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【政治経済】共通テスト 入試政治経済の解き方と全体地図を図解で総まとめ—資料 計算 時事の読み方 公共との接続|武蔵野個別指導塾

資料の比較条件、増加率と為替の計算、時事を教科書につなぐ手順を3枚の図と例題で整理し、公共から政治経済へ学びを広げる道筋を確かめましょう。
よくあるのは、卒業アルバムを開いた居間で、進路の話から政治経済の問題集を手に取り、覚えたはずの用語が並んでいるのに、グラフ付きの選択肢を選べなくなるという場面です。「円高」や「国民主権」の意味を言えても、資料のどこを根拠に判断するのかが見えないと、知識が答えに結びつきません。用語をさらに増やす前に、問いと知識をつなぐ順序を整える必要があります。
政治経済の問題は、扱う話題が変わっても、主体を確かめる、比較条件をそろえる、原因と結果を区別する、という読み方を使えます。共通テストや入試に向けた学習でも、初めて見る題材をすべて新しい暗記事項として抱え込む必要はありません。何が資料からわかり、何を教科書の知識で補い、どこから先は言えないのかを分けると、判断の根拠を短い言葉で説明できるようになります。
この単元で身につけること
- 問いの条件を先に読むことです。「適切なもの」と「適切でないもの」、原因と結果、単独の資料と複数資料の比較を区別し、最後に何を答えるかを定めます。
- 政治と経済の全体地図を持つことです。政治は権力をどう正当化し制限するか、経済は限られた資源をどう配分するかという問いから、制度や政策の位置を捉えます。
- 統計の比較条件を確認することです。年次、対象、単位、分母、実数か指数かを確かめ、グラフの見た目だけで大小を決めないようにします。
- 計算を言葉と単位に戻すことです。増加率、実質値、為替、機会費用などで、何を何で割っているかを説明し、答えの方向が条件と合うかを確かめます。
- 時事を既習の概念に結びつけることです。出来事の名前を覚えるだけでなく、関係する主体、制度、対立する目的、必要な資料を整理します。
中学校の公民や高校の「公共」で学んだ権利、合意形成、市場、国際協力が、この地図の土台です。「政治・経済」では制度間の関係や理論を深め、同じ出来事を複数の視点から検討していきます。
基本の考え方
問題の型を見分けて、判断の順序を決める
問題を読むときは、最初に設問の末尾を確かめます。制度の説明を選ぶのか、資料から読み取れる内容を選ぶのか、政策の影響を説明するのかで、必要な作業が違うからです。否定形には印を付け、選択肢を検討した後で、求められた側を選んでいるかをもう一度確かめます。知っている語を探すことから始めると、正しい知識を含むだけの選択肢に引き寄せられやすくなります。
用語の説明を問う問題では、「主体・働き・対象」の組を作ります。たとえば司法権の説明なら、裁判所が具体的な争いに法を適用して裁判するという関係を押さえます。単に「法律に関係する機関」と覚えていると、立法や行政と区別できません。制度比較では、両方を同じ観点で並べます。議院内閣制と大統領制なら、行政の担い手の選ばれ方、議会との関係、政治責任の仕組みを対にして確かめます。
資料を使う問題では、本文と図表を往復します。本文の条件が「他の条件が一定」としているなら、その条件を計算や推論にも引き継ぎます。短い論述なら、「結論、その理由、成り立つ条件」の順で下書きすると、知識の羅列を避けられます。選択式でも各選択肢をこの形に分解すれば、主体の取り違えや、資料にない理由の付け足しを発見できます。
図1のように、公共で学んだ基礎から政治と経済へ進み、制度や資料を通じて判断へつなげます。実際の問題には、環境政策のように法制度と市場の働きの両方が必要なものもあります。政治の問題だから経済の考え方は使わない、と境界を固定しないことが大切です。

図1の「制度・資料」は、教科書で学ぶ決まりと、問題中で与えられた事実を突き合わせる場所です。制度の名称を答えられても、示された事実に当てはめられなければ作業は終わりません。反対に、グラフの数字を読めても、それがどの制度や理論に関係するかを説明できなければ、選択肢の細かな違いを見落とします。
数字は、単位と分母を伴って初めて意味を持つ
統計を見る順序は、表題、対象と時点、単位、注記、数値です。人数と割合、総額と1人当たり、国内で生み出された額と海外との所得のやり取りを区別します。割合が上がっても、分母が小さくなっていれば人数が増えたとは限りません。「多い」という日常語を、総数が多いのか、割合が高いのかに言い直してから比べます。
指数は、基準時点を100とした相対的な大きさです。同じ基準の系列が100から120に動けば20%増ですが、別々の地域をそれぞれ100とした指数を並べても、地域間の実際の生産額の大小はわかりません。指数は時間を通じた変化を見やすくする道具であり、基準の違いを消してくれる道具ではないからです。縦軸の途中が省略されている図では、小さな差が大きく見えることもあります。
増加率の基本式は、増加率=(後の値−前の値)÷前の値×100です。割合そのものの差は「ポイント」で表すと区別しやすくなります。名目値はその時点の価格で測った値、実質値は価格変動の影響を取り除いて捉えた値です。基準年を100とする価格指数が与えられた計算では、実質値=名目値÷(価格指数÷100)を用います。どちらの伸びを問われているのかを読まずに数字だけを割らないようにします。
計算の型ごとに、最初に確認する条件を持っておくと応用が利きます。次の表の式は、実際の制度の税率や政策の数値ではなく、問題で条件が与えられたときの整理です。
| 計算の型 | 最初に確かめること | 式や考え方 |
|---|---|---|
| 増加率 | 比較の出発点 | 増えた量を前の値で割ります。 |
| 実質値 | 価格指数の基準 | 名目値から価格変動の影響を除きます。 |
| 為替 | 1単位の外貨に対応する円 | 外貨額×円/外貨で円額に直します。 |
| 比較生産費 | 1単位増産すると何を失うか | 機会費用が相対的に小さい財を探します。 |
| 累進課税 | 各税率がかかる所得の区間 | 区間ごとの税額を足します。 |
| 信用創造 | 現金流出や超過準備の扱い | 単純模型では当初預金÷準備率が預金総額の上限です。 |
累進課税では、最も高い区間の税率を全所得に掛ける誤りに注意します。信用創造の単純模型では、貸出金が全額銀行に預け直され、銀行が必要な準備以外を全て貸し出す条件を置きます。当初預金を含む預金総額と、新たに増えた預金額は別です。現実の貸出は資金需要や銀行の判断などにも左右されるため、この上限式をそのまま現実の予測には使いません。
公共の30の学習テーマを、政治経済へつなぐ
「公共」とのつながりは、科目名が似た章を探すだけでは見えにくいものです。自分と社会の関係を考えた経験を、制度の比較、資料の分析、政策の検討へ広げて捉えます。次の30項目は復習用の学習テーマで、教科書の章番号を表すものではありません。左欄を説明できないときは公共の基礎へ戻り、説明できるときは右欄の問いへ進みます。
| 番号 | 公共で確かめる土台 | 政治経済で深める問い |
|---|---|---|
| 1 | 自立と社会への参加 | 個人の選択を支える制度は何ですか。 |
| 2 | 他者との協働 | 利害の異なる人々はどう合意しますか。 |
| 3 | 幸福と公正 | 効率と公平をどう両立させますか。 |
| 4 | 人間の尊厳と平等 | 権利保障は制度にどう表れますか。 |
| 5 | 公共的な空間 | 私的な問題が政策課題になるのはなぜですか。 |
| 6 | 民主主義 | 多数決を支える手続きと制約は何ですか。 |
| 7 | 法と規範 | 権力も法に従う必要があるのはなぜですか。 |
| 8 | 憲法の役割 | 立憲主義は権力をどう制限しますか。 |
| 9 | 基本的人権 | 権利間の調整では何が争点ですか。 |
| 10 | 契約と責任 | 消費者と事業者の情報差にどう対応しますか。 |
| 11 | 司法参加 | 裁判の公正を支える仕組みは何ですか。 |
| 12 | 政治参加 | 選挙制度によって代表の選ばれ方はどう変わりますか。 |
| 13 | 世論と情報 | 情報の伝わり方は判断にどう影響しますか。 |
| 14 | 地方自治 | 国と地方の役割と財源をどう分けますか。 |
| 15 | 平和と安全 | 安全保障の仕組みは何を目的としますか。 |
| 16 | 国際社会 | 主権国家間の協力はどう成り立ちますか。 |
| 17 | 国際協力 | 国際機関にはどんな権限と限界がありますか。 |
| 18 | 職業選択 | 労働市場と雇用の変化をどう読みますか。 |
| 19 | 労働者の権利 | 交渉力の違いを制度はどう調整しますか。 |
| 20 | 市場の働き | 需要と供給の変化で均衡はどう動きますか。 |
| 21 | 市場の限界 | 外部性や公共財にどう対応しますか。 |
| 22 | 企業の役割 | 資金調達と経営の監督はどう結びつきますか。 |
| 23 | 金融 | 資金の流れと金融政策をどう区別しますか。 |
| 24 | 財政 | 資源配分、再分配、景気調整はどう違いますか。 |
| 25 | 社会保障 | 給付と負担をどのように組み合わせますか。 |
| 26 | 経済の動き | 生産額と物価の変化をどう分けますか。 |
| 27 | 貿易 | 比較優位は生産量の大小とどう違いますか。 |
| 28 | 国際的な資金の流れ | 為替と国際収支をどう読みますか。 |
| 29 | 環境と開発 | 成長と環境保全の両立をどう考えますか。 |
| 30 | 持続可能な社会の探究 | 根拠に基づき政策案をどう比較しますか。 |
この表は、右欄の問いを一度に暗記するためのものではありません。たとえば社会保障の資料で止まったら、財政の再分配、公平という判断基準、社会保障の給付と負担という順に関連づけます。知識の抜けが単語なのか、制度の関係なのか、判断基準なのかを見分けることが復習の出発点になります。
例題で解き方を確かめる
例題1 原理と手続きを区別する
ある学習メモに「国民主権とは、国民の多数が賛成すれば、憲法上の手続きを経ずに国の機関の権限を変えられることである」とあります。この説明の誤りを、国民主権と立憲主義の両方を使って説明しましょう。
- まず国民主権の意味を確かめます。国の政治のあり方を最終的に決める権力が国民にあるという原理であり、個々の意思表示が直ちに法的な効力を持つという意味ではないためです。
- 次に、メモの「手続きを経ずに」に注目します。権力の根拠と、権力を行使する方法を分けないと、多数の支持を理由に手続きを省けるという誤りを見落とすためです。
- 最後に立憲主義との関係を書きます。憲法で権力を制限し人権を保障する仕組みは、民主政治とともに働くものであり、多数の意思にも手続き上・内容上の制約があるからです。
「国民に主権がある」という前半だけを見れば、正しい説明に思えるかもしれません。しかし、文章全体の正誤は、後半の結論まで含めて判断します。知っている用語が入っているかではなく、用語同士の関係が合っているかを見る練習です。
答え:国民主権は政治の最終的な決定権が国民にあるという原理であり、立憲主義の下で憲法上の手続きを無視して権限を変えられるわけではありません。
例題2 割合の差と増加率を読み分ける
読み取り練習用の資料で、ある制度への賛成割合が前期40%、後期50%と示されています。両期の回答者数は示されていません。割合は何ポイント上がり、前期の割合を基準にすると何%増ですか。また、賛成者数も増えたと言えますか。
- まず割合の差を求めます。50−40=10なので10ポイントの上昇です。割合同士を直接引いた差と、もとの値に対する変化率を区別するため、この段階では「%増」と書きません。
- 次に前期を基準として、(50−40)÷40×100=25を計算します。基準となる40を分母に置くことで、増えた10がもとの値のどれだけに当たるかを測れます。
- 最後に人数についての限界を確認します。賛成者数は回答者数×賛成割合で決まり、今回は回答者数がないため、人数の増減を決められません。
図2のように、棒の高さは40と50の割合を表し、縦軸は0から60まで等間隔です。2本の棒の差は10ポイントですが、後期の棒は前期の1.25倍の高さになります。グラフに人数の目盛りはないので、棒が高くなったことを人数が増えた根拠にはできません。

人数について実感しにくい場合は、回答者数も変えて考えます。前期の回答者が100人なら賛成者は40人です。後期の回答者が60人なら、50%が賛成しても賛成者は30人です。これは元の資料に人数を補って結論を出す操作ではなく、「割合が上がれば人数も増える」という推論が必ず成り立つわけではないことを確かめる反例です。
答え:10ポイント上昇、前期の割合に対して25%増であり、賛成者数の増減は判断できません。
例題3 為替の向きと支払額を確かめる
計算用の条件として、為替相場が1ドル=150円から1ドル=120円に変わったとします。ドル建て価格が200ドルの輸入品について、円での代金はいくらからいくらに変わり、何%減りますか。手数料、税、輸送費は考えず、ドル建て価格は一定とします。
- 最初に通貨の価値の向きを確かめます。1ドルを得るために必要な円が少なくなったので円高です。「円で示す数字が下がったから円安」と考えないよう、交換できる量に戻します。
- 前後の円額を計算します。前は200×150=30,000円、後は200×120=24,000円です。ドルに円/ドルを掛けると円になるので、この掛け算で求めたい単位にそろいます。
- 減少率を求めます。(30,000−24,000)÷30,000×100=20なので20%減です。減った金額を変化前の代金で割るのは、出発点からどれだけ下がったかを問われているためです。
ここで求めたのは、条件を固定した輸入品の円換算額です。実際の販売価格まで同じ率で下がるとは限りません。在庫、契約時点、運賃、企業の価格設定などが関わるからです。また、1円で買えるドルの量の増加率は別の計算です。通貨価値の方向と、何の変化率を計算したかを分けて表現します。
答え:円高であり、円での代金は30,000円から24,000円へ20%減少します。
例題4 時事の話題を短い論述に変える
「地域の水質汚染を減らすため、排出への課税か、一律の排出規制かを検討する」という課題があります。外部不経済という語を使い、対策が必要な理由と、政策を比較する際の観点を述べましょう。特定の地域の実際の制度を答える問題ではありません。
- 被害を受ける主体と費用の負担を整理します。取引の当事者以外の住民などに損害が及び、その費用が市場の取引に十分反映されていなければ、外部不経済が生じていると説明できるからです。
- それぞれの手段の働きを区別します。排出への課税は排出に費用を伴わせ削減を促し、排出規制は許される排出の条件を直接定めるので、同じ目的でも作用する方法が違います。
- 比較の観点を示します。削減効果だけでなく、測定や監視のしやすさ、企業ごとの削減費用、住民の被害、負担の配分を挙げると、好みだけの結論を避けられます。
課税による費用負担を通じた削減を重視する見方と、規制によって排出を直接制限する確実性を重視する見方があります。どちらかが常に優れていると決めず、汚染の性質や測定可能性などの条件と結びつけます。論述の長さが限られる場合は、最初に理由を書き、次に比較の観点を2つ程度選ぶと論点が明確です。
答え:外部不経済による被害を抑えるために対策が必要であり、課税と規制を、削減効果、監視のしやすさ、削減費用や負担の配分から比較します。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 同時に動く2つの値を、すぐ原因と結果にする
誤った書き方は「ある支出が増えた年に生産額も増えたので、その支出だけが成長の原因です」です。どこが違うかというと、同時期の変化という関係から、他の要因を除いた因果関係へ飛躍しています。海外の需要、設備投資、価格の変化などが同時に起きている可能性があり、結果の側が支出を増やしたという逆の向きも検討が必要です。
正しい書き方は「資料では両者が同時期に増えていますが、これだけでは原因を特定できません」です。因果関係を説明する設問なら、教科書の仕組み、本文の条件、追加の資料を使って理由を補います。常に何も言えないと答えるのではなく、資料だけで言える範囲と、知識を加えて説明する範囲を分けることが修正の要点です。
誤り2 伸び率が高い系列を、規模も大きいと決める
誤った書き方は「A地域の指数は130、B地域は110なので、生産額はA地域の方が大きいです」です。どこが違うかというと、各地域の基準年をそれぞれ100としている場合、基準年の実額がそろっていません。Aの基準年が10億円なら後の値は13億円、Bの基準年が100億円なら後の値は110億円となり、指数と実額の大小は一致しません。
正しい書き方は「各地域の基準年からの増加率はAが30%、Bが10%であり、生産額の大小には実額の情報が必要です」です。名目と実質にも同じ注意が要ります。金額の増加には価格上昇が含まれるため、生産量の変化を見たいときは、名目の数字だけで結論を出さないようにします。
誤り3 ニュースの見出しを、そのまま制度の説明にする
誤った書き方は「対策案が発表されたので、すでに全ての対象者に適用されています」です。どこが違うかというと、提案、審議、成立、施行などの段階を区別していません。見出しにある出来事の名前を覚えるだけでは、誰が決定し、いつから何が変わるのかを説明できないままです。
正しい書き方は「対策案の内容と検討段階を分け、決定主体と適用開始の条件を確認します」です。時事の学習では、公的機関の発表などで出来事の日付と状態を確認し、その後で教科書の概念に戻します。最新の固有名詞を集めるだけでなく、なぜその主体がその手続きを取るのかまで説明できることを目指します。
図3のように、出来事から主体、仕組み、影響へと問いをつなぐと、知識の抜けが見つかります。「物価対策」という話題でも、政府の財政措置なのか中央銀行の金融政策なのかを区別し、家計、企業、財政などに生じる影響を考えます。発表の時点と実施の時点も、この順序の中で確かめます。

図3の最後の「影響」は、賛成か反対かだけを答える場所ではありません。利益を受ける主体と負担する主体、短期と長期、意図した効果と副作用を分ける場所です。たとえば負担を軽くする政策には生活を支えるという見方と、財源の確保が課題になるという見方があります。同じ物差しで比較し、判断が成り立つ条件を付ければ、政治的な好みを制度の説明と混同せずにすみます。
練習問題
練習1 実質値と成長率
計算用の資料で、基準年の名目生産額は500、価格指数は100、翌年の名目生産額は550、価格指数は110です。基準年の価格で測った翌年の実質生産額と、基準年からの実質成長率を求めましょう。金額の単位は両年で共通とし、同じ範囲の生産を測っています。
練習2 円高と輸入代金
1ドル=140円から1ドル=126円へ変わりました。ドル建て価格が一定の50ドルの商品について、円での代金は何円から何円になりますか。円高か円安か、円での代金が何%変化するかも答えましょう。手数料、税、輸送費は考えません。
練習3 比較優位
同じ1日の労働で、A国は小麦8単位または布4単位、B国は小麦6単位または布6単位を生産できます。各国内では労働の配分に比例して生産できるとします。小麦1単位を増産する機会費用を布の量で求め、小麦と布にそれぞれ比較優位を持つ国を答えましょう。
練習4 資料から言える範囲
ある地域で、雇用支援策の実施後に失業率が下がりました。資料には、失業率の推移だけが載っています。「この政策だけによって失業率が下がった」と結論づけてよいでしょうか。理由と、追加で確かめたい情報を1つ書きましょう。
答えと解説
練習1の答えは、実質生産額500、実質成長率0%です。550÷(110÷100)=500なので、基準年と同じ実質値になります。名目生産額の10%増を、そのまま実質の成長率にしないことが要点です。名目の増加が価格上昇で説明できる条件になっています。
練習2の答えは、7,000円から6,300円への変化で、円高、代金は10%減です。50×140=7,000、50×126=6,300、(7,000−6,300)÷7,000×100=10と計算します。同じ外貨額を用意するのに必要な円が減ったという意味と、計算結果が一致しています。
練習3の答えは、小麦1単位の機会費用がA国では布0.5単位、B国では布1単位であり、小麦はA国、布はB国に比較優位があります。A国では小麦8単位と布4単位が交換条件なので、4÷8=0.5です。布1単位の機会費用はA国で小麦2単位、B国で小麦1単位となり、布についてはB国の方が小さくなります。どちらの財も、相手国との機会費用の比較で判定します。
練習4の答えは、「この資料だけでは政策だけが原因とは結論づけられず、同時期の景気や求人数の変化などを追加で確かめます」です。実施の前後に差があっても、政策以外の要因が含まれている可能性があります。失業率は労働力人口を分母とする割合なので、人数や分母の動きも確認対象になります。
答え合わせでは、正解したかだけでなく、途中で用いた基準を確認します。練習1なら価格指数、練習2なら変化前の代金、練習3なら失う財、練習4なら資料が示す範囲です。誤答に「計算ミス」とだけ書くより、「分母を後の値にした」「人数と割合を混同した」と残す方が、次の問題で直す動作が明確になります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
ここまでの読み方は、政治経済を一通り学び終えた後の探究や、公共の復習にも使えます。環境と開発、社会保障と財政、労働と企業などを組み合わせる課題では、どの制度が関係するかを選び、資料に合う概念を当てはめる必要があります。地図に戻って関係する領域を探せることが、単元をまたぐ問題への準備になります。
家で5分でできる確かめ方の1つ目は、解き終えた図表を1つ選び、表題、対象、単位、分母を声に出し、「言えること」と「言えないこと」を1文ずつ書く方法です。答えを隠しても同じ根拠を説明できるかを見ます。保護者の方が一緒に確かめるときは、お子さまに用語を続けて尋ねるより、「その数字は何を基準にしているの」と聞くと、読み方を確かめやすくなります。
2つ目は、学習中の時事の話題を1つ選び、紙を「主体・仕組み・影響」に分けて埋める方法です。5分で埋まらなかった欄を次の確認先にします。個別指導では、図表の読み違いなら割合や単位まで、制度の混同なら公共で学ぶ権利や役割分担まで戻って確かめます。その後、同じ考え方を別の資料でも使えるかを見て、解答を覚えただけの状態と区別します。
まとめ
初めての資料で止まった場所には、復習の手掛かりがあります。語がわからないのか、比較の基準がないのか、知識と事実がつながらないのかを分ければ、次に開く教科書の場所が決まります。解説を読んで納得した後は、資料を閉じずに、根拠にした数字や条件を自分で指してみましょう。そこまでできて初めて、同じ題材を離れても使える理解になります。
政治経済の答案を支えるのは、資料にない因果を足さず、判断に必要な条件を省かない一文です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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