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敬語の一覧—尊敬語・謙譲語・丁寧語の表と作文での使い方|武蔵野個別指導塾

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行く・言う・見るなど 19 行の動詞を尊敬語と謙譲語の表にし、面接と志望理由書で迷ったときに「誰の動作か」で形を選ぶ 4 つの手順と、二重敬語の直し方を載せています。

敬語で迷ったら、次の順で決めます。

  1. その動詞は誰の動作かを見る。相手(先生・面接官・学校)の動作なら尊敬語、自分や自分の家族の動作なら謙譲語。
  2. 文の終わりは「です」「ます」でそろえる。これが丁寧語。
  3. 1 つの動詞に敬語は 1 つ。「お読みになられる」のように重ねない。
  4. 声に出して読み、つかえた所だけ表で引き直す。

よくあるのは、放課後の教室で面接の練習をしていて、「休みの日は何をしていますか」と聞かれた瞬間に、「父と……父が、車で行かれて……」と言葉に詰まる、という場面です。答えの中身は持っています。詰まるのは、「行く」をどの形にするかが決まらないからです。練習の相手役の先生は待ってくれますが、本番の面接官は次の質問に移ります。作文でも同じことが起きます。志望理由書の下書きに「先生が申された」と書いて、どこが変なのか自分では見つけられない。敬語は暗記の量で決まるものではなく、「誰の動作か」を見分ける癖が先で、表はその後に引くものです。

書く前にすること

面接の答えを準備するときも、志望理由書を書くときも、最初にやることは敬語の暗記ではありません。ふつうの言い方で下書きを作り、その中の動詞に印をつけることです。「休みの日は、父と図書館に行って、本を読んで、帰りに母に頼まれた買い物をします」と書いたら、「行く」「読む」「頼む」「する」の 4 つに線を引きます。動詞が見えなければ、どこを敬語にするかも見えません。

次に、線を引いた動詞の横に、その動作をするのが誰かを書きます。「行く」は自分と父、「読む」は自分、「頼む」は母、「する」は自分。すると、この文には相手(面接官や学校の先生)の動作が 1 つも無いことがわかります。相手の動作が無いなら尊敬語の出番は無く、謙譲語も「父と参りまして」のように改まった言い方を 1 つ入れれば十分で、あとは文末を「ます」でそろえるだけです。つまり、冒頭の「行かれて」は尊敬語を使う場所ではなかったのです。父は自分側の人物なので、立てる相手ではありません。

図1 動詞を見て「誰の動作か」で尊敬語・謙譲語・丁寧語に分ける

図1のように、見分けは 3 つの箱に分けるだけです。相手の動作なら尊敬語(いらっしゃる、おっしゃる)、自分側の動作なら謙譲語(伺う、申し上げる)、そして動作が誰のものであっても文の終わりは丁寧語(です・ます)。この 3 つの箱を頭に置いてから表を引くと、表の縦の列を間違えなくなります。逆に、箱を決めずに表だけ見ると、「行く」の行に「いらっしゃる」と「伺う」が並んでいるのを見て、どちらを使えばよいか決められません。

文化庁の「敬語の指針」は、敬語を尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ・丁寧語・美化語の 5 種類に分けて説明しています。学校で習う 3 種類と対立するものではなく、謙譲語を 2 つに、丁寧語を 2 つに分けただけです。謙譲語Ⅰは「伺う」「申し上げる」のように動作の向かう先を立てる語、謙譲語Ⅱは「参る」「申す」「いたす」「おる」のように、聞き手に対して自分の動作を改まって述べる語です。面接で「父と参りました」と言うとき、父を立てているわけではなく、面接官に対して改まった言い方をしている。この区別を知っておくと、「参る」や「申す」を自分の家族の動作に使ってよい理由がはっきりします。

メモは紙の端で足ります。動詞、誰の動作か、使う種類、の 3 列を 1 行ずつ書く。面接の答えなら質問 1 つにつき 3 行から 5 行、志望理由書なら 1 段落につき 5 行ほどです。この 3 列のメモがあれば、次の節の手順はほとんど機械的に進みます。

書き方の手順

手順は 4 つです。図2のように、動詞に印をつけ、誰の動作かを決め、表で置き換え、最後に声に出して読む。この順を崩さないことが大事で、特に「表で置き換え」を最初にやると、相手の動作に謙譲語を当てる誤りが増えます。

図2 敬語を直す 4 つの手順と「行く」を置き換える例

1 つ目、動詞に印をつける。下書きの文を読んで、動詞に線を引きます。「〜する」の形の語(説明する、見学する、練習する)も動詞です。

2 つ目、誰の動作かを決める。相手側か、自分側か。面接なら、面接官と学校の先生方が相手側、自分と家族と自分の学校の先生は自分側です。ここで多くの人が迷うのが「自分の学校の先生」です。面接の場で志望校の先生に向かって話すときは、自分の中学の先生は自分側の人物になるので、「担任の先生がおっしゃいました」と立てるのではなく、「担任から聞きました」が改まった言い方になります。作文で読み手が学校の先生だけなら、自分の担任を立てても不自然ではありません。読み手が誰かで決まります。

3 つ目、表で置き換える。主な動詞は次の 19 行の表で足ります。「—」の所は、特定の形を無理に作らず、ふつうの言い方に「ます」を付けるか、別の動詞に言い換える方が安全です。

ふつうの言い方 尊敬語(相手側の動作) 謙譲語(自分側の動作)
行く いらっしゃる・おいでになる 伺う・参る
来る いらっしゃる・おいでになる・見える 参る
いる いらっしゃる・おいでになる おる
言う おっしゃる 申し上げる・申す
する なさる いたす
食べる・飲む 召し上がる いただく
見る ご覧になる 拝見する
見せる — お目に掛ける・ご覧に入れる
知る ご存じだ 存じ上げる・存じる
聞く・尋ねる お聞きになる・お尋ねになる 伺う
会う お会いになる お目に掛かる
もらう — いただく
くれる くださる —
あげる — 差し上げる
借りる お借りになる 拝借する
届ける お届けになる お届けする
説明する ご説明になる・説明される ご説明する・説明いたす
寝る お休みになる —
着る お召しになる —

表に無い動詞は、形で作ります。尊敬語は「お(ご)〜になる」か「〜れる・られる」で、「読む」なら「お読みになる」「読まれる」、「利用する」なら「ご利用になる」「利用される」です。謙譲語は「お(ご)〜する」で、「届ける」なら「お届けする」、「案内する」なら「ご案内する」。ただし謙譲語の「お〜する」は、動作の向かう先に人がいる動詞にしか作れません。「食べる」や「乗車する」には向かう先の人がいないので、「お食べする」「ご乗車する」とは言いません。和語には「お」、漢語には「ご」を付けるのが原則です。

4 つ目、声に出す。面接の答えは話し言葉なので、目で読んで正しくても口でつかえることがあります。「お目に掛かることができました」より「お会いできました」の方が、面接ではなめらかです。志望理由書も、黙読では見つからない「申された」のような誤りが、音読すると耳で引っかかります。

面接の答えの組み立ては、結論 1 文、理由 1 文から 2 文、体験 2 文の 3 段で、30 秒ほどに収まります。敬語の置き場所は決まっています。結論と理由はほぼ自分の考えなので丁寧語だけで済み、体験の段に「先生が」「学校が」と相手側が出てくるので、そこにだけ尊敬語が要ります。志望理由書の段落も同じで、学校説明会や見学で見聞きしたことを書く段落に尊敬語が集まり、自分の将来を書く段落は丁寧語だけで書けます。敬語を文章全体に散らそうとせず、相手側が登場する段落に集中させると、文が重くなりません。

例文で見る

1 つ目は、面接の答えです。冒頭の場面の下書きを、手順どおりに直します。

直す前。「休みの日は、父と図書館に行かれて、本を読んで、帰りに母に頼まれた買い物をします。」

直した後。「休みの日は、父と図書館に参ります。本を 2 冊ほど読み、帰りに母に頼まれた買い物をして帰ります。」

変えた所は 2 つです。「行かれて」を「参ります」にしました。父は自分側の人物なので、立てる尊敬語ではなく、面接官に対して改まる謙譲語を使います。もう 1 つは、長い 1 文を 2 文に切ったことです。面接の答えは、1 文が長いほど敬語の形が崩れます。「頼まれた」はそのままです。母が自分に頼む動作であり、相手側の動作ではないので、尊敬語にする必要がありません。「頼まれた」の「れ」は受け身であって敬語ではない、と見分けられると、直すべき所と直さなくてよい所の見分けがつきます。

2 つ目は、志望理由書の一節です。

直す前。「学校説明会で、校長先生が申された言葉が心に残りました。先生方の授業も見させてもらい、質問にも答えてくれました。」

直した後。「学校説明会で校長先生がおっしゃった言葉が心に残りました。先生方の授業も拝見し、質問にも丁寧にお答えいただきました。」

ここでは相手側の動作が 3 つ続きます。「申す」は自分側に使う語なので、校長先生の動作には「おっしゃる」を当てます。「見させてもらい」は自分の動作なので、謙譲語の「拝見する」に置き換えます。「答えてくれました」は、先生方が答える動作を自分が受けたので、「お答えいただきました」か「お答えくださいました」のどちらでも成り立ちます。「お答えいただく」は自分が受けた側から、「お答えくださる」は先生方が与えた側から述べる言い方で、どちらも先生方を立てています。この文で見てほしいのは、3 つの敬語がすべて「相手側か自分側か」の一回の判断から機械的に決まっている点です。覚えた語を並べたのではなく、判断の結果として形が決まっています。

例文は型を見るためのものです。「校長先生がおっしゃった言葉」をそのまま写しても、何をおっしゃったのかが書けなければ、志望理由書としては空になります。置き換えるのは敬語の形だけで、中身は自分が実際に見聞きしたことに戻してください。

まちがえやすいところ

よくある誤りは 3 つです。

1 つ目は二重敬語です。「お読みになられる」は、「読む」を「お読みになる」と尊敬語にしたうえで、さらに尊敬語の「れる」を重ねています。1 つの動詞に同じ種類の敬語を 2 回使う形で、一般には適切でないとされます。直した文は「お読みになる」です。図3のように、重ねた分を取り除くだけで直ります。ただし、習慣として定着している二重敬語もあり、「お召し上がりになる」「お見えになる」「お伺いする」は使っても問題ありません。面接で使う機会は少ないですが、「先生がお見えになりました」は自然な言い方です。

図3 二重敬語「お読みになられる」を「お読みになる」に直す

2 つ目は、相手側の動作に謙譲語を使う誤りです。「先生が申された」は、自分側に使う「申す」を先生の動作に当てているので、先生を立てたつもりが逆になっています。直した文は「先生がおっしゃった」です。同じ形で「担当の先生に伺ってください」も誤りで、「伺う」は聞く人の側がへりくだる語なので、相手に向かって言う言葉ではありません。直した文は「担当の先生にお聞きください」か「お尋ねください」です。

3 つ目は、「お〜できる」「お〜する」を相手の動作に使う誤りです。駅で聞く「ご乗車できません」は、謙譲語「ご乗車する」の可能形なので、乗客の動作に使う形としては適切でなく、「ご乗車になれません」が正しい形です。面接の練習で先生に「資料はお持ちしますか」と聞くと、「自分が持っていきましょうか」という意味になってしまい、先生が持つかどうかを尋ねたいなら「お持ちになりますか」です。このように「お〜する」は自分側の動作、「お〜になる」は相手側の動作、と形で覚えておくと、表に無い動詞でも間違えません。

よくある質問

面接では「僕」と「私」のどちらで話せばよいですか

改まった場面では「わたし」か「わたくし」です。「僕」は日常の言葉で、面接試験のような公的な場面では「わたし」の方がその場にふさわしい選択になります。女子も同じで、ふだん「うち」と言っている人は、練習のときから「わたし」に切り替えておくと本番で混ざりません。家族を指す言葉も同じ理屈で、面接では「お父さん」「お母さん」ではなく「父」「母」と言います。

「とんでもございません」は間違いですか

褒められたことを軽く打ち消す場面で使うなら、問題ないとされています。「とんでもない」で 1 つの形容詞なので、「ない」だけを「ございません」に変えるのはおかしい、という考え方から、以前は避けた方がよいと言われてきました。ただ、現在ではこの使い方は広まっていて、文化庁の「敬語の指針」も、褒めを打ち消す場面では使ってよいと説明しています。気になる人は「とんでもないです」と言えば済みます。

「お読みになっていただく」は二重敬語ではないのですか

二重敬語ではありません。「読んでもらう」の「読む」を尊敬語「お読みになる」に、「もらう」を謙譲語「いただく」にして「て」でつないだもので、2 つの動詞をそれぞれ別に敬語にした形です。立てる相手が同じ人なので意味に無理がなく、許容されます。二重敬語は 1 つの動詞に同じ種類の敬語を重ねた形だけを指し、「て」でつないだ形は別の物です。

親の手伝い方と個別指導で確かめること

家で手伝うなら、面接官の役を引き受けて、答えを最後まで黙って聞いてください。途中で直すと、お子さまは言葉を選ぶより先に止まる癖がつきます。聞き終えたら、気になった動詞を 1 つだけ指して「それは誰の動作だった」と聞く。正解を言うのではなく、判断を本人にさせるのが手伝いです。個別指導で確かめるのは、表を覚えているかではなく、初めて見る文で「誰の動作か」を声に出して決められるかどうかです。面接の答え 3 つ、志望理由書の 1 段落で、相手側と自分側の見分けが崩れなければ、表の残りは自分で引けます。

まとめ

敬語で詰まる原因は、語を知らないことではなく、動詞を見た瞬間に「誰の動作か」と問う一拍が抜けていることです。相手側なら尊敬語、自分側なら謙譲語、文末は丁寧語、重ねるのは 1 つまで。面接の練習でつかえた「行かれて」は、表を引く前のこの一拍で直ります。敬語は暗記の試験ではなく、相手と自分の位置を言葉で示す、たった一度の判断です。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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