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【化学】溶液の濃度と溶解度を図解で総まとめ—質量% モル濃度 質量モル濃度・溶解度曲線・気体の溶解度|武蔵野個別指導塾

溶液と溶媒の違いを図で整理し、密度を使う濃度換算、冷却による結晶の析出量、圧力で変わる気体の溶解量を例題で確かめ、式の分母を自分で選べるようにします。
よくあるのは、部活帰りの自転車置き場で飲み物の表示を見ながら、「同じ濃さの話なのに、授業では%とmol/Lとmol/kgが出てきた」と立ち止まる場面です。ノートではどの式にも分数がありますが、分母は溶液の質量だったり、溶液の体積だったり、溶媒の質量だったりします。数字を公式に入れるだけでは、この違いが途中で見えなくなります。
濃度の計算では、まず「何を、何に対して比べているか」を言葉にします。そのあとで、質量を物質量に直すのか、密度から体積を求めるのかを決めます。この順番が定まると、冷やしたときに何gの結晶が出るか、圧力を変えると気体がどれだけ溶けるかという問題にも、同じ整理の仕方を使えます。
溶けて見えなくなった物質も、なくなったわけではありません。溶液の中に残る量と、結晶や気体として外へ出る量を区別し、全体で何が保存されているかを追っていきましょう。
この単元で身につけること
- 溶質・溶媒・溶液を区別します。砂糖水なら砂糖が溶質、水が溶媒、できた砂糖水全体が溶液です。計算する前に、この3つを問題文の量に対応させます。
- 3つの濃度の定義を使い分けます。質量パーセント濃度は溶液の質量、モル濃度は溶液の体積、質量モル濃度は溶媒の質量を基準にします。
- 密度とモル質量を使って濃度を換算します。密度は質量と体積の橋渡し、モル質量は質量と物質量の橋渡しです。
- 溶解度曲線から、温度ごとに溶けていられる量を読み取ります。冷却前後で溶媒の量が同じかを確かめ、結晶として出る量を求めます。
- ヘンリーの法則を条件つきで使います。一定温度で一定量の溶媒に溶ける気体の量と、その気体の圧力との関係を扱います。
化学基礎で学んだ「物質量=質量÷モル質量」が、この単元の換算の出発点です。molは粒子の数に対応する量であり、gやLと同じ意味ではないことを、単位を添えて確かめます。
基本の考え方
溶けるとき、粒子はどこへ行くのでしょうか
溶解とは、ある物質が別の物質の中に均一に混ざることです。溶ける物質を溶質、溶かす物質を溶媒と呼び、できた均一な混合物を溶液と呼びます。水を溶媒とするものが水溶液です。水に固体を加えた場合でも、底に固体が残っていれば、その固体まで含めた全体を均一な溶液として計算することはできません。
食塩の結晶では、Na⁺とCl⁻が規則正しく並んでいます。水に溶けると、それぞれのイオンが結晶から離れ、水分子に取り囲まれて広がります。このように溶質の粒子に水分子が結びつくことを水和といいます。水分子には電荷の偏りがあり、酸素側が負、水素側が正に偏っています。そのため、陽イオンには主に酸素側、陰イオンには主に水素側を向けて水分子が集まります。
一方、砂糖のような物質は、通常、分子のまま水中に広がります。「溶ける」と「すべてイオンになる」は同じ意味ではありません。溶媒と溶質の粒子の間の引力が関係するので、水によく溶ける物質もあれば、油のように水と混ざりにくい物質もあります。ただし、極性だけからあらゆる物質の溶解度を数値で決めることはできません。具体的な溶解度は問題で与えられた値を用います。
3つの濃度は、分母を読むところから始まります
質量パーセント濃度は、溶液全体の質量に対して溶質の質量が何%かを表します。式は「質量パーセント濃度[%]=溶質の質量[g]÷溶液の質量[g]×100」です。溶液の質量は、物質の出入りがなければ溶質の質量と溶媒の質量の和です。水だけを分母にしてはいけません。
図1は、溶質20 gと水180 gからなる溶液200 gを、質量に比例する帯で表したものです。右の水の帯だけを基準にする場合と、帯全体を基準にする場合とで、比べている対象が違うことが見えます。この溶液の質量パーセント濃度は20÷200×100=10%です。

モル濃度は、溶液1 Lあたりの溶質の物質量です。式は「モル濃度[mol/L]=溶質の物質量[mol]÷溶液の体積[L]」です。たとえば、溶質0.100 molを含む溶液の体積が0.500 Lなら、0.200 mol/Lです。ここで0.500 Lは、溶かす前の水の体積ではなく、溶けたあとの溶液全体の体積です。
質量モル濃度は、溶媒1 kgあたりの溶質の物質量です。式は「質量モル濃度[mol/kg]=溶質の物質量[mol]÷溶媒の質量[kg]」です。溶質0.100 molを水0.200 kgに溶かした場合は0.500 mol/kgです。モル濃度と名前が似ていますが、分母は体積ではなく質量であり、しかも溶液全体ではなく溶媒だけです。
温度が変わっても、蒸発や物質の出入りがなければ質量は変わりません。そのため、質量パーセント濃度と質量モル濃度は温度による体積変化の影響を受けません。これに対してモル濃度は、溶液が熱膨張して体積が変われば変化します。温度を変える問題で質量モル濃度が使われるのは、この違いがあるためです。
換算で密度が必要になるのは、gで与えられた溶液をLに直すときです。密度がρ g/cm³なら「溶液の体積[cm³]=溶液の質量[g]÷ρ[g/cm³]」です。1 cm³=1 mL、1000 mL=1 Lなので、最後にLへ直します。水溶液というだけで密度を1.0 g/cm³と決めつけることはできません。また、混ぜる前の液体どうしの体積も、一般には単純に足せません。
溶解度は温度や圧力の条件と組にして読みます
固体の溶解度は、この単元では「ある温度で、溶媒100 gに溶ける溶質の最大質量[g]」として扱います。限界まで溶けた溶液が飽和溶液、それより溶質が少ないものが不飽和溶液です。溶解度が30なら、水100 gと溶質30 gからできる飽和溶液は130 gです。溶解度30を、そのまま濃度30%と読まないようにします。
温度と溶解度の関係を描いたグラフが溶解度曲線です。温度が上がると溶解度が大きくなる固体は多いですが、増え方は物質ごとに違い、すべてが同じ傾きになるわけではありません。高温で溶かした物質を冷やし、溶けきれなくなった分を結晶として取り出す操作を再結晶といいます。溶解度の温度差を利用して物質を精製できますが、実際には不純物の溶けやすさも考える必要があります。
気体は、多くの場合、温度が高いほど水に溶けにくくなります。また、温度と溶媒の量が一定なら、溶ける気体の物質量はその気体の圧力に比例します。これがヘンリーの法則です。水に溶けにくく、水と著しく反応しない気体について、圧力があまり高くない範囲で用います。アンモニアのように水によく溶け、水との反応も関係する気体に、同じ比例関係を無条件で当てはめてはいけません。
混合気体では、使うのは気体全体の圧力ではなく、着目する気体の分圧です。分圧とは、混合気体の圧力のうち、その成分が担う圧力です。気体に接して十分時間がたったときの溶解量を比べる法則なので、「圧力を変えた直後、すぐ全量が溶けた」とは考えません。
例題で解き方を確かめる
数値は途中で丸めすぎず、最後に問題の精度に合わせます。以下では、原子量は教科書で用いる値として、必要な問題でH=1.0、C=12、O=16を与えます。気体の体積を標準状態に換算するときは、0 ℃、1.013×10⁵ Paで1 mol=22.4 Lという教科書の値を使います。
例題1 溶質と溶媒から質量パーセント濃度を求めます
食塩12.0 gを水108 gにすべて溶かしました。物質の出入りはないものとして、質量パーセント濃度を有効数字3桁で求めます。食塩の化学式やモル質量は、質量どうしを比べるこの問題では使いません。
- 溶液の質量を求めます。分母は水だけではなく全体なので、12.0+108=120 gです。
- 溶質の質量を溶液の質量で割ります。12.0÷120=0.100となり、これは全体のうち溶質が占める割合です。
- %に直すため100を掛けます。0.100×100=10.0%です。全体120 gの10%が12 gに戻ることでも確かめられます。
答え:質量パーセント濃度は10.0%です。
例題2 同じ溶液を3つの濃度で表します
グルコースC₆H₁₂O₆を18.0 g、水182 gにすべて溶かしました。この温度で溶液の密度は1.04 g/cm³です。原子量をH=1.0、C=12、O=16として、質量パーセント濃度、モル濃度、質量モル濃度をそれぞれ有効数字3桁で求めます。
- 溶液の質量と溶質の物質量を準備します。溶液は18.0+182=200 gです。グルコースのモル質量は12×6+1.0×12+16×6=180 g/molなので、溶質は18.0÷180=0.100 molです。濃度ごとに分子が質量か物質量かを選べるよう、両方を書きます。
- 質量パーセント濃度を求めます。溶液200 gを分母にして、18.0÷200×100=9.00%です。水182 gはこの計算の分母にはしません。
- モル濃度に必要な溶液の体積を求めます。200÷1.04=192.307… cm³、つまり0.192307… Lです。したがって、0.100÷0.192307…=0.520 mol/Lです。密度から求めた値を途中で192 mLに丸めずに進めます。
- 質量モル濃度を求めます。水182 g=0.182 kgを分母にし、0.100÷0.182=0.549450… mol/kgより0.549 mol/kgです。溶液200 gを0.200 kgにして割る計算とは区別します。
答え:質量パーセント濃度9.00%、モル濃度0.520 mol/L、質量モル濃度0.549 mol/kgです。
この問題では実際の溶液全体の量が与えられていましたが、濃度だけから換算する場合は、自分で計算しやすい量を置けます。たとえば質量パーセント濃度がw%なら、溶液100 gを考えると溶質はw g、水は100−w gです。溶液を100 gと置くのは濃度という比を保ったまま計算するためで、実際の容器に100 gしか入っていないという意味ではありません。
逆に、モル濃度から始めるなら溶液1 Lを考えると便利です。モル濃度がc mol/L、密度がρ g/cm³、モル質量がM g/molなら、この1 Lの溶液は1000ρ g、溶質はcM g、水は1000ρ−cM gです。式だけを覚えるより、1 Lの中身を質量に分けたと説明できることを目指します。密度が与えられていないと、一般にはモル濃度と質量パーセント濃度の換算は一意にできません。
例題3 飽和溶液を冷やしたときの結晶の質量を求めます
物質Aの溶解度は、水100 gあたり20 ℃で30 g、40 ℃で50 g、60 ℃で80 gです。60 ℃の飽和水溶液180 gを20 ℃まで冷やします。水は蒸発せず、結晶は水を含まない物質Aとして析出し、20 ℃で十分時間がたって飽和状態に達したとします。出てくる結晶の質量を求めます。溶解度と質量の数値は、この問題では計算用の値として扱います。
図2のように、縦軸は水100 gを基準にした溶質の質量です。図の3点は問題で与えた値で、点の間は読み取りを助けるため直線で結んでいます。点の間の実測値を示した曲線ではありません。60 ℃と20 ℃の高さの差50 gを、そのまま使えるかどうかは、実際の水の量で決まります。

- 60 ℃の飽和溶液の内訳を求めます。水100 gにAが80 g溶けるので、水とAの質量比は100:80、全体は180です。与えられた180 gの溶液には、水100 gとA80 gが含まれます。
- 20 ℃で水中に残れるAの質量を求めます。水は100 gのままなので、30 gが溶けて残ります。冷却後にも溶質はゼロにはならず、飽和溶液の中に残ります。
- 最初の溶質から、溶けて残る量を引きます。80−30=50 gが析出します。析出とは、溶液中の物質が結晶などの固体となって出てくることです。
- 全体の質量を確かめます。冷却後の液体部分は水100 gとA30 gの合計130 gで、結晶50 gと合わせると元の180 gに戻ります。冷却後の「溶液の質量」は、結晶を除いた130 gです。
答え:析出する物質Aの結晶は50 gです。
もし最初の飽和溶液が360 gなら、水は200 gなので析出量も100 gになります。「溶解度の差」だけで答えられるのは水100 gの場合です。一般には、冷却前後の溶解度の差に「実際の水の質量÷100 g」を掛けます。ただし、最初が飽和していること、水が減らないこと、結晶に水が取り込まれないことが前提です。
蒸発を伴う場合は、その前提を組み替えます。元の例題で、水が20 g蒸発したあと20 ℃になったとすれば、残る水は80 g、溶けて残るAは30×80÷100=24 gなので、結晶は80−24=56 gです。水和物の結晶が出る問題では結晶が水も持ち去るため、この単純な差だけでは計算できません。問題文の結晶の化学式を確認する習慣が必要です。
例題4 圧力の変化から気体の溶解量を求めます
一定温度で、水1.0 Lに接する純粋な気体Xの圧力が1.0×10⁵ Paのとき、Xが2.0×10⁻³ mol溶けています。Xは水と反応せず、ヘンリーの法則が成り立つものとします。同じ温度で、同じ量の水に接するXの圧力を3.0×10⁵ Paにした場合、十分時間がたったときの溶解量を有効数字2桁で求めます。
- 条件をそろえます。温度と水の量が一定で、接する気体は純粋なXなので、与えられた圧力をそのまま比例関係に使えます。混合気体なら、先にXの分圧を求めます。
- 圧力の倍率を求めます。3.0×10⁵÷1.0×10⁵=3.0です。同じ単位の圧力どうしを割るので、倍率には単位がつきません。
- 最初の物質量に倍率を掛けます。2.0×10⁻³×3.0=6.0×10⁻³ molです。増えた分だけを尋ねられた場合は、ここから最初の2.0×10⁻³ molを引きます。
答え:溶けている気体Xは6.0×10⁻³ molです。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 濃度の名前だけで分母を決めてしまいます
誤った書き方は、例題2の質量モル濃度を「0.100÷0.200=0.500 mol/kg」とすることです。どこが違うかというと、0.200 kgは溶液全体であり、溶媒だけの質量ではありません。正しい書き方は「0.100÷0.182=0.549 mol/kg」です。
同じ問題で「18.0÷182×100」を質量パーセント濃度としてしまうと、今度は溶液全体を使うべきところに水だけを使っています。分母の数字を丸で囲み、その横に「溶液g」「溶液L」「溶媒kg」のどれかを書けば、数字の計算をやり直す前に式の誤りを見つけられます。単位だけでなく、何の量かまで書くことがポイントです。
誤り2 飽和溶液の質量を水の質量として使います
誤った書き方は、例題3で「(80−30)×180÷100=90 g」とすることです。どこが違うかというと、溶解度の基準は水100 gなのに、溶液180 gを水180 gとして使っています。正しい書き方は、まず「水の質量=180×100÷(100+80)=100 g」と求め、それから「(80−30)×100÷100=50 g」です。
冷やせば必ず結晶が出るわけでもありません。初めに溶けている量が、冷却後の温度での限界より少なければ、結晶は出ません。その場合に差を計算して負の値が出ても、負の結晶ができるのではなく、まだ溶かせる余地があることを意味します。最初が飽和か不飽和かを読み、最後に残れる量と最初の量を比較します。
誤り3 圧力に比例する量を、条件の違う体積と取り違えます
誤った書き方は、「圧力が3倍なら、溶けた気体をその圧力で気体として表した体積も3倍」とすることです。どこが違うかというと、ヘンリーの法則で圧力に比例するのは物質量や質量であり、気体の体積には体積を測る温度・圧力が別に関係します。正しい書き方は「溶けた物質量は3倍。同じ温度・同じ圧力に換算した気体の体積も3倍」です。
図3のように、温度と水の量を固定すると、横軸のXの圧力と縦軸の溶解量は原点を通る直線の関係になります。縦軸を「溶けた物質量」と明示して読むことが、体積との混同を防ぎます。1 mmol=10⁻³ molで、図では目盛りを短くするためmmolを使っています。

溶けた量を、そのとき気体が接していた圧力での体積に換算すると、一定温度では、物質量が3倍になる効果と圧力が3倍になって体積が縮む効果が打ち消し合います。そのため、この条件で換算した体積は変わりません。一方、標準状態へそろえた体積なら、例題4の最初は2.0×10⁻³×22.4=0.0448 L、最後は6.0×10⁻³×22.4=0.1344 Lで、丸める前の比は3です。有効数字2桁なら、それぞれ0.045 L、0.13 Lです。
ここでいう体積は、溶けている分を気体に換算した体積です。溶液の中で気泡がその体積を占めているわけではありません。気体の溶解度をmLで示す表や問題では、何gまたは何Lの水が基準かに加えて、気体の体積をどの条件に換算しているかも読みます。
練習問題
答えを読む前に、分母に使うものと、保存されるものを短く書いてみましょう。計算が合っていても、何の量を使ったか説明できない場合は、単位をつけて式を作り直します。
練習1
食塩15.0 gを水135 gにすべて溶かします。物質の出入りはないものとして、質量パーセント濃度を有効数字3桁で求めます。また、水だけを加えて5.00%にするとき、加える水の質量を求めます。
練習2
グルコースC₆H₁₂O₆を9.00 g含む水溶液100 gの密度が1.04 g/cm³です。原子量をH=1.0、C=12、O=16として、モル濃度と質量モル濃度を有効数字3桁で求めます。水は100 gではないことに注意します。
練習3
例題3と同じ物質Aについて、60 ℃の飽和水溶液90 gを20 ℃まで冷やします。水は蒸発せず、水を含まない結晶が出て、最後の溶液は飽和しているものとします。析出する結晶の質量を求めます。さらに、水100 gにA20 gを溶かした溶液を60 ℃から20 ℃へ冷やすと、結晶は出るでしょうか。数値は計算用の値として扱います。
練習4
一定温度で、水1.0 Lに気体Xだけを圧力1.0×10⁵ Paで接触させると、Xが2.0×10⁻³ mol溶けます。今度は同じ温度、同じ量の水に、Xの体積割合が20%の混合気体を全圧5.0×10⁵ Paで接触させます。混合気体は理想気体として扱え、組成と圧力は溶解によって変わらず、ヘンリーの法則が成り立つとします。Xの分圧と溶解量を有効数字2桁で求めます。
答えと解説
練習1:濃度は10.0%、加える水は150 gです。最初の溶液は15.0+135=150 gなので、15.0÷150×100=10.0%です。水を加えても食塩15.0 gは変わらず、5.00%にしたあとの溶液全体は15.0÷0.0500=300 gです。元の150 gを引くと、加える水は150 gになります。300 gを「加える水」としてしまわないようにします。
練習2:モル濃度は0.520 mol/L、質量モル濃度は0.549 mol/kgです。溶質は9.00÷180=0.0500 mol、溶液の体積は100÷1.04÷1000=0.0961538… Lです。一方、水は100−9.00=91.0 g=0.0910 kgなので、それぞれ0.0500÷0.0961538…、0.0500÷0.0910を計算します。例題2の半分の量でも、組成と温度が同じなら濃度は同じです。
練習3:最初の問いでは25 g析出し、後の問いでは結晶は出ません。飽和溶液90 gの水は90×100÷180=50 g、Aは40 gです。20 ℃で溶けて残るAは30×50÷100=15 gなので、40−15=25 gです。後の問いでは、20 ℃でも水100 gに30 gまで溶けます。Aは20 gしかないため、不飽和のままです。
練習4:Xの分圧は1.0×10⁵ Pa、溶解量は2.0×10⁻³ molです。理想気体の混合では、同じ温度・圧力での体積割合は物質量の割合に等しいので、Xの分圧は全圧の20%、すなわち5.0×10⁵×0.20です。最初の条件とXの分圧が同じなので、溶けるXの量も同じです。全圧が5倍でも、Xの溶解量を5倍にはしません。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
質量モル濃度は、このあと学ぶ沸点上昇や凝固点降下で使います。溶媒の量に対して溶質の粒子がどれだけあるかを整理する土台になります。モル濃度は、一定体積の溶液に何molの溶質が入っているかを求める場面で引き続き使います。濃度の単位を読む力が、そのまま次の計算の準備になります。
家で5分ほど確かめるなら、1つ目は、紙に「溶質18 g、水182 g」と書き、3つの濃度それぞれの分母を言葉で答える方法です。モル濃度だけはこの情報だけでは体積が決まらず、密度などが必要だと気づければ、定義を使えている証拠です。2つ目は、図2を見て水の量を100 gから50 gに変え、20 ℃と60 ℃で溶ける量を口頭で答える方法です。薬品や加熱を使わず、図と紙だけで確認できます。
個別指導で解き方を確かめる際は、答えの数値より先に、溶液と溶媒を問題文で区別できているかに戻ります。そこができていれば、gからmol、cm³からLへの変換をどこで行ったかをたどり、誤りが生じた1行を特定します。
まとめ
濃度の問題が解けたかどうかは、計算結果だけでは決まりません。分母が何を表し、温度や圧力を変えたあとに何が残るかまで説明できれば、条件の違う問題にも対応できます。結晶の量が予想より多く出たら、水の量を取り違えていないかを見直し、気体の量が変わったら、分圧と温度を確かめます。
「この182 gは溶媒で、この200 gは溶液です」と区別できる一言が、濃度換算の正しい分母を決めます。
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