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高校生の塾の費用—大学受験の年の平均と、見積もりの立て方|武蔵野個別指導塾

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文部科学省の調査では高校3年の学習塾費は公立で年20万6千円。通う家庭だけの平均や、模試と受験料まで足した見積もりを、高3の4月の面談の帰りに使える形に整えます。

高校生の塾の費用は、文部科学省の「子供の学習費調査」(令和5年度・2026年1月の訂正後の値)で学年ごとにわかります。塾に通っていない家庭の0円も含めた平均は次のとおりです。

学年 公立高校 私立高校
高校1年 89,760円 109,647円
高校2年 148,775円 180,326円
高校3年 206,454円 214,709円
3学年の平均 147,140円 166,867円

塾に1円でも払った家庭だけで平均を取り直すと、公立で年38万1千円、私立で年44万4千円です。受験の年は、この塾の費用に模試と受験料が乗ります。日本政策金融公庫の令和3年度の調査では、大学の受験費用は子ども1人あたり平均30万3千円でした。見積もりは「塾」「模試」「受験料」の3つの箱を別々に作ってから足すと、途中で膨らんでも何が増えたかわかります。

よくあるのは、高3の4月の進路面談で、担任が「夏までに志望校を絞りましょう」と言い、面談室を出たところで保護者がお子さまに「それで、塾はどうするの」と聞く場面です。お子さまは「友達は夏期講習から行くって」と答え、帰りの車の中で誰もはっきりした数字を言えないまま、話が「とりあえず資料を取り寄せよう」で終わります。数字を先に持って帰れば、その会話は「月にいくらで、何科目を、いつまで」という形になります。

平均の読み方—0円の家庭を含む数字と、通う家庭だけの数字

同じ調査から出てくる「高校生の塾の費用」には、2つの違う平均があります。1つは、塾に通っていない家庭の0円も数に入れた平均で、公立高校なら年147,140円です。もう1つは、1年間に1円以上払った家庭だけで取り直した平均で、公立高校なら年38万1千円です。差が2倍以上開くのは、文部科学省の集計で公立高校の61.4%、私立高校の62.4%の家庭が学習塾費0円と答えているからです。つまり、高校生の6割は塾に通っておらず、通っている4割弱の家庭が平均で年38万円から44万円を払っている、というのが実態です。

学年別の数字は図1のように、公立でも私立でも右肩上がりです。公立は高1の89,760円から高3の206,454円まで、3年で2.3倍に増えます。私立は高1が109,647円、高3が214,709円で、高3になると公立との差がほとんど消えます。私立に通う家庭は高1から塾を使う割合が高く、公立に通う家庭は高2の秋から高3にかけて一気に追いつく、という動き方を読み取れます。

図1 公立と私立の高校生の学習塾費を学年別に並べた棒グラフ

ここで、平均をそのまま家の見積もりに使わないことが大切です。「通う家庭だけの平均」の内訳を金額の段階で見ると、公立高校で払っている家庭のうち最も多いのは年40万円以上の層で、全体の15.3%を占めます。一方で年10万円未満の家庭も合わせて6.4%あります。つまり分布の山は2つあり、週1回の単科で通う家庭と、受験の年に講習まで含めて通う家庭とでは、同じ「塾の費用」でも桁が違います。平均は目安にはなりますが、お子さまの家の数字は、科目数と通う期間から自分で組み立てるほうが正確です。

なお、文部科学省の集計で「学習塾費」に入るのは、入会金、授業料(月謝)、講習会費、教材費、通っている塾での模擬テスト代、塾への交通費までです。塾の外で受ける模試や、大学に払う受験料は入っていません。受験の年の見積もりでは、この外側にあるお金を忘れずに足します。

科目数で決まる仕組み—月謝・講習・教材の3つの口

高校生の塾の費用は、ほとんどの場合「科目数」で決まります。中学生のころは5教科をまとめて受ける形が多いのですが、高校生は英語だけ、数学だけ、と科目を選んで通うのが普通です。1科目あたりの月謝に科目数を掛けたものが毎月の基本です。見積もりで最初に決めるのは「いくら」ではなく「何科目を、週に何回」です。

支払いの口は3つあります。1つめは月謝で、通う月の数だけ出ていきます。4月に始めて翌年の2月まで通えば11か月分です。2つめは講習で、夏と冬と直前期に、通常の月謝とは別に案内が来ます。受験の年は夏期講習だけで月謝の数か月分になることがあり、ここが「思ったより高かった」の正体になりやすい所です。3つめは教材費と模試代で、塾によって月謝に含まれる場合と、別に請求される場合があります。見積もりを取るときは、この3つの口を別の行に分けて書いてもらうと、他の塾の案内と並べて読めます。

季節の講習は「取らない」という選択もできます。塾の案内に書かれた講習の一覧は、全部を受けることを前提に並んでいることが多いのですが、実際には志望校と科目の弱い所に合わせて選ぶものです。たとえば英語は通年で通っていて講習は要らない、数学だけ夏に集中して取り戻す、といった組み方です。お子さまが「みんな取っている」と言ったときは、誰の、どの科目の話かを聞き返すと、取るべき講習の数が半分になることがあります。

科目数の決め方には順番があります。まず、受験で使う科目を志望校の入試の科目から書き出します。次に、その中で学校の授業だけで足りる科目と、外の力が要る科目を分けます。最後に、外の力が要る科目のうち、塾で習う科目と、問題集を自分で回す科目に分けます。この順番で絞ると、塾に頼む科目は多くても2科目か3科目に落ち着きます。4科目も5科目も塾で習う形は、費用の面でも時間の面でも、高校生には重すぎます。

高3の山—受験の年だけ増える理由

文部科学省の数字で高3の学習塾費が公立で206,454円、私立で214,709円と、高1の2倍前後に増えるのには、3つの理由があります。

1つめは、通う期間が長いことです。高1や高2は途中から始める家庭が多いのに対し、高3は4月から入試直前の1月や2月まで、ほぼ1年を通して通います。同じ月謝でも、月の数が違えば年の合計は変わります。2つめは、科目が増えることです。高2まで英語だけだった生徒が、高3で数学と理科を足す、という形は珍しくありません。3つめは講習です。夏期、冬期、直前期と、通常の月謝の外側に乗る費用が、受験の年に集中します。

塾の費用だけでなく、塾の外の勉強の費用も高3で増えます。文部科学省の集計で、学習塾費を含む「補助学習費」の高3の額は、公立で285,156円、私立で304,816円です。このうち塾が公立で206,454円ですから、残りの78,702円が、家庭での学習の費用(問題集や参考書)、通信教育や家庭教師、その他の費用です。私立は304,816円から214,709円を引いた90,107円が塾以外の分です。塾に通っていても、問題集と通信の添削は別に買う家庭が多い、ということを示す数字です。

この山をなだらかにする方法は2つあります。1つは、高2のうちに英語か数学のどちらかを始めて、高3の4月に一度に全部を始めない形にすることです。年の合計は変わらないか少し増えますが、高3の夏に支払いが集中しません。もう1つは、講習を「全部」ではなく「科目を決めて」取ることです。これは先に書いたとおりです。どちらを選ぶにしても、高3の4月の時点で「2月までに塾にいくら払うか」の上限を家で決めておくと、途中の案内に揺れません。

模試と受験料まで含めた計算の例

受験の年の見積もりは、塾の費用だけでは半分です。塾の外にある「模試」と「受験料」を足して、はじめて1年分の数字になります。図2のように、3つの箱を横に並べて足します。

図2 高3の1年の見積もりを塾と受験費用と納付金の3つの箱で積み上げた図

1つめの箱は塾の費用です。ここでは文部科学省の「通う家庭だけの平均」の公立高校の値、年38万1千円を置きます。お子さまの家の数字が出ている場合は、月謝に通う月の数を掛け、講習と教材費を足した額に置き換えます。

2つめの箱は受験費用です。日本政策金融公庫の令和3年度の調査では、大学の受験費用(受験したすべての学校の受験料と、受験のための交通費と宿泊費)は子ども1人あたり平均30万3千円でした。内訳は、国公立大学に入学した人で27万7千円、私立大学の文系で31万3千円、私立大学の理系で32万2千円です。受験料の単価で確かめられるものを挙げると、大学入学共通テストの検定料は3教科以上で18,000円、2教科以下で12,000円です。国立大学の個別試験の検定料は、文部科学省の省令で定める標準額が17,000円です。たとえば共通テストを3教科以上で受け、国立大学の前期と後期に出願すると、検定料だけで18,000円と17,000円の2回分を足した52,000円になります。私立大学の受験料は大学ごとに違いますので、志望校の募集要項の数字を使います。併願の数が1校増えるごとに、受験料と交通費が1回分ずつ増える、という足し算です。

3つめの箱は、入学しなかった学校への納付金です。同じ公庫の調査で平均10万5千円でした。先に合格した私立大学に入学金を納めて権利を確保し、後から本命に受かって、先に納めた分が返ってこない、という形で出ていくお金です。入学金の納入の締切と、本命の合格発表の日付を並べると、この箱が0円になる組み方と、2校分になる組み方が見えてきます。

3つの箱を足すと、38万1千円と30万3千円と10万5千円で、78万9千円です。文部科学省の塾の費用の平均だけを見て「20万円くらい」と思っていた家庭にとって、この数字は4倍近くあります。差の正体は、「通う家庭だけの平均」に置き換えたこと、受験費用を足したこと、入学しなかった学校への納付金を足したことの3つです。この計算は公立高校の平均で組んだ一例ですから、家の見積もりでは3つの箱それぞれにお子さまの数字を入れ直します。箱の数を変えなければ、途中で金額が動いても、どこが動いたかを追えます。

模試については、塾の中で受ける分は文部科学省の「学習塾費」に含まれていますが、塾の外で申し込む模試は含まれていません。模試の回数と1回の費用は主催者ごとに違い、年度で変わりますので、受けると決めた模試の案内で確かめて、1つめの箱の横に小さな箱として足します。高3の春の時点で「年に何回受けるか」を決めておくと、この小さな箱の上限も決まります。

よくある質問

高校生の塾の費用は月いくらが普通ですか

文部科学省の「通う家庭だけの平均」を12で割ると、公立高校で月に約31,750円、私立高校で月に約37,000円です。ただしこれは講習と教材費を含めた年の額を12等分した数字で、実際の月謝はこれより低く、講習のある月はこれより高くなります。科目数と週の回数で決まりますので、「普通」を探すより、お子さまの科目数で見積もりを取るほうが早く答えが出ます。

高3から塾に通い始めるのは遅いですか

文部科学省の学年別の数字では、公立高校の学習塾費は高2で148,775円、高3で206,454円と、高2から高3にかけて大きく増えます。多くの家庭が高2の後半から高3にかけて塾を始めている、と読める数字です。遅いかどうかは、始める時期より、志望校の入試の科目を書き出して、外の力が要る科目を絞れているかで決まります。4月に科目が決まっていれば、十分に間に合う組み方があります。

塾の費用は受験費用に含まれますか

含まれません。日本政策金融公庫の調査の「受験費用」は、受験料と、受験のための交通費と宿泊費の合計です。塾の費用は在学中の「家庭教育費」として別に集計されています。家の見積もりでも、塾の箱と受験費用の箱は分けて作ります。

共通テストの検定料はいつ払いますか

出願の時期に払います。3教科以上で18,000円、2教科以下で12,000円で、出願の手続きや期日は年度ごとに大学入試センターの受験案内で変わりますので、高3の夏から秋にかけて学校から配られる案内で確かめます。地理歴史と公民は、両方を受けても教科数は1つとして数えます。

確かめる順番

図3のように、家で今週確かめることを4つの順番に並べます。

図3 高校生の塾の見積もりを家で確かめる4つの順番の流れ図
  1. 志望校の入試の科目を書き出し、そのうち塾で習う科目を2科目か3科目に絞ります。科目数が決まるまで、塾の月謝の話はしません。
  2. 塾の見積もりを「月謝」「講習」「教材費と模試代」の3行に分けてもらい、通う月の数を掛けて年の合計を出します。講習は全部ではなく、科目を決めて取る前提で書いてもらいます。
  3. 受験料の箱を作ります。共通テストの検定料、国公立大学の個別試験の検定料、私立大学の受験料と併願の数、交通費と宿泊費を、志望校の募集要項の数字で足します。
  4. 入学金の納入の締切と、各校の合格発表の日付を1枚の紙に並べ、入学しなかった学校への納付金が出る組み方かどうかを確かめます。

制度と金額は年度で変わります。この記事の数字は2026年度時点で確かめたもので、最新の値は学校の進路指導室と、文部科学省と日本政策金融公庫の窓口で確かめてください。

進路の話とつなげる

お金の心配が先に立つと、志望校の話が小さくなりがちです。「私立は受験料が高いから1校だけ」「塾は1科目だけ」と、数字から逆に進路を決めてしまう家庭を見てきました。順番は逆です。先に志望校と科目を決め、次にその科目を塾で習うか自分で回すかを分け、最後に費用の箱を埋めます。個別指導の面談では、志望校の入試の科目から塾で習う科目を一緒に絞り、講習を取る科目と取らない科目を分けるところまで相談を受けています。費用の見積もりは、その結果として出てくるものです。

まとめ

高校生の塾の費用は、平均を探すのではなく、科目数と通う月の数から自分で組み立てる数字です。文部科学省の平均は公立高3で年206,454円、通う家庭だけなら年38万1千円で、そこに受験費用の平均30万3千円と入学しなかった学校への納付金10万5千円が乗ります。高3の4月に「塾」「受験料」「納付金」の3つの箱を作った家庭だけが、途中の案内に揺れずに2月まで走り切れます。

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