている期間 |
|---|---|---|
| 育てて測る | 1つの鉢を毎日同じ時刻に測り、折れ線グラフにする | 2〜4週間 |
| 条件を変えて比べる | 同じ種を2つの鉢にまき、光か水の量のどちらか1つだけを変える | 2〜3週間 |
| 細かく見る | 葉、花、根をルーペで見てスケッチする | 1日〜数日 |
| 集めて並べる | 近所の葉を集め、形で分けて貼る | 2〜3日 |
植物の自由研究は、この4つの型のどれかに決めると進めやすくなります。記録は1日1枚のカードにし、日付、天気、草丈、葉の数、気づいたことの5つを毎日書きます。まとめは、動機、方法、結果、考察の4つの見出しで組み、結果の真ん中に折れ線グラフを置きます。残りの日数が1週間を切っているなら、下の2つの型が向いています。
よくあるのは、ベランダのミニトマトが、7月の終わりに気づいたら自分の背丈より高くなっていた、という場面です。5月に植えた苗に、いつの間にか黄色い花が咲き、緑の実が赤くなっている。毎朝水をやっていたのに、いつ花が咲いたのか、いつ実が色づいたのか、はっきり言えない。そこで、残りの夏休みで「いつ、どれだけ変わるのか」を数字で残してみよう、という話になります。もう育っている鉢があるなら、今日から測り始めるのがいちばん早い道です。種からまき直す必要はありません。
テーマの選び方
植物のテーマは、残りの日数と、家にある物で決まります。種からまいて育ちを追うなら、芽が出るまでの数日と、測って差が見えるまでの2週間ほどが要ります。すでに育っている鉢があれば、その日から測り始められます。葉を集めて並べる研究や、葉をルーペで見てスケッチする研究なら、数日で形になります。まず、提出日から逆算して、何日使えるかを数えてください。図1のように、4つの型はそれぞれ向いている期間が違うので、日数に合わない型を先に外すと、迷いが減ります。

次に、家にある物を見ます。ミニトマト、朝顔、豆、庭の草、公園の木、台所の豆もやしのパックまで、植物ならどれも観察の相手になります。新しく苗や種を買いに行くより、目の前にある鉢を使うほうが、観察に使える日数が増えます。家にある植物を例にした、型ごとのテーマを10個挙げます。
- ミニトマトの草丈と、緑、黄色、赤の実の数を毎日測る(育てて測る)
- 同じ種を日なたと日かげにまき、芽の出た日と草丈を比べる(条件を変えて比べる)
- 水やりを毎日と3日に1回にして、しおれ方と草丈を比べる(条件を変えて比べる)
- 窓のそばの鉢の向きを変え、葉と茎が光の側へ向き直るまでの日数を見る(育てて測る)
- 枝に透明な袋をかぶせ、朝と夕方で中にたまった水滴の量を比べる(条件を変えて比べる)
- 透明なコップにぬらした紙を入れて豆をはさみ、根の長さを毎日測る(育てて測る)
- 近所の葉を10種類集め、葉脈の形とふちのぎざぎざで分けて貼る(集めて並べる)
- 1本の茎の、下の葉と上の葉の長さを測って順に並べる(細かく見る)
- 花が咲いた日に札をつけ、その実が赤くなるまでの日数を花1つずつ数える(育てて測る)
- 同じ種を、ぬらした紙の上と土の中にまき、芽が出た日を比べる(条件を変えて比べる)
条件を変えて比べる型では、変える条件を1つにしてください。日なたと日かげで比べるなら、種、土、鉢の大きさ、水の量は同じにします。2つも3つも変えると、差が出ても何のせいかが言えなくなります。鉢は2つではなく3つ以上あると、1つがたまたま育たなかったときに助かります。
テーマが決まったら、「何を測るか」を1行で書いておきます。「日なたと日かげで、芽が出た日と、毎朝8時の草丈を比べる」のように、測る物と時刻まで入れると、途中でぶれません。この1行が、あとで模造紙の「方法」の見出しの下にそのまま入ります。
進め方
用意する物は、30cmの定規、支柱か割りばし、マスキングテープ、記録カード用のノートかカード、カメラかスマートフォン、温度計です。ルーペがあれば葉の裏や花の中まで見えます。支柱を切る、袋の口をひもで結ぶといった刃物を使う作業は、大人と一緒に行ってください。土を触ったあとは手を洗います。
最初に、測り方の決め事を3つ作ります。1つ目は時刻です。朝8時なら毎日朝8時にします。植物は昼にしおれて夕方に戻ることがあり、時刻がずれると草丈もずれます。2つ目は、どこから測るかです。草丈は、土の表面を0として、いちばん高い葉の先までとします。図2のように、支柱に土の表面の高さでテープの印をつけ、そこに定規の0を合わせれば、毎日同じ場所から測れます。3つ目は、何を数えるかです。葉は、長さが1cmを超えた物だけを数える、と決めておくと、小さな芽を数えるか迷いません。

測る項目は、次の5つを基本にします。
| 項目 | 測り方 | 単位 |
|---|---|---|
| 草丈 | 土の表面の印から、いちばん高い葉の先まで | cm |
| 葉の数 | 長さ1cmを超えた葉を、下から順に数える | 枚 |
| 葉の長さ | 決めた1枚を、付け根から先まで | cm |
| 茎の太さ | 土から5cmの高さに糸を1周巻き、糸の長さを測る | cm |
| 実や花の数 | 緑、黄色、赤のように色で分けて数える | 個 |
茎の太さは、定規では測りにくいので、糸を1周巻いた長さ、つまり周囲で記録します。直径が知りたいときは、周囲を3.14で割ります。周囲が2.5cmなら、直径はおよそ0.8cmです。葉の長さを測る葉は、下から3枚目のように決めて、テープで小さく印をつけておきます。毎日違う葉を測ると、伸びているのか、別の葉を測っただけなのかがわからなくなります。
記録カードは、1日1枚にします。書く欄は、日付、天気、気温、草丈、葉の数、実や花の数、気づいたこと、の7つです。気づいたことの欄には、「新しい葉が1枚出た」「下の葉が黄色くなった」「花が2つ落ちた」のように、数字にならないことを書きます。この欄が、あとで考察の材料になります。
| 日付 | 天気 | 気温 | 草丈 | 葉の数 | 実の数 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 8月1日 | 晴れ | 28度 | 12cm | 8枚 | 0個 | 下から3枚目の葉に印 |
| 8月8日 | くもり | 26度 | 15cm | 11枚 | 0個 | 葉のふちが少し丸まった |
| 8月15日 | 晴れ | 30度 | 19cm | 14枚 | 1個 | 緑の小さな実が1つ |
この表の数字は、書き方を示すための例で、自分の鉢では別の値になります。大事なのは、測り忘れた日の欄を空けたままにすることです。前の日と同じ数字で埋めると、その日に本当は何があったのかが消えてしまいます。
スケッチは、写真の代わりではなく、写真では写らない物を残すために描きます。最初は色をつけず、線だけで形を描きます。葉のふちの形、葉脈の分かれ方、茎の毛、花びらの枚数を、見たとおりに描いてください。描いた横に、「葉の長さ4cm」「花びら5枚」のように、測った数字と数えた数を書き込みます。矢印で部分を指して名前を書くと、見る人に伝わります。1日1枚でなくてよく、芽が出た日、葉が開いた日、花が咲いた日、実が色づいた日のように、変化があった日に描けば十分です。
写真は、毎回同じ位置から同じ時刻に撮ります。床にテープで足の位置の印をつけ、鉢の横に定規を立てて写すと、あとで並べたときに大きさの変化が目で見えます。写真はカードに貼らず、日付をつけて別にためておき、最後に横一列に並べます。
日なたと日かげで比べる型なら、2つの鉢に同じ日に同じ数の種をまき、毎日同じ量の水をやります。水の量はコップで決め、「毎朝100mL」のように数字で書きます。芽が出た日を、鉢ごとに記録します。芽が出てからは、上と同じ5つの項目を鉢ごとに測ります。差が出るかどうかは、やってみないとわかりません。差が出なかったとしても、それは結果です。
まとめ方
まとめは、動機、方法、結果、考察の4つの見出しで組みます。動機には、ベランダのミニトマトがいつの間にか大きくなっていて、いつどれだけ変わるのかを知りたくなった、という自分の理由を書きます。方法には、テーマを決めたときの「何を測るか」の1行と、道具、時刻、測り方の決め事をそのまま書きます。結果には、記録カードの数字を表にしたものと、折れ線グラフ、スケッチ、写真を置きます。考察は、結果から言えることを書く場所で、ここがいちばん短くなりがちなので、先に書く欄を広く取っておきます。
結果の中心は折れ線グラフです。草丈のように、日がたつにつれて変わる数を見せるには、折れ線が合っています。横軸は日、縦軸は草丈のcmにして、目盛りは等間隔に取ります。測った日に点を打ってから、点を順に線でつなぎます。図3は、日なたと日かげの2つの鉢の草丈を、1枚のグラフに重ねた例です。数字は書き方を示すための例で、日なたの鉢が28日で12cmから24cmへ、日かげの鉢が12cmから17cmへ伸びた、という記録を描いています。

このグラフから読み取れることを、数字つきで書きます。日なたの鉢は28日で12cm伸び、1日あたりおよそ0.43cmです。日かげの鉢は28日で5cm伸び、1日あたりおよそ0.18cmです。週ごとの伸びを見ると、日なたは3cm、4cm、3cm、2cmで、2週目がいちばん大きく、4週目は小さくなっています。こうした「どこで伸び方が変わったか」は、表の数字を眺めるだけでは気づきにくく、グラフにすると見えてきます。割り算は、紙に書いて見直すか、電卓で2回計算して、同じ答えになることを確かめてください。
考察は、3つの段落で書くと形になります。1つ目は、結果から言えることです。「日なたの鉢のほうが、日かげの鉢より28日で7cm多く伸びた」のように、数字を使って言います。2つ目は、そうなった理由の予想です。「日なたのほうが光が多く当たり、葉で養分を作りやすかったからだと考えた」のように、教科書の範囲で理由を書きます。確かめていないことは「考えた」「予想した」と書き、「わかった」とは書きません。3つ目は、次に確かめたいことです。「4週目に伸びが小さくなったのは、鉢が小さくて根がいっぱいになったからかもしれない。大きな鉢で同じことを試してみたい」のように書くと、研究が次につながります。
結果と考察の違いは、「測った数字そのもの」と「数字から自分が考えたこと」の違いです。「日なたの鉢は24cmになった」は結果で、「日なたのほうがよく育つと考えた」は考察です。この2つを別の見出しの下に分けて書くだけで、読みやすさが変わります。
模造紙に貼るなら、左上に題名と名前、その下に動機と方法、真ん中の広い場所に折れ線グラフ、右に写真を日付順に横一列、下に考察、と配置します。スケッチは方法の横か、グラフの横に貼ります。レポートの形にするなら、同じ4つの見出しを順に並べ、表とグラフを結果の節に入れます。文字は、模造紙なら離れた所から読める大きさにし、見出しだけ色を変えます。
うまくいかないとき
途中で枯れたり、しおれて戻らなかったりしたときは、枯れた日と、その前後の天気と気温、水やりの記録をそのまま書きます。枯れたことも結果です。「8月12日にしおれ、13日に戻らなかった。11日と12日は気温が33度で、水やりは朝だけだった」と書けば、考察で「暑い日は朝と夕方の2回水をやる必要があったのかもしれない」と続けられます。枯れた鉢を片づけて、何もなかったことにするのがいちばんもったいない形です。
測り忘れた日があるときは、空欄のまま出します。グラフには、測った日だけ点を打ち、測っていない日はつながないか、点線でつなぎます。前の日の数字で埋めると、嘘の記録になります。3日以上あいたなら、その理由を方法の節に1行で書いておきます。
数字が日によって上がったり下がったりして、きれいに増えないこともあります。草丈が昨日より1cm低い、という記録は、測る時刻が違った、葉がしおれて下がった、違う葉の先を測った、のどれかであることが多いです。記録カードの「気づいたこと」の欄を見直して、理由の候補を考察に書きます。測り方そのものを見直した日があるなら、それも書きます。
2つの鉢で差が出なかったときは、「差が出なかった」と書きます。条件の差が小さかったのか、期間が短かったのか、どちらの可能性もあると書き、どうすれば差が出そうかを次に確かめたいことに回します。虫がついたときは、手で取り除いて、何匹ついたかを記録に残します。薬は使わず、どうするか迷ったら大人に相談してください。
よくある質問
毎日測れない日があるときは、どうすればよいですか
測れない日は空欄にして、測れた日だけ点を打ちます。週に3回以上測れていれば、折れ線グラフは十分に描けます。旅行で1週間あくなら、出かける前と帰った日の2回を必ず測り、その間は家族に頼んで数字だけ書いてもらいます。頼んだ日は、記録カードに「母が測った」のように書いておけば、測り方が違う可能性を考察で触れられます。
スケッチが苦手でも、描く必要がありますか
写真があればスケッチは必須ではありませんが、1枚は描くことを勧めます。描くために葉を長く見ることになり、写真では気づかない葉のふちの形や毛に気づくからです。上手に描く必要はなく、線だけで形をなぞり、測った数字を横に書き込めば、観察の記録として十分です。
集めた葉の名前が図鑑でわからないときは
名前がわからない葉は、「葉A」「葉B」のように記号で呼び、拾った場所と日付を書いておきます。名前がわからなくても、葉脈の形やふちの形で分けることはできます。無理に名前を決めて間違えるより、「わからなかった」と書くほうが、正しい記録です。
親の関わり方と個別指導で確かめること
保護者の方にお願いしたいのは、測る時刻を一緒に決めることと、刃物を使う場面に付き添うことの2つです。測ること、数えること、書くことは、お子さま自身の手で進めます。数字がきれいに増えなくても、直さずそのまま残してください。個別指導で確かめるのは、記録カードが日付順にそろっているか、グラフの目盛りが等間隔か、考察が「結果」「理由の予想」「次に確かめたいこと」の3つに分かれているか、の3点です。理科の授業で習う光合成や蒸散の言葉を、自分の鉢の結果と結びつけて書けているかも、一緒に読み返します。
まとめ
植物の自由研究で残るのは、鉢ではなく、毎日同じ時刻に同じ場所から測った数字の列です。型を1つに決め、変える条件を1つにし、記録カードを1日1枚ためて、折れ線グラフにしてから考察を3つの段落で書きます。測り忘れも枯れたことも、空欄と日付のまま出せば結果になります。毎朝8時に支柱の印へ定規を当てた28日分の数字が、その夏の研究のすべてを語ります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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