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読書感想文の書き方—本の選び方から仕上げまでの6つの手順|武蔵野個別指導塾

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本を選ぶところから清書までを6つの手順に分け、読みながら付ける3色の印と、1200字を4つの段落に配る目安を示します。あらすじだけで終わった下書きを、自分の経験で立て直す直し方まで、8月31日の夜からでも間に合う順に並べてあります。

読書感想文は、次の 6 つの手順で書きます。

  1. 読み切れる厚さで、1 か所でも心が動く本を選ぶ。
  2. 読みながら、赤・緑・青の 3 色の印を付ける。
  3. 印を付けた所を、3 つの箱に分けてメモにする。
  4. メモを 4 つの段落に配り、段落ごとの長さを決める。
  5. 鉛筆で下書きを一気に書く。
  6. 声に出して読み直してから、原稿用紙に清書する。

手順の 1 から 3 までが準備、4 から 6 までが執筆です。準備に全体の半分の時間をかけると、書く時間のほうは短く済みます。

よくあるのは、8 月 31 日の夜の食卓で、読み終えたはずの本を前にして、原稿用紙の 1 行目が白いままという場面です。お子さまは「何を書けばいいかわからない」と言い、保護者は「読んだんでしょう、思ったことを書けばいいのよ」と返します。けれど、思ったことは頭の中に散らばっていて、順番がありません。書けないのは、本を読んでいないからでも、感想が無いからでもなく、散らばった感想を並べる手順を知らないからです。その手順を、本を選ぶ所から順に書きます。

書く前にすること

本は「読み切れる厚さ」と「心が動く 1 か所」で選ぶ

本選びで決まるのは、感想文の出来の半分です。選ぶ基準は 2 つだけです。1 つは、残りの日数で読み切れる厚さであること。もう 1 つは、ぱらぱらとめくったときに、1 か所でも「えっ」と思う場面があることです。表紙がきれいな本や、友だちが選んだ本である必要はありません。むしろ、自分が昔けがをした、転校した、飼っていた犬を亡くした、といった経験に近い出来事が出てくる本ほど書きやすくなります。書く材料は本の中だけでなく、読む人の側にもあるからです。

コンクールに出す場合は、主催者が指定する課題図書を読む「課題読書」と、自分で選んだ本を読む「自由読書」の 2 つの区分があります。自由読書は、物語でも伝記でも科学の本でもかまいません。ただし教科書や雑誌は対象になりませんので、学校から配られた案内で区分を確かめてから本を選んでください。

読みながら、3 色の印を付ける

読み終えてから思い出そうとすると、半分は消えています。読んでいる最中に、付箋か鉛筆で印を付けます。色は 3 つに決めておきます。

印は多くても 10 か所で足ります。少なすぎても困りますが、多すぎると後で選べなくなります。低学年のお子さまなら、保護者が「ここで、どう思った」と聞きながら、代わりに付箋を貼る形でかまいません。

メモは 3 つの箱に分ける

読み終えたら、ノートを縦に 3 つに区切ります。図1のように、左から「心が動いた場面」「自分の似た経験」「読み終えて変わったこと」の 3 つの箱を作り、印を付けた所をその箱に振り分けていきます。

図1 読書感想文のメモを 3 つの箱に分ける書き方

左の箱には、本の言葉を短く写します。1 行で足ります。長く写すと、感想文があらすじになります。真ん中の箱には、「いつ、どこで、何があったか」を自分の経験で書きます。本の場面と似ていれば、出来事の大きさは問いません。運動会のリレーで転んだ話でも、弟とけんかした話でも、本の場面と同じ気持ちを含んでいれば立派な材料です。右の箱には、読む前と読んだ後で、自分の考えがどう違うかを書きます。ここが空いたままだと、感想文の最後が弱くなりますので、1 つは必ず入れてください。「前は〜と思っていたが、今は〜と思う」の形で書くと、空きません。

3 つの箱がそれぞれ 2 行ずつ埋まったら、準備は終わりです。この段階で、感想文の 7 割は決まっています。逆に言えば、箱が空のまま原稿用紙に向かうから、1 行目で止まります。

書き方の手順

段落は 4 つ、配分を先に決める

読書感想文は、4 つの段落で組み立てます。順に、書き出し、心が動いた場面とその理由、自分の似た経験、読み終えて変わったことと結び、です。この 4 つに、文字の数を先に配ります。図2は、1,200 字で書くときの配り方です。

図2 1200字の読書感想文を4つの段落に配る目安

図2のとおり、書き出しに 150 字、心が動いた場面とその気持ちに 400 字、自分の経験に 400 字、変化と結びに 250 字を当てます。合わせて 1,200 字です。先に配っておくと、途中で足りなくなったり、場面の説明だけで原稿用紙が終わったりしません。2,000 字で書くなら、250 字、650 字、650 字、450 字です。800 字なら、100 字、270 字、270 字、160 字が目安です。

この数は、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する青少年読書感想文全国コンクールの、2026 年度の応募要項にある上限に合わせています。要項では、本文は小学校低学年の部が 800 字以内、小学校中学年と高学年の部が 1,200 字以内、中学校と高等学校の部が 2,000 字以内です。句読点はそれぞれ 1 字に数え、改行のための空白も数えます。題名、学校名、氏名は数えません。次の年度の要項は変わることがありますので、学校から配られた案内と公式サイトで必ず確かめてください。都道府県によって別の決まりがある場合も、学校の指示が優先です。

第 1 段落、書き出しは本の名前から始めない

「私は『〜』という本を読みました」から始めると、クラス全員が同じ書き出しになります。おすすめは 3 つです。1 つ目は、本の中の一文から始める形です。赤の印を付けた一文を、かぎかっこで短く置きます。2 つ目は、自分の経験から始める形です。緑の箱に書いた出来事の、いちばん強い一瞬を最初に置きます。3 つ目は、読む前の自分の考えから始める形です。「〜だと思っていた」と書けば、最後の段落で「今は違う」と受けられます。どの形でも、本の題名は 2 文目か 3 文目で出せば足ります。

第 2 段落、場面の説明は 3 行で止める

ここが、いちばん長くなる段落です。赤の印を付けた場面を 1 つだけ選びます。2 つ書くと、それぞれが薄くなります。場面の説明は 3 行までと決めて、残りは「なぜ心が動いたのか」に使います。「かわいそうだと思った」で止めず、「かわいそうだと思ったのは、〜だからだ」まで書きます。理由を書く所で、本の言葉を 1 か所だけ引きます。引くのは 1 文で足ります。長く引くほど、自分の言葉が減ります。

第 3 段落、自分の経験は「いつ、どこで、何が」

緑の箱の出来事を、場面として書きます。「私も似た経験があります」と書くだけでは、読み手には何も見えません。いつ、どこで、誰と、何があって、そのとき自分は何と言ったか、まで書きます。会話を 1 つ入れると、場面が動きます。経験を書き終えたら、本の場面とどこが同じで、どこが違うかを 1 文ずつ書きます。違いまで書くと、本をよく読んだことが伝わります。

第 4 段落、変わったことを 1 つだけ

青の箱に書いたことを、最後に置きます。「読む前は〜と思っていた。読んだ今は〜と思う」の形です。変わったことは 1 つに絞ります。ここで新しい話題を出さないことが大切です。結びの最後の一文は、本の言葉を借りず、自分の言葉で言い切ります。「これからも本をたくさん読みたいです」は、どの本を読んでも書ける文ですので、避けます。

下書きは鉛筆で一気に、清書は翌日に

4 つの段落に配ったら、ノートに鉛筆で下書きを書きます。途中で消しゴムを使わず、一気に最後まで書きます。きれいに書こうとすると、1 行ごとに止まります。下書きができたら、できれば一晩おいて、翌日に声に出して読みます。声に出すと、長すぎる文と、主語と述語が合っていない文が、耳でわかります。直してから原稿用紙に清書します。

原稿用紙の決まりで、よく指摘されるのは 3 つです。段落の始めは 1 マス空けること、句読点とかぎかっこは 1 マスに 1 つ書くこと、句読点が行の頭に来るときは前の行の最後のマスに文字と一緒に入れることです。学校で別の指示があれば、学校の指示に従ってください。

例文で見る

例文は 2 つとも、型を見るために短く書いたものです。本の題名は出していません。そのまま写すのではなく、自分の本と自分の経験に置き換えて使ってください。

例文 1、第 2 段落から第 3 段落へのつなぎ(小学校高学年の目安)

主人公が、約束を破った友だちに「もういい」と言って背を向けた場面で、私は本を閉じてしまった。言った本人が、いちばん傷ついた顔をしていたからだ。

私にも、同じ顔をした日がある。4 年生の春、妹が私の自由研究の紙に絵を描いた。私は「もう知らない」と言って部屋を出た。妹は泣かなかった。かわりに、私のほうが夜まで気分が悪かった。

良い所は 3 つあります。1 つ目は、本の場面の説明が 1 文で止まり、2 文目がすぐ「なぜ心が動いたか」に入っていることです。2 つ目は、自分の経験に「4 年生の春」「妹」「自由研究の紙」「もう知らない」という、いつ・誰・何・会話がそろっていて、読み手に場面が見えることです。3 つ目は、「同じ顔をした日がある」の一文が、本の場面と自分の経験をつないでいることです。この一文が無いと、本の話と自分の話が別々に並ぶだけになります。

例文 2、第 4 段落(中学生の目安)

読む前の私は、我慢することが大人になることだと思っていた。主人公は最後まで我慢しなかった。言いたいことを言い、そのたびに失敗し、それでも友だちを失わなかった。読んだ今は、言わずに済ませた言葉のほうが、あとで人を遠ざけるのだと思う。来週、部活の後輩に言いそびれていることを、短くてもいいから言うつもりだ。

ここでも良い所は 3 つです。「読む前」と「読んだ今」が向かい合って置かれていて、変わったことが 1 つに絞られています。主人公の行動を「言いたいことを言い、そのたびに失敗し」と 1 文でまとめていて、あらすじに戻っていません。最後の一文が、本の言葉ではなく、来週の自分の行動で締められています。きれいな言葉で終わるより、小さくても具体的な次の一歩で終わるほうが、読み手は信じます。

まちがえやすいところ

1. あらすじが 8 割を占める

いちばん多い誤りです。図3のように、よくある下書きは、あらすじが 8 割、自分の考えが 2 割になっています。本を読んでいない人にも伝わるように、と思って説明を足すうちに、そうなります。けれど感想文を読むのは、たいていその本を知っている先生です。直した形は、あらすじが 2 割、自分の考えが 8 割です。

図3 あらすじと自分の考えの割合をよくある形と直した形で比べる

直し方は簡単で、下書きの中で本の出来事を説明している文に線を引き、3 文だけ残して、ほかを消します。空いた所に、「なぜそう思ったか」と、自分の似た経験を足します。誤りの文は「主人公は島に流され、食べ物を探し、火をおこし、やがて仲間と出会い、最後に島を出た。」のように出来事が続くものです。直した文は「火がついた夜、主人公が声を出して笑う場面で、私は自分の失敗を思い出した。」のように、場面を 1 つに絞って自分につなぎます。

2. 「おもしろかったです」が 3 回出てくる

「おもしろかった」「感動した」「すごいと思った」は、気持ちの名前であって、気持ちの中身ではありません。3 回続くと、読み手には何も伝わりません。見分け方は、その言葉を消しても文が成り立つかどうかです。直すときは、「何が」「どのように」を足します。「主人公が勝ってうれしかった。」は、「主人公が最後の一周で前の走者を抜いたとき、私は自分のことのように声が出た。」のように、体の動きまで書きます。気持ちの名前を書かずに、気持ちが伝わる文が、感想文の文です。

3. 最後だけ急に、きれいごとになる

本文では正直に迷いを書いていたのに、最後の 3 行で「これからは友だちを大切にしたいです」と急に優等生になる下書きがあります。どこが違うかといえば、そこまで書いてきた自分の経験と、結びの一文がつながっていないことです。直すには、結びを「できること 1 つ」に小さくします。「友だちを大切にしたい」は、「明日、先週からあいさつをしていない友だちに、自分から声をかける」に直します。小さい約束のほうが、本当に読んで変わったことが伝わります。

よくある質問

本を最後まで読めていません。書けますか

書けます。感想文に要るのは、本の全部ではなく、心が動いた場面 1 つと、自分の経験 1 つです。残りの時間で読める所まで読み、その中でいちばん心が動いた場面を選んでください。ただし、最後を知らずに結末について書くと、読んだ先生にはすぐわかります。結末に触れず、読んだ範囲の場面で書くのが正直な形です。

題名はいつ決めますか

最後です。下書きを声に出して読み、いちばん言いたかった一文を見つけてから、その言葉を使って付けます。「〜を読んで」は、どの本にも付けられる題名ですので、避けます。本の題名をそのまま使わず、自分の変化を表す言葉、たとえば「もう知らない、と言った日」のような形にすると、読む前から中身が見えます。

常体と敬体、どちらで書きますか

どちらでもかまいませんが、混ぜないことが大切です。「〜だ」「〜である」の常体は、考えを言い切るのに向いていて、中学生以上におすすめです。「〜です」「〜ます」の敬体は、小学生が書きやすい形です。下書きを読み直すときに、文末だけを目で追って、混ざっていないかを確かめてください。

親の手伝い方と個別指導で確かめること

保護者にお願いしたいのは、文を書くことではなく、聞くことです。「どこで、どう思ったの」「それ、前にもあったよね」の 2 つの質問だけで、お子さまの口から、赤の箱と緑の箱の中身が出てきます。出てきた言葉を、そのまま箱に書き留めてあげてください。文に直すのは、お子さまの仕事です。

個別指導では、まず 3 つの箱が埋まっているかを見ます。空いている箱があれば、本に戻って一緒に探します。次に、下書きを声に出して読んでもらい、あらすじの文に線を引いて、残す 3 文を一緒に選びます。手を入れるのは配分と順番までで、言葉はお子さまのものを使います。

まとめ

本を選び、3 色の印を付け、3 つの箱にメモを分け、4 つの段落に配り、鉛筆で一気に下書きし、声に出して直してから清書する。この順番を守れば、8 月 31 日の夜からでも、原稿用紙は埋まります。読書感想文に書く相手は本ではなく、本を読む前と読んだ後で変わった自分です。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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