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指定校推薦は辞退できるか—校内選考の前、出願のあと、合格のあとで変わる重さ|武蔵野個別指導塾

辞退の重さは、校内選考の前・出願の後・合格の後で変わります。合格して在学契約を結ぶと、3月31日までの辞退で授業料などを返す原則の外に置かれます。迷いの決着は、出願の書類に名前を書く前の夜です。
辞められるかどうかの答えは、いまどの段階に立っているかで変わります。校内選考に希望を出す前なら、出さないと決めるのは自分です。校内選考に通った後の取り下げは高校の決まりしだいになり、出願の書類が大学に渡ったら辞退は原則としてできません。合格して大学と在学契約を結んだ後は、納めた授業料などが戻るという原則からも外れます。
| 決まり | 中身 | 出どころ |
|---|---|---|
| 確約して受ける選抜 | 公募しない形の推薦のうち、受かったら入学すると先に約束して受けるものを、面接のただし書きで取り上げている | 令和9年度大学入学者選抜実施要項 第3の1(3) |
| 校長の推薦が要る | 出願できるかどうかは本人の希望ではなく、出身校の校長の推薦で決まる | 同じ要項 第3の1(3) |
| 令和9年度の日程 | 大学が推薦の願書を受け付けてよいのは2026年11月1日から、合否を出してよいのは12月1日から | 同じ要項 第4の5 |
| 授業料などの返還 | 入学をやめる申し出が3月31日までなら、授業料や諸会費などは原則として返される | 同じ要項 第10の2(4)① |
| 原則から外れる人 | 専願や学校推薦型選抜で合格し、在学契約まで結んだ人は、上の行の原則の対象にならない | 同じ要項 第10の2(4)① |
| 塾の案内 | 校内選考に通っていても、出願を済ませた後の辞退は原則としてできない | 武蔵野個別指導塾「武蔵境の指定校推薦・自己推薦対策」 |
よくあるのは、校内選考に通った高3が、出願の書類に名前を書く前の夜、机の端に置いた別の大学のパンフレットから目を離せなくなる場面です。担任からは週明けに書類を出すように言われ、氏名の欄だけがまだ白いままです。パンフレットの学部のページには付箋が3枚。ここでペンを走らせれば、付箋の大学へ進む道を自分の手で閉じることになります。迷いを抱えたまま書くのか、ペンを置いて誰かに話すのか。その夜の選び方ひとつで、あとから背負う重さがまるで変わります。
要項が書いている「確約」と、辞退という語が出てくる場所
大学が枠を示した高校の中で、校長がこの生徒ならと推薦し、その推薦を携えて大学へ出願する。これが指定校推薦で、入試の区分でいえば学校推薦型選抜に入ります。指定校推薦は通称で、文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項を端から探しても、この語は一度も出てきません。
その要項は、学校推薦型選抜を、出身高校の校長の推薦にもとづき調査書を主な資料に評価する選抜だと位置づけ、本人の意思だけでは出願できないと書いています。出願の扉を開けるのは校長の判断です。だから辞退の話も、自分ひとりの気持ちの問題では終わりません。
面接について書いた第3の1(3)①には、ただし書きがあります。高校との緊密な連携で組み合わせを丁寧に整えた非公募型のうち、「合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するもの」は、大学の実情に応じて面接の要否を判断できる、という内容です。指定校推薦は、ここに描かれた姿にいちばん近い選抜です。合格したら入学すると先に約束し、その約束を前提に大学も高校も動く。世間で「専願」と呼ばれるのは、この受け方のことです。
では、要項のどこに「辞退」が出てくるのか。文字で探すと、出てくるのは第10の入学手続の箇所だけで、入学を辞退した人に授業料などを返すかどうかの決まりとして現れます。入学をやめると3月31日までに意思表示した人には、授業料や諸会費などを原則として返す。ところが、その原則のかっこ書きで、専願や学校推薦型選抜に合格して大学と在学契約を結んだ受験者は除かれています。推薦で合格して入学の手続きを進めた後に辞めるのは、お金の決まりのうえでも例外の側に置かれている、ということです。要項はあわせて、返還を申し出る期限などを募集要項や入学手続の書類に書き、志願者にはっきり示すよう大学に求めています。
合格の後についても、要項は一言添えています。学校推薦型選抜では、合格が決まった後も、推薦した高校の指導のもとで入学までの学習計画を立て、その取り組みを高校を通じて大学に報告させるといった連携が望ましい、という書き方です(第13の13(3))。合格は、高校の手を離れる合図ではありません。
図1のように、辞退の重さは段階ごとに増していきます。校内選考の前は自分で決められる範囲が広く、校内選考に通った後は高校の決まりが前に出てきます。出願を済ませた後については、校内選考に通っていても辞退は原則としてできないと、武蔵野個別指導塾の指定校推薦の案内に書いてあります。合格して在学契約を結んだ後は、そこへ返還の原則の外という重さが加わります。

取り下げの期限も誓約書も、高校と大学の書類が決める
要項から読み取れるのは、確約して受ける選抜の形と、お金の返還の原則とその例外までです。その先の細かい線は、高校と大学がそれぞれの書類で引いています。
まず高校の側です。校内選考に申し込んだ後、いつまでなら取り下げられるのか、誰に何を出せば取り下げたことになるのかは、校内の推薦の要項に書かれているか、進路指導の先生が説明します。紙に書かれていなければ、先生に聞くしかありません。校内選考に通った後、出願の前に取り下げたいと申し出たときの扱いも高校が決めることで、外から一律には言えません。校内選考を通ると、高校は大学に出す推薦書や調査書をそろえる段に入ります。要項にある推薦書のイメージ例では、宛先は大学の学長で、学校長名と記載責任者の欄が並んでいます。その準備が進んだ後の取り下げは、先生の手間を巻き戻すことでもあります。取り下げた枠をその後どう扱うかも、高校の判断です。
次に大学の側です。指定校推薦の募集要項や出願の書類は、高校に届きます。その中に、合格したら入学することを約束する書面、たとえば入学確約書や誓約書といった名前の紙の提出が求められているかどうかは、大学ごとの書類を見なければわかりません。入学手続の締め切り、入学手続で納めるお金の種類と額、入学を辞退するときの申し出先と期限も、大学の募集要項や入学手続の書類に書かれます。要項が、返還の申し出の期限などを書類で明らかにするよう大学に求めているからです。要項の返還の原則が名前を挙げているのは授業料や諸会費などで、何をいつまでに納め、何が戻るのかは、その大学の書類で一つずつ確かめるしかありません。
よく耳にするのが、「指定校推薦を辞退すると、翌年から後輩の枠がなくなる」という話です。どの高校に何人の枠を示すかは大学が決めることで、その理由が外に示されるとは限りません。辞退がその高校と大学の関係にどう響くかを、ここで言い切ることはできません。言い切れないことを噂で埋めずに、高校が生徒にどう説明しているかを聞いてください。高校がその説明を持っているなら、それが自分の学校での答えです。
自分の場合を知るために見る物は4つあります。
- 校内の推薦の要項。取り下げの期限と手続き、校内選考に通った後の扱いが書かれているかを見ます。
- 指定校の一覧の条件の欄。その枠に付いている条件や注意書きに、入学の確約にふれた言葉があるかを見ます。
- 高校に届いた大学の書類。入学の確約を求める書面の有無、入学手続の締め切り、辞退の申し出の扱いを見ます。
- 進路指導の先生や担任との面談。紙に書いていないことは、ここで聞きます。
紙で確かめられることは紙で、紙に無いことは面談で聞く。その順にすると聞き漏らしが減り、面談の時間を本当に迷っていることに使えます。
保護者の方へ。お子さまが「やっぱり迷っている」と口にしたとき、叱る前に、いまがどの段階かを一緒に確かめてください。校内選考の前と出願の後とでは、取れる手がまるで違います。段階を確かめれば、責める話ではなく、次に何をするかの話になります。
名前を書く前の一晩で片づける6つの手順
出願の書類の氏名の欄を前にして迷ったら、次の順で手を動かします。図2の分かれ道を机の横に置いてください。
- 2つの大学の学びを同じ紙に並べる。大学名や学部名ではなく、1年生で必ず取る授業の名前と、アドミッション・ポリシーの中で自分に向けて書かれていると感じた一文を、左右に写します。たとえば、指定校の枠で出すのが経済学科で、パンフレットで気になっているのが観光を扱う学科だとします。左に経済学の入門の授業、右に地域と観光をつなぐ演習の名前を書き、4年間の自分がどちらの教室に座っているかを思い描きます。
- 迷いの正体を分ける。名前の響き、学びの中身、通学や費用、周りの声の4つに分けて、迷いがどれに当たるかに丸をつけます。名前の響きと周りの声だけなら、出願を止める理由にはなりません。学びの中身に丸がついたときだけ、次の手順に進みます。
- 入れ替えたときの日程を書く。指定校をやめてパンフレットの大学を目指すなら、どの区分でいつ受けるのかを書き出します。令和9年度でいえば、一般選抜の教科・科目の個別テストは2027年2月1日から3月25日までの間に行われ、合格者の発表は3月31日までです。いまの学力でそこまで走り切れるかを、気分ではなく毎日の勉強時間で考えます。
- 家族とお金の話をする。合格したら入学手続で何を納めるのか、辞退したら何が戻らないのかを、大学の書類で確かめて家族と共有します。推薦で合格して在学契約を結んだ後は、返還の原則から外れることも、ここで伝えます。
- 決めたら翌朝のうちに担任へ伝える。取り下げると決めたなら、書類が大学に出る前に話します。言いにくいからと週明けまで黙っていると、そのぶん高校の準備が進みます。
- 入学すると決めたら、声に出してから名前を書く。「この学科に入学します」と一度口に出し、それから氏名の欄を埋めます。書いた後に迷いがぶり返したら、手順1の紙を見返します。

図2のように、問いは1つしかありません。合格したら入学するか。はいなら名前を書いて出願し、いいえなら出願の前に担任へ伝え、まだ迷うなら学びを並べ直して、もう一度この問いに戻ります。「とりあえず出しておいて、合格してから考える」という4本目の道は、図のどこにも描いていません。武蔵野個別指導塾の案内が、推薦を取ってから進学先を考える順序にはできないと書いているのも、この道が無いからです。
手順1の紙は、決めた後にも役に立ちます。入学すると決めたなら、左の列に書いた授業の名前は、そのまま志望の理由や面接の受け答えの芯になります。取り下げると決めたなら、右の列が次の受験の目標になります。どちらに転んでも、一晩かけて書いた紙は無駄になりません。
「蹴っても平気」にまつわる思い込み
「指定校推薦を蹴る」という言い方には、どこか軽さがまとわりついています。決まりに照らすと、その軽さの多くは思い込みです。
1つ目は、「入学金を捨てる覚悟があれば辞められる」というものです。お金の問題に見えて、実際には約束の問題です。推薦書は学長にあてて校長の名前で出るもので、確約して受ける選抜なら、大学はその推薦と約束を前提に判定します。図3のように、3月31日までに辞退を申し出た人に授業料などを返すという原則があっても、専願や学校推薦型選抜に合格して在学契約を結んだ受験者は、その原則の外に置かれています。お金を払えば済むという考え方は、決まりの組み立てと逆を向いています。

2つ目は、「誓約書を書いていなければ専願ではない」というものです。確約は、紙1枚の有無で生まれたり消えたりするものではありません。要項は、合格したら入学すると約束して受けることを、選抜の形そのものとして書いています。誓約書を出すかどうかは大学と高校の書類で決まることで、紙が無いから約束も無い、とはなりません。
3つ目は、「一般選抜で第一志望に受かったら、そのとき指定校を蹴ればいい」というものです。令和9年度の決まりでは、学校推薦型選抜の合否は12月1日以降、その大学の一般選抜の試験期日の10日前までに出します。一般選抜の個別テストは2月1日からです。推薦で合格の知らせを受けた時点で、先にした約束が働き始めます。一般の結果を見比べてから選ぶという順番は、約束の上で成り立ちません。「受かったら絶対に入学」と言われるのは、この順番と約束をひとことで言い表したものです。
4つ目は、後輩への影響を「必ずある」とも「まったく無い」とも決めつけることです。どちらも外からは確かめられません。高校が説明することとして、先生に聞いてください。
高校の先生に確かめる質問
聞きにくいことほど、紙に書いて持っていくと口に出せます。担任や進路指導の先生との面談で、次の問いを順に聞いてください。
- 校内選考の申込を取り下げられるのはいつまでで、誰に何を出せばよいですか。
- 校内選考に通った後、出願の前に取り下げたくなったときは、どういう手順になりますか。
- 校内選考の申込や出願のときに、合格したら入学すると約束する書面を出しますか。出すなら、高校あてですか、大学あてですか。
- 出願先の大学の書類には、入学手続の締め切りと、入学を辞退するときの申し出先と期限が、どう書かれていますか。
- 合格の知らせと入学手続の書類は、高校に届きますか、それとも本人に届きますか。
- 推薦で合格した後の過ごし方や、大学へ報告することについて、高校から指示はありますか。
- 辞退や取り下げがあったとき、高校はそれをどう扱い、生徒にどう説明していますか。
- 迷っていることを、出願の前のいまの段階で相談してよいですか。
個別指導で確かめること
塾では、手順1で作る2つの大学の学びを並べた紙を一緒に見て、迷いが名前の響きなのか学びの中身なのかを言葉にします。面談で先生に聞く問いも紙にまとめ、出願の前に答えを持ち帰れるように準備します。入学すると決めた後に志望の理由や面接の受け答えを整えるときも、その紙を土台にします。取り下げると決めた場合は、次に受ける区分の日程を並べ直し、残りの週ごとに何を解くかを表にします。
まとめ
辞退できるかどうかは、制度の一文ではなく、自分がいまどの段階にいるかで決まります。校内選考の前なら選び直せ、校内選考に通った後は高校の決まりに従い、出願の後は原則として戻れず、合格して在学契約を結べばお金の返還の原則からも外れます。ペンが止まったなら、その止まった理由を翌朝、担任の前で声に出してください。名前を書くのは、そのあとで足ります。
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