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数検の過去問—どこで手に入れるか、何回分解くか、直し方|武蔵野個別指導塾

公式サイトの無料の1回分、コンビニの1回分、協会の過去問題集の4回分か6回分。どれをいつ解き、間違いを3つの箱に分けてどう直すかを、検定日からの逆算で示します。
数検(実用数学技能検定)の過去問は、公益財団法人 日本数学検定協会が公式サイトの「検定過去問題」で各級 1 回分を無料で公開しています。1〜5級は 1次(計算技能検定)と 2次(数理技能検定)の両方、6〜11級は 1 回分で、どれも検定問題・解答用紙・模範解答がそろいます(かず・かたち検定は問題だけです)。量が要るなら、協会が発行する過去問題集に、準1〜5級は 4 回分、6〜11級は 6 回分が、模範解答とくわしい解説つきで載っています。コンビニのマルチコピー機でも各級 1 回分のセットが印刷でき、3〜5級は 1次のみ 400円、2次のみ 400円、1次と 2次のセットで 600円です。
| 入手先 | 回数 | 解答 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 公式サイトの「検定過去問題」 | 各級 1 回分(無料) | 解答用紙と模範解答あり | 最初の力試し |
| コンビニのプリント | 各級 1 回分 | 解答用紙と模範解答あり | 急いで 1 回分だけ欲しいとき |
| 協会発行の過去問題集 | 準1〜5級 4 回分・6〜11級 6 回分 | くわしい解説つき | 本番までの量をこなす |
解く回数は、公式の 1 回分で現在地を測り、問題集の全回分を 1 周、間違えた問題だけで 2 周目、最後に本番と同じ時間割で 1 回通す、が基本です。直し方は、間違えた問題を「計算ミス」「知識の穴」「読み違い」の 3 つの箱に分け、箱ごとに手当てを変えます。
よくあるのは、時計を横に置いた土曜の朝、印刷したばかりの 1次の問題を前にして、鉛筆を持ったまま「50 分で 30 問って、1 問 2 分も無いのか」と気づく場面です。解き始めると最初の 10 問は順調でも、分数と平方根が混ざった問題で手が止まり、気づけば残り 15 分で 8 問残っている。終わって採点すると 22 問正解で、合格の目安には届いているのに、どの問題に何分かけたかは思い出せない。過去問は、この「思い出せない」を無くすために解きます。
試験のかたちと範囲
過去問を解く前に、何を測る紙なのかを知っておきます。数検の 1〜5級は、1次の計算技能検定と 2次の数理技能検定に分かれ、初めて受けるときは同じ日に両方を受けます。合格には 1次で全問題の 70% 程度、2次で全問題の 60% 程度が要り、片方だけ合格した場合は、次に受けるときにその合格証の番号を使って、合格している方の免除を申請して申し込めます。6〜11級の算数検定は 1 回の検定で、合格基準は全問題の 70% 程度です。
級ごとの問題数と時間は、公式サイトの各級の案内に次のとおり載っています。
| 級 | 1次の問題数と時間 | 2次の問題数と時間 |
|---|---|---|
| 1級・準1級 | 7 問で 60 分 | 2 題必須と 5 題から 2 題選択で 120 分 |
| 2級 | 15 問で 50 分 | 2 題必須と 5 題から 3 題選択で 90 分 |
| 準2級 | 15 問で 50 分 | 10 問で 90 分 |
| 3級・4級・5級 | 30 問で 50 分 | 20 問で 60 分 |
| 6級 | 30 問で 50 分(1 回の検定) | ― |
この表が、過去問の解き方を決めます。3級の 1次は 30 問を 50 分、1 問あたり 1 分 40 秒です。2次は 20 問を 60 分、1 問 3 分です。1次は「速く正確に」、2次は「読んで式を立てる」力を見ていて、同じ級でも紙の性格が違います。だから過去問も、1次と 2次を別の物として扱います。
図1のように、過去問の入手先は 3 つあり、それぞれ役目が違います。公式サイトの 1 回分は、検定問題・解答用紙・模範解答がそろった無料の試し紙で、過去に実際に使われた問題です。コンビニのプリントは同じく 1 回分のセットで、準1〜準2級は 1次のみ 500円、2次のみ 500円、セット 800円、3〜5級は 400円・400円・600円、6〜11級は各級 300円です。協会発行の過去問題集は、準1〜5級が 4 回分、6〜11級が 6 回分で、模範解答とくわしい解説が別冊になっていて、本番と同じ大きさの解答用紙を公式サイトから印刷して使えます(2021 年 4 月以降に初版が出た本が対象です)。

範囲は級の案内のとおりで、3級なら三平方の定理や二次方程式、平方根、円の性質、相似比と面積比、体積比、展開と因数分解、簡単な二次関数や統計などに、中学 1 年と 2 年の内容が加わります。過去問を 1 回分解くと、このうちどの単元が自分の穴かが紙の上に出ます。範囲の一覧を眺めるより、1 回分を解いた方が、穴の場所は早く見つかります。
受検した後の話も書いておきます。検定の後、模範解答は検定日の約 2 週間後から公式サイトで閲覧でき、問題用紙と模範解答は検定結果証書類として、電子ファイルか紙で受け取れます。受けた回の紙は、次の級に向けた一番新しい過去問です。捨てずに直しに使います。
合格までの進め方
過去問は「何回分を」より「どの順で」が結果を分けます。順番は次の 4 段です。
- 公式サイトの 1 回分を、時間を測って解きます。3〜5級なら 1次は 50 分、2次は 60 分を守り、終わらなくても鉛筆を置きます。これで現在地が出ます。
- 採点したら、点数より先に、落とした問題を 3 つの箱に分けます(分け方は後の節で書きます)。箱ごとに、次の 1 週間で何をするかを決めます。
- 過去問題集の 4 回分(6〜11級は 6 回分)を、1 週間に 1 回分のペースで解きます。解いた翌日に直し、間違えた問題に印を付けます。これが 1 周目です。
- 1 周目が終わったら、印の付いた問題だけを解き直す 2 周目に 2 週間かけます。全部やり直すより短く、効きます。本番の 1 週間前に、残していた 1 回分か公式の 1 回分を、本番の時間割どおりに 1次 50 分、休み、2次 60 分と通して解きます。
なぜこの順かというと、過去問は「解く」より「直す」で力が付くからです。4 回分を一気に解いて答え合わせだけで終わると、同じ型の問題で同じ間違いを 4 回繰り返します。1 回分ごとに直しを挟むと、2 回目の紙では 1 回目の穴がもう埋まっていて、新しい穴だけが出ます。穴の数が回を追うごとに減るのが、過去問を順に解く意味です。
図2のように、検定日から逆算して、8 週間前に公式の 1 回分、7 週間前から 4 週間かけて問題集を 1 回分ずつ、3 週間前から 2 週間で 2 周目、1 週間前に通し、という並びにします。2027 年 1 月 16 日(土)の検定(2〜11級)なら、申込締切が 2026 年 12 月 1 日(火)で、合否は 2027 年 2 月 4 日(木)に WEB で確認できます。2027 年 3 月 6 日(土)の検定(2〜11級)は申込締切が 2027 年 1 月 26 日(火)、合否確認は 3 月 26 日(金)です。2026 年 12 月 5 日(土)の検定(準1〜11級)は申込締切が 10 月 27 日(火)で過ぎていますので、申し込みを済ませた人は、残りの 4 週間を問題集 1 回分ずつに当て、最後の週だけ 2 周目と通しに回します。

1 日の量の例を、3級で書きます。平日は 1次の問題を 10 問、15 分で解き、直しに 10 分。週に 3 日やれば 1次 1 回分が 1 週間で終わります。週末は 2次を 1 回分、60 分で通し、翌日に 30 分で直します。合わせて週に 2 時間半ほどで、1 週間に 1 回分の 1次と 2次が片付きます。5級や 4級も問題数と時間は 3級と同じなので、同じ割り方で回せます。6級は 1 回の検定が 30 問 50 分なので、平日に 10 問ずつ 3 日で 1 回分、週末に直し、の形が合います。
時間の測り方は、台所のタイマーでも時計でもかまいません。大事なのは、問題ごとに「何分かかったか」を余白に書くことです。1次で 1 問に 5 分かけた問題は、正解でも印を付けます。本番で同じ問題に当たったら、その 5 分で後ろの 3 問を落とします。過去問で見つける穴には、間違えた問題だけでなく、時間を食った問題も入ります。
例題で確かめる
3級の範囲から 3 問を自作しました。解き方と一緒に、「この問題を落としたら、どの箱に入れるか」も書きます。
例題1(1次の形) (√12 + √27) ÷ √3 を計算しなさい。
手順は、根号の中を小さくするところからです。√12 = √(4 × 3) = 2√3、√27 = √(9 × 3) = 3√3 なので、かっこの中は 2√3 + 3√3 = 5√3 です。これを √3 で割ると、5√3 ÷ √3 = 5 になります。答えは 5 です。
この問題を落とす人の多くは、√12 を 2√3 にできずに √12 + √27 のまま止まるか、5√3 ÷ √3 で √3 が消えることに気づかず 5√3 と答えます。前者は「知識の穴」の箱で、根号の中を素因数分解で小さくする練習を 10 問やれば埋まります。後者は「計算ミス」の箱で、同じ型を 3 問続けて解き、2 回目以降は手順を声に出す、で直ります。
例題2(2次の形) 縦の長さが横の長さより 4 cm 長い長方形があり、面積は 60 cm² です。横の長さを求めなさい。
横の長さを x cm とおくと、縦は (x + 4) cm で、面積の式は x(x + 4) = 60 です。展開して x² + 4x − 60 = 0、左辺を因数分解すると (x + 10)(x − 6) = 0 なので、x = -10 または x = 6 です。長さは正の数なので x = 6、横の長さは 6 cm です(縦は 10 cm、6 × 10 = 60 で確かめられます)。
2次ではこの「x = -10 は長さにならないので捨てる」の一文まで書いて答えになります。解が 2 つ出たところで止まる、負の解を書いてしまう、は「読み違い」の箱です。問題文の「長さ」に線を引き、解が出たあとに問題文へ戻る癖を付けます。因数分解で (x − 10)(x + 6) と符号を逆に書く人は「計算ミス」の箱で、展開して元に戻る検算を必ず 1 行足します。
例題3(図形) 横 8 cm、縦 6 cm の長方形の対角線の長さを求めなさい。
対角線は、横と縦を 2 辺とする直角三角形の斜辺です。三平方の定理から、対角線² = 8² + 6² = 64 + 36 = 100、対角線 = √100 = 10 なので、答えは 10 cm です。
8² + 6² を 14² と書く、√100 を 50 と書く、はどちらも「計算ミス」です。一方で「対角線が斜辺になる」が見えていない場合は「知識の穴」で、長方形に対角線を引いた図を自分で描くところから戻ります。同じ不正解でも、箱が違えば次の 1 週間にやることが変わります。過去問の直しとは、答えを写すことではなく、この箱分けのことです。
まちがえやすいところ
過去問の使い方で、よく見る誤りを 3 つ挙げます。
1 つ目は、答え合わせで終わることです。正解の数を数え、合格の目安(3級なら 1次 30 問の 70% で 21 問、2次 20 問の 60% で 12 問)と比べて、届いたか届かないかだけを見る。これだと、次の回も同じ所で落とします。採点のあとに、落とした問題を 1 問ずつ、なぜ落としたかで分ける時間を、解いた時間と同じだけ取ります。50 分で解いたなら、直しも 50 分です。
2 つ目は、時間を測らずに解くことです。家で時間を気にせずに解くと、1次 30 問はたいてい全部解けます。本番で初めて 50 分の壁に当たり、後ろの 5 問を白紙で出す。過去問の価値の半分は「時間の感覚」にあるので、1 回目から必ず測ります。測ってみて足りなければ、1 問 1 分 40 秒の配分を頭に入れ、2 分を超えた問題は飛ばして最後に戻る練習を、過去問の 2 回目から入れます。
3 つ目は、1次と 2次を同じやり方で直すことです。1次の間違いは、ほとんどが計算の手順か根号・分数の扱いにあり、同じ型を繰り返せば消えます。2次の間違いは、式が立たない、途中を書かない、問題文の条件を落とす、のどれかで、繰り返しより「問題文に線を引く」「答えの前に単位と条件を見直す」の習慣で消えます。2次の解答用紙には途中の式を書く欄があるので、過去問の段階から、答えだけでなく式を書く練習を入れておきます。
図3のように、間違えた問題は「計算ミス」「知識の穴」「読み違い」の 3 つに分け、箱ごとに手当てを変えます。計算ミスは同じ型をもう 1 回、知識の穴はその単元へ戻って学び直す、読み違いは問題文に線を引いて条件を書き出す。分けるのは採点の直後で、翌日に持ち越すと、なぜ間違えたかを忘れます。

この 3 つの箱は、過去問を解くたびに数を記録します。1 回目で計算ミス 4、知識の穴 3、読み違い 2 だったのが、3 回目で 2、0、1 になっていれば、進み方は正しいと言えます。知識の穴だけ減らなければ、その単元に戻る時間が足りていません。箱の数の推移が、過去問の点数より正直に力を映します。
確かめの問題
例題と違う数で 3 問です。時間を測り、1 問 3 分を目安にしてください。
- (√50 − √8) × √2 を計算しなさい。
- 連続する 2 つの正の整数があり、その積が 72 です。小さい方の整数を求めなさい。
- 1 辺が 6 cm の正方形の対角線の長さを求めなさい。
答えと解説
- √50 = √(25 × 2) = 5√2、√8 = √(4 × 2) = 2√2 なので、かっこの中は 5√2 − 2√2 = 3√2 です。これに √2 を掛けると 3√2 × √2 = 3 × 2 = 6 になります。答えは 6 です。√2 × √2 を 2√2 と書いたら「計算ミス」の箱に入れ、同じ型を 3 問続けます。
- 小さい方を n とおくと、大きい方は n + 1 で、n(n + 1) = 72 です。展開して n² + n − 72 = 0、因数分解して (n + 9)(n − 8) = 0 なので、n = -9 または n = 8 です。正の整数なので n = 8 で、答えは 8 です(8 × 9 = 72 で確かめられます)。-9 を答えに残したら「読み違い」の箱です。
- 正方形の対角線は、1 辺 6 cm の 2 辺を持つ直角二等辺三角形の斜辺です。対角線² = 6² + 6² = 36 + 36 = 72、対角線 = √72 = √(36 × 2) = 6√2 なので、答えは 6√2 cm です。√72 のままで止まったら「知識の穴」の箱で、根号の中を小さくする練習に戻ります。
次に受ける級と入試での扱い
過去問で 1次が 70% 程度、2次が 60% 程度に 2 回続けて届くようになったら、次の級の公式の 1 回分を試してみる時期です。届かない回があれば、無理に上げず、同じ級の 2 周目を優先します。数検の級が高校入試や大学入試でどう扱われるかは学校ごとに違うので、志望校の募集要項で確かめてください。ここで断定はしません。
個別指導では、過去問の採点結果を見て、落とした問題の単元が前の学年に根を持つ場合、そこまで戻って確かめます。3級の平方根で止まる生徒の多くは、小学校の約数と倍数か、中 1 の正負の数のどちらかに穴があり、そこから埋めた方が早く着きます。
まとめ
過去問は、公式サイトの無料の 1 回分で現在地を測り、協会の過去問題集の 4 回分か 6 回分を、直しを挟みながら 1 週間に 1 回分ずつ進め、間違いを 3 つの箱に分けて、箱ごとに手当てを変えます。点数は 1 回ごとに上下しますが、箱の数は嘘をつきません。合格を決めるのは解いた回数ではなく、直した問題の数です。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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