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慣用句の一覧—体の部分でまとめて覚える、意味と使い方|武蔵野個別指導塾

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「手を焼く」でやけどを思い浮かべて手が止まったら、この表を開いてください。目や耳、口、手など体の部分ごとに125語を意味と短文で並べ、足を洗うや舌を巻くの取り違えも先につぶせます。

よく出る慣用句125語を、体の部分ごとに表にしました。左の欄に語と読み、中の欄に意味、右の欄に短文を置いています。短文は語の形がそのまま見えるように、言い切りの形で書いています。

目は14語です。見る力と見分ける力の話が多く、驚きのしぐさも混ざります。

慣用句(読み) 意味 短文の例
目が高い(めがたかい) 良い物を見分ける力がある 棚の奥の茶わんを選んだ祖父を、店主は目が高いとほめた。
目がない(めがない) とても好きで夢中になる。見分ける力がないという意味もある 姉はいちご大福に目がない。
目を丸くする(めをまるくする) 驚いて目を大きく開く 弟の100点の答案に、父が目を丸くした。
目に余る(めにあまる) ひどすぎて黙って見ていられない 掃除をさぼる回数が目に余り、班長が声をかけた。
目を細める(めをほそめる) うれしくてほほえむ 初めて歩いた孫に、祖母が目を細めた。
目を盗む(めをぬすむ) 見つからないようにこっそりする 弟は母の目を盗んでゲーム機を開いた。
目からうろこが落ちる(めからうろこがおちる) あることをきっかけに、急によくわかるようになる 線分図を1本かいたら、目からうろこが落ちた。
目が回る(めがまわる) とても忙しい 文化祭の前日は、準備に追われて目が回った。
目をかける(めをかける) 特に気にかけて世話をする 監督は毎朝走る1年生に目をかけている。
目に浮かぶ(めにうかぶ) 様子がありありと想像できる 祖母の喜ぶ顔が目に浮かぶ。
目を疑う(めをうたがう) 見たものが信じられないほど驚く 掲示板の自分の順位に目を疑った。
目をつぶる(めをつぶる) 見なかったことにして許す 今回の遅刻には目をつぶろう、と先生が言った。
目を皿のようにする(めをさらのようにする) 目を大きく開いて懸命に探す 落とした鍵を、目を皿のようにして探した。
目と鼻の先(めとはなのさき) 距離がとても近い 学校は家から目と鼻の先にある。

耳は8語です。聞く話と、聞いて驚く話が並びます。

慣用句(読み) 意味 短文の例
耳が痛い(みみがいたい) 弱点を言われて聞くのがつらい 提出の遅さを言われると耳が痛い。
耳を疑う(みみをうたがう) 聞いたことが信じられないほど驚く 親友の転校の知らせに耳を疑った。
耳にたこができる(みみにたこができる) 同じことを何度も聞かされて嫌になる 早く寝なさい、は耳にたこができるほど聞いた。
耳を傾ける(みみをかたむける) 熱心に聞く 教室中が転校生の話に耳を傾けた。
耳を貸す(みみをかす) 人の話を聞く。相談にのる 弟は私の忠告に耳を貸さない。
耳が早い(みみがはやい) うわさや新しい話をすぐ聞きつける 席替えの話をもう知っているとは、耳が早い。
耳をそろえる(みみをそろえる) 必要な金額を不足なく整える 借りたお金を耳をそろえて返した。
小耳にはさむ(こみみにはさむ) ちらっと聞く 朝練がなくなる話を小耳にはさんだ。

口は10語です。話す、話さない、その加減で人柄まで言い表します。

慣用句(読み) 意味 短文の例
開いた口がふさがらない(あいたくちがふさがらない) ひどさにあきれて物が言えない 言い訳の長さに、開いた口がふさがらなかった。
口が堅い(くちがかたい) 秘密を人に話さない 口が堅い友人にだけ、志望校を打ち明けた。
口が軽い(くちがかるい) 話してはいけないことをすぐ話す 口が軽い弟に、贈り物の中身を教えてしまった。
口がすべる(くちがすべる) 言うつもりのないことをうっかり言う 口がすべって、誕生会の計画を本人に話した。
口を出す(くちをだす) 関係のない人が横から話に入る 決まりかけた話に兄が口を出してきた。
口をそろえる(くちをそろえる) 何人もが同じことを言う 班の全員が口をそろえて、あの問題は難しかったと言った。
口を割る(くちをわる) 隠していたことを白状する 問い詰められた弟が、ようやく口を割った。
口が重い(くちがおもい) 口数が少ない。話したがらない 試合に負けた日の兄は口が重い。
口車に乗る(くちぐるまにのる) うまい言い方にだまされる 友人の口車に乗って、当番を全部引き受けた。
口をとがらせる(くちをとがらせる) 不満を顔に出す 買ってもらえなかった妹が口をとがらせた。

手は14語で、目と並んで最も多い部分です。手間と、人との関わりの話が集まります。

慣用句(読み) 意味 短文の例
手を焼く(てをやく) 扱いに困る 泣きやまない赤ちゃんに父は手を焼いた。
手を抜く(てをぬく) するべき手間を省いていいかげんにする 字の練習で手を抜くと答案に出る。
手を貸す(てをかす) 手伝う 重い机を運ぶ友人に手を貸した。
手を打つ(てをうつ) 必要な処置をとる。話をまとめる 席が足りなくなる前に、係が手を打った。
手に汗を握る(てにあせをにぎる) はらはらしながら見守る 延長戦の最後の1球を、手に汗を握って見た。
手が回らない(てがまわらない) 忙しくて注意や世話が行き届かない 受験の準備で、部屋の片づけまで手が回らない。
手に余る(てにあまる) 自分の力では扱いきれない 3人分の係は私の手に余る。
手も足も出ない(てもあしもでない) 力が及ばず、どうにもできない 最後の図形の問題には手も足も出なかった。
手を切る(てをきる) 関係を断ち切る 悪い仲間と手を切ると決めた。
手に負えない(てにおえない) どうにも扱いようがない 暴れる子犬は弟の手に負えない。
手が空く(てがあく) 仕事が途切れてひまになる 手が空いたら、この箱を運んでほしい。
手塩にかける(てしおにかける) 自分で世話をして大切に育てる 手塩にかけた朝顔がやっと咲いた。
手をこまねく(てをこまねく) 何もせずに、ただ見ている 川の水が増えるのを、手をこまねいて見てはいられない。
手を広げる(てをひろげる) 仕事などの範囲を大きくする そのパン屋は喫茶にも手を広げた。

足は11語です。動く話に、お金や人間関係の話が入り込みます。

慣用句(読み) 意味 短文の例
足が出る(あしがでる) 予算より多くお金がかかる 買い足しが続いて、遠足の予算から足が出た。
足がつく(あしがつく) 犯人の身元や足どりがわかる 落とした手帳から足がついた。
足を洗う(あしをあらう) よくない仕事や仲間、生活をやめる 彼は賭け事から足を洗い、店を開いた。
足を引っ張る(あしをひっぱる) 人の成功や物事の進行をじゃまする 私のミスがチームの足を引っ張った。
足が棒になる(あしがぼうになる) 歩き続けて足がとても疲れる 古本屋を回って足が棒になった。
足を運ぶ(あしをはこぶ) わざわざ出向く 調べ物で図書館に3度足を運んだ。
足が早い(あしがはやい) 食べ物がくさりやすい。商品がよく売れる 夏の魚は足が早い。
二の足を踏む(にのあしをふむ) ためらう 冬の朝練と聞いて、入部に二の足を踏んだ。
揚げ足を取る(あげあしをとる) 言いまちがいをとらえて責める 発表の一言の揚げ足を取るのはやめよう。
足元を見る(あしもとをみる) 相手の弱みにつけこむ 売り手に足元を見られて高く買わされた。
足が向く(あしがむく) 自然とそちらへ行く 帰り道、つい本屋へ足が向く。

頭は9語です。考える力に加えて、困った気持ちや怒りも頭に出ます。

慣用句(読み) 意味 短文の例
頭が固い(あたまがかたい) 考え方に融通がきかない 祖父は頭が固く、新しい機械の話を聞かない。
頭が下がる(あたまがさがる) 感心して、敬う気持ちになる 毎朝道を掃く近所の人には頭が下がる。
頭が痛い(あたまがいたい) 心配事や難しい問題で悩む 来週のテストの範囲を思うと頭が痛い。
頭に来る(あたまにくる) ひどく腹が立つ 順番を抜かされて頭に来た。
頭を抱える(あたまをかかえる) 困って考え込む 進路の紙を前に、兄が頭を抱えた。
頭を冷やす(あたまをひやす) 興奮を静めて落ち着く けんかの後、校庭を歩いて頭を冷やした。
頭角を現す(とうかくをあらわす) 才能が周りより目立ってくる 彼女は2年生の秋に幅跳びで頭角を現した。
頭が切れる(あたまがきれる) 判断が早く鋭い 頭が切れる生徒会長が、もめごとを5分でまとめた。
頭をひねる(あたまをひねる) 工夫してあれこれ考える 文化祭の出し物に、班全員で頭をひねった。

顔は8語です。人づきあいと評判の話が並びます。

慣用句(読み) 意味 短文の例
顔が広い(かおがひろい) 知り合いが多い 顔が広い祖母は、商店街を歩くたびに呼び止められる。
顔を立てる(かおをたてる) 相手の立場や評判が傷つかないようにする 先輩の顔を立てて、自分の案を引っ込めた。
顔から火が出る(かおからひがでる) とても恥ずかしい 音読で読みまちがえて、顔から火が出た。
顔に泥を塗る(かおにどろをぬる) 恥をかかせる 紹介してくれた先輩の顔に泥を塗るわけにはいかない。
顔を出す(かおをだす) 集まりなどに参加する 帰りに町内の集まりへ顔を出した。
顔が利く(かおがきく) 信用があって無理を聞いてもらえる 顔が利く祖父の一言で、公民館の部屋が借りられた。
合わせる顔がない(あわせるかおがない) 申し訳なくて会いにくい 約束を破った友人に合わせる顔がない。
顔色をうかがう(かおいろをうかがう) 相手の機嫌をさぐる 母の顔色をうかがって、答案を出す時を選んだ。

腹は8語です。本心と怒りは、ここにしまわれています。

慣用句(読み) 意味 短文の例
腹が立つ(はらがたつ) 怒る 陰で笑われて腹が立った。
腹を割る(はらをわる) 本心を打ち明ける 腹を割って話すと、仲直りは早かった。
腹をくくる(はらをくくる) 覚悟を決める 腹をくくって、最初に手を挙げた。
腹が黒い(はらがくろい) 心に悪い考えを持っている 親切そうに見えて、実は腹が黒い人物だった。
腹を決める(はらをきめる) 決心する 腹を決めて、第一志望を紙に書いた。
腹を探る(はらをさぐる) 相手の本心をそれとなく知ろうとする 遠回しな質問で友人の腹を探った。
痛くもない腹を探られる(いたくもないはらをさぐられる) やましいことがないのに疑われる 最後に教室を出ただけで、痛くもない腹を探られた。
腹の虫がおさまらない(はらのむしがおさまらない) 腹が立って、がまんできない 謝られても腹の虫がおさまらない。

胸は9語です。安心も感動も、胸で受け止めます。

慣用句(読み) 意味 短文の例
胸が痛む(むねがいたむ) 悲しみや心配でつらくなる 被災地の映像に胸が痛む。
胸を打つ(むねをうつ) 強く感動させる 祖母の手紙の一行が胸を打った。
胸をなで下ろす(むねをなでおろす) 心配がなくなって、ほっとする 番号を見つけて、母は胸をなで下ろした。
胸が躍る(むねがおどる) 喜びや期待でわくわくする 修学旅行のしおりを開くと胸が躍る。
胸を張る(むねをはる) 自信のある態度をとる 胸を張って賞状を受け取った。
胸を借りる(むねをかりる) 実力が上の相手に練習の相手をしてもらう 強豪校の胸を借りて練習試合をした。
胸を貸す(むねをかす) 実力が上の人が、下の人の練習の相手をする 3年生が1年生に胸を貸した。
胸に刻む(むねにきざむ) 忘れないように心にしっかり留める 恩師の一言を胸に刻んだ。
胸がいっぱいになる(むねがいっぱいになる) 喜びや悲しみで心が満たされる 最後の合唱で胸がいっぱいになった。

肩、鼻、首、腕、腰、舌、歯、骨、指、肝に、のど、へそ、ひざ、爪を足して34語です。語は少なくても、テストにはよく顔を出します。

慣用句(読み) 意味 短文の例
肩を持つ(かたをもつ) 味方をする 母はいつも妹の肩を持つ。
肩を落とす(かたをおとす) がっかりして元気をなくす 県大会の初戦で敗れ、選手たちは肩を落とした。
肩の荷が下りる(かたのにがおりる) 重い役目や負担から解放されて楽になる 発表が終わって肩の荷が下りた。
肩を並べる(かたをならべる) 同じくらいの力や地位になる 幼なじみと成績で肩を並べた。
鼻が高い(はながたかい) 得意な気持ちになる 弟の入賞で、家族みんなの鼻が高い。
鼻にかける(はなにかける) 自慢して偉そうにする 成績を鼻にかける態度は嫌われる。
鼻であしらう(はなであしらう) 相手を軽く見て冷たく扱う 質問を鼻であしらわれて悔しかった。
鼻を明かす(はなをあかす) 相手を出し抜いて驚かせる 自分をばかにした兄の鼻を明かしてやる。
首を長くする(くびをながくする) 今か今かと待つ 届く荷物を首を長くして待った。
首をかしげる(くびをかしげる) 疑問に思う 答えが合わず、先生も首をかしげた。
首が回らない(くびがまわらない) 借金などでやりくりができない 借金で首が回らない主人公の話を読んだ。
首をつっこむ(くびをつっこむ) 興味をもって関わる よその班の話し合いに首をつっこんだ。
腕が上がる(うでがあがる) 上達する 毎日作るうちに、兄の料理の腕が上がった。
腕を磨く(うでをみがく) 技術を高める 書道教室に通って腕を磨いた。
腕が鳴る(うでがなる) 力を見せたくてじっとしていられない 決勝の相手が決まって腕が鳴る。
腕によりをかける(うでによりをかける) 腕前を十分に出そうと張り切る 祖母が腕によりをかけておせちを作った。
腰が低い(こしがひくい) 人に対してていねいで、いばらない 校長先生は誰にでも腰が低い。
腰を据える(こしをすえる) 落ち着いて一つのことに取り組む 夏休みは腰を据えて苦手な単元に取り組んだ。
腰を抜かす(こしをぬかす) ひどく驚いて立てなくなる 夜の校舎の物音に腰を抜かした。
舌を巻く(したをまく) とても驚き、感心する 1年生の暗算の速さに舌を巻いた。
舌鼓を打つ(したつづみをうつ) おいしさを味わって楽しむ 新米のおにぎりに舌鼓を打った。
歯が立たない(はがたたない) 相手が強くてかなわない 学年一の棋士には歯が立たない。
歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ) 遠慮せず思ったことを言う 歯に衣着せぬ祖母の感想に、父は苦笑いした。
歯を食いしばる(はをくいしばる) 苦しさをじっとこらえる 歯を食いしばって最後の坂をのぼった。
骨が折れる(ほねがおれる) 苦労する 全校分の名札を作るのは骨が折れる。
骨を折る(ほねをおる) 苦労して力を尽くす 先生が伴奏者探しに骨を折ってくれた。
指をくわえる(ゆびをくわえる) うらやましく思いながら、手を出せずに見ている 友だちの新しい自転車を指をくわえて見ていた。
後ろ指をさされる(うしろゆびをさされる) 陰で悪く言われる 後ろ指をさされることはしていない。
肝に銘じる(きもにめいじる) 心に深く刻んで忘れない 審判の注意を肝に銘じた。
肝を冷やす(きもをひやす) 危ない目にあってひやりとする 自転車の急な飛び出しに肝を冷やした。
のどから手が出る(のどからてがでる) 欲しくてたまらない のどから手が出るほど、その限定カードが欲しい。
へそを曲げる(へそをまげる) 機嫌を悪くして素直でなくなる 順番を後回しにされて、妹がへそを曲げた。
ひざを打つ(ひざをうつ) 急に思いついたり感心したりする 友人の説明に思わずひざを打った。
爪に火をともす(つめにひをともす) ひどく倹約して暮らす 爪に火をともすようにして学費をためた話を聞いた。

よくあるのは、読解の問題で鉛筆が止まる場面です。「母はその子に手を焼いていた」という一文の前で、手も焼くも読めるのに、頭に浮かぶのはやけどです。難しい字は一つもないので辞書を引く気にもならず、残り時間も気になって、線だけ引いて次の行へ進みます。ところが次の問いは母の気持ちを聞いてきます。戻って読み直しても、やけどのままです。字は読めたのに答えが出ない。あの静かな行き止まりの正体は、たいてい慣用句です。

一覧の読み方

慣用句は、2語以上が結びついて、もとの語の意味とは別の決まった意味を持つ言い方です。手を焼くは、手をやけどすることではなく、扱いに困ることを言います。字を一つずつ読んでも意味に届かないので、表は左から順に読まず、右の短文から読んでください。短文を読み、意味を自分の言葉で言ってみて、最後に中の欄で答えを合わせます。この順番なら、語を文の中で働かせる練習が、一覧を読むだけで始まります。

図1 体の部分が受け持つ意味を9つに分けた地図

図1のように、目は見る力、耳は聞くこと、口は話すこと、手は手間、足は動き、頭は考え、顔は評判、腹は本心、胸は気持ちを受け持ちます。目が高いは見る力の話、腹を割るは本心の話です。初めて見る語でも、この地図があれば見当をつけて読み進められます。ただし地図は入口にすぎません。足が出るはお金の話で、動きとは関係がありません。見当で読んだ語は、必ず表で答えを合わせてください。

ことわざとの違いは、語尾を変えてみるとはっきりします。

比べる点 慣用句 ことわざ
形 語の組で、文の部品になる 一文で言い切る形が多い
語尾 手を焼く、手を焼いた、手を焼いている、と変わる 急がば回れ、の形のまま使う
中身 様子や気持ちを短く言う 生活の知恵や教えを言う

文の中で語尾が自由に変わるなら慣用句、そのまま引用するならことわざ、と考えてください。境目がはっきりしない語もあり、痛くもない腹を探られるのように、本によって分け方が違うものもあります。テストでは問題文の呼び方に従えば足ります。

体の部分の字の学年も確かめておきます。目 耳 口 手 足は小1、頭 顔 首は小2、鼻 歯 指は小3、腹 胸 舌 骨は小6で習う字です。肩 腕 腰 肝 爪は中学以降の字です。低学年のお子さまが腹や胸で止まったら、意味より先に読みを確かめてください。字が読めないのか、語を知らないのかで、手当てがまるで違います。

覚え方

覚える順番は4段です。語の数で押し切ろうとしないでください。

1段目は、しぐさをやってみることです。頭を抱える、胸をなで下ろす、肩を落とす、首をかしげる、口をとがらせる、目を丸くする。この6語は、いすに座ったままできます。実際にやると、困った、ほっとした、がっかりした、という気持ちが形と一緒に残ります。これらは気持ちが体に出たときの姿をそのまま言葉にした語なので、字で追うより、体を通したほうが忘れにくいのです。

2段目は、気持ちで束ね直すことです。体の部分の表で一度覚えたら、今度は部分の垣根を外します。

図2 怒り・驚き・安心・感心の4つに束ね直した慣用句

図2のように、部分の違う語を同じ気持ちの箱に入れます。腹が立つと頭に来るは、部分は違っても同じ怒りです。胸をなで下ろすと肩の荷が下りるは、どちらも安心です。束ね直す理由は、読解で聞かれるのが語の意味そのものより、その人物の気持ちだからです。部分の表と気持ちの箱の両方を通すと、1つの語に入口が2つできます。表の残りの語も、恥ずかしさ、悲しさ、覚悟など、自分で箱を増やして入れていってください。

3段目は、短文を自分の生活に引っ越させることです。表の短文は読めても、使えるとは限りません。目が回るなら、自分がいちばん忙しかった日を書きます。テスト週間と合唱の練習が重なって目が回った、というように、自分の身に起きたことで1文作ります。他人の例文は目で通り過ぎますが、自分の文は書くときに一度立ち止まります。うまく書けない語は、意味がまだぼんやりしている語です。そこに印を付けます。

4段目は回し方です。1日10語で進めると、125語は13日で1周します。1周目は右の短文から読みます。2周目は中の欄を紙で隠し、語から意味を言います。3周目は左の欄を隠し、意味から語を言います。2周目は読解のため、3周目は穴埋めのための練習で、鍛えている向きが違います。2周目からは印の付いた語だけで構いません。

家では、会話の中で使うのがいちばん手軽です。お子さまが頭に来たと言ったら、腹が立ったんだね、と別の部分で返してみてください。語を教えようと構えなくても、同じ気持ちに2つの言い方があることが耳に残ります。

テストでの出方

出方は大きく3つです。体の部分の字を入れる穴埋め、文の中の意味を選ぶ問題、読解の中で気持ちを書く問題です。易しい順に例題で確かめます。

例題1は穴埋めです。( )に体の部分を表す漢字1字を入れてください。「妹のわがままには、家族全員が( )を焼いている。」

答えは手です。焼くだけでは語が決まらないので、文の意味を先に取ります。家族全員が困っている文ですから、扱いに困るという意味の手を焼くが入ります。穴埋めは、意味から語を思い出す問題です。覚え方の3周目がそのまま効きます。

例題2は意味選びです。次の文の「舌を巻いた」の意味を選んでください。「小学生の棋士の読みの深さに、大人たちは舌を巻いた。」ア くやしくて黙った イ とても驚いて感心した ウ うそでごまかした

答えはイです。語を知らなくても、前にある読みの深さが手がかりになります。ほめる方向の言葉を受けているので、悪い意味のアとウは文に合いません。意味選びでは、語の前後の言葉が良い方向か悪い方向かを見てから、選択肢に進みます。

例題3は読解です。次の文を読み、胸をなで下ろしたときの春香の気持ちを、25字以内で書いてください。「発表の順番が近づくにつれて、春香は原稿を持つ手が冷たくなっていた。雨のため発表は来週に延期します、と先生が告げたとき、春香は胸をなで下ろした。」

答えの例は「発表が延びて、緊張がとけてほっとした気持ち。」です。胸をなで下ろすの意味はほっとすることですが、ほっとしたとだけ書くと、何にほっとしたのかが抜けます。語の意味に文中の理由を足して、初めて答えになります。語を知っているだけでは、読解の答えは書けません。

読解でもう一つ気をつけたいのは、字のとおりの文との見分けです。泥のついた足を洗う、は本当に洗っていますが、賭け事から足を洗う、は洗っていません。字のとおりに読んで文の流れが折れたら、そこで慣用句を疑ってください。手を焼くで鉛筆が止まったのも、文の流れが折れた合図でした。

まちがえやすいところ

1つ目は、似た語を混ぜることです。二の足を踏むはためらうことで、二の舞を演じるは前の人と同じ失敗をくり返すことです。2つを混ぜた「二の舞を踏む」は誤りです。足を踏むのは先へ進めず足踏みをする姿、舞を演じるのは前の人のまねをして舞う姿、と形ごと分けて覚えてください。

2つ目は、字の印象で意味を決めることです。足を洗うは、ただやめることではありません。よくない仕事や仲間から離れるときに使うので、5年続けたピアノには使えません。手をこまねくは手招きの印象から、準備して待ち構えることだと読まれがちですが、何もせずに見ているという意味です。舌を巻くも、くやしがることではなく感心することです。読みにも同じ落とし穴があり、舌鼓はしたつづみ、歯に衣着せぬの衣はきぬと読みます。

3つ目は、形の似た組を同じものと思うことです。

図3 形が似ていて意味が別の慣用句3組

図3のように、足が出るは予算を超えること、足がつくは身元がばれることです。目に余るは相手の態度がひどいときに、手に余るは自分の力が足りないときに使います。胸を借りるは下の人の言葉、胸を貸すは上の人の言葉で、実力が上の人が胸を借りますと言えば向きが逆になります。組で覚えるときは、誰が誰に向けて言う語なのかまで一緒に覚えてください。

確かめの問題

表を見ないで答えてください。

  1. 「知り合いが多い」という意味になるように、( )に入る漢字1字を書いてください。( )が広い
  2. 「本心を打ち明ける」という意味になるように、( )に入る漢字1字を書いてください。( )を割る
  3. 「審判はいつも地元のチームの肩を持つ」の「肩を持つ」の意味を書いてください。
  4. 文に合うほうを選んでください。「会費が高いと聞いて、入会に(二の足を踏んだ/二の舞を踏んだ)。」
  5. 「足を洗う」の使い方が正しい文を選んでください。ア 5年続けたピアノから足を洗った。 イ 悪い仲間とのつきあいから足を洗った。

答え

  1. 顔。知り合いが多いことを、顔が広いと言います。
  2. 腹。腹を割るは、隠さずに本心を見せることです。
  3. 味方をすること。この文は、審判が公平に見ていない様子を言っています。
  4. 二の足を踏んだ。入会をためらう文です。二の舞を踏むは誤った言い方です。
  5. イ。足を洗うは、よくない仕事や仲間から離れるときに使います。

次に確かめること

ことわざの一覧では、一文で言い切る形を慣用句の表と見比べてください。小学生が覚えたい慣用句では、穴埋めと短文の形で低学年からの語を確かめられます。漢検4級は中学で最初に習う313字が新しく出る級で、肩 腕 腰もここに入るので、読むだけでなく書けるかを確かめてください。受検するなら、日本漢字能力検定協会の案内で申し込みと日程の最新を見てから決めてください。

個別指導で戻るのは、語の暗記より前、止まった一文のところです。語を知らなかったのか、知っていたのに字のとおりに読んだのかで、次の手当てが変わるからです。

まとめ

慣用句の怖さは、赤信号がともらないことです。字は全部読めるので、読めたつもりのまま次の行へ進めてしまいます。125語を体の部分で持っておけば、文の流れが折れた瞬間に自分で気づけます。気づければ、あとは表に戻るだけです。

「手を焼く」でやけどを思い浮かべなくなった日、その一文で鉛筆は止まりません。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

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