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【物理】気体の状態方程式を図解で総まとめ—ボイル シャルルの法則・理想気体・分子運動論|武蔵野個別指導塾

圧力・体積・絶対温度の関係を3枚の図で整理し、状態変化から分子の速さと内部エネルギーを求める例題まで、条件を確かめながら学べます。
よくあるのは、図書館の机で気体の問題を解いていて、「温度が2倍なら体積も2倍」と書いたところで、温度を℃で比べるのかKで比べるのか、手が止まるという場面です。問題文には圧力も体積も並んでいるため、覚えた式を順番に当てはめたくなります。しかし、気体の計算で先に確かめたいのは、どの量が変わり、どの量が保たれているかです。
気体は目に見えなくても、容器の体積や壁に及ぼす圧力を測れます。その測定できる量と、目に見えない分子の運動を結びつけるのが、この単元の面白いところです。状態方程式を使えば温度変化に伴う圧力を予測でき、分子運動論まで進めば、なぜ温めると圧力が上がるのかを衝突の仕組みから説明できます。式を選ぶ条件、単位のそろえ方、分子の速さとエネルギーの関係を順に確かめましょう。
この単元で身につけること
- 圧力p、体積V、絶対温度T、物質量nを区別します。気体の状態を表す量を、記号だけでなく測定する対象と結びつけます。
- ボイルの法則とシャルルの法則を条件と一緒に使います。「温度一定」「圧力一定」という言葉が、どの式を選ぶかを決めます。
- 理想気体の状態方程式pV=nRTで未知の量を求めます。同じ気体の変化を比べる方法と、1つの状態から物質量を求める方法を使い分けます。
- 気体の圧力を、分子が容器の壁に衝突して与える力として説明します。力学で学んだ運動量と力積が、気体の式につながります。
- 分子の平均運動エネルギーと絶対温度を結びつけます。単原子分子理想気体の内部エネルギーを計算し、使える条件も確認します。
物理基礎で学んだ温度・熱・エネルギーの区別が土台になります。熱は温度差によって移動するエネルギーであり、温度そのものではありません。まず容器全体の状態を扱い、次に分子1個の運動へ視点を移すと、式が別々の暗記事項にならずにつながります。
基本の考え方
気体の状態を表す量と2つの法則
圧力は、面を垂直に押す力を面積で割った量です。面積Sに垂直な力Fが一様に働くなら、p=F/Sで表し、単位はPaです。1 Pa=1 N/m²なので、圧力と面積の積は力になります。体積Vは気体が占める空間の大きさで、状態方程式に標準的な気体定数を使うときはm³で表します。容器の容量がLで書かれていたら、1 L=1.00×10⁻³ m³として換算します。
絶対温度Tは、絶対零度を基準とする温度で、単位はKです。セルシウス温度をt ℃とすると、厳密な換算はT=t+273.15です。高校の計算問題では通常、T=t+273と近似します。この文章の数値例でも教科書でよく使う近似値として273を用い、気体定数R=8.31 J/(mol·K)、アボガドロ定数Nₐ=6.0×10²³ /molを使います。計算結果は有効数字3桁で示し、計算途中では余分な桁を残します。定数の桁数に基づく厳密な測定誤差の評価は、ここでの丸め方とは分けて考えます。
温度を比で扱うときは、必ず絶対温度を使います。℃は水の状態を基準に目盛りの原点を定めた尺度なので、数値が2倍になっても分子の平均運動エネルギーが2倍になるわけではありません。一方、温度差については1 ℃の差と1 Kの差は同じです。温度の値を代入する場面と、上昇した温度を代入する場面を区別してください。
一定量の気体について、温度が一定なら圧力pと体積Vは反比例します。これがボイルの法則で、pV=一定と書きます。体積を小さくすると、分子が壁に衝突する間隔が短くなり、壁に与える力が大きくなるという見通しを持てます。ただし、気体を急に圧縮すると温度も変わり得ます。「圧縮した」という言葉だけでは、温度一定と決められません。
同じく一定量の気体について、圧力が一定なら体積Vは絶対温度Tに比例します。これがシャルルの法則で、V/T=一定です。温度を上げて分子の運動が激しくなっても、動ける壁が外へ動いて体積が増せば、圧力を一定に保つことができます。密閉された硬い容器では壁が動かず体積一定なので、この条件とは異なります。
図1のように、温度一定のp-Vグラフは右下がりの曲線になります。図中の目盛りは初めの体積V₀と圧力p₀を基準にした比です。Aは体積比1・圧力比1、Bは体積比2・圧力比0.5にあり、いずれも2つの比の積が1になります。AとBを直線で結んでも、途中の状態を表す正しいグラフにはなりません。

状態方程式は何をひとまとめにしているか
理想気体とは、分子自身の大きさと、衝突時以外の分子間の力を無視して扱う気体のモデルです。実在の気体も、密度が小さく、液体になる状態から十分離れた条件では理想気体に近い振る舞いをします。高圧で分子が混み合う場合や、低温で液化に近づく場合には、この近似からのずれが大きくなります。「理想」という語は、現実の気体が常に式どおりになるという意味ではありません。
ボイルの法則とシャルルの法則をつなぐと、一定量の理想気体ではpV/Tが一定になります。たとえば状態1から、まず温度を一定にして圧力だけを状態2の圧力に合わせ、次にその圧力のまま温度を変えるという2段階を考えます。最初の段階ではpVが保たれ、次の段階ではV/Tが保たれるので、両方を合わせるとp₁V₁/T₁=p₂V₂/T₂が得られます。これは計算のために中間状態を考えたもので、実際の変化が必ずその順番で進むという主張ではありません。
同じ圧力と温度なら、物質量を2倍にすると体積も2倍になるため、この一定値は物質量nに比例します。物質量は粒子の個数をmolで表す量です。粒子数をNとするとN=nNₐで、1 molにはアボガドロ定数に相当する個数の粒子が含まれます。気体の種類によらない比例定数をRとすると、pV/T=nR、すなわち次の状態方程式になります。
pV=nRT
pをPa、Vをm³、nをmol、TをKで入れれば、上に示したRを使えます。左辺の単位はPa·m³=N·m=Jで、右辺もmolとKが消えてJになるので整合します。圧力は真空を基準とする絶対圧力を使います。大気圧との差を表示する圧力計の読みを、そのまま代入しないように注意します。
気体が漏れず出入りもなければnは一定で、変化の前後を比べるとRとnを消せます。逆に弁を開いて気体を入れたり出したりする問題ではnが変化します。その場合は、各状態でpV=nRTを書く必要があります。「同じ容器を使う」ことは「同じ量の気体を使う」ことと同じではありません。
分子の衝突から圧力と温度を結ぶ
気体分子運動論は、気体の圧力や温度を多数の分子の運動から説明する考え方です。1辺Lの立方体の容器に、質量mの分子がN個あるとします。容器は静止し、気体全体として一方向への流れがなく、分子はさまざまな方向に運動しているものとします。ここでいう分子には、ヘリウムのように1個の原子で気体の粒子をつくる場合も含めます。
まず、壁に垂直なx方向の速度成分がvₓである1個の分子を見ます。壁との衝突を弾性衝突とすると、衝突前後でx方向の速度成分の符号だけが反転します。分子の運動量の変化の大きさは2m|vₓ|なので、壁も同じ大きさの力積を受けます。同じ壁へ戻るには往復の距離2Lを進むため、衝突間隔は2L/|vₓ|です。力積を時間で割ると、その分子が壁に与える平均の力はmvₓ²/Lとなります。vₓ=0なら、その方向の壁への寄与は0です。
全分子の寄与を足し、壁の面積L²で割れば圧力になります。速度成分の2乗の平均を〈vₓ²〉と書くと、p=Nm〈vₓ²〉/L³です。分子間でも衝突は起きますが、平衡状態では多くの分子について平均することで、この関係を用いられます。特定の1個をいつまでも同じ速さで追跡しているわけではありません。
速さの2乗はv²=vₓ²+vᵧ²+v_z²です。運動に特別な向きがないので各方向の2乗平均は等しく、〈vₓ²〉=〈v²〉/3となります。L³=Vを代入して整理すると、圧力の式は次の形になります。
pV=Nm〈v²〉/3
一方、状態方程式はN=nNₐを使ってpV=(N/Nₐ)RTと書けます。2つのpVを等しいと置き、Nで割れば、分子1個の平均の並進運動エネルギーが求まります。並進運動とは、粒子全体が空間を移動する運動です。
m〈v²〉/2=3RT/(2Nₐ)
この式は、絶対温度が分子1個の平均の並進運動エネルギーを表す尺度であることを示します。同じ温度なら、重い分子も軽い分子もこの平均エネルギーは同じですが、軽い分子のほうが速さの2乗平均は大きくなります。温度がそろうことは、速さがそろうことではありません。
内部エネルギーUは、物体内部の粒子の運動や相互作用に由来するエネルギーです。単原子分子理想気体では、この範囲で考える内部エネルギーを全分子の並進運動エネルギーの和として扱えます。上の式にNを掛けると、U=3nRT/2となります。したがって一定量ならUはTだけで決まり、同じ温度で体積だけを変えてもUは変わりません。二原子分子などでは回転によるエネルギーも関係するため、係数3/2をすべての気体へ広げてはいけません。
例題で解き方を確かめる
例題1 温度一定で体積を変える
密閉した理想気体の圧力が1.20×10⁵ Pa、体積が3.00 Lでした。温度を一定に保ちながら体積を2.00 Lにすると、圧力はいくらになりますか。
- 気体の量と温度が一定であることを確認します。この2つがそろうので、ボイルの法則p₁V₁=p₂V₂を使えます。体積が小さくなるので、圧力は初めより大きくなると予測します。
- 未知数を左辺にまとめ、p₂=p₁V₁/V₂とします。体積の比だけを使うので、今回は両方をLでそろえたまま計算できます。Rを含む状態方程式へ直接代入する場合との違いです。
- p₂=1.20×10⁵×3.00/2.00=1.80×10⁵ Paを得ます。体積が初めの2/3なので、圧力が3/2倍になっており、反比例という予測とも一致します。
答え:圧力は1.80×10⁵ Paです。
例題2 圧力一定で加熱する
圧力1.00×10⁵ Paの理想気体が、27 ℃で2.49 Lを占めています。気体の出入りを防ぎ、圧力一定で127 ℃まで温めました。後の体積と、この気体の物質量を求めてください。
- 温度をT₁=27+273=300 K、T₂=127+273=400 Kに直します。体積の比を温度の比で求めるため、℃の数値をそのまま使うことはできません。
- シャルルの法則からV₂=V₁T₂/T₁とします。計算すると2.49×400/300=3.32 Lです。温度が4/3倍になっているので、体積も4/3倍になります。
- 物質量は初めの状態からn=p₁V₁/(RT₁)で求めます。今度はRを使うので、体積を2.49×10⁻³ m³に直します。n=(1.00×10⁵×2.49×10⁻³)/(8.31×300)=0.0999 molです。
- 後の状態でも圧力と体積の積をRT₂で割り、同じ物質量になることを確かめます。体積だけを求めて終えるより、単位換算と保存される量を一緒に確認できます。
答え:後の体積は3.32 L、物質量は0.0999 molです。
図2はこの変化をT-Vグラフで表したものです。横軸を絶対温度にすると比例関係が見えます。破線は理想気体の式を低温側へ延長したもので、実在の気体を冷やし続けて体積が0になることを示す実験結果ではありません。実在の気体は途中で液化するなど、同じ気体の状態を保てなくなることがあります。

例題3 圧力・体積・温度がすべて変わる
一定量の理想気体が、圧力1.20×10⁵ Pa、体積5.00 L、温度300 Kの状態にあります。体積が3.00 L、温度が360 Kになったときの圧力を求めてください。
- 温度も体積も変わるため、ボイルの法則だけでは解けないと判断します。気体の出入りがなくn一定なので、p₁V₁/T₁=p₂V₂/T₂を使います。
- p₂=p₁(V₁/V₂)(T₂/T₁)と変形します。体積の効果と温度の効果を分けて書くと、どちらも圧力を増やす方向だと確認できます。
- p₂=1.20×10⁵×(5.00/3.00)×(360/300)=2.40×10⁵ Paです。体積の減少によって5/3倍、温度上昇によって6/5倍となり、合わせて2倍です。
答え:後の圧力は2.40×10⁵ Paです。
この問題で温度が一定だと思い込むと、温度上昇の分を落としてしまいます。問題文の各数値を状態1と状態2の2列に書き、同じ行にp、V、Tを並べると、変わっている量を見落としにくくなります。計算する式は1本でも、読み取る条件は3種類あります。
例題4 温度から分子の速さと内部エネルギーを求める
温度300 K、物質量0.200 molの単原子分子理想気体があります。モル質量Mは4.00×10⁻³ kg/molです。分子の2乗平均速度と気体全体の内部エネルギーを求めてください。2乗平均速度とは、速さの2乗を平均してから平方根を取った量で、vᵣₘₛ=√〈v²〉です。
- 分子1個の質量mとモル質量Mの関係をM=mNₐと書きます。平均運動エネルギーの式を整理すると〈v²〉=3RT/(mNₐ)=3RT/Mとなるので、個々の分子の質量を先に小さな数で求めずに済みます。
- vᵣₘₛ=√(3RT/M)に代入します。根号の中は3×8.31×300/(4.00×10⁻³)=1.87×10⁶ m²/s²となり、平方根を取ると1.37×10³ m/sです。実際の計算では根号の中を丸める前の値を使います。
- 単原子分子理想気体なので、U=3nRT/2を使います。U=3×0.200×8.31×300/2=7.48×10² Jです。速さを求めるときのMと、全体のエネルギーを求めるときのnを取り違えないようにします。
答え:2乗平均速度は1.37×10³ m/s、内部エネルギーは7.48×10² Jです。
2乗平均速度は、個々の分子の速さがすべてこの値だという意味ではありません。速さにはばらつきがあり、速さをそのまま平均した値とも異なります。また、分子がいろいろな向きに進むため、容器内の気体全体がこの速さで移動するわけでもありません。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 温度の比に℃を使う
誤った書き方は、「27 ℃から127 ℃だから、体積は127/27倍」です。どこが違うかというと、シャルルの法則のTは絶対温度であって、℃の数値ではない点です。正しい書き方は、「300 Kから400 Kだから、圧力一定なら体積は400/300倍」です。式の近くに単位まで書いてから代入すると、この取り違えが目に見える形になります。
もう1つ確認したいのは、差と比の区別です。この変化の温度上昇は100 ℃分、すなわち100 Kですが、変化後の温度が100 Kなのではありません。Uの変化を求める式には温度差を使い、ある状態のUを求める式にはその状態の絶対温度を使います。問題の「何を求めるか」に戻ると、使う温度を判断できます。
誤り2 体積の単位と圧力の基準を混ぜる
誤った書き方は、「pがPaでRが8.31だから、Vには2.49を入れればよい」です。どこが違うかというと、2.49 Lと2.49 m³では体積が1000倍違う点です。正しい書き方は、「2.49 L=2.49×10⁻³ m³を代入する」です。例題2ではpV=249 Jとなり、これをRTで割ることでmolが残ります。数値だけでなく、途中の単位も確認してください。
同じく、圧力計が大気圧からの差を示している場合には、絶対圧力に直してから状態方程式へ入れます。差としての圧力が0でも、容器内の分子が壁を押していないという意味にはなりません。問題で与えられた圧力が何を基準にしているかを読むことも、単位を読むことと同じくらい大切です。
誤り3 内部エネルギーを圧力だけで判断する
誤った書き方は、「圧力が高くなったから、内部エネルギーも必ず増えた」です。どこが違うかというと、圧力は温度だけでなく、単位体積あたりの分子数にも左右される点です。正しい書き方は、「一定量の単原子分子理想気体ではU=3nRT/2なので、温度の変化を調べる」です。温度一定の圧縮なら、圧力は高くなっても内部エネルギーは変わりません。
図3は例題4と同じ0.200 molの気体について、温度と内部エネルギーの関係を表しています。300 Kの点から600 Kの点へ移ると、温度も内部エネルギーも2倍です。一方、2乗平均速度は√Tに比例するので、温度が2倍のときの速さの倍率は√2であり、2倍ではありません。エネルギーが速さの2乗に比例することを、力学の式と結びつけて確かめます。

図3の縦軸はU₀=7.48×10² Jを基準とする比です。比を使うことで温度との比例関係を読み取りやすくしています。nを変えた別の気体の集まりでは直線の傾きも変わるため、この直線を物質量の違う状態へそのまま使ってはいけません。
練習問題
練習1
一定量の理想気体を、温度一定で4.00 Lから6.00 Lへ膨張させます。初めの圧力が1.50×10⁵ Paのとき、後の圧力を求めてください。計算前に、圧力が増えるか減るかも判断しましょう。
練習2
密閉された硬い容器の中に理想気体があります。温度が27 ℃、圧力が1.00×10⁵ Paの状態から、温度を87 ℃にしました。容器の体積は変わらないとして、後の圧力を求めてください。使った比例関係も書きましょう。
練習3
温度300 K、体積2.00×10⁻³ m³の容器内に、理想気体の粒子が3.00×10²²個あります。物質量と圧力を求めてください。粒子の個数Nをnの位置に直接入れないように注意します。
練習4
0.100 molの単原子分子理想気体の温度を300 Kから500 Kへ変えました。内部エネルギーの増加量と、後の2乗平均速度が初めの何倍になるかを求めてください。気体の種類と物質量は変わりません。
答えと解説
練習1の答えは1.00×10⁵ Paです。ボイルの法則からp₂=1.50×10⁵×4.00/6.00となります。体積が3/2倍なので圧力は2/3倍になり、膨張で圧力が下がるという予測と一致します。
練習2の答えは1.20×10⁵ Paです。温度は300 Kと360 Kであり、nとVが一定なので状態方程式からp/T=nR/V=一定です。p₂=1.00×10⁵×360/300と計算します。体積が動かない点が、シャルルの法則をそのまま使う場合との違いです。
練習3の答えは、物質量5.00×10⁻² mol、圧力6.23×10⁴ Paです。n=N/Nₐ=3.00×10²²/(6.0×10²³)としたあと、p=nRT/Vへ代入します。粒子数をmolへ直す段階と、状態方程式を使う段階を分けると、桁の大きな誤りを避けられます。
練習4の答えは、増加量2.49×10² J、速さは1.29倍です。ΔU=3nR(T₂−T₁)/2へ温度差200 Kを入れます。速さの比は√(T₂/T₁)=√(500/300)です。同じ温度変化でも、エネルギーの増加量では差を、速さの倍率では比を使うことに注目してください。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
次に学ぶ熱力学第一法則では、気体が受け取る熱、外部との仕事のやり取り、内部エネルギーの変化を結びつけます。状態方程式は前後の状態の関係を与えますが、それだけで受け取った熱の量が決まるわけではありません。同じ始状態と終状態を結ぶ変化でも、途中の経路によって仕事や熱が異なるためです。ここでp、V、TとUを区別しておくと、熱と温度の混同を減らせます。
家庭では紙と鉛筆で、5分程度の確認を2つ行えます。1つ目は、例題3の状態1と状態2を表にし、一定の量を丸で囲み、圧力が上がる理由を体積と温度の両面から説明することです。2つ目は図1と図2の数値を読み、図1では積が、図2では比が同じになるかを計算することです。容器を密閉して加熱するような操作は必要ありません。
個別指導で式の選択を確かめる際は、答えの数字だけでなく、℃からKへの換算と「一定」の条件を生徒自身が説明できるところまで戻ります。分子の式で止まる場合は、壁との1回の衝突における運動量の変化からたどり直します。
まとめ
解答を見直すときは、式の右側に「n一定」「T一定」など、自分が使った条件を一言添えてみてください。条件を書けない式があれば、計算の前に問題文へ戻る場所が見つかります。結果の数値が合っていても、使えない条件で式を立てていれば、次の問題で同じ方法は通用しません。
分子の衝突から圧力を考え、平均運動エネルギーから温度を考えると、容器全体の変化が粒子の運動として読めます。気体の解答を支えるのは、公式の数ではなく、その式で一定に保った量の説明です。
本気になった日が、入塾の日。
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