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【政治経済】財政を図解で総まとめ—財政の機能 予算 租税の原則 国債 財政赤字と財政再建|武蔵野個別指導塾

財政の3機能と予算の流れを整理し、累進課税や直接税の割合を例題で計算します。国債残高の図と基礎的財政収支の読み取りを通じ、財政再建を考える判断の筋道をたどれます。
よくあるのは、校庭のベンチで政治・経済のノートを開き、「不況のときは政府が支出を増やす」と「財政赤字を減らす必要がある」が並んでいるのを見て、どちらを答えればよいのか迷う場面です。支出を増やすことと、借金を減らすことは、同じ時期に同じ強さで実現できるとは限りません。財政を学ぶ出発点は、片方の文章を消すことではなく、それぞれが何を目的に、どの期間を見て述べているかを確かめることです。
税金は政府の収入ですが、家計には負担です。公共事業は政府の支出ですが、受注した企業や働く人には収入となります。このように、財政は政府だけで閉じた話ではなく、家計・企業・政府の間のお金とサービスの動きです。財政の機能、予算の決め方、税の集め方、国債による資金調達を順に追うと、政策を単純な賛否ではなく、目的・効果・負担の組み合わせとして説明できるようになります。
この単元で身につけること
- 財政の3機能を区別します。資源配分・所得再分配・経済の安定化について、何を改善する働きなのかを具体的な支出や税と結びつけます。
- 予算の種類と流れを説明します。一般会計と特別会計という区分と、当初予算・補正予算・暫定予算という区分を分け、編成から決算までをたどります。
- 租税を複数の基準で分類します。国税・地方税、直接税・間接税の違いを整理し、公平・中立・簡素という原則から制度を考えます。
- 税負担を計算して比較します。超過累進課税では所得を区分し、直接税の割合では分母を確かめて、印象に頼らず資料を読みます。
- 国債と財政赤字の関係を説明します。ある期間の収支と、ある時点の債務残高を区別し、財政再建の効果と課題を両方述べます。
中学校の公民で学んだ税と公共サービスの関係に、経済循環や市場の失敗という見方を加える単元です。用語の説明を覚えるだけでなく、「誰から集め、誰に使い、その結果何が変わるか」を1つの文にすると、複数の内容がつながります。
基本の考え方
財政の3機能は何を調整するのか
財政とは、国や地方公共団体が収入を得て、それを支出する経済活動です。政府の収入を歳入、支出を歳出と呼びます。歳入には租税だけでなく、公債の発行によって調達する資金なども含まれます。公債は国や地方公共団体の借入れに関係する債券で、国が発行するものを国債、地方公共団体が発行するものを地方債と呼びます。
第1の機能は資源配分です。ここでの資源は、お金だけでなく、働く人、土地、設備など、生産に使うものを含みます。市場では、利益を得にくい財やサービスが社会に必要な量だけ供給されるとは限りません。例えば公共財には、対価を払わない人を利用から排除しにくい性質や、ある人の利用が他の人の利用を妨げにくい性質があります。そのため、代金を払わず便益を得ようとする行動が生じ、民間の供給が不足することがあります。政府は税などを財源に、こうした供給を補います。
ただし、「政府が提供するものはすべて純粋な公共財」とは書けません。教育や医療にも政府が関わりますが、利用の混雑や個別の負担があり、公共財の性質を完全に備えるとは限りません。社会全体への効果や利用機会の保障など、関与する理由は複数あります。市場の失敗を補う政策については、政府が必要性を正しく把握できるか、費用に見合う効果があるかも検討します。
第2の機能は所得再分配です。市場で得られる所得には差があり、病気や失業などで生活が不安定になることもあります。所得の大きい人ほど負担する割合が高くなる累進課税や、社会保障の給付などを通じて、税や給付の後の所得の格差を和らげます。再分配は税の側だけでは完結しません。同じ税収でも、誰にどのような給付やサービスを提供するかによって効果が変わります。
第3の機能は経済の安定化です。不況で民間の消費や投資が弱いとき、政府支出の拡大や減税によって総需要を支える方法があります。反対に、需要が過大で景気が過熱しているときには、支出の抑制や増税が需要を抑える方向に働きます。ただし、物価上昇には供給の不足や費用の上昇によるものもあるため、物価が上がれば必ず同じ政策を行う、と機械的には決められません。
図1のように、財政の3機能は「供給を補う」「格差を和らげる」「景気の波を抑える」という目的から区別できます。実際の政策には機能が重なる場合もあり、公共施設の整備は資源配分に関わると同時に、工事の発注を通じて需要を支えることがあります。

景気の安定化には、政府がその都度判断して行う裁量的財政政策と、制度に組み込まれた自動安定化装置があります。後者はビルトイン・スタビライザーとも呼ばれます。不況で所得が減ると所得税の負担が減り、失業が増えると失業給付が増える方向に働き、家計の所得の落ち込みを和らげます。毎回新たな政策を決めなくても働く点が特徴ですが、不況の影響を完全に消す仕組みではありません。
予算は集め方と使い方を事前に決めるもの
予算は、一定の会計年度における歳入と歳出の見積もりであり、政府の活動を財政面から示す計画です。国の予算は内閣が編成して国会に提出し、国会の審議・議決を経て執行されます。国会では衆議院が先に予算を審議します。集めたお金の使途を行政だけで決めないことが、財政を民主的に統制するうえで重要です。
一般会計は、国の基本的な行政活動に関わる歳入・歳出をまとめる会計です。特別会計は、特定の事業や資金の運用などについて、一般会計と区別して経理する必要がある場合に設けられます。特別会計を「使途が自由なお金」と考えるのは誤りです。また、会計間で資金を移すことがあるため、国全体の規模を調べるときに各会計の金額をそのまま足すと、同じ資金を重複して数える場合があります。
当初予算は年度の開始に向けて組まれる予算です。年度の途中に災害や経済情勢の変化などへの対応が必要になれば、補正予算によって変更することがあります。暫定予算は、年度の開始までに本予算が成立しない場合に、必要な期間の経費を賄うためのものです。一般会計・特別会計は「何を区分して経理するか」、当初・補正・暫定は「どの段階や事情で組むか」の分類なので、横一列の選択肢として混同しないようにします。
支出が終われば、実際の収入と支出を決算として確かめます。国の決算は会計検査院の検査を経て、内閣から国会へ提出されます。予算が事前の計画と統制、決算が事後の実績の確認に当たります。予算額と実際の支出額が常に一致するとは限らないため、資料の見出しが「予算」か「決算」かも読み取る必要があります。
財政投融資は、融資や出資という形で政策目的を実現する仕組みです。財投債の発行などで調達した資金を用い、長期の資金供給などを行います。返済を予定しない一般的な支出と同じものとして扱わず、貸した資金の回収や事業の採算性も検討する点を押さえます。
租税は分類と原則を組み合わせて読む
租税は、国や地方公共団体が公共の活動の財源などを得るために徴収するものです。誰が課税するかで分けると国税と地方税になり、税を納める義務を負う人と、制度上その税を負担すると予定される人との関係で分けると直接税と間接税になります。所得税や法人税は直接税、消費税などは間接税の代表です。
直接税は納税義務者と担税者が一致することを予定する税、間接税は一致しないことを予定する税です。ただし、実際に誰がどれだけ負担するかは価格や賃金の変化にも左右されます。買い物のとき自分が店に支払ったから直接税だ、と支払いの見た目だけで判断してはいけません。また、直接税だから必ず累進的、間接税だから必ず同じ方式という関係でもありません。税の分類と税率の仕組みは別々に確かめます。
租税の原則は、公平・中立・簡素という3つから整理できます。公平は、負担する能力などに応じた税負担を考えることです。同じ負担能力の人を同様に扱う水平的公平と、負担能力が高い人により大きな負担を求める垂直的公平を区別します。利益を受ける程度に応じて負担する応益負担と、支払う能力に応じて負担する応能負担も、税を考える基準になります。
中立は、税制が個人や企業の経済活動の選択をできるだけゆがめないこと、簡素は、仕組みがわかりやすく、納税や徴税の手間が過大にならないことです。公平に配慮して細かな区分や控除を設ければ、制度が複雑になる場合があります。また、環境への負担を減らす目的の税のように、あえて行動を変えることをねらう場合もあります。3原則は、どれか1つだけで制度の良しあしを決めるための標語ではありません。
消費に対して同じ税率を適用しても、所得に占める消費の割合が低所得の人ほど高い場合、所得に対する税負担の割合は低所得の人ほど高くなります。これが消費課税の逆進性を考える基本です。比べる分母が消費額なのか所得なのかを明確にすると、同じ税率なのに負担割合が違う理由を説明できます。
例題で解き方を確かめる
例題1 予算の手続きと財政の機能
問題は、「国が年度途中の災害に対応するため、当初予算を変更して堤防の復旧費を計上しました。用いる予算の名称、国の予算を議決する機関、復旧によって防災サービスの供給を確保する財政の機能を答えなさい」です。名称だけを探すのではなく、時間・手続き・目的の3つに分けて考えます。
- 「年度途中」「当初予算を変更」という条件に線を引きます。年度開始までのつなぎではないので、暫定予算と区別するためです。
- 予算を編成する主体と議決する主体を分けます。内閣が計画を作ることと、国会がその内容を審議して議決することは違う役割だからです。
- 問われている効果を確認します。工事による雇用への影響ではなく、防災サービスの供給の確保に着目しているので、資源配分と判断します。
「公共工事」と書かれているだけで経済の安定化と決めないことが大切です。問題がどの目的を取り出しているかを読めば、同じ政策が複数の機能に関わることと、答えを1つに定めることは両立します。
答え:補正予算、国会、資源配分の機能です。
例題2 超過累進課税を区分して計算する
問題は、「課税所得の200万円以下の部分には10%、200万円を超え400万円以下の部分には20%、400万円を超える部分には30%を課すとします。課税所得が500万円の人の税額と平均税率を求めなさい」です。この税率表は計算練習用で、実際の所得税の税率表ではありません。課税所得とは、税額を計算する基礎となる所得であり、給与の受取額をそのまま使うとは限らない点にも注意します。
- 500万円を200万円、200万円、100万円に分けます。超過累進課税は、上の区分に入ったからといって全額に高い税率をかける方式ではないためです。
- それぞれの区分に税率をかけます。200 × 0.10 = 20万円、200 × 0.20 = 40万円、100 × 0.30 = 30万円となります。
- 各区分の税額を合計します。20 + 40 + 30 = 90万円で、最後の区分の税額だけを答えないようにします。
- 税額を課税所得で割ります。平均税率は全体に対する負担割合なので、90 ÷ 500 × 100 = 18%です。
図2の上段は課税所得の区分、下段の短い帯は各区分から生じる税額です。帯の横幅は上下とも金額に比例し、同じ縮尺にしてあります。上段の最後の100万円に30%をかけるのであって、500万円全体にかけるのではありません。

最後に適用される30%は、所得が少し増えたとき、その増加部分に適用される限界税率です。全体の平均税率18%と区別しましょう。この条件で課税所得が400万円なら税額は60万円で、500万円に増えると税額は30万円増えます。税引後の金額は340万円から410万円へ増え、区分を超えたために税引後の金額が急に減るわけではありません。
答え:税額は90万円、平均税率は18%です。
例題3 直接税と間接税の比率を読む
問題は、「ある会計の租税収入が80兆円で、直接税が48兆円、間接税が32兆円でした。直接税と間接税の比、租税収入に占める直接税の割合を求めなさい。なお、国債発行による収入が別に20兆円あります」です。示された数値はこの問題の条件で、特定の年度の実績ではありません。
- 求めるものの分母を確認します。租税収入の構成を問うので、国債発行による収入は分母に加えません。
- 直接税と間接税を同じ単位で比べます。48:32を16で割ると3:2となり、比の順序も問題の順序に合わせます。
- 直接税の金額を租税収入で割ります。48 ÷ 80 × 100 = 60%で、税収全体のうち直接税が占める部分を表します。
直接税と間接税の比率を直間比率といいます。国税だけか、地方税も含むのか、同じ年度かによって値は変わるので、異なる資料を比べるときは範囲をそろえます。直接税の割合が高いほど必ず公平だとは断定できず、税率・控除・誰が負担するかまで確認する必要があります。間接税についても、税収の安定性を重視する見方と、所得に対する負担の逆進性を重視する見方があり、給付などを含めた制度全体で考えます。
答え:直接税と間接税の比は3:2、直接税の割合は60%です。
例題4 基礎的財政収支を計算して説明する
問題は、「税収などの収入が80兆円、新たな国債発行による収入が20兆円、政策的経費が75兆円、国債の元本返済と利払いの費用が25兆円でした。基礎的財政収支を求め、それが黒字なら国債発行が不要といえるか説明しなさい」です。この問題では、示された4項目だけで収支を整理します。
- 基礎的財政収支の対象を取り出します。新たな借入れに頼らない収入で、過去の借入れの元利払いを除く政策的経費を賄えているかを見る指標だからです。
- 80 − 75 = 5兆円と計算します。収入が政策的経費を上回るので、基礎的財政収支は5兆円の黒字です。
- 元利払いを戻して全体を確かめます。支出は75 + 25 = 100兆円で、借入れ以外の収入80兆円との差20兆円を国債発行で賄っています。
基礎的財政収支はプライマリーバランスとも呼ばれます。黒字でも元利払いまで賄えるとは限らず、元本返済と利払いの内訳がなければ、この資料だけで国債残高の増減も確定できません。計算結果の符号だけで政策を評価せず、その指標が何を含み、何を除いているかまで説明しましょう。
答え:基礎的財政収支は5兆円の黒字ですが、元利払いを含む支出には20兆円の国債発行が必要です。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 国債収入と税収を同じ収入と考える
誤った書き方は「国債も歳入だから、税と同じように将来の支払いを伴わない収入です」です。どちらも予算上の歳入に含まれますが、国債は借入れによる調達で、元本の返済と利払いが伴う点が違います。正しい書き方は「税収と国債収入はともに歳入ですが、国債には将来の元利払いが伴います」です。
公共事業などの財源に充てる建設国債と、税収などで賄えない歳出を補う特例国債、いわゆる赤字国債を区別します。また、期限を迎えた国債の償還資金を調達する借換債もあります。建設国債なら必ず負担がない、赤字国債なら便益がない、という分類ではありません。調達したお金を何に使うかと、将来返す必要があるかを分けて読みます。
誤り2 国債発行額をそのまま残高の増加額にする
誤った書き方は「国債を30兆円発行したので、国債残高は必ず30兆円増えます」です。どこが違うかというと、同じ期間に元本の返済があれば残高が減ることを落としています。正しい書き方は「他の変動がなければ、期末残高は期首残高に発行額を加え、元本返済額を引いた額です」です。
図3は、期首残高100兆円、期間中の発行30兆円、元本返済10兆円という条件を表しています。期末残高は100 + 30 − 10 = 120兆円です。上段と下段の帯の長さは残高に比例し、下段は上段の1.2倍です。新しく発行した額のすべてが残高の増加になるわけではないことを確かめてください。

1年間の税収・支出・収支は、一定期間の量であるフローです。年度末の国債残高は、ある時点の量であるストックです。利払いは支出ですが、それ自体は元本の返済ではありません。財政赤字という言葉が出たときも、どの範囲の収入と支出の差なのかを確認してから、債務残高との関係を考えます。
誤り3 財政再建は支出削減だけで必ず進むとする
誤った書き方は「政府支出を減らせば、その金額だけ確実に財政収支が改善します」です。どこが違うかというと、政府の行動が民間の所得や税収に影響する経路を無視しています。正しい書き方は「支出削減には直接の収支改善効果がありますが、需要や税収への影響を含めて結果を判断します」です。
財政再建の方法には、歳出の見直し、税収の確保、経済成長を通じた税収基盤の拡大などがあります。早めの負担増や支出抑制で債務の増加を抑えるべきだという見方と、不況時の急な引締めは需要と税収を弱めるため景気回復を優先すべきだという見方があります。どちらも、時期・政策の規模・支出の内容を示して検討する必要があります。
国債発行が金利上昇を通じて民間投資を抑える現象をクラウディング・アウトと呼びますが、資金需要や金融政策の状況によって起こり方は異なります。一方、国債によって整備した施設が将来も使われるなら、将来世代は返済に関わる負担だけでなく便益も受けます。債務のGDPに対する比率を見るときも、債務の増減に加えて、経済規模の変化を確認します。
「国内で国債を保有しているから問題はない」とも、「残高が大きいから直ちに同じ結末になる」とも言い切れません。利払いの増加が他の支出を制約する可能性、借換えを続ける条件、将来の税と給付の配分などが論点になります。家計の借金とのたとえは入口になりますが、政府には課税や経済全体への働きかけがあるため、そのたとえだけで結論を出さないようにします。
ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ
練習問題
練習1
不況で所得が減少した結果、既存の所得税の制度のもとで税負担が減り、家計の所得の落ち込みが和らぎました。財政の3機能のどれに当たるか、また新たな政策決定なしに働くこの仕組みの名称を答えましょう。公共施設の供給の話か、景気の変動の話かを区別して考えてください。
練習2
例題2と同じ税率表で、課税所得が300万円の場合の税額、平均税率、税引後の金額を求めましょう。税引後の金額は課税所得からこの問題の税額だけを引くものとし、他の負担は考えません。最高の適用税率を全額にかけた場合と混同しないよう、区分ごとの計算を残してください。
練習3
ある会計の租税収入は90兆円で、直接税が54兆円、間接税が36兆円、これとは別に国債収入が30兆円ありました。直接税と間接税の比、租税収入に占める間接税の割合を求めましょう。直接税と国債収入を合わせた額を分母にしてはいけない理由も、短く説明してください。
練習4
期首の国債残高が200兆円、期間中の発行が40兆円、元本返済が15兆円でした。他の残高変動はないとします。期末残高と残高の増加額を求め、「財政再建のため不況時にも直ちに支出を大幅に減らすべきだ」という意見に対して、需要と税収の関係を使って留意点を1文で書きましょう。
答えと解説
練習1の答えは、経済の安定化機能、自動安定化装置です。所得税は所得再分配にも関わりますが、この問題は所得の階層間の差ではなく、景気変動に伴う家計への影響を取り上げています。新しい減税を決めたのではないので、裁量的財政政策とは区別します。
練習2の答えは、税額40万円、平均税率約13.3%、税引後の金額260万円です。200 × 0.10 + 100 × 0.20 = 40万円、40 ÷ 300 × 100 ≒ 13.3%、300 − 40 = 260万円となります。20%がかかるのは200万円を超えた100万円の部分だけです。
練習3の答えは、3:2、40%です。54:36を18で割って比を求め、36 ÷ 90 × 100で割合を計算します。分母は租税収入の合計であり、借入れで調達する国債収入を含めると、問われた割合と別の指標になってしまいます。
練習4の計算の答えは、期末残高225兆円、増加額25兆円です。200 + 40 − 15 = 225兆円、225 − 200 = 25兆円となります。論述の解答例は「不況時の急な支出削減は総需要を弱め、所得や税収を減らして、予想したほど収支が改善しない可能性があるため、時期と削減の内容を検討する必要があります」です。支出の見直し自体を否定するのではなく、効果が生じる経路を示しています。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
財政の考え方は、戦後の日本経済で政府が景気にどう対応したかを学ぶときや、社会保障の給付と負担を考えるときに使います。金融政策と組み合わせて読む場面では、政府が税や支出を変える財政政策と、中央銀行が金利や資金供給などに働きかける金融政策を区別すると、政策の主体が整理できます。
家庭で5分あれば、まず紙を左右に分け、左に税収と国債収入、右に政策的経費と元利払いを書き、例題4の数字を配置してみましょう。総額が合うことと、借入れなしで支出を賄えることが別だと確認できます。もう1つは、例題2の課税所得を300万円に変え、所得の帯を区切って税額を説明する方法です。途中の計算を声に出すと、全額に同じ税率をかけていないかを確かめられます。
個別指導では、比率の計算で止まる場合は「何を全体として割っているか」まで戻り、財政赤字の説明で止まる場合は、1年間の収支と年度末の残高を別の欄に書いて確かめます。お子さまの説明を聞くときも、用語の数より、負担する人と便益を受ける人、現在と将来を分けて話せているかに注目すると、理解した部分を見つけやすくなります。
まとめ
校庭のベンチで迷った2つの文章は、同じ問いへの矛盾した答えではありません。不況の需要を支える課題と、将来の支出の余地を保つ課題を、それぞれ示しています。資料を読むときは、まず期間と対象をそろえ、収入や支出に何が含まれるかを確かめましょう。そのうえで政策の効果と負担を述べれば、賛否の言葉に計算と理由を添えられます。
財政を論じる答えの芯は、お金を増やすか減らすかではなく、誰のどの負担で、いつの何を支えるかを示すことです。
本気になった日が、入塾の日。
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