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円錐の体積と表面積の公式—展開図のおうぎ形の中心角から|武蔵野個別指導塾

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母線 10 cm、底面の半径 4 cm なら中心角は 144°です。体積 (1/3)πr²h と側面積 πrl を展開図から導き、高さと母線の取り違えを例題で直せます。

底面の半径を r、高さを h、母線の長さを l とします。円錐の公式はこの 4 行です。

母線は、頂点から底面の円周までまっすぐ引いた線分で、斜めに測った長さです。高さ h は頂点から底面へ垂直に下ろした長さなので、別物です。2 つは l = √(r² + h²) で結ばれています。

よくあるのは、工作の時間にとんがり帽子を作っている場面です。画用紙におうぎ形を描いて切り抜き、丸めて貼ってみたら、口が狭くて頭に乗らない。もう一枚切る前に、角度を何度にすればいいのかを調べたくなります。母線 30 cm で口の半径を 9 cm にしたいなら、中心角は 360° × 9 / 30 = 108° です。勘で切る必要はありません。角度は、母線と半径の比だけで決まります。

公式の形と文字の意味

求めるもの 公式 使う長さ 単位の例
体積 V (1/3)πr²h 半径と高さ cm³
底面積 πr² 半径 cm²
側面積 πrl 半径と母線 cm²
表面積 πr² + πrl = πr(r + l) 半径と母線 cm²
中心角 360° × r / l 半径と母線 度
母線 √(r² + h²) 半径と高さ cm

見てほしいのは「使う長さ」の列です。高さを使うのは体積だけで、側面積、表面積、中心角はどれも母線を使います。問題文に高さが書いてあるのに表面積を聞かれたら、先に母線を出します。母線が書いてあって体積を聞かれたら、先に高さを出します。公式の暗記よりも、この 1 手で差がつきます。

図1 円錐の高さ、母線、底面の半径がつくる直角三角形

図1のように、頂点から底面の中心へ線を下ろすと、高さ h、底面の半径 r、母線 l で直角三角形ができます。直角をはさむのが h と r で、斜辺が l です。斜辺はいちばん長い辺ですから、l は r より長く、h よりも長くなります。計算して母線が高さより短く出たら、どこかで間違えています。図1は r = 3、h = 4、l = 5 の比で描いてあり、3² + 4² = 9 + 16 = 25 = 5² が成り立っています。2 辺がわかれば、残りの 1 辺は三平方の定理で必ず出せます。

学年の範囲も押さえておきます。おうぎ形の弧と面積、円錐の体積と表面積は中1の図形で学びます。高さや母線を三平方の定理で出す問題は中3の内容です。中1の問題では必要な長さがそのまま書いてあることが多く、中3になると、足りない 1 辺を自分で作ってから公式に入る形に変わります。答えは π を残した形で書き、問題に π = 3.14 の指定があるときだけ数値にします。

なぜこの形になるのか

側面を 1 本の母線に沿って切り開くと、図2のように、おうぎ形と底面の円の 2 枚になります。おうぎ形の半径は母線 l です。そして弧は、底面の円周に巻きついていた部分なので、長さは 2πr に等しくなります。中心角も側面積も、この 1 つの事実から出ます。

図2 展開図のおうぎ形と底面の円、弧と円周は同じ長さ

半径 l の円をまるごと描くと、円周は 2πl です。おうぎ形の弧はそのうちの 2πr なので、全体に対する割合は 2πr ÷ 2πl = r / l です。割合が出れば、あとは掛けるだけで済みます。角に掛ければ中心角 360° × r / l、円の面積 πl² に掛ければ側面積 πl² × r / l = πrl です。l² の l が 1 つ分母と消し合い、r に入れかわった形だと読めます。図2は r = 3、l = 5 なので、おうぎ形は円の 3/5 で、中心角は 360° × 3 / 5 = 216° です。

表面積は、これに底面の円 πr² を足しただけです。公式の端も試しておきます。r を l に近づけると h は 0 に近づき、円錐はつぶれて平らな円盤になります。このとき中心角は 360° に、側面積は πl² に、体積は 0 に近づきます。どれも円盤の姿と合っています。反対に、中心角 180° の半円を丸めると l = 2r で、高さは √3 r、頂点を通る縦の切り口が正三角形の円錐ができます。帽子を細くしたければ中心角を小さくする。工作ではこの読み方がそのまま効きます。

体積の 3 分の 1 は別の道から来ます。同じ底面、同じ高さの円柱と比べてください。図3のように、円錐の容器に水を満たして円柱へ移すと、3 杯でちょうど満水になります。円柱の体積は πr²h ですから、円錐はその 3 分の 1 です。

図3 円錐の水を 3 杯移すと同じ底面と高さの円柱が満水

水の実験だけでは納得できないなら、三角柱を切ってみる道があります。三角柱は、体積の等しい 3 つの三角錐に切り分けられるので、三角錐は三角柱の 3 分の 1 です。底面が多角形でも三角形に分ければ同じで、角の数を増やすと底面は円に近づきます。数学Ⅲまで進むと積分でも確かめられます。頂点から x の位置の断面は半径 r x / h の円で、面積は π(r x / h)² です。これを x = 0 から x = h まで積分すると (π r² / h²) × (h³ / 3) = πr²h / 3 となり、分母の 3 は x² の積分から現れます。

例題で使い方を確かめる

公式に入る前に、問題文の長さが r、h、l のどれに当たるかを書き出してください。4 問とも、そこから始めます。

例題1 半径と高さから体積を出す

底面の半径が 5 cm、高さが 12 cm の円錐の体積を求めてください。

  1. 使う長さを確かめます。体積に要るのは半径と高さで、どちらも書いてあるので、三平方の定理は要りません。
  2. 底面積を出します。π × 5² = 25π です。円柱の体積と同じ流れにしておくと、式の形を思い出しやすくなります。
  3. 高さを掛けて 3 で割ります。25π × 12 ÷ 3 = 100π です。先に 12 ÷ 3 = 4 としておくと、掛ける数が小さくなり、計算の誤りが減ります。

答え: 100π cm³

例題2 半径と母線から中心角、側面積、表面積を出す

底面の半径が 4 cm、母線が 10 cm の円錐について、展開図のおうぎ形の中心角、側面積、表面積を求めてください。

  1. 中心角を出します。360° × 4 / 10 = 144° です。割合が 4 / 10 = 2/5 と読めるので、おうぎ形が円の 5 分の 2 だと先に見当がつきます。
  2. 側面積を出します。π × 4 × 10 = 40π です。半径 10 の円の面積 100π の 5 分の 2 でも 40π となり、2 通りが合えば計算の誤りを早く見つけられます。
  3. 底面積を足します。π × 4² = 16π なので、40π + 16π = 56π です。表面積は外側全部の面積なので、底のふたも入ります。

答え: 中心角 144°、側面積 40π cm²、表面積 56π cm²

例題3 母線から高さを作って体積を出す

母線が 17 cm、底面の半径が 8 cm の円錐の高さと体積を求めてください。

  1. 直角三角形を取り出します。斜辺が母線の 17、もう 1 辺が半径の 8 です。体積に要る高さが問題文に無いので、まず高さを作らなければなりません。
  2. 三平方の定理で高さを出します。h² = 17² − 8² = 289 − 64 = 225 で、長さは正の数なので h = 15 です。引き算になるのは、母線が斜辺でいちばん長いからです。
  3. 体積の公式に入れます。(1/3)π × 8² × 15 = 64π × 5 = 320π です。15 を先に 3 で割ると、64 × 15 の筆算を避けられます。

答え: 高さ 15 cm、体積 320π cm³

例題4 展開図から逆にたどる

展開図のおうぎ形が半径 12 cm、中心角 120° の円錐があります。底面の半径、高さ、体積、表面積を求めてください。さらに、底面の円周上の点 A から側面を 1 周して A に戻る糸の、いちばん短い長さも求めてください。

  1. 底面の半径を出します。中心角の割合 120 / 360 = 1/3 が r / 12 に等しいので、r = 4 です。中心角の公式を逆向きに読むだけで済みます。
  2. 高さを出します。h² = 12² − 4² = 128 より h = 8√2 です。128 = 64 × 2 と分けると、根号の外に 8 が出ます。
  3. 体積を出します。(1/3)π × 4² × 8√2 = 128√2π / 3 です。3 で割り切れないので、分数のまま残します。
  4. 表面積を出します。π × 4² + π × 4 × 12 = 16π + 48π = 64π です。おうぎ形は円の 3 分の 1 なので、π × 12² ÷ 3 = 48π とも合います。
  5. 糸の長さを出します。曲面の上の最短の線は展開図では直線になるので、弧の両端を結ぶ線分を求めます。これは頂角 120°、等しい辺 12 の二等辺三角形の底辺です。頂点から垂線を下ろすと、辺の比が 1 : 2 : √3 の直角三角形が 2 つでき、底辺の半分は 6√3 なので、全体で 12√3 です。

答え: 底面の半径 4 cm、高さ 8√2 cm、体積 128√2π / 3 cm³、表面積 64π cm²、糸の長さ 12√3 cm

手順 5 が使えるのは中心角が 180° までです。180° を超えると、弧の両端を結ぶ直線がおうぎ形の外へ出てしまいます。

まちがえやすいところ

高さと母線を取り違える

誤った書き方: 半径 5 cm、母線 13 cm の円錐の体積を (1/3)π × 5² × 13 とする。

どこが違うか: 13 は斜めに測った長さです。体積は底面積に垂直な高さを掛ける量なので、斜めの長さでは大きくなりすぎます。逆に、半径 5 cm、高さ 12 cm の円錐で側面積を π × 5 × 12 = 60π とするのも同じ誤りです。図4は r = 3、h = 4、l = 5 の円錐です。体積 (1/3)π × 3² × 4 = 12π は緑の高さを使い、側面積 π × 3 × 5 = 15π は赤の母線を使っています。

図4 体積は高さ h、側面積は母線 l を使い分ける 2 つの円錐

正しい書き方: 高さを h = √(13² − 5²) = 12 と出してから、体積を (1/3)π × 5² × 12 = 100π cm³ とします。側面積は母線 13 を使って π × 5 × 13 = 65π cm² です。

中心角の分数を逆にする

誤った書き方: 半径 4 cm、母線 10 cm の円錐の中心角を 360° × 10 / 4 = 900° とする。

どこが違うか: おうぎ形は円の一部なので、中心角が 360° を超えることはありません。斜辺の l は必ず r より長く、r / l は必ず 1 より小さくなります。答えが 360° を超えたら、分数が逆さまです。

正しい書き方: 360° × 4 / 10 = 144° とします。

表面積に底面を足し忘れる

誤った書き方: 半径 4 cm、母線 10 cm の円錐の表面積を πrl だけで 40π cm² とする。

どこが違うか: 40π は側面だけの面積です。とんがり帽子ならこれで足りますが、円錐の表面積には底のふたが入ります。図を描かずに公式だけを追うと、ここで落とします。

正しい書き方: 40π + π × 4² = 56π cm² とします。

覚え方と忘れたときの戻り方

πrl と 360° × r / l は、暗記しなくても 3 手で戻れます。

  1. 丸めると、おうぎ形の弧が底面の円周に重なります。弧の長さは 2πr です。
  2. 半径 l の円の円周 2πl と比べます。割合は r / l です。
  3. 角に掛ければ中心角、円の面積 πl² に掛ければ側面積です。

体積は、円柱の πr²h を先に書いてから 3 で割ります。語呂で覚えるなら「錐は柱の 3 分の 1」の一言で足ります。3 分の 1 を落とすと円柱の体積になってしまうので、書き終えた式が円柱と同じ形になっていないかを見てください。どの長さを使うかは「中身は高さ、皮は母線」と決めておくと、問題文を読んだ時点で振り分けられます。

中心角の分数の上下に迷ったら、半径 1、母線 2 で試します。これは半円を丸めた形なので、中心角は 180° のはずです。360° × 1 / 2 = 180° と合えば、分数の向きは正しいとわかります。

練習問題

  1. 底面の半径が 6 cm、高さが 10 cm の円錐の体積は何 cm³ ですか。
  2. 底面の半径が 3 cm、母線が 8 cm の円錐について、展開図のおうぎ形の中心角、側面積、表面積を求めてください。
  3. 展開図のおうぎ形が半径 9 cm、中心角 240° の円錐について、底面の半径、高さ、体積、表面積を求めてください。

答えと解説

  1. 120π cm³ です。半径と高さがそろっているので、そのまま入れます。(1/3)π × 6² × 10 = 36π × 10 ÷ 3 = 120π です。
  2. 中心角 135°、側面積 24π cm²、表面積 33π cm² です。中心角は 360° × 3 / 8 = 135°、側面積は π × 3 × 8 = 24π で、底面積 9π を足すと 33π です。おうぎ形の面積 π × 8² × 135 / 360 = 24π とも合います。
  3. 底面の半径 6 cm、高さ 3√5 cm、体積 36√5π cm³、表面積 90π cm² です。240 / 360 = 2/3 が r / 9 に等しいので r = 6 です。高さは h² = 9² − 6² = 45 より h = 3√5 です。体積は (1/3)π × 6² × 3√5 = 36√5π、表面積は π × 6² + π × 6 × 9 = 36π + 54π = 90π です。中心角が 240° と大きいと r / l も 2/3 と大きくなり、背の低いずんぐりした円錐になります。

次に確かめる公式

個別指導では、中心角で止まるお子さまなら小学校の「円周の何分のいくつか」という割合まで、高さで止まるなら平方根の計算まで戻って確かめます。

まとめ

公式を 4 行覚えても、問題文の長さがどれに当たるかを読み違えれば答えは外れます。図を描いて直角三角形を見つけ、足りない 1 辺を出してから公式に入れば、帽子の型紙も入試の立体も同じ計算で片づきます。迷ったときに問い直すのは、いま測っている長さが垂直か斜めか、その一点だけです。帽子のとがり具合は、丸める前の画用紙の中心角にもう書いてあります。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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