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【中学受験理科】てこ 滑車 輪軸を図解で総まとめ—つり合いの計算 支点の位置 動滑車 輪軸|武蔵野個別指導塾

棒自身の重さを含むてこ、動滑車のひもの長さ、輪軸との組み合わせを図と例題でたどります。力の向きと距離を書き込む手順で、複雑な装置のつり合いも自分で説明できるようにしましょう。
よくあるのは、夕食を待つ台所で、お子さまが栓抜きの長い持ち手を見ながら、「長いほうが楽なのに、問題では長さをかけるのはどうして」と手を止める場面です。小さな力で動かせることと、計算で距離をかけることが、まだ結びついていないのです。保護者の方が「重さと長さをかけて」と伝えても、支点が動いた問題になると、どの長さを使うかで再び迷うことがあります。
てこ・滑車・輪軸は、力の大きさや向きを変える道具です。仕組みの形は違っても、どこを支え、どちらへ力がはたらくかを図に書き込むと、つり合いを調べられます。また、小さな力で持ち上げられる仕組みでは、その分だけ長くひもを引いたり、持ち手を大きく動かしたりします。答えの数字だけでなく、「力が小さくなる代わりに何が増えるか」まで説明できることを目指しましょう。
この単元で身につけること
- 支点・力点・作用点を区別します。道具の名前から位置を決めず、回転の中心、力を加える場所、物に力を及ぼす場所を実際の使い方から探します。
- てこのつり合いを、左右の重さだけで判断しないようにします。力の大きさに支点からの距離をかけ、回そうとするはたらきを比べます。
- 棒自身の重さを計算に入れます。太さと材質が一様な棒では、棒の中央に重さがかかるとして、支点から中央までの距離を求めます。
- 定滑車と動滑車の違いを説明します。輪の数だけを見ず、荷物と一緒に動く部分を支えるひもを数えて、引く力と引く長さを考えます。
- 輪軸と組み合わせの問題を順に解きます。装置全体を一度に計算せず、同じひもが伝える力を手がかりに、荷物側からたどります。
これまでに学んだ重さの単位、算数の比例・反比例、ばねや力のつり合いが土台になります。「同じ物を持ち上げるなら、力を半分にすると引く長さはどうなるか」という問いは、数の関係を装置の動きに結びつける練習にもなります。
基本の考え方
てこは回転の中心から考えます
てこは、棒などがある点を中心に回ることを利用した道具です。回転の中心を支点、人が力を加える場所を力点、物に力を及ぼす場所を作用点といいます。栓抜きなら、栓に触れて支えになる場所と、栓を引き上げる場所は別です。見た目の中央が支点とは限りません。まず「使うとき、どこを中心に回るか」を確かめます。
水平な棒の左右におもりをつるすと、左のおもりは左側を下げ、右のおもりは右側を下げようとします。重さが同じでも、支点から遠い位置のおもりのほうが強く回そうとします。この回そうとするはたらきは、力の大きさ×支点からの距離で比べられます。この積は、力のモーメントと呼ばれる量に対応します。中学受験の計算では、まず積が何を表すかを押さえれば十分です。
ここで扱う力は、おもりにはたらく重力や、ひもが引く力です。力の大きさは「100 gのおもりにはたらく重力と同じ大きさの力」を「100 g重」と表します。100 gは物の質量、100 g重は力の大きさを示します。問題で「何gのおもり」と聞かれたらgで答え、「何g重の力」と聞かれたらg重で答えます。同じ場所ではおもりの質量と重力の大きさが比例するので、数値を対応させて計算できます。
図1のように、左の200 gのおもりが支点から10 cm、右の100 gのおもりが支点から20 cmの位置にあるとします。棒の重さは考えません。左は200×10=2000、右は100×20=2000です。回そうとするはたらきが等しいので、棒は水平につり合います。図の距離は、どちらも支点からおもりのつり下げ位置までです。

この関係は「左の力×左の距離=右の力×右の距離」と書けます。ただし、左右の力がともに下向きであるなど、互いに反対向きに回そうとすることが条件です。右側を上向きに引く力は、左側を下向きに引く力と同じ向きに棒を回そうとします。複雑な問題では「左と右」より、「時計回りと反時計回り」で分けるほうが確実です。
距離についても条件があります。水平な棒を鉛直方向に引く場合は、支点から力を加える点までの棒に沿った距離が使えます。棒が傾いていたり、斜めに引いたりするときは、支点から力のはたらく直線までの垂直な距離を考えます。問題図が水平で力が鉛直かを見てから、書かれた長さを式に入れましょう。
棒の中央と支点は別の場所です
「棒の重さを考えない」という条件があれば、おもりや手の力だけを調べます。一方、棒にも重さがあるなら、棒自身も下向きの力を受けます。太さと材質が一様なまっすぐな棒では、その重さが棒の中央にまとめてかかると考えられます。この位置を重心といいます。中央に支点があれば棒の重さは回そうとするはたらきを持ちませんが、支点が中央からずれれば計算に入ります。
たとえば長さ60 cmの一様な棒なら、中央は左端から30 cmです。支点が左端から20 cmの位置にあれば、棒の重さがかかる位置は支点の右10 cmになります。棒の長さの半分である30 cmを、そのまま回転の計算に使うわけではありません。「左端から測った位置」と「支点から測った距離」を書き分けることが大切です。
おもりが複数あるときは、それぞれについて力×距離を求め、同じ向きに回そうとする分を足します。先に重さだけを足すと、違う場所にあるおもりを同じ場所に集めたことになってしまいます。また、支点が真上に押し返す力は、支点からの距離が0なので、支点のまわりに棒を回すはたらきはありません。回転のつり合いを求めた後、上下の力のつり合いから支点が支える力を調べることはできます。
滑車と輪軸では力と移動距離を組にします
滑車は、ふちにひもをかけて回す輪です。天井などに取り付けられ、輪の中心が動かないものを定滑車といいます。理想的な定滑車は力の向きを変えますが、必要な力の大きさは変えません。200 gのおもりをゆっくり持ち上げるなら、200 g重でひもを引きます。下向きに20 cm引くと、おもりは上向きに20 cm動きます。
動滑車は、輪の中心が荷物と一緒に動く滑車です。上に固定したひもを動滑車の下に回し、反対側の端を引く基本形では、動滑車と荷物を2本のひもの部分が上向きに支えます。ひもの重さ、ひもの伸び、滑車の摩擦を考えないと、1本の連続したひもには同じ大きさの張力がはたらきます。張力とは、張ったひもが引く力のことです。2本が鉛直であれば、それぞれが持ち上げる全体の重さの半分を支えます。
動滑車が10 cm上がると、その両側のひもの部分がそれぞれ10 cmずつ短くなります。その合計20 cm分を端で引く必要があります。半分の力で済む代わりに、引く長さは2倍です。動滑車自身にも重さがあれば、荷物の重さと足してから2で割ります。定滑車は固定した場所がその重さを支えるので、同じように荷物へ足すものではありません。
輪軸は、半径の違う大きな輪と小さな軸が一体となって回る仕組みです。中心から離れた輪のふちを引くと、小さな力で軸についた荷物を持ち上げられます。つり合いは「輪を引く力×輪の半径=軸側の力×軸の半径」です。両側を直径でそろえても比は同じですが、片方だけ直径にしてはいけません。1回転する間に巻き取るひもの長さも半径に比例するため、大きな輪側で引く長さは、軸側の移動距離より長くなります。
例題で解き方を確かめる
以下では、特に示さない限り、棒・ひも・滑車・輪軸の重さと摩擦は考えません。ひもは伸びず、滑車を支えるひもは鉛直です。静止してつり合う場合、またはゆっくり一定の速さで動かす場合として考えます。実際の道具では摩擦などがあるため、ここで求める値とぴったり一致するとは限りません。
例題1 表からてこの決まりを読み取ります
重さを考えない棒の左側に、120 gのおもりを支点から15 cmの位置につるします。右側のおもりを変え、水平につり合う位置を調べると、次の表になりました。空欄ア・イを求め、右のおもりを軽くすると位置がどう変わるか説明しましょう。
| 右のおもりの重さ | 支点から右のおもりまでの距離 |
|---|---|
| 60 g | 30 cm |
| 90 g | ア cm |
| イ g | 10 cm |
- 左側の積を求めます。120×15=1800です。左の条件は変えないので、右側でも同じ積になることが表の共通条件です。
- アを求めます。90×ア=1800なので、1800÷90=20 cmです。力が決まっている行では、積を力の数値で割れば距離が出ます。
- イを求めます。イ×10=1800なので、1800÷10=180 gです。距離が決まっている行では、積を距離で割ればおもりの重さの数値が出ます。
- 3行を比べます。60 g、90 g、180 gの順に重くすると、30 cm、20 cm、10 cmの順に短くなります。軽いおもりは支点から遠くに置く必要があります。重さと距離を足した値ではなく、かけた値が一定なのです。
答え:アは20、イは180で、右のおもりを軽くするほど支点から遠い位置につるします。
例題2 棒自身の重さを加えます
長さ60 cm、重さ120 gの一様な棒を、左端から20 cmの位置で支えます。左端に300 gのおもりをつるし、右端にもおもりをつるして水平につり合わせます。右端のおもりは何gですか。また、支点が棒を上向きに支える力は何g重ですか。
図2のように、左端、支点、棒の中央、右端を別々に記します。図の下側の長さは隣り合う位置の間隔です。右端までの距離を求めるときは、支点から中央までの10 cmと、中央から右端までの30 cmを足します。

- 支点からの距離をそろえます。左端は左20 cm、中央は右10 cm、右端は右40 cmです。棒の重さは中央にかかるので、中央の位置が必要です。
- 左側の回すはたらきを求めます。300×20=6000です。右側では棒の重さも右端のおもりも時計回りにはたらき、左側のはたらきとつり合います。
- 棒の重さによる分を求めます。120×10=1200です。右端のおもりが受け持つ分は、6000−1200=4800になります。棒の重さを消すのではなく、右側の合計から既知の分を取り出しています。
- 右端のおもりを求めます。4800÷40=120 gです。確認すると、300×20=120×10+120×40となり、両側は6000で一致します。
- 上下の力を調べます。下向きには左のおもり300 g分、棒120 g分、右のおもり120 g分の重力がはたらきます。支点は全体を支えるので、上向きの力は300+120+120=540 g重です。
答え:右端のおもりは120 g、支点が支える力は540 g重です。
支点を棒の中央へ移すと、棒自身の重さの回すはたらきは0になります。ただし、棒の重さそのものがなくなるわけではありません。支点が支える力を求めるときには、中央で支えていても棒の重さを加えます。「回転のつり合い」と「上下の力のつり合い」は、確かめる内容が違います。
例題3 動滑車と定滑車を組み合わせます
400 gの荷物を、重さ100 gの動滑車につるします。ひもの一端を天井に固定し、ひもを動滑車の下から回して、さらに天井の定滑車にかけます。自由な端を下向きに引いて、荷物をゆっくり12 cm持ち上げます。引く力と、引くひもの長さを求めましょう。
図3のように、動滑車の左右を上向きに支える2本の部分を見ます。右上の定滑車を通った先には、手で下向きに引く端があります。その端は力の向きを変えて操作するための部分で、動滑車を支える3本目にはなりません。

- 一緒に持ち上がる物を囲んで考えます。荷物400 gと動滑車100 gなので、合計は500 gです。荷物だけを使うと動滑車の重さを落としてしまいます。
- 支えるひもを数えます。動滑車から上へ延びる2本が支えています。同じひもなので張力が等しく、1本分は500÷2=250 g重です。手で引く力もこの張力と同じです。
- ひもの長さの変化を求めます。動滑車が12 cm上がると、支える2本がそれぞれ12 cm短くなります。端で引く長さは12×2=24 cmです。固定された定滑車の中心は上がらないので、この比は変わりません。
- 力と距離の組を確かめます。250×24=6000と500×12=6000が一致します。この比較には荷物だけでなく、動滑車も含めます。両方を持ち上げるために力を使っているからです。
答え:引く力は250 g重、引くひもの長さは24 cmです。
例題4 輪軸と動滑車をつないで考えます
輪の半径が12 cm、軸の半径が4 cmの輪軸を使います。動滑車を支えるひもの一端は天井に固定し、他端は小さい軸に巻き取られます。動滑車には600 gの荷物をつるします。大きい輪のふちに巻いた別のひもを引くと、軸がひもを巻き取り、荷物が上がります。2本のひもは、輪軸を互いに反対向きに回そうとするかけ方です。輪軸と動滑車の重さは考えません。荷物を5 cm上げるとき、大きい輪側を引く力と長さを求めましょう。
- 荷物側から調べます。動滑車は2本で600 g分を支えるので、軸に巻き取るひもの張力は600÷2=300 g重です。輪軸の軸側が直接受ける力は、この300 g重になります。
- 輪軸のつり合いを使います。大きい輪側の力×12=300×4です。したがって300×4÷12=100 g重で引けばよいことになります。荷物の600を直接この式に入れると、動滑車による変化を見落とします。
- 軸が巻き取る長さを求めます。荷物が5 cm上がるためには、動滑車を支えるひもを5×2=10 cm巻き取ります。ここは動滑車のひもの長さの関係です。
- 大きい輪側のひもの長さを求めます。輪と軸は一体で同じ角度だけ回り、ふちの移動距離の比は12:4=3:1です。軸側で10 cm巻き取る間に、輪側では10×3=30 cm引きます。
- 全体を確かめます。引く力は600 g重の6分の1で、引く距離は5 cmの6倍です。100×30=600×5が成り立ち、力が小さくなった分と移動距離が長くなった分が対応しています。
答え:大きい輪側を引く力は100 g重、引く長さは30 cmです。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 支点ではなく棒の端から測ります
誤った書き方は、例題2で「棒の重さの分は120×30」です。どこが違うかというと、30 cmは左端から中央までの距離であり、回転の中心からの距離ではありません。正しい書き方は「中央は左端から30 cm、支点は左端から20 cmなので、120×(30−20)=1200」です。
直すときは、すぐに式を書き換えるよりも、棒の図の上に支点を示す小さな三角を置きます。その三角から、各力の矢印へ向かって距離を書き込みます。基準が同じ図になってから式に移ると、支点の位置が変わる問題にも対応できます。なお、一様でない棒では中央が重心とは限らないため、問題で与えられた重心の位置を使います。
誤り2 滑車の輪が2個なら力を2回半分にします
誤った書き方は、例題3で「500÷2÷2=125 g重」です。どこが違うかというと、上の定滑車は中心が固定され、力の向きを変えているだけなのです。正しい書き方は「荷物と動滑車を支えるひもは2本なので、500÷2=250 g重」です。滑車の総数を割り算の回数にすることはできません。
図3で、動滑車のすぐ上を横切る線を想像すると、支えているひもが2本見つかります。一方、手元へ下がる部分はこの動くかたまりを直接支えていません。さらに複雑な組み合わせでは、別々のひもが使われる場合もあります。同じひも内で張力が等しいことと、装置中のすべてのひもの張力が等しいことは別です。ひもを1本ずつ端から端までたどる習慣をつけましょう。
誤り3 輪軸で力も距離も小さくします
誤った書き方は、「半径が3倍の輪を使うと、力も引く長さも3分の1」です。どこが違うかというと、同じ角度だけ回るとき、大きい輪のふちは小さい軸のふちより長い距離を動くことです。正しい書き方は「必要な力は3分の1、引く長さは3倍」です。図4のように、中心から輪のふちまでと軸のふちまでの半径を比べます。

図4は例題4の輪軸部分だけを取り出した図です。左の輪側では100 g重、右の軸側では300 g重が下向きにはたらき、互いに反対向きに回そうとします。100×12=300×4です。右の300 g重は、動滑車を支えるひもの張力に対応します。輪軸単独で軸側に300 gのおもりをつるした場合も、同じつり合いになります。
半径と直径が混ざっている問題では、両方を半径にそろえてから書き込みます。輪の直径24 cm、軸の半径4 cmなら、距離の比は24:4ではなく12:4です。「大きい数を小さい数で割る」という数だけの判断をせず、その数が中心からどこまでを表すかを確認しましょう。
ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ
練習問題
特に示さない限り、棒・ひも・滑車・輪軸の重さと摩擦は考えません。ひもは伸びず、滑車を支える部分は鉛直です。計算の前に、力がかかる位置と支点からの距離、または荷物を支えるひもの本数を短く書き添えてください。
練習1
重さを考えない長さ50 cmの棒の左端に300 g、右端に200 gのおもりをつるします。棒が水平につり合うように、両端の間の1か所で下から支えます。支点は左端から何cmの位置ですか。支点は重いおもりと軽いおもりのどちらに近くなるかも答えましょう。
練習2
長さ80 cm、重さ200 gの一様な棒を、左端から30 cmの位置で支えます。左端に400 gのおもりをつるすとき、右端に何gのおもりをつるすと水平につり合いますか。棒の重心の位置と、支点からそこまでの距離も書きましょう。
練習3
重さ60 gの動滑車に540 gの荷物をつるします。1本のひもの一端を天井に固定し、動滑車の下に回してから、天井に固定した定滑車にかけます。自由な端を下向きに引いて、荷物をゆっくり15 cm上げます。引く力と引く長さを求め、定滑車を使う役割を1文で答えましょう。
練習4
輪の直径が30 cm、軸の直径が10 cmの輪軸があります。小さい軸側のひもに450 gのおもりをつるし、大きい輪側のひもを引いてゆっくり持ち上げます。引く力と、おもりを8 cm上げるために引く長さを求めましょう。両側のひもは、互いに反対向きに輪軸を回そうとするかけ方です。
答えと解説
練習1の答えは、左端から20 cmで、重いおもりに近い位置です。左と右の力が300:200=3:2なので、支点からの距離の比は2:3です。全長50 cmを5等分したうち左側が2つ分なので、50÷5×2=20 cmとなります。右側は30 cmです。300×20=200×30=6000と確かめられます。支点から両端までの距離の合計が50 cmになることも確認します。
練習2の答えは200 gです。棒の重心は左端から40 cm、支点の右10 cmです。左端のおもりの分は400×30=12000、棒の分は200×10=2000です。右端は支点の右50 cmなので、(12000−2000)÷50=200 gになります。右側には棒とおもりの両方がはたらくため、棒の分を先に引いています。
練習3の答えは300 g重、30 cmです。定滑車の役割は、ひもを引く向きを下向きに変えることです。一緒に上がる重さは540+60=600 gで、引く力は600÷2=300 g重になります。動滑車が15 cm上がると支える2本が合計30 cm短くなるので、その長さだけ端を引きます。「力を半分にする」という説明は、この装置では動滑車の役割です。
練習4の答えは150 g重、24 cmです。半径は輪15 cm、軸5 cmなので、450×5÷15=150 g重になります。輪側の移動距離は軸側の3倍で、8×3=24 cmです。直径を両側で使い、450×10÷30と計算しても同じ力が出ます。どちらか片方だけを半分にすると、比が変わってしまいます。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
この単元は、力を加えて物を動かすときの「仕事」の考え方につながります。理想的な装置では、小さな力で済んでも、その分だけ力を加える側を長く動かします。てこで長い持ち手を動かすことと、動滑車で長くひもを引くことは、別々の暗記ではなく、力と移動距離の交換として結びつけられます。斜面を使って荷物を高く上げる場合にも、進む道のりと必要な力を比べる視点が役立ちます。
家庭での確かめ方の1つ目は、保護者の方と5分ほど、軽い定規を使って支点を探すことです。火や刃物から離れた低い机で、保護者の方が定規の中央付近を指で支え、お子さまが片端の近くをそっと指で押します。次に支点の近くを同じ向きに軽く押し、どちらが回しやすいかを比べます。定規をしならせるほど押さず、硬貨や重い物を載せないようにします。目盛りの0と重心が必ず決まった関係にあるわけではないので、この活動では回しやすさだけを確かめます。
2つ目は、紙に動滑車と2本の支えるひもを描く5分の確認です。動滑車の中心を紙の上で2 cm上へ移した図を描き、それぞれのひもの直線部分が何cm短くなるかを書きます。2+2=4 cmという合計を見れば、実物を天井につるさなくても、引く長さが2倍になる理由を説明できます。どちらの活動でも、お子さまの説明を先に聞き、数字だけでなく「どこから測ったか」を一緒に指さすと理解の位置が見えます。
個別指導で解き直すときは、計算を始める前の図まで戻り、支点、重心、力の向き、ひものつながりのうち、どこを取り違えたかを確かめます。かけ算の式が正しくても距離の基準が違っていれば、数の練習を増やす前に、その基準を図の上でそろえます。
まとめ
初めて見る装置でも、力を伝える道筋を1つずつたどれば、知っているてこや滑車の関係に分けられます。答えが出たら、その力がどのひもの力なのか、何を含めて持ち上げるのか、距離をどこから測ったのかまで図に戻して確かめましょう。数字と図が同じ意味を表したとき、式を覚えるだけの学習から一歩進めます。
保護者の方が答え合わせをするときにも、途中の1本の矢印や短い説明が手がかりになります。支点から引いた1本の距離線が、てこの式の根拠です。
本気になった日が、入塾の日。
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