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【数学I】データの分析を図解で総まとめ—分散・標準偏差・散布図と相関係数・仮説検定の考え方|武蔵野個別指導塾

箱ひげ図と散布図を読み、分散・標準偏差・相関係数を例題で計算します。変量の変換や外れ値の扱い、コインの結果から仮説を疑う手順まで、数値が表す意味を確かめながら学べます。
よくあるのは、朝のホームルーム前、自分の席で宿題を見直し、平均は同じなのに「散らばりの大きい集団を選びなさい」の答えが決められないという場面です。平均を出す計算は合っていても、データ全体の姿まで読み取れたとは限りません。真ん中に集中しているのか、両端に離れているのかによって、同じ平均でも意味が変わります。
データの分析では、並んだ数を一つの値にまとめる計算と、図にして特徴を見る作業を行き来します。公式を覚える前に「中心を知りたいのか」「散らばりを比べたいのか」「二つの量の関係を調べたいのか」を決めると、使う道具を選びやすくなります。
さらに、目立つ結果が出たときに、それだけで理由を断定してよいかも考えます。計算で得た数と、その数から述べてよい結論を分けることが、この単元の最後まで通じる軸です。小さなデータを手で整理しながら、図と式と日本語の説明をつないでいきましょう。
この単元で身につけること
- 度数分布表とヒストグラムを使い、どの範囲にデータが集まっているかを読み取ります。階級の境目にある値を、どちらへ入れるかも確かめます。
- 四分位数と箱ひげ図で中心や散らばりを比べます。箱の長さが表すのは値の広がりであり、人数そのものではないと区別します。
- 分散と標準偏差を計算し、平均からの離れ具合を表します。データすべてに同じ数を足した場合と、同じ数を掛けた場合の違いも説明します。
- 散布図と相関係数で二つの変量の直線的な関係を調べます。外れ値の影響や、相関と因果関係の違いにも目を向けます。
- 仮説検定の考え方として、ある仮定のもとで結果の起こりにくさを考えます。仮定を疑う判断と、仮定が正しいと証明することを混同しないようにします。
中学校で扱った平均値・中央値・最頻値や相対度数が土台になります。計算に不安があるときは、まず合計を個数で割る意味と、小さい順に並べる理由を確かめると、四分位数や分散へ進みやすくなります。
基本の考え方
度数分布は値を区間にまとめる見方です
データとして変化する量を変量といいます。たとえば所要時間を調べるなら、変量は時間です。度数分布表では、時間をいくつかの区間である階級に分け、その区間に入るデータの個数を度数として数えます。各度数を全体の個数で割ったものが相対度数で、合計は1になります。
ここでは、10個の時間のデータを 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 18 とし、単位を分とします。階級を「0以上5未満」「5以上10未満」「10以上15未満」「15以上20未満」にすると、度数は順に3, 5, 1, 1です。5は最初の階級には入らず、10は3番目の階級に入ります。境目の規則をそろえないと、同じ値を二重に数えたり、数え落としたりします。
| 階級(分) | 階級値(分) | 度数 | 相対度数 | 累積度数 |
|---|---|---|---|---|
| 0以上5未満 | 2.5 | 3 | 0.3 | 3 |
| 5以上10未満 | 7.5 | 5 | 0.5 | 8 |
| 10以上15未満 | 12.5 | 1 | 0.1 | 9 |
| 15以上20未満 | 17.5 | 1 | 0.1 | 10 |
階級値は各階級の中央の値です。累積度数は、その階級までの度数を小さい側から足したもので、10分未満のデータが8個あることが表から読めます。累積相対度数なら8/10=0.8です。ただし、この表だけから元の10個の値を完全に戻すことはできません。区間にまとめると見通しがよくなる一方、細かな位置の情報は失われます。
ヒストグラムでは、横軸を変量、縦軸を度数として長方形を並べます。階級の幅が等しければ、高さから個数を比べられます。幅の違う階級を用いる場合は、長方形の面積が度数に対応するよう高さを調整する必要があります。まずは幅が等しい図を確実に読みましょう。離れた項目を比べる棒グラフと違い、横軸は数値の連続した区間を表しています。
四分位数と箱ひげ図は順番から作ります
中央値は、小さい順に並べたときの中央の値です。個数が偶数なら、中央の2個の平均を取ります。第2四分位数Q2は中央値と同じで、第1四分位数Q1は下半分の中央値、第3四分位数Q3は上半分の中央値です。個数が奇数の場合は、全体の中央値を除いた下半分と上半分を用いる方法で考えます。問題に別の定めがあれば、その定めに従います。
図1の下側は、先ほどの10個のデータの箱ひげ図です。最小値2、Q1=4、Q2=6.5、Q3=9、最大値18を、上側のヒストグラムと共通の横の尺度に配置しました。箱はQ1からQ3までで、箱の中の線がQ2です。この図のひげは最小値と最大値まで延ばしています。

図1のように、右のひげが長いと、上側の一部のデータが広い範囲に延びていると読めます。ただし、ひげが長いからといって、その部分に多くのデータがあるわけではありません。箱ひげ図は順位をもとに値の位置を示す図であり、箱の中の細かな山や谷は表しません。分布の形も知りたい場合は、ヒストグラムと合わせて見ます。
最大値と最小値の差を範囲、Q3-Q1を四分位範囲といいます。四分位範囲は中央付近の散らばりを見るため、極端な値の影響を受けにくい指標です。周囲から大きく離れた値を外れ値といい、Q1-1.5×四分位範囲より小さい値、またはQ3+1.5×四分位範囲より大きい値を、外れ値の候補とする見方があります。この目安を使う箱ひげ図では、外れ値を点で描き、ひげを外れ値でない端の値までとすることもあります。図の説明を読んで、ひげの約束を確かめる必要があります。
分散と相関係数は平均からの差を使います
変量xの平均値をx̄と書くと、各データから平均を引いた x-x̄ を偏差といいます。偏差の合計は0なので、そのまま平均しても散らばりを測れません。そこで偏差を2乗して平均したものが分散です。分散をsₓ²、標準偏差をsₓとすると、sₓ²=(偏差の2乗の合計)/n、sₓ=√(sₓ²)です。ここでnはデータの個数で、この単元の分散はnで割ります。
2乗することで、平均より小さい値も大きい値も、平均から離れるほど大きく寄与します。分散は0以上で、すべて同じ値のときだけ0になります。時間を分で記録すれば分散の単位は分²ですが、標準偏差は分に戻ります。そのため、標準偏差は元のデータと同じ単位で散らばりを表せます。
計算には sₓ²=(xの2乗の平均)-(xの平均)² も使えます。「平均してから2乗」と「2乗してから平均」は順番が違います。公式の符号だけを暗記するより、たとえば全員が同じ値なら差が0になることを確かめると、引く順序の取り違えを発見できます。
二つの変量x, yを同じ対象から組にして集めると、各組を点(x, y)で表す散布図を作れます。右上がりに集まるなら正の相関、右下がりに集まるなら負の相関があるといいます。その直線的な関係の強さを数で示すのが相関係数rです。共分散を sₓᵧ=(xの偏差とyの偏差の積の合計)/n とすると、r=sₓᵧ/(sₓ×sᵧ) と計算します。
相関係数は -1≦r≦1 を満たし、絶対値が1に近いほど直線に沿う傾向が強くなります。どちらかの標準偏差が0の場合は分母が0になるので、相関係数は定義できません。また、正の相関なら、xが大きい組でyも大きくなりやすいという傾向を述べます。すべての組で例外なく増えるという意味ではありません。
例題で解き方を確かめる
例題1 四分位数と外れ値の目安を求める
時間のデータ 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 18 について、平均値、中央値、範囲、四分位範囲を求めます。また、四分位範囲の1.5倍を使う目安で外れ値の候補を調べます。
- まず個数と順番を確かめます。すでに小さい順の10個なので、合計は72、平均値は72/10=7.2分です。平均には、最後の18もほかの値と同じように合計へ入れます。
- 中央の位置を求めます。10個の中央は5番目と6番目なので、Q2=(6+7)/2=6.5分です。中央値は「個数の半分の値」ではなく、中央の位置にある値から求めます。
- 下半分 2, 3, 4, 5, 6 の中央からQ1=4、上半分 7, 8, 9, 10, 18 の中央からQ3=9です。したがって、範囲は18-2=16分、四分位範囲は9-4=5分です。両者は違う部分の広がりを測っています。
- 外れ値の目安の下側は4-1.5×5=-3.5、上側は9+1.5×5=16.5です。18は上側の境界を超えるため候補になります。負の境界が出ても計算の誤りではなく、このデータには下側の候補がないと読めば十分です。
答え:平均値7.2分、中央値6.5分、範囲16分、四分位範囲5分、外れ値の候補は18分です。
18が長い所要時間として正しく記録された値なのか、入力の誤りなのかは、計算だけでは決まりません。候補に挙がったという理由だけで取り除かず、記録の条件を確かめます。なお、度数分布表しかない場合に階級値で平均を求めると、(2.5×3+7.5×5+12.5×1+17.5×1)/10=7.5分となります。これは階級値で代表させた近似であり、元のデータから求めた7.2分と一致するとは限りません。
例題2 分散・標準偏差と変量の変換
データxが 1, 3, 3, 5 のとき、平均値、分散、標準偏差を求めます。さらに、各値を y=2x+10 で変換したデータについても求めます。
- xの平均を出します。x̄=(1+3+3+5)/4=3です。偏差は順に -2, 0, 0, 2 で、合計は0になります。ここで合計が0でなければ、平均か引き算を見直します。
- 偏差を2乗して平均します。sₓ²=(4+0+0+4)/4=2、sₓ=√2です。別の式でも、(1+9+9+25)/4-3²=11-9=2となります。同じ分散が二通りで出れば、計算の確認になります。
- 変換後の値を実際に並べます。yは 12, 16, 16, 20 で、平均は16です。xの平均3に同じ変換を行った 2×3+10=16 と一致します。すべての値に同じ操作をするので、平均にもその操作が反映されます。
- yの偏差は -4, 0, 0, 4 です。分散は(16+0+0+16)/4=8、標準偏差は√8=2√2です。10を足した影響は平均との差を取ると消え、2倍した影響だけが偏差に残ります。
答え:xは平均3・分散2・標準偏差√2、yは平均16・分散8・標準偏差2√2です。
一般に y=ax+b なら、平均はȳ=ax̄+b、分散はsᵧ²=a²sₓ²、標準偏差はsᵧ=|a|sₓです。aが負でも標準偏差は負になりません。たとえば y=-2x+10 なら平均4、分散8、標準偏差2√2となります。符号が変わると大小の順序は反転しますが、平均からの距離は2倍になるためです。
例題3 散布図から相関係数を計算する
五つの組 (1, 2), (2, 1), (3, 4), (4, 3), (5, 5) の相関係数を求めます。図2のように点を置くと右上がりの傾向がありますが、一直線には並んでいません。先に図を見て符号の予想を立てると、計算結果の検討ができます。

- xとyの平均を別々に求めます。どちらも合計15を5で割って3です。図2の灰色の線はx=3とy=3で、平均を基準に各点がどちら側にあるかを示します。
- 偏差とその積を表にします。同じ対象のxとyを組にしたまま計算することが重要です。xだけ、yだけを別々に小さい順へ並べ替えてはいけません。
| x | y | xの偏差 | yの偏差 | 偏差の積 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | -2 | -1 | 2 |
| 2 | 1 | -1 | -2 | 2 |
| 3 | 4 | 0 | 1 | 0 |
| 4 | 3 | 1 | 0 | 0 |
| 5 | 5 | 2 | 2 | 4 |
- 分散と共分散を求めます。xの偏差の2乗の合計は10、yも10なので、sₓ²=sᵧ²=10/5=2です。偏差の積の合計は8で、共分散は8/5です。共分散は正にも負にもなり、分散のように常に0以上とは限りません。
- 標準偏差の積で割ります。r=(8/5)/(√2×√2)=(8/5)/2=4/5=0.8です。分母は2であって4ではありません。分散同士ではなく標準偏差同士を掛けた値を使います。
答え:相関係数はr=0.8で、正の相関があります。
偏差の積を見ると、平均より両方小さい点と両方大きい点は正に寄与します。一方だけが平均より大きい点は負に寄与します。この仕組みが、右上がりか右下がりかを符号に反映させています。相関係数には単位がなく、正の数による単位の換算や一定値の加算では変わりません。一方の変量だけに負の数を掛けると、向きが反転して相関係数の符号も反転します。
例題4 起こりにくさから仮説を考える
コインを10回投げる実験で、表が9回出ました。実験前に「表が出やすいのではないか」と調べる目的を定め、まず「各回の表の確率は1/2で、各回は独立である」と仮定します。この仮定のもとで、表が9回以上になる確率を考え、事前に決めた5%の基準と比べます。
- いったん置く仮定を明確にします。「偏りがない」とだけ書くより、表と裏が各回同じ確率で、前の結果が次の結果に影響しないという条件を含めます。その条件によって、10回の表裏の並びがすべて同じ確率になります。
- 全部の並びを数えます。1回ごとに2通りなので、10回では2を10個掛けた1024通りです。表が9回の並びは、裏が出る位置を選ぶ10通り、表が10回の並びは1通りです。
- 観測結果以上に表の側へ偏る場合をまとめます。求める確率は(10+1)/1024=11/1024で、約1.07%です。表がちょうど9回の確率だけではなく、さらに表が多い10回も含める理由は、同じ方向でより極端な結果も数えるためです。
- 11/1024は5%より小さいので、この基準では、置いた仮定を疑って退ける判断をします。これを仮説を棄却するといいます。仮定が正しくても、この程度の珍しい結果が出る可能性は残るので、絶対に偏っていると証明したことにはなりません。
答え:表が9回以上の確率は11/1024で約1.07%となり、5%の基準では置いた仮説を棄却します。
このように、仮説が正しいとして実験や観測の結果の起こりにくさを調べるのが、仮説検定の基本的な考え方です。5%という判断の境目を有意水準と呼びます。数学Iでは、同じ条件の試行を多数繰り返す実験やシミュレーションで、珍しさの見当をつけることもできます。実験による相対度数は毎回少し変わりますが、ここではすべての並びを数えて確率を求めました。
表側への偏りを調べるか、表裏のどちらかへの偏りを調べるかは、結果を見る前に決めます。後者なら今回と同じ程度以上の偏りに、表が0回・1回の場合も含まれます。また、約1.07%は「仮説が正しい確率」ではありません。「仮説が正しいとしたときに、表が9回以上になる確率」です。条件を表すこの言葉を省かずに読むと、結論の取り違えを防げます。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 箱の長さを人数と読む
誤った書き方は「箱の右半分が長いので、中央値より上の人数のほうが多い」です。どこが違うかというと、箱ひげ図の横方向の長さは値の差を表しており、人数の大きさではありません。順位で区切られた部分がどれくらいの値の範囲に広がるかを読んでいます。
正しい書き方は「中央値からQ3までの値の幅が、Q1から中央値までの値の幅より大きい」です。人数を述べたいときは、個数や度数分布表を確認します。同じ値が重なっている場合や個数が4で割り切れない場合もあるため、各区間に厳密に全体の25%ずつ入ると機械的に数えることにも注意が必要です。
誤り2 分散にも同じ変換をする
誤った書き方は「y=2x+10なので、yの分散は2sₓ²+10」です。どこが違うかというと、分散が測るのは値そのものではなく、平均からの差を2乗した量だからです。平均も10増えるので、差を取ると加えた10は消えます。
正しい書き方は「yの偏差は2(x-x̄)なので、分散は4sₓ²」です。例題2では分散は8になり、標準偏差は2√2でした。公式が曖昧になったら、変換後の一つの値から変換後の平均を引いてみます。偏差が何倍になるかがわかれば、分散と標準偏差の両方を復元できます。
誤り3 相関係数0を関係なしと断定する
誤った書き方は「r=0だから、xとyには何の関係もない」です。どこが違うかというと、相関係数は直線的な関係を測る指標だという点です。図3では x=-2, -1, 0, 1, 2 に対して y=4, 1, 0, 1, 4 とし、すべての点がy=x²という規則に従っています。

図3のように左右対称な点では、xの平均は0、yの平均は2です。偏差の積は順に -4, 1, 0, -1, 4 となり、合計0なので相関係数も0です。正しい書き方は「直線的な相関は見られないが、曲線状の関係がある」です。相関係数を出す前後に散布図を確認すると、一つの数では表せない特徴を拾えます。
相関が強い場合にも、片方がもう片方の原因だとは直ちにいえません。たとえば気温と冷たい飲み物の販売量が同時に増えていても、販売量を増やせば気温が上がるとは考えません。また、別の要因が二つの変量に関係している場合もあります。外れ値が一つ加わるだけで相関係数が大きく変わることもあるため、強さを示す数だけでなく、点の配置とデータを集めた条件を一緒に見ます。
練習問題
練習1
データ 1, 2, 2, 4, 6, 7, 9 のQ1、Q2、Q3と四分位範囲を求めてください。また、階級を0以上3未満、3以上6未満、6以上9未満、9以上12未満としたときの度数を求めてください。中央値を決めてから、上下の組に含める値を書き出すと整理できます。
練習2
データxが 2, 4, 6 のとき、平均値、分散、標準偏差を求めてください。さらに y=-3x+5 としたときの平均値、分散、標準偏差を求めてください。負の数を掛けても、散らばりの大きさが負になるわけではないことを確かめましょう。
練習3
三つの組 (1, 6), (2, 4), (3, 2) の相関係数を求めてください。また、このyを z=y+100 に変えたとき、xとzの相関係数がどうなるか答えてください。点がどのような直線上にあるかも考えると、符号と大きさを予想できます。
練習4
例題4と同じ仮定・目的・有意水準で10回投げたところ、表が8回出ました。表が8回以上になる並びは、表が8回の45通り、9回の10通り、10回の1通りです。確率を求め、5%の基準で仮説を棄却するか答えてください。棄却しない場合に、何を結論にしてはいけないかも一文で書いてください。
答えと解説
練習1の答えはQ1=2、Q2=4、Q3=7、四分位範囲5です。7個の中央の4を除き、下半分の 1, 2, 2 と上半分の 6, 7, 9 の中央値を取ります。度数は順に3, 1, 2, 1です。6は6以上9未満、9は9以上12未満に入るので、階級の境目を確認してください。
練習2の答えは、xの平均4、分散8/3、標準偏差√(8/3)です。偏差が -2, 0, 2 なので、分散は(4+0+4)/3となります。yの平均は-3×4+5=-7、分散は9×8/3=24、標準偏差は√24=2√6です。実際のyの値は -1, -7, -13 で、平均との差は 6, 0, -6 となり、同じ結果を確かめられます。
練習3の答えはr=-1で、変換後も-1です。平均はxが2、yが4、分散はそれぞれ2/3と8/3、共分散は(-2+0-2)/3=-4/3です。標準偏差の積は√(2/3)×√(8/3)=4/3なので、r=(-4/3)/(4/3)=-1となります。点はy=-2x+8上にあり、100を足してもyの偏差は変わらないため、相関係数も変わりません。
練習4の答えは56/1024=7/128で約5.47%となり、5%の基準では棄却しません。45通りは、裏が出る二つの位置を10個の位置から選ぶ 10×9÷2 でも確かめられます。棄却しないことから「表の確率は1/2だと証明された」とは結論できません。今回の結果だけでは、定めた基準で仮説を退けるほどではなかった、という判断です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
データの分析で学ぶ平均や分散は、数学Bの統計的な推測につながります。手元のデータの特徴を述べる段階から、限られたデータをもとに全体について考える段階へ進みます。また、仮説検定の起こりにくさを数える場面では、数学Aの確率が計算の土台になります。
家庭では、まず5分でできる確認として、四つの数 1, 3, 3, 5 を紙に書き、全部に10を足して平均と偏差を比べてみましょう。平均は動くのに偏差は同じ、ということが説明できれば、変量の変換の理解を確かめられます。もう一つは、図3の五つの点を方眼に写し、右上がりの直線には見えなくても規則を持つことを、言葉で説明する方法です。
個別指導で確認する際は、四分位数なら小さい順に並べる作業まで、分散なら平均から引く引き算まで戻って、どの操作で意味が途切れたかを見ます。お子さまのノートを見るときにも、答えの一致に加えて「この数は何を表すのか」と尋ねると、計算と読み取りのどちらに迷いがあるかを確かめられます。
まとめ
計算が合っていても、箱の長さから人数を決めたり、相関から原因を決めたりすれば、データの読み方はずれてしまいます。答えの後に「何について、どの範囲まで述べられるか」を一文添えると、数値の使い方が明確になります。
平均、分散、相関係数のどれも、データのある側面を取り出した数です。図に戻り、元の値に戻り、集めた条件に戻れることが、判断を支えます。データから出せる結論の強さは、数字の細かさではなく、その数字に与えた意味で決まります。
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