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一次方程式から代数学の基本定理へ 方程式が解けるとはどういうことか|武蔵野個別指導塾

移項の意味から複素数、五次方程式の公式の限界まで、解を探す道筋をたどります。解の存在と求め方を区別すると、いま練習している計算の役割が見えてきます。

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一次方程式から代数学の基本定理へ 方程式が解けるとはどういうことか

答えを出したあとに残る問い

よくあるのは、雨の日の塾の廊下で、開いたノートの方程式を指さしながら「答えを出すだけなら、計算機でもできますよね」と尋ねる場面です。移項をして、両辺を割って、答えに丸を付ける。その繰り返しに見えると、なぜ手で解くのかが気になるのも自然です。

けれども、方程式には答えの数値だけでは片づかない問いがあります。答えは本当にあるのでしょうか。いくつあるのでしょうか。計算の途中で、別の答えを紛れ込ませたり、必要な答えを落としたりしていないでしょうか。方程式を学ぶ時間は、こうした問いを自分で確かめるための準備にもなっています。

中学では等式の性質を使って未知の数を求め、高校では数の範囲を広げて解を調べます。大学では、解の存在を保証する定理と、解を公式で表すことの限界に出会います。先の内容をすべて覚える必要はありません。まずは「方程式が解けた」という言葉に、いくつもの意味があることをたどってみましょう。

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中学では等しい関係を保ちながら解を探す

方程式とは、未知の数を表す文字を含み、その文字の値によって成り立つかどうかが決まる等式です。その等式を成り立たせる文字の値を解といいます。たとえば、次の一次方程式を考えます。

3x+5=20

両辺から5を引くと3x=15になり、両辺を3で割るとx=5になります。もとの式に戻して3×5+5=20と確かめれば、5が解であるとわかります。ここで注目したいのは、右辺へ移した5の符号が変わったという見た目よりも、両辺に同じ操作をしたという理由です。

移項は、等式の両辺に同じ数や式を足したり引いたりする操作をまとめて書く方法です。左右の等しさを保っているから、変形した式からもとの式へ戻れます。両辺を同じ0でない数で割ることもできます。この「0でない」という条件は、後で文字を含む式で割るときに大きな意味を持ちます。

解くとは、単に答えらしい数を1つ見つけることではありません。条件を満たす値をすべて求め、ほかにはないと確かめることです。先ほどの操作はいずれも逆向きに戻せるので、もとの式の解とx=5の解は一致します。代入は見つけた値が正しいことを確かめ、元へ戻せる変形は解を取りこぼしていないことを支えています。

連立方程式では、複数の条件を同時に満たす値の組を探します。たとえば、x+y=7とx-y=1を同時に考えます。2つの式を足すと2x=8なのでx=4となり、それを最初の式に入れるとy=3です。この組は4+3=7と4-3=1の両方を満たします。片方に合うだけでは連立方程式の解にはなりません。

また、足して得た2x=8だけではyの値を決められません。計算後も、もとの式のうち必要な条件を残しておくことが大切です。加減法は条件を捨てる方法ではなく、片方の文字を消して見通しをよくする方法です。一次方程式で学んだ等式の扱いが、条件を組み合わせる計算へと広がっています。

二次方程式では、解が複数現れることがはっきり見えてきます。一般にa≠0のとき、ax²+bx+c=0の解の公式は次の形です。

x=(-b±√(b²-4ac))/(2a)

±は、+の場合と-の場合をそれぞれ考える記号です。実数の範囲では、平方根の中が負になると、この形から実数の解は得られません。また、平方根の中が0なら、2つの書き方から同じ値が出ます。公式は答えの数だけでなく、どこまでの数を解として認めるかとも関わっています。

公式は、突然用意された暗号でもありません。両辺をaで割り、定数項を右辺へ移し、左辺が同じ式の2乗になるように両辺へ同じ数を足すと、平方完成という変形ができます。平方根を取ったあとでxを取り出すと公式になります。手順の中心には、一次方程式と同じく、等しい関係を保ちながら求めたい文字を取り出す考えがあります。

高校では数の範囲と解どうしの関係を見る

高校で扱う方程式では、式の次数が上がるだけでなく、解を探す数の範囲が広がります。実数とは数直線上の点に対応する数で、整数や分数、√2などが含まれます。実数の2乗は負にならないため、x²+1=0は実数の解を持ちません。これは計算力の不足ではなく、実数という範囲での結論です。

そこでi²=-1を満たす数iを用い、a、bが実数であるa+biの形の数を複素数として扱います。aを実部、bを虚部と呼びます。b=0ならもとの実数なので、複素数は実数を含む広い数の体系です。この範囲ならx²+1=0の解はiと-iです。それぞれを2乗すると-1になり、1を足すと0になります。

「実数解がない」と「解がない」を区別するのは、このためです。問題で実数の解を求められたなら、複素数の値を書くだけでは問いに答えたことになりません。一方で、解を複素数まで認めるなら、実数の範囲で止まっていた計算を先へ進められます。扱う数の範囲は、答案の外側にある飾りではなく、問いの一部です。

高次方程式でも、この違いが役立ちます。たとえば、次の三次方程式を見てみましょう。

x³-x²+x-1=0

左辺はx²(x-1)+(x-1)とまとめられます。共通するx-1をくくると、次の形です。

(x-1)(x²+1)=0

積が0なら、少なくとも一方の因数が0です。実数の範囲ではx=1だけが解ですが、複素数の範囲では1、i、-iが解になります。次数が上がったときも、因数分解して扱いやすい方程式に分けるという、中学からの方法が力を発揮します。

もう1つの広がりが、解を個別に計算する前に、解どうしの関係を読むことです。二次方程式ax²+bx+c=0が複素数の解α、βを持つとき、同じ解を重ねて数える場合も含め、左辺はa(x-α)(x-β)と書けます。これを展開し、同じ次数の項の係数を比べると、次の関係が得られます。

α+β=-b/a、αβ=c/a

これが二次方程式の解と係数の関係です。解の名前をαとβで入れ替えても、和と積は変わりません。係数から読み取れるのは、個々の解に名前を付けた順序ではなく、解の組全体に共通する情報なのです。

たとえばx²-6x+7=0では、解の和は6、積は7です。解の公式で求めるとα=3+√2、β=3-√2となり、和と積は確かに一致します。さらに、解を毎回代入して展開しなくても、α²+β²=(α+β)²-2αβを使って36-14=22と求められます。答えそのものを並べる方法と、答えの関係だけを使う方法を選べるようになります。

解の公式の中にあったb²-4acは判別式と呼ばれます。係数が実数の場合、判別式が正なら異なる実数解が2つ、0なら重なった実数解が1つ、負なら実数解はなく、異なる複素数解が2つあります。公式は値を求める道具であると同時に、解のあり方を整理する道具にもなっています。

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大学では存在の保証と公式の限界を分ける

大学数学では、個々の方程式を解くことに加えて、ある範囲の方程式に共通する性質を考えます。その中心の1つが代数学の基本定理です。複素数を係数とする、次数が1以上の1変数の多項式には、複素数の根が少なくとも1つ存在する、という定理です。根とは、その数を文字に代入すると多項式の値が0になる数をいいます。

ここで多項式は、定数と、文字の非負整数乗に係数を掛けた項を有限個足してできる式です。次数は、係数が0でない項のうち、文字の指数が最も大きいものを指します。分母に文字がある式や、文字が指数に入る式まで、代数学の基本定理の対象に入るわけではありません。「どんな方程式にも解がある」と言い換えると、定理の範囲を広げすぎてしまいます。

根をαとすると、その多項式はx-αで割り切れます。残った多項式にも同じ定理を使うことを繰り返すと、次数nの多項式は複素数の範囲で、定数とn個の一次式の積に分解できます。したがって、根を重なりも含めて数えれば、次数nの多項式の根はちょうどn個です。基本定理は、複素数まで進めば、多項式を解くためにさらに別の数の範囲を作る必要がないことを示しています。

「重なりも含めて」の意味は丁寧に押さえたいところです。多項式が(x-α)で何回続けて割り切れるか、その最大の回数を根αの重複度といいます。たとえば(x-2)²=0は、異なる値としては2という根だけを持ちますが、その重複度は2です。二次式だから異なる答えが必ず2つ出るという意味ではありません。高校で判別式が0になる場合も、この数え方で統一できます。

ただし、存在することと、決まった操作の公式で表せることは別です。二次方程式は係数から四則演算と平方根を使って解を表せます。三次方程式と四次方程式にも、複素数の範囲で根号を用いる一般的な公式があります。では、次数を上げれば同じ種類の公式がずっと続くのでしょうか。

五次以上では、係数から有限回の四則演算と根号を使い、すべての場合の解を表す一般的な公式はありません。ここで根号には平方根だけでなく、3乗根なども含めます。この主張は、五次方程式を1つも解けないという意味ではありません。たとえばxの5乗=32なら実数解として2が求まり、因数分解で扱える五次方程式もあります。限界があるのは、任意の係数に通用する、根号による万能の公式です。

ガロアの着想へ進むと、問いは解の入れ替え方に向かいます。解を入れ替えても保たれる関係に目を向け、その入れ替えの仕組みから、根号で解を表せるかを調べます。二次方程式でαとβを交換しても和と積が変わらなかったことは、その入口をのぞく手がかりになります。ただし、和と積を見るだけで、どの方程式でも公式の可否が判定できるわけではありません。

この考えを厳密にするには、係数とすべての根から四則演算で作れる数の範囲を考えます。その範囲を、和や積を保ち、係数を動かさずに自分自身へ1対1に対応させる変換を調べると、根も互いに移り合います。単に好きな順序に並べ替えるのではなく、数の計算上の関係を守れる入れ替えだけを集めるところに、方程式の性質が現れます。

工学で装置の振動を調べるときにも、動きを記述する式から多項式の根を調べる問題が現れます。必要なのは、いつも短い根号の式とは限りません。根のおおよその位置や、実部が正か負かが、装置の振る舞いを考える手がかりになる場合があります。解の存在を保証する理論、厳密な式で表す方法、誤差を管理して近似値を求める方法は、それぞれ違う役割を持っています。

三つの段階をつなぐのは解の扱い方

中学、高校、大学を通して変わらないのは、与えられた条件を満たすものを漏れなく調べる姿勢です。変わっていくのは、そのために何を見渡すかです。中学では等式の変形、高校では数の範囲と解の組、大学では多項式全体に成り立つ定理や、許された操作の限界へと視野が広がります。

たとえば、両辺を文字で割る操作を考えましょう。x²=xで両辺をxで割るとx=1となりますが、その割り算にはx≠0という条件が必要です。もとの式はx(x-1)=0と変形でき、解は0と1です。割る前に0の場合を別に調べれば、解を失わずに済みます。「何で割ったか」を確かめる小さな習慣は、大学まで続く条件の管理なのです。

逆に、式の両辺を2乗すると、もとより広い条件になることがあります。x=-2からx²=4は導けますが、後者にはx=2も含まれます。途中の式に合う値が、必ずもとの式にも合うとは限りません。変形を逆向きに戻せるか考え、最後に代入することには、このように別々の役割があります。

学年が上がって解法が増えても、「何を解と呼ぶか」「その操作はどの条件でできるか」「すべての解を扱えているか」という問いは残ります。計算を速く進める練習に、この問いを添えてみてください。途中式は、答えへ進む道筋を自分や相手が確かめられる記録になります。

つながりを使った学び方

最初の手順は、解く前に未知数と数の範囲を書くことです。文章題なら、xが何の数量で、どんな単位なのかを言葉にします。人数を表すのか、長さを表すのかでも、答えとして使える値は変わります。純粋な方程式の問題なら、実数で考えるのか、複素数まで含めるのかを確認します。

次の手順は、途中式の横に変形の理由を短く残すことです。「両辺から同じ数を引いた」「両辺を0でない数で割った」「積が0になる条件を使った」と書ければ十分です。移項の符号で迷ったら、一度だけ両辺への操作を省略せずに書き、どこで符号が変わったかを確認します。

続いて、求めた値をもとの式に代入します。連立方程式ならすべての式で確かめ、文章題なら数値が場面の条件にも合うかを見ます。そのあとで、変形中に割った式が0になる場合を落としていないか、2乗によって余分な候補が入っていないかを点検します。代入で正しさを調べることと、解の漏れを調べることを分ける手順です。

最後に、使った方法とは別の見方を1つ添えます。二次方程式なら解の和と積を係数から確かめたり、因数分解した形を展開して戻したりします。間違いを見つけたら答えだけを書き換えず、最初に理由が崩れた行へ戻ります。こうすると、次の問題で気を付ける点が具体的になります。

塾が担うのは、生徒の途中式を読み、計算の誤りと条件の見落としを区別することです。符号が変わる理由を説明できないのか、解を求めたあとに確認を省いているのかで、次に扱う問いを変えます。解の公式を使えたときも、因数分解や平方完成と結び付けて、方法を選んだ理由まで言葉にする機会を作ります。

家庭では、毎回の解法を教え直す役を抱える必要はありません。お子さまが説明できそうな日に「その答えを元に戻すとどうなる」と尋ねるだけでも、確かめるきっかけになります。難しい問題の速さだけに目を向けず、自分で誤りの場所を見つけられたことや、条件を言い添えられたことを会話に取り上げてみてください。

よくある質問

解の公式は覚えるだけでもよいですか

すぐ使えるように覚えることには意味があります。そのうえで、平方完成からどのように出てくるかを一度たどると、分母の2aや±を落としたときに立ち戻る場所ができます。毎回公式を導き直す必要はありません。覚えて使う練習と、成り立つ理由を確かめる時間を両方持ちましょう。

複素数は本当に必要ですか

実数だけで答えられる問題も多くあります。ただ、複素数を含めると、実数の範囲では分けられなかった多項式も一次式の積に分解できます。二次方程式で始めた解の数え方を高い次数でも統一できることが、複素数を学ぶ理由の1つです。用途とともに、計算の仕組みをそろえる働きにも目を向けてみてください。

五次方程式には答えがないのですか

五次の多項式にも、複素数の根は重複度を含めて5個あります。ないのは、すべての五次方程式に通用する、四則演算と根号による一般的な解の公式です。個別に厳密な値を求められる場合も、近似値を計算する場合もあります。「解がある」と「特定の形で書ける」を分けると、矛盾はありません。

方程式の学習は、丸の付いた答えの先にも続きます。どんな数を探し、どんな操作で候補を絞り、どう確かめたのか。その説明ができると、初めて見る式にも、まず点検する場所が見つかります。いま移項で迷っていても、そこで等式の意味を問い直す時間は、この先の数学につながっています。

武蔵野個別指導塾の方程式の授業には、生徒が書いた1行の等号の理由を、生徒自身の言葉で確かめる時間があります。答えにたどり着いた過程を話すところまでが、方程式を学ぶ時間です。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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