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「なぜその式か」を自分で説明する—誤概念を潰す問い|武蔵野個別指導塾

答えは合うのに理由を聞かれると止まるとき、どこを確かめればよいでしょうか。方程式・割合・図形の例で、式の意味を短く説明し、誤りを直して別の問題で試す手順を家庭の学習に取り入れられます。

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「なぜその式か」を自分で説明する—誤概念を潰す問い

答えは合うのに、理由を聞くと手が止まる

よくあるのは、祖父母の家の客間で宿題を広げ、丸のついた方程式を見せたあと、「どうしてここで引いたの」と聞かれて、消しゴムを握ったまま黙ってしまう場面です。計算は合っています。途中式も書けています。それでも「そう習ったから」の先が出てきません。聞いた側は確かめたかっただけなのに、解いた本人には正解を取り消されたように感じられることがあります。

数学では、手順を再現できることと、その手順を使う理由を説明できることにずれが生まれます。ずれがあると、数字や問題文が少し変わったとき、前と同じ方法を使ってよいか迷います。答えが合った問題にも、次のつまずきにつながる思い込みが隠れていることがあります。

そこで役立つのが、自分の解き方を自分に向けて説明する「自己説明」です。長い文章や上手な発表は必要ありません。「この数は何を表すか」「この操作で何を保つか」を短く言葉にし、式と照らします。中学生のみなさんが一人でも取り組めるよう、問いの選び方から説明を直すところまでを具体的に考えていきます。

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手順の記憶と、式の意味が離れるとき

たとえば、2x + 3 = 11 を 2x = 8 に変える理由を、「3を右に持っていくから」と説明したとします。これは操作を思い出す合図として使えます。ただ、その言葉だけでは、なぜ符号が変わるのか、右辺にある数を左辺へ動かしてもよいのかが見えません。「両辺から3を引いて、等しい関係を保つ」と補うと、次の方程式にも使える理由になります。

ここで分けておきたいのは、説明が短いことと、理解が不十分なことです。「両方から3を引く」と書き、左右の式を指で示せるなら、文が短くても意味は伝わります。反対に、教科書の文を長く写していても、どの部分が今回の操作に当たるか示せなければ、つながりを確かめる必要があります。見たいのは語彙の多さより、数・操作・条件の対応です。

自己説明を促す働きかけをまとめた64報告のメタ分析では、学習成果への効果量として g=0.55 が報告されています(Bisraほか・2018)。これは、自分で関係を補って説明する活動を、学習の中に置く根拠の一つです。解答を眺めて「わかった」と感じるところで止めず、どこからその式が出たのかを自分の言葉で埋める使い方が考えられます。

数学を扱った別のメタ分析では、自己説明を促すことで、直後の手続き・概念・転移に小〜中の効果があり、質の高い説明へ導く支えがある場合に効果が大きいとされています(Rittle-Johnsonほか・2017)。転移とは、練習したものと少し違う問題にも学んだことを使うことです。学習研究の多くは海外の小中学生を対象としており、ここで引くメタ分析の成果も日本の中学生一人ひとりの伸び幅を示すものではなく、数学の研究では時間を置いた後や教室での持続について証拠が少ないため、説明した翌日以降の解き方も見ます。

「質の高い説明への支え」は、身近な形にすると問いの絞り込みです。「全部説明して」では、何を話すか選ぶところから始まります。「この3は何の3ですか」なら、注目する場所が決まります。「なぜ足すのですか」より先に、「もとの量と増えた量はどれですか」と問うほうが、式に至る道筋をたどりやすいこともあります。

誤概念とは、ある範囲ではうまくいった考え方を、成り立たない場面にも広げてしまうような理解です。「かけ算をすると必ず大きくなる」と考えていると、10 × 0.5 = 5 に違和感が残ります。このとき計算だけ直しても、思い込みは残り得ます。「0.5倍は半分にすることだから」と意味を確かめれば、答えが小さくなる理由を式と結べます。

誤りを扱う問いも、本人を追い詰める言葉にしないことが大切です。「なぜこんな間違いをしたの」では、謝る理由を探し始めるかもしれません。「この考えが使えるのはどんなときか」「今回違う条件はどれか」と、調べる対象を式に置きます。自己説明は、できなかったことを告白する時間ではなく、使っているルールを点検する時間として組み立てます。

一つの式を、意味・理由・確かめで説明する

最初は、宿題で解いた問題から一問だけ選びます。難問を新しく増やす必要はありません。正解したけれど理由が曖昧な問題か、解答を見て直した問題が使えます。机には問題のある教材、解説、ノートを置きます。ノートの余白に「意味」「理由」「確かめ」の三つを書き、これから埋める場所を作ってください。

時間は、問題を選ぶのに2分、説明を試すのに3分、解説と照合するのに3分、別の条件で試すのに2分という区切りから始められます。これは学習の進め方の提案です。時間内に終わらなければ、理由が止まった箇所に印を残して区切ります。言葉が出るまで延々と粘るより、何を尋ねればよいかを残すほうが、次の学習につながります。

第一に、式に出てくる数や文字の意味を言います。「一本120円の鉛筆を何本か買い、袋代30円を加えて390円だった」という問題なら、xは鉛筆の本数です。120xは鉛筆だけの代金、30は袋代、390は支払った合計です。120x + 30 = 390 のそれぞれを問題文の言葉と線で結びます。数字の並びを覚える代わりに、何を数えている式なのかを確かめます。

ここで使う問いは、「xの単位は何ですか」「120xには袋代が入っていますか」「等号の左右は何と何が等しいのですか」です。一度に全部答える必要はありません。自分が曖昧だと感じる問いを選びます。「120円と30円を足してからxをかける」と考えた場合は、袋を鉛筆の本数分だけ買うことになっていないか、問題文に戻って調べられます。

第二に、次の行へ進む理由を一つだけ言います。120x + 30 = 390 から 120x = 360 へ進むなら、「鉛筆だけの代金を取り出すために、両辺から30を引く」です。「何をしたか」に加えて「何を知りたいからそうしたか」が入ると、式の目的が見えます。続く x = 3 では、「一本120円なので、鉛筆の代金360円を120円で割って本数を求める」と説明できます。

第三に、出した答えをもとの条件へ戻します。x = 3 を使うと、120 × 3 + 30 = 390 となり、合計金額が同じになります。単位も本数に戻っています。「解答と同じ3だった」で終えず、問題文に合うかを自分で確認してください。答えだけを見て丸をつける方法と、条件へ戻す方法を分けておくと、解答を閉じたときにも確かめられます。

割合では、「もとにする量は何か」を説明の中心にします。800mLの水の20%を使ったなら、使った量は 800 × 0.2 = 160、残った量は 800 – 160 = 640 です。「20%だから0.2をかける」とだけ言ったら、まだ何を求めたかが曖昧です。「800mLをもとにした20%分、つまり使った水の量を求めた」と足してください。

この例で、800 × 0.2 = 160 を残った量としてしまったときは、「160mLは使った部分か、残る部分か」と問います。ノートに一本の横長の帯を描き、全体を800mLとして、使った部分と残った部分を分けてもかまいません。「残る割合は80%だから 800 × 0.8」と別の式を立て、640mLで一致するか確かめる方法もあります。

図形では、公式の名前を言ったあとに、どこがその条件に当たるかを示します。三角形の面積を 底辺 × 高さ ÷ 2 で求めるとき、図に書かれた二つの長さをそのまま選ぶと、斜めの辺を高さにしてしまうことがあります。「底辺をこの辺に決めたので、向かいの頂点から底辺を含む直線までの垂直な長さが高さです」と、指や鉛筆で場所を示します。

高さが見つからなければ、まず底辺に色をつけ、垂直を表す印を探します。図を回して見ることもできます。そのうえで「図の向きが変わっても、この二つは垂直ですか」と確かめます。図の見た目に合わせて公式を使うのではなく、公式に必要な条件を探す練習になります。図を回しただけで面積が変わる説明になっていないかも点検できます。

自分への問いが「どうして」ばかりになったら、聞き方を具体化してください。「どの数をもとにしたか」は数の意味を調べる問い、「何を同じに保ったか」は操作を調べる問い、「条件が変わっても使えるか」は適用する範囲を調べる問いです。理由が出ないときは、自分のどこが弱いかを決めつける前に、今の式に合う問いへ替えてみます。

解説のある教材は、三通りに使い分けます。初めは解説を開いて、式の横に理由を短く足します。次は解説の次の行を紙で隠し、「次に何をするか、その理由は何か」を予想してから開きます。最後は解説を閉じ、同じ問題の理由だけを言ってみます。全部を隠して解けない場合は、見える部分を戻し、説明する箇所を一つに狭めてください。

誤った式を見つけたら、赤で消す前に「この式だと何を求めたことになるか」を書きます。たとえば 2(x + 3) = 2x + 3 なら、xだけを2倍して、3を一回分しか数えていません。x + 3 が二組あると考え、(x + 3) + (x + 3) と並べると、3も二回出てきます。「かっこの中の各項に2をかける」という正しい理由を添え、2x + 6 へ直します。

数を入れる確かめ方も使えます。x = 1 とすると、2(x + 3) は8、2x + 3 は5になり、同じ式ではないと気づけます。ただし、たまたま一つの数で答えが合うことだけでは、いつも正しいとは言えません。代入は違いを見つける道具として使い、最後は二組を数える説明や分配の規則に戻してください。

仕上げに、数字か条件を一つ変えた問題を選びます。鉛筆の本数を求めたあとなら、袋代がない場合の式を考えます。割合なら使った水の量を尋ねる問題と残った量を尋ねる問題を見比べます。三角形なら底辺を別の辺に選び直します。どこが変わり、前の説明のどこが使えるかを言えれば、丸暗記した一文から離れて使う練習になります。

翌日は、昨日の説明を読む前に、印をつけた式を見て理由を思い出します。言えなければ、まず数の意味だけを確認し、それでも止まる場合に昨日のメモを開きます。読んだ直後に言えたものと、メモなしで言えたものを区別して記録してください。「昨日できたのに」と責める材料にせず、どの助けをもう一度使えばよいかを決める材料にします。説明を見直したあとは、同じ理由を使う別の一問で終えると、覚えた文を読むだけにならずに済みます。

終わりには「言えた理由」と「残った問い」を一つずつ残します。「両辺に同じ操作をする理由は言えた。割る数が文字のときは迷う」という記録で十分です。正答、単位、もとの条件、別の表し方という複数の確認先を持つと、自分だけで見直せる箇所が増えます。残った問いは次の授業で講師に渡し、今わかる範囲を曖昧にしないで終えます。

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個別指導では、説明が止まった場所を次の課題にする

個別指導で扱うべきなのは、「説明が苦手」という大きな分類の先です。言葉が出ない理由には、問題文の意味が取れていない、数の役割が混ざっている、操作の根拠が曖昧、書く量が多くて整理できない、といった違いがあります。どこで止まったかを分ければ、次の問いを小さくできます。説明を求めるだけで授業を終わらせず、説明できるところまで支え方を変える必要があります。

授業の初めには、正解した問題でも一つ理由を尋ねます。ただし、答えを疑うような聞き方は避け、「ここで使えた考えを次にも使いたいので、この一行を見ましょう」と目的を伝えます。講師が見たい箇所を示してから聞けば、お子さまは何を答える時間かを捉えやすくなります。何も示さず「本当にわかっていますか」と重ねても、調べたい理解は見えにくいままです。

たとえば割合で止まった場合、最初から式を言わせるより、「使う前の水の量はどれですか」と問題文を指してもらいます。指せたら「求めたいのは使った量か、残った量か」を選び、最後に式へ進みます。必要なら講師が一度、数の意味と理由をつないで説明します。次の問題では問いを減らし、お子さまがどこまで自分で結べるかを見ます。

方程式で「移項だから」と答えた場合も、その言葉を禁止する必要はありません。「その移項を、両辺への操作として書くとどうなりますか」と掘り下げます。2x + 3 – 3 = 11 – 3 と書けたら、省略した手続きが戻せています。一方、左辺からだけ3を消す場合は、等しい関係を保つという根拠に戻ります。同じ短い発言でも、続く確認によって指導の内容は変わります。

講師が持つ役割は、説明の数学的な正しさを確かめること、問いを狭めること、次に試す問題を選ぶことです。お子さまが流暢に話したから理解できたと判断せず、条件の違う問題でも式を選べるか確かめます。逆に、言いよどんでも式の対応を正しく示せるなら、その表現を出発点にします。話す速度と理解の進み具合を混ぜず、何を根拠に判断したかを記録します。

計算の誤りと思い込みも、説明を聞いて切り分けます。800mLの20%を求める式を正しく立てたのに計算で間違えた場合と、残った水の量を求めるために0.2をかけた場合では、戻る場所が違います。前者なら計算を点検し、後者なら求めたい量と割合の対応を扱います。どちらも答えは誤りでも、同じ練習を増やせばよいとは限りません。講師は「式を選んだ時点」と「計算した時点」のどこでずれたかを、途中式と説明の両方から確かめます。

記録には、単元名だけでなく実際に止まった箇所を残します。「割合が弱い」より、「使った量は求められるが、残った量と取り違える」のほうが次の授業に役立ちます。そこへ「帯の図を見れば区別できた」「図なしでも残る割合を言えた」と支援の有無を添えます。同じ正解でも、何を見て解いたかが残るため、次回どこから始めるかを判断できます。

進み具合は、「説明の見本を見ながら言えた」「問いを一つ受けて言えた」「自分で理由を言い、条件を変えても確かめた」のように段階で見せられます。これはお子さまの能力に札をつける分類ではなく、その時点の問題に必要だった助けの記録です。図形では自力で言えても、割合では見本が要ることがあります。単元ごとに助けを調整するために使います。

家庭への連絡も、問題数と正答数だけでは自己説明の変化が伝わりません。「今回の式」「本人の説明」「残る問い」「次回の確認」を短くつなぎます。たとえば「800 × 0.2 を使った水の量と説明できました。残った量を尋ねる問題では、残りを求めるところに声かけが必要でした。次回は声かけを外して確認します」と伝える形です。学習場面の報告は、できたことと次の確認点を同じ具体さで示します。

家庭が持つ役割は、学習する場所と区切りを整え、本人が残した問いを授業へ渡せるようにすることです。説明の採点を毎晩引き受ける必要はありません。「今日、理由が言えたのはどの式でしたか」と一つ尋ね、話したくない日はノートの印だけ見てもかまいません。数学的に判断しにくい説明には、すぐ正誤をつけず、「ここを次に確かめよう」と印を残します。

また、教える側が用意した言い方をそのまま言えたときは、次に自分の式を指してもらいます。「左右を同じにするため」という言葉に対して、「どの操作で同じ関係を保ちましたか」と一段だけ具体化します。言葉だけを覚えていないかを調べつつ、長い説明を追加で要求しすぎないようにします。家庭から届く「説明すると疲れる」という声も、問いの量を見直す材料です。

武蔵境で通塾を考える際にも、お子さまが間違えたあとの扱いを確認すると、学び方を想像しやすくなります。正しい解法を示す場面に加え、どの思い込みに戻り、何を一人で確かめられる状態にするのかが見えることが大切です。武蔵野個別指導塾で相談する際は、消さずに残した途中式や「ここで理由が言えなかった」というメモを、学習を考える手がかりにしてください。

自己説明についてよくある三つの疑問

Q1. 言葉で話すのが苦手でも、自己説明はできますか。

できます。初めは「この数が全体」「こことここを引く」と指し示し、短い語を添える方法で十分です。図に線を引く、対応する数を同じ色で囲む、二つの理由から選ぶ方法も使えます。ただ、選ぶだけで終わると偶然合うこともあるので、選んだ理由が式のどこに当たるかを示します。文として整えるのは、そのあとでかまいません。発表の上手さを目標にすると負担が増えるため、まず一つの数と意味を結ぶところから始めます。

Q2. 間違った説明を繰り返して、覚えてしまいませんか。

誤った説明を言いっぱなしにせず、照合して直すところまでを一組にします。「かっこの前の数は最初の項だけにかける」と言ったら、二組を並べる方法で確かめ、直した式と理由を最後に残します。誤りに気づくことと、正しい理由を使えることは別なので、数字を変えた問題でも試します。本人だけで正誤を決められないときは、解説に戻るか質問の印をつけます。もっともらしい説明を作って空欄を埋めるより、迷った場所を正確に残すほうが次の助けになります。

Q3. 毎問説明すると、宿題が終わらなくなりませんか。

全問に同じ量の説明を足す必要はありません。新しい式を選んだ問題、直した問題、正解しても理由が曖昧な問題から一問選びます。ほかの問題は通常どおり解き、同じ迷いが現れたところに印をつけてください。時間が足りない日は、完成した説明を書く代わりに「この0.2が表すものが曖昧」と残せます。ただし、印をつけたまま増やし続けず、次の学習で一つ取り上げます。説明の量より、残った問いを確かめ直す流れを優先します。

消したいのは間違いの跡ではなく、理由の曖昧さ

今夜取り組むなら、丸のついた一問でもかまいません。式の中の数を一つ選び、「何を表すか」を言い、次の行へ進んだ理由を確かめてください。言えなかった場所が見つかれば、そこが次に学ぶ場所です。解いたページを最初から全部やり直す前に、問いを小さくする余地があります。

お子さまの「なんとなく」を急いで説明文に置き換えず、指させる部分、言える部分から式につなぎます。直したあとは、もとの条件へ戻すか、条件を一つ変えて試します。理由を語ることと、理由を使って解くことがつながれば、次の問題に向かう足場になります。ノートに残った「ここが言えない」までが、自分の理解を確かめた記録です。

参考文献

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

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