
武蔵野個別指導塾の特徴
共通テストのリスニングの先読みは禁止か—問題冊子を開く時刻と、読む時間が与えられる大問|武蔵野個別指導塾

禁じられているのは「解答はじめ。」の前に問題冊子を開くことです。令和8年度の本試験の音声を測ると第5問の前に約63秒の読む時間があり、その秒数から選択肢を読む量を決められます。
共通テストのリスニングに、先読みそのものを禁じる決まりはありません。禁じられているのは、監督者の「解答はじめ。」の指示より前に問題冊子を開くことで、これはリスニングに限らず、どの試験時間でも不正行為として扱われます。指示の後は、再生した問題音声の進行に沿って冊子を読んでよく、音声には問題文を読むための無音の時間がはじめから組み込まれています。令和8年度の本試験では、冊子の指示文で読む時間をうたった部分が5つ、音声の上では6回の読む時間があり、塾で音声を測ると短い所で約12秒、長い所で約63秒でした。
| 確かめたいこと | 中身 | 書かれている所 |
|---|---|---|
| 冊子を開いてよい時 | 「解答はじめ。」の指示の後。前に開くと不正行為 | 令和9年度 受験案内 50ページ(不正行為の一覧) |
| リスニングの流れ | 17時20分に試験開始、確認音声 約2分、問題音声 約30分、18時20分に終了 | 令和9年度 受験案内 14ページ |
| 音の無い時間 | 問題文を読むためか、解答するために置かれている | 令和9年度 受験案内 14ページ・令和8年度 問題冊子の表紙 |
| 読む時間が与えられた部分 | 第4問A・第4問B・第5問・第6問A・第6問B | 令和8年度 本試験の問題冊子 |
| 読む時間の長さ | 約12秒〜約63秒(塾で測った値) | 令和8年度 本試験の問題音声 |
よくあるのは、高2の冬、リスニングの過去問を印刷して机に置き、再生ボタンに指をかけたまま手が止まる場面です。第1問の選択肢を全部読んでから流すのか、流しながら読むのか。友だちの一人は「先読みは禁止らしい」と言い、別の一人は「先読みしないと間に合わない」と言う。どちらも根拠を聞くと黙ってしまいます。決まりを知らないまま練習の型を作ると、本番の試験室で、閉じた冊子を前にして同じ迷いがもう一度来ます。迷いの元は、いつ冊子を開いてよいのかと、開いた後に何秒あるのかの二つです。
冊子を開く合図は「解答はじめ。」—受験案内と令和8年度の問題冊子に書かれた順番
令和9年度の受験案内は、試験時間中の不正行為を二つの一覧に分けています。不正行為になると言い切った一覧と、なることがあるとした一覧です。問題冊子を「解答はじめ。」の指示の前に開くことと、指示の前に解答を始めることは、言い切る側の一覧に入っています。リスニングだけの特別な決まりではなく、国語や数学の冊子でも同じ扱いです。不正行為になれば、その場で受験の中止と退室を指示され、受けた共通テストの成績は教科を問わず無効になります。問題用紙(正式には問題冊子)を開くタイミングは、気分や周りの様子で決めるものではなく、この一つの合図で決まっています。
では、その合図はいつ来るのか。令和9年度の受験案内14ページのリスニングの進行では、17時15分に入室が締め切られ、17時20分に試験が始まります。始まると問題冊子と解答用紙が配られ、受験番号や氏名を書いてマークし、続いてICプレーヤーとイヤホンと音声メモリーが配られます。監督者の指示で操作の準備をし、「確認はじめ」の指示で約2分の確認音声を聞いて音量を合わせます。そのあと「解答はじめ」の指示を受けて再生ボタンを押すと、約30分の問題音声が終わりまで流れ、試験は18時20分に終わります。冊子は試験開始の直後から机の上にあるのに、中を見てよいのは確認音声のさらに後です。図1のように、配付から確認音声までの間、冊子は閉じたまま置いておく物です。

閉じている間に読める文字もあります。令和8年度の本試験のリスニングの問題冊子は、表紙の一番上に、試験開始の指示があるまで冊子の中を見てはいけない、という一文を刷り、その下と裏表紙に注意事項を並べていました。表紙の終わりには、注意事項が裏表紙に続くので冊子を裏返して読むように、という指示まであります。注意事項には、大問ごとに音声を流す回数の表と、音の流れない時間があっても作動中ランプが光っていれば故障ではない、という説明が載っていました。外側の文字は読んでよく、中は合図の後。表紙の「試験開始の指示」という言い方に迷ったら、受験案内の一覧にある「解答はじめ。」を基準にすれば外れません。
合図の後の最初の一手も、音声が決めています。令和8年度の問題音声は、再生すると最初に流す回数を告げ、選択肢は音声では読まれず冊子に印刷されていると断ってから、4ページを開くよう指示しました。そこから先は、音声の進行に沿ってページを進めます。受験案内の不正行為の一覧は、言い切る側にも「ことがある」側にも、「解答はじめ。」の後に冊子のどこを読むかを縛る項目を置いていません。ICプレーヤーには一時停止も早送りも巻き戻しも無い(受験案内16ページ)ので、読める秒数は音声が配る分だけです。受験案内は、音の無い間を、問題文を読むためか解答するために置いた時間だと説明しています。
その読むための時間が、どの大問にあるか。令和8年度の本試験の冊子を開くと、第4問A・第4問B・第5問・第6問A・第6問Bの5つの部分の指示文に、「読む時間が与えられた後、音声が流れます」と書かれていました。読む物は部分ごとに違い、第4問Aは問題文と図表、第4問Bは状況と条件、第5問は状況・活動内容・ワークシート・問い・図表、第6問のAとBは状況と問いです。音声の側でも、これらの部分では日本語の指示の終わりに「今、読みなさい」と告げてから音が止まります。第1問から第3問の指示文には、この一文がありません。流す回数(第1問と第2問は2回、第3問から第6問は1回)の決まりは、特集「共通テストの細かい疑問」の「共通テストのリスニングの読み上げ回数—2回読みと1回読みの大問の分かれ目と、1回で聞く練習」が扱う範囲なので、ここでは先読みの秒数に絞ります。
リスニングの先読みに使える時間を知る—受験する年度の文書と、公開されている問題音声
まず、自分が受ける年度を決めます。いまの高3と既卒生は令和9年度試験で、リスニングは1日目の2027年1月16日(土)の17時20分に始まります。この学年の決まりの元は令和9年度の受験案内で、入室の締め切りの17時15分とリスニングの進行は14ページにもう載っています。入室終了の時刻の一覧は、12月上旬にセンターのサイトに載る令和9年度の受験上の注意で示されます。載ったらリスニングの節も開き、令和8年度の版にあった音の無い時間の説明と図が同じ形で残っているかを見ます。いまの高2が受けるのは令和10年度試験で、本試験は2028年1月15日(土)と16日(日)です。公表されているのは日付と出題方法・問題作成方針だけで、方針は令和9年度と年度の字のほかは同じです。読む時間が何秒あるかは、令和9年度の受験案内にも、二つの年度の問題作成方針にも書かれていません。
だから秒数は、過去の冊子と音声から自分で拾います。センターの「過去3年分の試験問題」の頁には、令和6〜8年度の本試験のリスニングの問題冊子・問題音声・スクリプトが載っています。塾で令和8年度の本試験の問題音声(約29分)の音の無い区間を機械で測り、スクリプトと文字起こしで部分ごとに突き合わせると、読む時間は次のとおりでした。音が途切れてから次の声が始まるまでを測った値なので、測り方によって1秒ほど前後します。令和9年度の音声が同じ長さだという約束はどこにもありません。
| 部分 | 音の無い時間 | 直前の指示で読むよう言われた物 |
|---|---|---|
| 第4問A(問18〜21) | 約12秒 | 問題文と図 |
| 第4問A(問22〜25) | 約19秒 | 問題文と表 |
| 第4問B(問26) | 約16秒 | 状況と条件 |
| 第5問(問27〜33) | 約63秒 | 状況・活動内容・ワークシート・問い・図表 |
| 第6問A(問34・35) | 約16秒 | 状況と問い |
| 第6問B(問36・37) | 約17秒 | 状況と問い |
読む時間の無い第1問から第3問にも、冊子を見られる間はあります。令和8年度の音声では、4ページを開く指示から最初の問いの番号が読まれるまでが約26秒ありました。大問の切れ目で日本語の指示が読まれる間も、第1問Bの前が約25秒、第2問の前が約31秒、第3問の前が約34秒でした。読み上げられる日本語の指示は冊子に刷られた指示文とほぼ同じ中身なので、耳で追う必要は薄く、その間を次の選択肢に回せます。問いと問いの間にも無音があり、第1問Aは2回目の英語の後に約7秒、第3問は会話が終わるたびに約9秒、そのうえ次の問いの番号の後に約2秒の間がありました。マークを数秒で済ませれば、残りが次の問いの先読みに使える時間です。令和7年度と令和6年度の本試験の冊子にも、第4問A・第4問B・第5問・第6問A・第6問Bの5か所に、読む時間を与えてから音声を流すという指示文がありました。秒数は年度ごとに違うことがあるので、その年度の音声を流して自分の時計で測ってください。
自分の答案で見る所は、正誤の丸ではありません。過去問を解いた冊子に、音声が始まった瞬間にどこまで読めていたかの印が残っているかどうかです。印が無ければ、先読みが足りなかったのか多すぎたのかを後から判断できません。次の節の練習は、この印を残すところから始めます。
英語の選択肢の先読みを決める練習—令和8年度の音声で秒を体に入れる順番
練習は、本番と同じ順に冊子を扱うことから始めます。手順を一つずつ書きます。
- 用意する物は、センターの頁にある令和8年度の本試験のリスニングの問題冊子、問題音声、スクリプトの三つです。冊子は印刷し、同じ頁に別のファイルで載っている表紙と裏表紙の注意事項も一緒に綴じます。マークは、問いの番号と①〜⑥を並べた欄を自分で作って塗ります(令和8年度は第4問Aと第5問に、五つや六つの選択肢から選ぶ問いがありました)。
- 1回目は先読みの量を決めずに解きます。冊子を閉じて置き、音量を合わせたら、家族に「解答はじめ」と言ってもらうか自分で声に出してから再生します。冊子は、音声が4ページを開くよう言うのに合わせて開きます。合図の前に表紙を読むのはよく、中を見るのは合図の後、という順を手に覚えさせます。
- 解きながら、選択肢を読んだ語には下線を引き、音声が話し始めた瞬間に読んでいた位置へ短い縦の線を入れます。縦の線は部分ごとに一本ずつ増えていきます。マークは問いごとに塗り、冊子に答えをためてまとめて写すことはしません。
- 解き終えたら、スクリプトで聞き逃した所を探します。その答えに要った語が選択肢のどこにあったかに丸を付け、縦の線より前にあったか後にあったかを見ます。後にあったなら、読む量が足りなかった所です。前にあったのに落としたなら、読みすぎて耳が遅れた所です。
- 図2の秒数を見ながら、部分ごとの読む量を決めます。図2は、令和8年度の本試験の音声で測った読む時間を、秒の長さに比例させて並べたものです。

読む量の決め方を、自分で作った選択肢で示します。たとえば第1問Aの形で、「Ken has already eaten lunch.」「Ken is going to eat lunch soon.」「Ken didn’t bring his lunch.」「Ken wants to eat lunch with Mai.」の四つが並んでいたとします。四つとも主語はKenで、話題は昼食です。違うのは、もう食べたのか、これから食べるのか、持ってこなかったのか、誰と食べたいのか、の一点ずつです。already、going to、didn’t bring、with Maiの四か所に印を付ければ、英文を最後まで覚える必要はありません。音声を聞く耳は、その四か所のどれに当たるかだけを待てばよくなります。この型なら一問を数秒で済ませられるので、最初の約26秒で問1と問2の違いまで見ておけます。
令和8年度の第3問は、冊子に日本語で場面が書かれ、英語の問いも印刷されていました。読む順は、場面の一行、英語の問い、選択肢の違いの語、です。会話の後の約9秒は、まずマークに使い、塗り終えたら次の問いの場面と問いに目を移します。第4問Aの約12秒と約19秒は、問題文で何をする問いか(並べるのか、表の空欄を埋めるのか)を先に読み、残りで図や表の見出しを見ます。第6問のAとBの約16秒と約17秒は、状況の一行と英語の問いを読み、選択肢は名詞と数だけ拾えば足ります。
いちばん長い第5問の約63秒は、割り振りを先に決めておくと崩れません。たとえば令和8年度の第5問の形なら、ワークシートの見出しと空欄の前後に25秒、最初の問いの選択肢に15秒、空欄に入れる語の選択肢に15秒、最後の二問の問いの形に8秒と分ければ、合わせて63秒です。ワークシートへの書き込みは音声を聞きながら取る物なので、この割り振りには入れていません。
- 音声が話し始めたのに読み終わっていないときは、その瞬間に読むのをやめて聞く側に移ります。選択肢は聞いている間も目の前にあるので、読み残しは聞きながら拾えます。読み続けて最初の一文を聞き落とすほうが、取り返しがききません。
- 2回目は数日あけ、同じ音声を決めた順で解きます。縦の線が1回目より後ろへ動いていれば、読む量が秒に合ってきた証拠です。動かない部分だけ、読む物を一つ減らします。
- 本番の前の晩には、読む順を頭の中で一度なぞります。順を書いた紙を試験室の机に出すことはできません。試験の教科に関係するメモを机の上に置くことは、受験案内でカンニングの例に挙げられているからです。
「先読みはずるい」「どの大問にも読む時間がある」—取り違えやすい3つ
一つ目は、先読みそのものが禁止だ、またはずるい、という思い込みです。決まりが止めているのは、合図の前に冊子を開くことです。合図の後は、音声のほうから読むよう告げて音を止める部分まであります。読むための無音を読むことに使うのは、試験の作りどおりの使い方です。図3の上の段のように、禁止と可の境目は、先に読むかどうかではなく、「解答はじめ。」の前か後かにあります。
二つ目は、確認音声の間なら少しだけ開いても構わない、という考えです。確認音声は「解答はじめ」の指示より前に流れるので、この間に中を開けば言い切る側の一覧に当たります。「ことがある」の側ではありません。確認音声の約2分は音量とイヤホンの左右を合わせる時間で、冊子の外側の注意事項は、その前後に目を通せば足ります。

三つ目は、どの大問にも読む時間がある、という思い込みです。令和8年度の冊子で読む時間をうたっていたのは5つの部分だけで、第1問から第3問には無く、日本語の指示が読まれる間と、解答のための無音の残りを使うしかありませんでした。第1問の選択肢を音声の前に全部読もうとすると、約26秒の中で四問分を抱えることになり、最初の問いの音声を聞きながら目は問4にある、という逆転が起きます。もう一つ、選択肢も英語で読み上げられるから冊子を見なくても解ける、と思っている人もいますが、令和8年度の音声は最初に、選択肢は音声では流さず冊子に印刷していると告げていました。先読みを捨てると、選択肢を初めて読むのは英語を聞いている最中か、聞き終えた後になります。
確かめる先と聞き方
冊子を開く合図は文書で、先読みに使える秒数は音声で確かめます。見る所と、人に聞くときの聞き方は次のとおりです。
- 令和9年度の受験案内の14〜17ページ(高3・既卒生): リスニングの進行、ICプレーヤーの操作の順、解答時間中の事故と再開テスト。音の無い時間の説明がどの行にあるかに線を引く。
- 同じ受験案内の50〜51ページ: 不正行為の二つの一覧。「解答はじめ。」の前に冊子を開くことが、言い切る側にあることを自分の目で見る。
- 令和9年度の受験上の注意(センターのサイトに12月上旬に出る予定): リスニングの節の解答上の注意。令和8年度の版にあった音の無い時間の図と、作動中ランプの説明が残っているか。
- センターの「過去3年分の試験問題」の頁: 令和6〜8年度の本試験のリスニングの冊子・音声・スクリプト。年度ごとに「読む時間が与えられた後」の一文を数え、音声の無音を時計で測る。
- 本番で配られた冊子の表紙と裏表紙: 閉じたまま読める注意事項。
- 高校の英語の先生: 校内の模擬で、冊子を開く合図を本番と同じ「解答はじめ」にしているか。違うなら、家の練習は本番の順に合わせると伝える。
- センターの事業第1課(連絡先は受験案内の裏表紙): 決まりの読み方に迷ったら、「リスニングの解答はじめの前に、表紙を裏返して裏表紙の注意事項を読んでよいか」のように、自分の動作を一つに絞って聞く。
個別指導で確かめること
塾では、過去問の冊子に生徒が引いた下線と、音声が話し始めた瞬間に入れた縦の線の位置を、聞き逃した問いの番号と並べて見ます。読む量が多すぎて耳が遅れたのか、少なすぎて選択肢の違いに気づけなかったのかを部分ごとに分け、次に解く年度の冊子で読む順を一緒に組み直します。
まとめ
禁止されているのは先読みではなく、合図の前に冊子を開くことです。合図の後は、令和8年度の音声なら12秒、19秒、63秒と、音声のほうが読む時間を配っていきます。その秒数の中で何を読み何を捨てるかを家で部分ごとに決めてきた人は、合図の後に冊子を開いてからでも、音声より一歩先の行に目を置いていられます。
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