
講師陣と指導の仕組み
子どもが説明する側に回る時間はあるか—「アクティブラーニング」という言葉を、1対1の90分の中で見分ける

「アクティブラーニング」という言葉は、塾の案内でも学校の説明会でもよく耳にします。けれど、言葉が書いてあることと、90分の中で子どもが本当に頭を動かしていることは、別のことです。確かめる方法は一つです。授業の中で、子どもが説明する側に回る時間があるかを見てください。

言葉より先に、90分の中の時間の割り振りを見る
武蔵野個別指導塾は、アクティブラーニング、アクティブリコール(思い出す練習)、間隔反復(間隔をあけた復習)を明示的に取り入れています。この記事では、そのうちアクティブラーニングを取り上げます。思い出す練習と間隔をあけた復習については、別の記事に書きました。
アクティブラーニングは、教える側が話し、聞く側が書き写す授業の反対側にある考え方です。子どもが自分で考え、言葉にし、問いを立て、間違いを確かめる。授業の主語が、講師から子どもへ移ります。
ただ、この言葉はとても広く使われています。グループで話し合う授業も、発表の授業も、同じ言葉で呼ばれます。1対1の授業で言うアクティブラーニングは、それとは形が違います。話し合う相手は、隣に座る講師一人です。
だから、案内の言葉を読むだけでは分かりません。見てほしいのは、90分の時間の割り振りです。講師が説明している時間と、子どもが手を動かしている時間と、子どもが口を開いている時間。この三つが、どのくらいの割合で並んでいるかを見てください。
講師が説明し続ける90分は、どれだけ分かりやすくても、子どもにとっては聞いている90分です。聞いている間、子どもは分かった気持ちになります。けれど、その気持ちは家に帰ると消えていくことがあります。
子どもが説明する側に回る場面
1対1の授業で、子どもの頭が動いているかどうかがいちばんよく分かるのは、子どもが説明する側に回る場面です。
たとえば、問題を解き終えた後に、講師が「どうしてこの式にしたの」と聞く。子どもは、自分の言葉で手順を説明します。説明の途中で言葉が詰まったところが、まだ分かりきっていない場所です。
あるいは、講師が説明する前に、子どもへ先に考えさせる。教科書の例題を見せて、「ここまでで何が分かっていて、何を求めればいいと思う」と聞く。子どもは、正しくなくても、自分の予想を口にします。予想が外れた場所から、授業が始まります。
講師1名に生徒1名の完全マンツーマンでは、この問いと答えの往復を、90分のあいだ続けやすくなります。1対2の巡回型の授業では、講師がもう一人の生徒のところへ行っている間、その往復は止まります。完全マンツーマンは、往復を止めにくくする形でもあります。
子どもが説明する場面は、うまくいっている授業ほど、静かに見えます。講師が話していない時間が長いからです。体験授業を外から見るとき、講師が黙っている時間を「何もしていない時間」と読まないでください。その沈黙は、子どもが考えている時間かもしれません。

間違いを、すぐに直さない
もう一つ見てほしいのは、子どもが間違えたときの、講師の最初の一言です。
間違いをすぐに直してしまう授業は、効率が良く見えます。赤で正しい答えを書き、正しいやり方を説明する。子どもは正しいやり方を書き写し、次の問題に進みます。
けれど、子どもは、自分がなぜ間違えたのかを知らないまま進みます。同じ間違いは、次のテストで、形を変えてまた出てきます。
子どもが自分で考える授業では、講師は、間違いを見つけてもすぐには直しません。「ここまでは合っている。ここから先を、もう一度見てみよう」と、止まった場所を指さして、子どもに戻らせます。子どもは、自分で間違いを見つけます。自分で見つけた間違いは、人に直された間違いより、長く頭に残りやすいです。
消しゴムで消した跡も、大事な材料です。どこで迷い、どこで書き直したかが、答案に残っています。1対1の授業では、講師はその跡を、子どものすぐ隣で見ることができます。
講師陣の学歴は、問いの質に出る
子どもに説明させる授業は、講師にとって、説明する授業より難しい仕事です。
説明する授業なら、講師は自分が準備した順番で話せば終わります。子どもに説明させる授業では、子どもが口にした言葉を聞いて、その場で次の問いを選ばなければなりません。子どもの説明のどこが詰まっているかを聞き分け、どの問いを返せば子どもが自分で先へ進めるかを考える。科目を深く分かっている人でなければ、この問いは選びにくいでしょう。
武蔵野個別指導塾の講師陣には、大学教員や大学の非常勤講師、在野の哲学者や元研究者(修士号・博士号取得者)がいます。現役の難関国立大学の学生(東京大学・一橋大学・東京外国語大学・東京農工大学など)や、私立大学医学部の学生もいます。東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学の修士課程・博士課程の大学院生、現役の中学校の非常勤講師もいます。講師は専門の科目を担当制で受け持つ業務委託です。アルバイト講師はいないと、公式に記載しています。
研究の仕事は、答えの分からない問いを立てて、自分で確かめることの繰り返しです。その経験は、子どもに返す問いの質に出ます。

家でもできる、説明する側に回る十分
子どもが説明する側に回る時間は、塾の90分の中だけで作るものではありません。家でも、短い時間で作れます。
やり方は簡単です。塾から帰った日の夜か翌日に、「今日やった問題を一つ、私に教えて」と頼んでください。親は分からないふりをして、聞く側に回ります。数学の式でも、英語の文の並びでも、国語の設問でもかまいません。
子どもは、親に説明しようとして、途中で言葉に詰まることがあります。詰まった場所が、授業で分かった気になっていた場所です。そこで親が答えを教える必要はありません。「そこ、次の授業で聞いてみたら」と言えば十分です。子どもが持ち帰った問いは、次の90分の始まりになります。
この十分で、親が気をつけることは一つだけです。説明の正しさを採点しないことです。親が採点を始めると、子どもは説明の時間を試験の時間と受け取り、口を閉じてしまうことがあります。聞く側に回った親は、うなずいて、分からないところで「それはどうして」と聞くだけにしてください。
講師が返す問いと、親が返す問い。この二つが同じ形になれば、子どもは説明する役に少しずつ慣れていきます。
体験授業で見るところと、帰り道に聞く三つの問い
武蔵野個別指導塾の体験授業は有料で、季節講習の1コマ分です。通常授業と同じ時間帯に90分、入塾後と同じ講師が1対1で、本番と同じ授業をします。体験の前には、無料の事前診断テストと入塾前カウンセリングを受けられます。
本番と同じ授業なので、アクティブラーニングという言葉が90分の中でどんな形をしているかを、そのまま確かめられます。
教室で見られる範囲は、教室に確かめてください。見られないときは、帰り道に子どもへ聞いてください。聞くのは、次の三つです。
一つ目は、「今日、自分で説明した問題はあった」です。あったと答えたら、どの問題で、何を説明したかを聞いてください。子どもがそれを家でもう一度説明できるなら、その授業は頭に残っています。
二つ目は、「間違えたとき、何て言われた」です。すぐに正しい答えを教えられたのか、止まった場所を指さされたのか。子どもの答えに、その授業の形が出ます。
三つ目は、「今日、分からないって言えた」です。分からないと言えない子は、うなずくだけで90分を過ごします。1対1の授業は、分からないと言える距離の授業です。言えたかどうかは、子どもに直接聞くのがいちばん早く分かります。
よくある質問
Q. アクティブラーニングは、1対1の授業でもできるのですか。 A. できます。グループで話し合う形とは違い、隣に座る講師との問いと答えの往復で行います。子どもが自分で説明する、先に予想を立てる、自分で間違いを見つける、といった場面が90分の中にあるかを見てください。
Q. 講師があまり話さない授業は、手を抜いているのではありませんか。 A. 講師が黙っている時間が、子どもが考えている時間であることがあります。外から見て静かな授業が、子どもの頭がいちばん動いている授業であることも少なくありません。帰り道に、子どもが自分で説明した問題があったかを聞いてみてください。
Q. 間違いをすぐに直してもらえないと、時間がもったいなくありませんか。 A. 直してもらえば、その場では早く進みます。けれど、自分で見つけた間違いのほうが長く頭に残り、同じ間違いを次のテストで繰り返しにくくなります。90分の使い方として、どちらが子どもの答案に残るかで考えてください。
Q. 体験授業は無料ですか。 A. 武蔵野個別指導塾の体験授業は有料で、季節講習の1コマ分です。入塾後と同じ講師が、本番と同じ90分の授業をします。体験の前の事前診断テストと入塾前カウンセリングは無料です。
Q. 話すのが苦手な子にも向いていますか。 A. 1対1の授業は、大勢の前で発表する授業とは違います。話す相手は隣の講師一人です。最初は短い一言でかまいません。どこで止まったかを指さすだけでも、説明の始まりになります。
Q. 家で「教えて」と頼むと、嫌がられます。 A. 毎日頼むと、子どもは見張られていると感じます。塾のあった日の夜に一問だけ、と決めてください。親は分からないふりをして聞く側に回り、説明の正しさは採点しないでください。嫌がる日は、無理に続けなくてかまいません。
まとめ
「アクティブラーニング」は、言葉が書いてあるかではなく、90分の中で子どもが説明する側に回る時間があるかで見分けてください。子どもが先に考える問いがあるか。間違いをすぐに直さず、止まった場所を指さしているか。講師が黙っている時間を、子どもが考える時間として使っているか。体験授業の帰り道には、自分で説明した問題、間違えたときの一言、分からないと言えたかの三つを聞いてください。
90分の中身を確かめたいときは、教室にご相談ください。
- 武蔵野個別指導塾(東京都武蔵野市境2-2-3 渡辺ビル4F・JR中央線 武蔵境駅 徒歩30秒)
- 電話: 0422-27-7828(365日・24時間)
- メール: musashinokobetu.daily@gmail.com
同じ分野のほかの記事
- 講師陣の出身を読む—大学教員から医学部の学生まで、誰が隣に座るのか|武蔵野個別指導塾
- 代表講師・藤崎史朗の経歴—予備校の教壇と出題者の机を知る国語の専門家|武蔵野個別指導塾
- 完全マンツーマンと巡回型は何が違うのか—90分のうち、講師の目が離れる時間|武蔵野個別指導塾
- 担当制の業務委託講師で変わること—アルバイト講師のいない教室の授業の組み方|武蔵野個別指導塾
- 総合型選抜は宮川と藤崎の二人で見る—研究計画書と入試現代文、二つの目|武蔵野個別指導塾
- 入試問題を作る側から見た入試—設問は受験生に何を求めているのか|武蔵野個別指導塾
- 医学部・医療系を目指す高校生の小論文と医療英語—隣に座るのは誰か、入塾前に科目の頼み方を決める
- 90分の中で何が起きているのか—思い出す練習と間隔をあけた復習を、入塾前に確かめるための手引き
- 「論理国語」「現代の国語」と言われても—高校の国語の新しい科目名から、わが子が止まった場所を切り分ける
- 「論理・表現Ⅰ」が下がったと言われたら—高校英語の新しい科目名から、読む・書く・話すのどこで止まったかを見分ける
- 「大学生の講師で大丈夫ですか」と聞かれたら—学生に頼む仕事と、学生以外に頼む仕事
- 塾の教材は、止まった場所が決まってから選ぶ—買わなければならない教科書のない教室で、家の本棚と学校の冊子を先に開く
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




