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【化学基礎】化学結合を図解で総まとめ—イオン結合・共有結合・金属結合と電子式・分子の形|武蔵野個別指導塾

食塩・水・金属の性質を電子の動きから考えます。イオンの比を求める例題、電子式と分子の形の図を通して、結合の種類と電気の通し方を理由付きで整理しましょう。
よくあるのは、コンビニのイートインで化学基礎のノートを開き、食塩も水もアルミニウムも原子からできているのに、なぜ電気の通し方が違うのかと手が止まる場面です。「イオン結合・共有結合・金属結合」という名前は覚えていても、目の前の物質の性質と結びつかないと、問題の選択肢が少し変わっただけで迷ってしまいます。
この単元で追いかけるのは、原子の外側にある電子の行方です。電子を失ったり受け取ったりする場合、原子どうしで共有する場合、金属全体を動く場合を区別すると、結びつき方と性質を同じ理由で説明できるようになります。さらに、分子の形まで見れば、水と二酸化炭素の極性の違いも整理できます。
最初から性質の一覧表を丸暗記する必要はありません。「何という粒子があるか」「何が粒子を結びつけるか」「電気を帯びた粒子が動けるか」の順に確かめながら、電子式、化学式、結晶の性質をつないでいきましょう。
この単元で身につけること
- イオンの生成を電子の増減で説明します。陽子の数を変えずに、電子を失うと陽イオン、受け取ると陰イオンになることを確認します。
- イオンの電荷から組成式を決めます。正負の電荷の合計が0になる最も簡単な整数比を使い、式の右下の数字の意味を説明します。
- 電子式と構造式を読み分けます。共有する電子対と共有しない電子対を区別し、単結合・二重結合・三重結合を整理します。
- 配位結合と分子の極性を理解します。電子対の出どころと、分子全体での電荷の偏りは、別の観点であることを押さえます。
- 結晶の種類を性質と結びつけます。イオン結晶・分子結晶・共有結合の結晶・金属結晶について、構成粒子と融点、電気伝導性を対応させます。
前の単元で学ぶ原子の電子配置と周期表が、この単元の出発点です。特に、原子番号が陽子の数を表すことと、中性の原子では陽子と電子が同数であることを思い出してください。式が合わないときは、物質名の暗記に戻る前に、電子の数や電荷の符号まで戻って確かめると原因を見つけやすくなります。
基本の考え方
電子を失う・受け取ることからイオン結合へ
原子は、正の電荷をもつ原子核と、負の電荷をもつ電子からできています。電子を失うと正の電荷が残り、陽イオンになります。電子を受け取ると負の電荷が多くなり、陰イオンになります。原子がイオンになるときに変わるのは電子の数であり、原子核の陽子の数ではありません。たとえばNaがNa⁺になっても、ナトリウムという元素は変わりません。
原子番号11のナトリウム原子では、電子は内側の電子殻から2個、8個、1個と配置されています。最も外側の電子1個を失うと、電子10個のNa⁺になります。一方、原子番号17の塩素原子では電子配置が2個、8個、7個なので、電子1個を受け取ると電子18個のCl⁻になります。いずれも、この例では希ガスと同じ安定な電子配置になります。「安定になるために必ず8個にする」とすべての原子に当てはめず、まずはナトリウムや塩素などの典型例で理解しましょう。
Na⁺のように原子1個からできたイオンを単原子イオン、NH₄⁺やSO₄²⁻のように複数の原子がまとまって電荷をもつイオンを多原子イオンといいます。価数は、イオンの電荷の大きさを表す数です。Ca²⁺は2価の陽イオン、Cl⁻は1価の陰イオンで、正負は価数とは別に確かめます。右上の電荷と右下の原子の個数は、役割が違う表記です。
陽イオンと陰イオンの間には、異なる符号の電荷どうしによる静電気的な引力が働きます。この引力による結びつきがイオン結合です。電子の受け渡しはイオンができる過程であり、その後のイオンを結びつける力は静電気的な引力だと、過程と力を分けて理解してください。
図1のように、塩化ナトリウムの結晶では陽イオンと陰イオンが規則正しく並んでいます。図は配列の一部を平面で示した模式図で、実際の結晶は立体的に広がっています。円の大きさは実際のイオンの大きさの比を表していません。

ここでは、特定のNa⁺とCl⁻だけを1組の独立した粒子として取り出して考えません。NaClという式は、結晶中のNa⁺とCl⁻の数の比が1:1であることを示す組成式です。組成式は、構成する元素の原子数の比を最も簡単な整数比で表す式です。「NaCl分子がたくさん並ぶ」と書くと、結晶のつくりを取り違えることになります。
電子を共有する結合と、電子式の読み方
非金属の原子どうしでは、電子を共有して結びつく場合が多くあります。原子どうしが電子対を共有する結合を共有結合といいます。電子2個の組が電子対で、結合に使うものを共有電子対、結合に使わず1つの原子のまわりにあるものを非共有電子対といいます。対になっていない電子は不対電子です。
電子式は、元素記号の周囲に最外殻電子を点で表した式です。最外殻電子とは、最も外側の電子殻にある電子です。原子の電子式では、記号の上下左右にまず1個ずつ置き、その後で対をつくると、不対電子が見やすくなります。水素原子の点は1個、炭素原子は4個、窒素原子は5個、酸素原子は6個、塩素原子は7個です。点を置く向きを回転させても、電子の数と対の関係が同じなら意味は変わりません。
水素分子H₂では、それぞれのHが電子1個ずつを出して、間に電子対1組をつくります。その2個を両方のHが共有するため、各Hのまわりに電子2個があると数えられます。水素は最も内側の電子殻が2個で満たされるので、酸素や炭素と同じように8個を求めてはいけません。
共有電子対1組を1本の線に置き換えると構造式になります。H−Hの線は電子1個ではなく電子2個を表します。電子対1組による結合が単結合、2組が二重結合、3組が三重結合で、酸素分子はO=O、窒素分子はN≡Nと表せます。通常の構造式では非共有電子対を省くので、構造式に線がない場所に電子もない、とはいえません。
分子は、共有結合によって原子が結びついてできた、独立した粒子です。H₂OやCO₂の分子式は、分子1個をつくる原子の種類と数をそのまま示します。ただし、共有結合をもつ物質がすべて独立した分子からできているわけではありません。ダイヤモンドのように、多数の原子が共有結合でつながり続ける物質は、分子をつくらない例です。
電子対の出どころ・偏り・動きに注目する
共有結合の中には、片方の原子だけが電子対を出してできる結合があります。これを配位結合といいます。たとえばアンモニアNH₃の窒素原子には非共有電子対が1組あり、その電子対を水素イオンH⁺に提供すると、アンモニウムイオンNH₄⁺ができます。H⁺は電子をもたないので、この新しい結合の電子2個は、どちらももともと窒素側にあったものです。
配位結合という呼び方は、結合ができるときの電子対の出どころに注目したものです。できあがったNH₄⁺では4本のN−H結合は同等であり、1本だけが別の強さの結合として区別されるわけではありません。また、NH₄⁺の内部の原子は共有結合で結ばれていますが、NH₄Clの結晶ではNH₄⁺とCl⁻がイオン結合で結びつきます。物質全体と多原子イオンの内部を分けて見ます。
共有された電子対を引きつける強さを電気陰性度といいます。異なる原子の間でこの強さに差があると、共有電子対が一方に偏り、結合に極性が生じます。たとえばH−Clでは電子がCl側に偏り、Cl側はわずかに負、H側はわずかに正になります。この部分的な電荷をδ⁻、δ⁺と表しますが、Cl⁻とH⁺に完全に分かれたという意味ではありません。
分子全体の極性は、結合の極性と分子の形の両方で決まります。結合に偏りがあっても、対称な配置で互いに打ち消し合えば無極性分子です。偏りが打ち消されずに残れば極性分子です。したがって、分子式に異なる元素があるという理由だけで、極性分子だと決めることはできません。
金属では、一部の価電子が特定の原子だけに属さず、金属全体を動き回る自由電子になります。価電子は化学結合に主に関わる電子で、典型元素では通常、最外殻電子に注目します。金属結合は、金属の陽イオンと自由電子の間の静電気的な引力による結びつきです。電子が金属全体で共有されるように広がるため、金属は固体でも電気を通し、熱も伝えやすくなります。
金属をたたいて薄く広げられる性質を展性、引っ張って細く伸ばせる性質を延性といいます。金属では原子の配列がずれても、自由電子による結びつきが保たれます。一方、イオン結晶は配列がずれると同じ符号のイオンが向き合って反発し、割れやすくなります。「硬いか柔らかいか」だけで覚えるより、ずれた後の粒子間の力を考えると性質の違いを説明できます。
例題で解き方を確かめる
例題1 イオンの電子数と組成式を求める
原子番号12のマグネシウム原子と、原子番号17の塩素原子を考えます。Mgが電子を2個失い、Clが電子を1個受け取ったときのイオンの電子数を求めてください。また、これらのイオンからできる塩化マグネシウムの組成式を書いてください。
- 中性の原子の電子数を確認します。原子番号は陽子数であり、中性では電子数も同じなので、Mgは12個、Clは17個です。この出発点をそろえると、符号だけを見て電子を増減させる間違いを防げます。
- 電子の移動を計算します。Mg²⁺は12−2=10個、Cl⁻は17+1=18個です。正のイオンは電子を失った結果なので引き算、負のイオンは電子を受け取った結果なので足し算になります。
- 電荷の合計が0になる個数を探します。Mg²⁺が1個なら正の電荷は+2、Cl⁻が2個なら負の電荷は−2です。合計は1×(+2)+2×(−1)=0となるので、個数比は1:2です。
- 個数比を組成式に直します。MgCl₂と書き、1は省きます。Mg²⁺Cl₂⁻のように、組成式へ各イオンの電荷をそのまま残す書き方はしません。
答え:Mg²⁺の電子数は10個、Cl⁻の電子数は18個、組成式はMgCl₂です。
この計算の個数は正確な整数で、測定値の有効数字を考えて丸める対象ではありません。2:4でも電荷はつり合いますが、組成式では最も簡単な整数比にするため、1:2に直します。
例題2 水と二酸化炭素の電子対を数える
H、C、Oの最外殻電子数をそれぞれ1個、4個、6個として、H₂OとCO₂の共有電子対と非共有電子対の数を求め、構造式を考えてください。図2では点2個を1組の電子対として描いています。

- 分子全体で使う最外殻電子を数えます。H₂Oは1×2+6=8個、CO₂は4+6×2=16個です。最初に総数を求めると、完成した電子式に点を足しすぎたり、残し忘れたりしたことを確かめられます。
- H₂OではOと2個のHの間に、それぞれ共有電子対を1組置きます。共有に使う電子は合計4個で、残る4個はO上の非共有電子対2組になります。Oのまわりは共有分4個と非共有分4個で8個、各Hのまわりは共有分2個です。
- CO₂ではCと左右のOの間に、共有電子対を2組ずつ置きます。これで共有に使う電子は合計8個となり、残る8個は各Oに非共有電子対2組ずつ置けます。Cのまわりも各Oのまわりも、共有する電子を含めて8個になります。
- 共有電子対を線に置き換えます。水はH−O−H、二酸化炭素はO=C=Oです。ただし、水の構造式を横1列に書いたことは、水分子が直線形という意味ではありません。構造式はまず原子の結びつき方を表しています。
答え:H₂Oは共有電子対2組・非共有電子対2組、CO₂は共有電子対4組・非共有電子対4組で、構造式はH−O−H、O=C=Oです。
図2の水は電子を数えやすい配置にしています。分子全体の電子数では共有電子対を1回だけ数えますが、各原子のまわりの電子配置を確かめるときは、その電子対を両方の原子に含めます。この2種類の数え方を混ぜないことが、電子式を読む要点です。
例題3 配位結合とイオン全体の電荷を確かめる
NH₃にH⁺が結びついてNH₄⁺が生じます。新しい結合に使われる電子対はどの原子から出るか、生成物にN−H結合は何本あるか、全体の電荷はいくつかを答えてください。
- NH₃の電子対を確かめます。Nは最外殻電子を5個もち、3個のHと共有電子対を3組つくるので、Nには非共有電子対1組が残ります。結合をつくる前に、提供できる電子対の位置を見つけます。
- H⁺が電子をもたないことを確認します。中性のH原子の電子1個が失われているので、新しい共有電子対をH⁺が半分出すわけではありません。Nの非共有電子対1組が、そのまま新しい結合に使われます。
- 結合の数と電荷を別々に数えます。もとの3本に新しい1本が加わってN−H結合は4本です。電荷は中性のNH₃と+1のH⁺の合計なので、生成物全体で+1となります。
答え:電子対はNから出て、NH₄⁺のN−H結合は4本、全体の電荷は+1です。
反応はNH₃+H⁺→NH₄⁺と表せます。生成物の最外殻電子の総数を確かめるなら、Nの5個とH4個分の4個を合わせた9個から、正の電荷1個分を引いて8個です。これは共有電子対4組に対応します。電荷を書き忘れたNH₄では、この電子数の確認も合わなくなります。
例題4 粒子の種類から結晶の性質を判断する
塩化ナトリウム、ドライアイス、ダイヤモンド、銅の結晶を分類し、固体で電気を通すものを答えてください。また、塩化ナトリウムの固体と水溶液で電気の通し方が違う理由を説明してください。
- 構成粒子を確かめます。塩化ナトリウムはNa⁺とCl⁻、ドライアイスはCO₂分子、ダイヤモンドはC原子、銅は金属の原子がもとになる物質です。物質名だけで判定せず、結晶の中に何が並ぶかへ戻します。
- 結びつきを対応させます。順に、イオン結晶、分子結晶、共有結合の結晶、金属結晶です。ドライアイスではCO₂分子の内部に共有結合がありますが、分子どうしを結びつけるのは分子間力です。
- 固体中で動ける電荷を探します。銅では自由電子が移動できるため電気を通します。塩化ナトリウムには電荷をもつイオンがあっても、固体中では位置が固定され、電流を運ぶようには移動できません。
- 水に溶かした後の粒子を考えます。塩化ナトリウム水溶液ではNa⁺とCl⁻が水中を移動できるので、電気を通します。イオンが存在することに加えて、そのイオンが移動できることが必要です。
答え:順にイオン結晶・分子結晶・共有結合の結晶・金属結晶で、この4つの固体では銅が電気を通し、塩化ナトリウム水溶液では移動できるイオンが電流を運びます。
結晶の性質は次のように整理できます。「一般に」という条件を含む傾向なので、代表例と例外を組み合わせて覚えます。
| 結晶の種類 | 構成粒子と結びつき | 性質の目安 |
|---|---|---|
| イオン結晶 | 陽イオン・陰イオン、イオン結合 | 一般に融点が高く、硬いがもろい。固体は電気を通さず、融解した液体は通す。 |
| 分子結晶 | 分子、分子間力 | 一般に融点が低く、電気を通さない。ドライアイスやヨウ素が例。 |
| 共有結合の結晶 | 原子、共有結合の連続 | 一般に硬く、融点が高い。ダイヤモンドや二酸化ケイ素が例。 |
| 金属結晶 | 金属の陽イオンと自由電子、金属結合 | 固体で電気と熱を伝え、展性・延性がある。融点や硬さは金属ごとに異なる。 |
分子間力は分子どうしの間に働く力で、分子内部の共有結合とは区別します。氷が融けるときにH₂O分子がHとOに分解されるわけではありません。また、イオン結晶なら何でも水によく溶けるわけではなく、水溶液が電気を通すという説明は、その物質が水に溶けてイオンが移動できる場合の話です。
黒鉛は、共有結合の結晶に分類されますが、電気を通す例外です。炭素原子が共有結合でつながる層が重なった構造をもち、層に沿って動ける電子があります。層の間ははがれやすいため、ダイヤモンドと同じ炭素の単体でも性質が違います。「共有結合の結晶は必ず電気を通さない」「炭素の単体はすべて同じ硬さ」と言い切らないようにします。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 イオンの電荷の数字を、そのまま個数にする
誤った書き方は「Al³⁺とO²⁻からできる物質はAl₃O₂」です。どこが違うかを確かめるには、電荷の合計を出します。この比では3×(+3)+2×(−2)=+5となり、電気的に中性ではありません。右上の3や2はイオン1個の電荷で、結晶中の個数ではないのです。
正しい書き方はAl₂O₃です。正負の電荷の大きさをともに6にそろえると、Al³⁺は2個、O²⁻は3個必要になります。「数字を交差させる」という操作だけで終えず、2×(+3)+3×(−2)=0の確認まで書きましょう。Ca²⁺とO²⁻なら1:1でつり合うので、Ca₂O₂ではなくCaOです。最も簡単な比にする条件も同時に守ります。
誤り2 極性のある結合があれば、必ず極性分子とする
誤った書き方は「CO₂にはCとOの電気陰性度の差があるので、CO₂は極性分子」です。違うのは、結合1本の偏りと分子全体の偏りを同じものとしている点です。図3のように、CO₂は直線形で、同じ2本のC=O結合が反対向きに配置されるため、偏りが打ち消し合います。

正しい書き方は「CO₂は結合に極性があるが、直線形で偏りが打ち消し合うため無極性分子」です。一方、H₂Oは折れ線形なので、O側への2つの偏りが打ち消されず、極性分子になります。図3の矢印は共有電子対が偏る向きを示し、力の大きさや実際の結合距離を示すものではありません。
分子の形を整理すると、CO₂は直線形、H₂Oは折れ線形、NH₃は三角錐形、CH₄は正四面体形です。中心原子のまわりの電子対は互いに反発し、できるだけ離れる配置をとります。H₂OではOに非共有電子対が2組、NH₃ではNに1組あるため、原子だけを見た形はそれぞれ折れ線形、三角錐形になります。二重結合は、形を考えるときには結合の方向を1つのまとまりとして扱います。
NH₃は極性分子ですが、CH₄は同じ4本の結合が対称に配置されるため無極性分子です。H₂やN₂のように同じ原子どうしが結びついた二原子分子も無極性分子です。構造式を紙の上で十字形に書けることと、実際の立体的な形とは区別してください。
誤り3 「電子がある物質は電気を通す」と説明する
誤った書き方は「食塩の固体にも電子があるので電気を通す」です。どこが違うかというと、電子の存在だけを見て、電荷が物質全体を移動できるかを考えていません。共有結合に使われる電子があることも、そのまま自由電子があることを意味しません。
正しい書き方は「食塩の固体ではイオンが自由に移動できないため電気を通さないが、融解した状態や水溶液ではイオンが移動できるため電気を通す」です。銅では固体のまま自由電子が移動できます。このように、電気伝導性の理由は「動く粒子の名前」と「そのときの状態」を組にして書くと正確になります。水に溶ける砂糖のように、溶けても分子のままでほとんどイオンを生じない物質もあるので、「溶ける」と「電気を通す」も同じ意味ではありません。
練習問題
練習1
原子番号13のAl原子が電子を3個失ってAl³⁺になるとき、電子数はいくつですか。また、Al³⁺とO²⁻からできる結晶の組成式を求め、電荷の合計が0になる式も書いてください。原子番号と電荷の数字の役割を分けて考えます。
練習2
窒素分子N₂について、N原子の最外殻電子数を5個として、共有電子対は何組、分子全体の非共有電子対は何組になるかを答えてください。構造式も書き、最外殻電子の総数が合うか確かめてください。
練習3
CO₂、H₂O、NH₃、CH₄について、分子の形を答え、極性分子をすべて選んでください。CO₂を選ぶかどうかの理由には、結合の極性だけでなく、偏りが打ち消し合うかどうかを含めてください。
練習4
NH₄Clの結晶について、NH₄⁺内部のNとHの結合、NH₄⁺とCl⁻の間の結合をそれぞれ答えてください。また、固体と水溶液のどちらが電気を通すかを答え、その理由を電流を運ぶ粒子の移動に注目して説明してください。
答えと解説
練習1:電子数は13−3=10個、組成式はAl₂O₃です。電荷は2×(+3)+3×(−2)=0です。陽子は13個のままで、電子だけが3個減ります。電子数を求める引き算と、組成式の個数比を求める計算は、別々に行います。
練習2:共有電子対は3組、非共有電子対は分子全体で2組、構造式はN≡Nです。電子は全部で5×2=10個あり、共有分の6個と、各Nに残る非共有電子対1組ずつの4個で合計10個になります。各Nのまわりでは共有分6個と非共有分2個を合わせて8個です。
練習3:CO₂は直線形、H₂Oは折れ線形、NH₃は三角錐形、CH₄は正四面体形です。極性分子はH₂OとNH₃です。CO₂には極性のある結合があっても、同じ2本が反対向きに並ぶため、分子全体では偏りが打ち消し合います。
練習4:NH₄⁺内部は共有結合、NH₄⁺とCl⁻の間はイオン結合です。NH₃とH⁺から生成するときの新しい結合は配位結合ですが、生成後の4本のN−H結合は同等です。固体は電気を通さず、水溶液は移動できるNH₄⁺とCl⁻があるため電気を通します。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
化学式の右下の数字が読めるようになると、次に学ぶ物質量で「分子の数」と「原子の数」を区別しやすくなります。電荷の合計をそろえる考え方は、酸と塩基の反応や、電子の受け渡しを扱う酸化還元にもつながります。今は反応の名前を先取りするより、どの粒子を数えているかを言葉にする練習が役立ちます。
家庭で5分だけ確かめるなら、次の2つを紙の上で行えます。薬品を用意したり、電源につないだりする必要はありません。
- 2分で、NaCl、CO₂、Cuを紙に書きます。それぞれについて構成粒子を答え、固体で電気を通すかを、移動できる電荷の有無から説明します。
- 残り3分で、H₂OとCO₂の電子式を描きます。電子の総数を数えた後、分子の形を別に描き、極性の有無を説明します。
個別指導では、イオンの電子数が合わなければ原子番号と中性の原子まで、電子式が合わなければ最外殻電子と電子対の数まで戻って確かめます。お子さまの説明を聞く場合も、用語を言えたかだけでなく、「何が動くから電気を通すのか」と理由を一つ添えられるかを見ると、理解の状態を確かめやすくなります。
まとめ
問題で物質名が変わっても、粒子の種類と電子の行方を図や式に戻せれば、自分の答えを確かめられます。組成式が違うなら電荷を足し、電子式が違うなら電子を数え、極性で迷うなら分子の形を見る、という戻り先をもっておきましょう。
「共有結合だから」という一言で止めず、分子の内部を説明しているのか、結晶全体を説明しているのかまで示すと、答案の理由が明確になります。食塩が固体では電気を通さず、銅が固体で通す違いは、電子やイオンが存在するかではなく、電荷を運んで移動できるかで決まります。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
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