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指定校推薦と併願—総合型選抜と両方受けられるか、日程の順番で考える|武蔵野個別指導塾

総合型の一次に通った9月、指定校の校内選考にも出すか。令和9年度の要項では総合型の最終結果も学校推薦型の出願も11月1日以降。四つの日付を並べ、約束が先に来るかで決めてください。
総合型選抜と指定校推薦を両方受けてよいかを決めているのは、文部科学省の要項ではありません。決めるのは、あなたの高校の校内の推薦の決まりと、出願する二つの大学の募集要項です。要項が定めているのは、両方受けてよいかどうかではなく日付の前後で、令和9年度は総合型選抜の最終の判定が11月1日より前には出ず、学校推薦型選抜の願書も11月1日より前には受け付けられません。指定校推薦は受かったら入学すると約束して受ける出願なので、総合型の最終結果と指定校の出願のどちらが先に来るかを並べれば、迷いの中身がはっきりします。
| 確かめること | 令和9年度大学入学者選抜実施要項(文部科学省)で読めること |
|---|---|
| 総合型選抜の日付 | 願書の受付は2026年9月1日から、判定の結果を出すのは11月1日から |
| 学校推薦型選抜の日付 | 願書の受付は2026年11月1日から、結果の発表は12月1日からで、一般選抜の試験期日の10日前まで |
| 一般選抜 | 大学ごとの教科の試験は2027年2月1日から3月25日の間、合格者の発表の期限は3月31日 |
| 入学の約束 | 面接の決まりの但し書きに、高校と緊密に連携した非公募型で、受かったら入学すると確約して受ける学校推薦型選抜が出てくる |
| 「併願」という語 | 要項の本文にも、令和8年9月2日更新のQ&Aにも出てこない |
よくあるのは、9月の同じ週に二つの締め切りがぶつかる場面です。月曜日、総合型選抜で出していた大学から、一次の書類選考を通ったという知らせが届く。最終の結果が出るのは11月に入ってからです。ところが金曜日には、校内選考の申込書を担任に出す締め切りが来る。申込書の大学名の欄に別の大学を書けば、まだ答えの出ていない一方を抱えたまま、もう一方の約束の入口に立つことになります。ボールペンのキャップを外したまま、手が動かない。止めているのは気持ちの弱さではなく、日付の並びです。
要項が決めているのは、両方受けてよいかではなく日付の前後です
令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、大学の入試を一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の三つに分けています。指定校推薦は、このうち学校推薦型選抜の中の一つのやり方を指す呼び名です。大学が推薦を受け付ける高校をあらかじめ選んで枠を示し、その高校の校長から推薦をもらえた生徒だけが出願できる。要項の本文に指定校推薦という言葉は出てきません。ただ、面接を必ず行うという決まりには但し書きが付いていて、高校と緊密に連携して丁寧に組み合わせた非公募型の学校推薦型選抜のうち、受かったら入学すると前もって確約して受けるものに触れています。併願を考えるときに真っ先に量るべき重さは、この確約です。
もう一つ、学校推薦型選抜は、本人がその気になっただけでは出願できない選抜だと要項に書かれています。その大学・学部で学ぶのにふさわしい力や意欲があるかを判断するのは、高校の校長です。だから指定校推薦の併願は、大学の窓口へ行くより先に、高校の中で通るかどうかが決まる話になります。総合型の出願先に何を出すかより前に、自分の高校が何を認めているかを知る必要があるのは、このためです。
日付の枠はこうです。令和9年度(2027年4月に入学する年)の要項では、総合型選抜は願書を2026年9月1日から受け付けてよく、判定の結果は11月1日になるまで出せません。学校推薦型選抜は、願書の受付が11月1日から始まり、結果は12月1日から、遅くとも一般選抜の試験期日の10日前までに出します。共通テストを使う学校推薦型選抜なら、一般選抜の試験期日の前日までの、なるべく早い日です。一般選抜は、大学ごとの教科の試験が2027年2月1日から3月25日の間に置かれ、合格者の発表は3月31日が期限です。

図1のように並べると、総合型の結果を出してよい最初の日と、学校推薦型の願書を出せる最初の日が、どちらも11月1日で重なっています。併願の悩みは、この一本の縦の点線の上にあります。要項が決めているのは「この日より前はいけない」という下限で、実際の締め切りや発表日は、大学がそれぞれの募集要項で決めます。総合型の結果が指定校の出願より先に来る組み合わせもあれば、後になる組み合わせもある。どちらになるかは、二つの大学の書類を机に並べるまで、誰にも言えません。高2のいまこれを読んでいる人が受けるのは令和10年度の入試で、その年の要項は公表前です。公表されたら、試験期日を定めた第4の項を開き、図1の点線がまだ11月1日の上に立っているかという目で読み直してください。
要項と、令和8年9月2日に更新されたQ&Aを通して読んでも、「併願」という語は一度も出てきません。総合型と学校推薦型を両方受けてよいとも、いけないとも書いていない。日付の枠を決めたうえで、どの組み合わせを認めるかは高校と大学に任せている、と読むのが素直です。なお、学校推薦型の結果は一般選抜の試験期日より前に出す決まりです。ただし、一般選抜の出願の締め切りや共通テストの出願の期間は別の日付なので、指定校がうまくいかなかったときに進む道は、それらの日付と重ねて見ておく必要があります。
お金の決まりにも、約束の重さが表れています。要項は、3月31日までに入学をやめると申し出た人には、授業料などの納めたお金を原則として返すよう大学に求めます。ただし、専願か学校推薦型選抜で受かり、大学と在学契約を結んだ人は、この原則の外です。指定校で受かって手続きを済ませたら、あとで別の大学の結果を見て乗り換える、という動き方はお金の面でも前提にできません。総合型選抜でも、募集要項に専願と書かれていれば、同じく原則の外に置かれると読めます。
両方に出せるかを握っているのは、高校と二つの大学の書類です
併願の可否は、三か所に分かれて書かれています。一つ目は、あなたの高校の校内の推薦の要項です。総合型選抜に出願している生徒が校内選考に申し込めるか。申し込むときに総合型の出願先を届け出るか。校内選考を通った後で、新しく総合型に出願してよいか。こうした決まりは高校ごとに違い、校内の要項に書かれていることもあれば、書かれていないこともあります。書いていないからといって自由だとは限りません。書いていない決まりほど、聞かなければわからないものです。
二つ目は、総合型選抜で受ける大学の募集要項です。ここで探す語は「専願」です。受かったら入学することが出願の条件に書かれていれば、その総合型選抜も、指定校推薦と同じく約束つきの出願になります。約束つきの出願を二つ同時に抱えると、両方に受かった時点で、どちらかの約束を破るしかありません。専願と書かれていなければ、次に日付を写します。出願の締め切り、一次や二次などの段階の結果が出る日、最終の結果が出る日、そして入学手続の締め切りです。入学手続の締め切りは、募集要項のほかに入学手続要項という別の書類で示される場合もあるので、大学から届いた紙は封筒ごと残しておきます。
三つ目は、指定校の側の大学の書類です。指定校の書類は高校に届くので、進路の先生に頼んで、出願の期間、試験の日、結果の発表日を見せてもらいます。合格の知らせが高校を通るのか本人に届くのかも、大学ごとに違います。指定校の一覧の条件欄だけで判断せず、届いた書類そのものに書かれた日付を見ることが、ここでの仕事です。
指定校を二つ以上同時に狙えるかも、高校の決まりです。校内の申込で希望を二つ書ける高校でも、最終的に推薦を出すのは一人いくつまでなのかは、高校に聞かなければわかりません。理屈の上では、受かったら入学すると約束する出願を二つの大学に並べると、二つとも通ったときに約束どうしが衝突します。ですから「複数」の答えを探すときは、出願の数ではなく、抱えている約束の数で考えると筋が通ります。総合型の専願が一つ、指定校が一つなら、約束はもう二つです。
もう一つ見落としやすいのが、共通テストの出願です。令和9年度の共通テストは、2026年9月15日から10月2日までに、出願サイトからWebで申し込む形で、郵送では出せません。総合型と校内選考の結果を待っている間にも、この期間は過ぎていきます。指定校を希望する生徒が共通テストにも出願しておくかは、高校の方針も絡むので、校内選考の申込と同じ面談で聞いておきます。大学の書類を読んでもわからないことが出てきたら、大学に電話する前に、まず高校の先生に相談してください。
9月のうちに、四つの日付を一枚の紙に並べる
迷っている週にやることは、決断ではなく書き写しです。決めるのは、写し終えてからで間に合います。
- 校内の推薦の要項を机に出し、「総合型」「併願」「辞退」「取り下げ」に触れた行に線を引きます。一本も引けなかったら、その事実を面談で聞くことの一行目に書きます。
- 総合型選抜の募集要項から、「専願」の語があるかないかと、最終の結果の日、入学手続の締め切りを写します。一次の結果の日は、最終の結果とは別の行にします。
- 指定校の側は、校内選考の申込の締め切りを校内の推薦の要項から、大学への出願の時期を高校に届いた大学の書類から写します。書類は進路の先生に見せてもらい、まだ日付が決まっていなければ「いつ決まるか」を写します。
- 四つの日付を、早い順に一枚の紙へ並べ直します。図2の左の欄がその四つです。
- 家で、指定校で受かったらその大学に行く、と本人が声に出して言ってみます。保護者の方は、お子さまがその一言を迷わず言えるかを、口を挟まずに聞いてください。
- その紙を持って、担任か進路の先生との面談に行きます。

図2のように、四つの日付には、それぞれ載っている書類が決まっています。右の欄の書類を開き、真ん中の空いた欄に日付を写す。それだけの作業ですが、写し終えると、自分がどちらの並びにいるかが見えます。
たとえば、総合型で受けるX大学の募集要項では、最終の結果の発表が、指定校で考えているY大学の出願の締め切りより後に書かれていたとします。この並びだと、Y大学に出願した時点で、受かったら入学するという約束が先に成り立ち、X大学の結果はその後に届きます。Y大学に受かれば、X大学の結果がどうであれ、行き先はY大学です。X大学に出願したことの意味は、Y大学に出願した瞬間に小さくなります。
逆に、X大学の最終の結果がY大学の出願より前に出る並びなら、X大学の結果を見てから、Y大学へ進むかを考える余地が生まれます。ただし、その余地を使ってよいか、つまり校内選考を通った後に大学への出願を見送れるかは、高校が決めることです。余地があるように見えても、高校の決まりがそれを閉じていることがある。だから並べた紙は、自分の頭の中で完結させず、面談の机の上で先生と一緒に読みます。
入学手続の締め切りを紙に入れるのは、お金を納める日が、約束の前に来るか後に来るかを、家族で先に見ておくためです。X大学の手続きの締め切りがY大学の結果より前にあるなら、X大学に納めるかどうかを、Y大学の結果を知らないまま決めることになります。保護者の方にとっては、ここが家計の上での分かれ目です。
「両方出しておけば安全」が崩れる三つの場所
一つ目は、「指定校は滑り止めにできる」という思い込みです。滑り止めは、ほかが全部だめだったときの行き先として押さえておく出願です。指定校推薦は向きが逆で、受かった時点で行き先が決まり、ほかの結果を待つ余地を自分から手放す出願です。押さえておくつもりで出すと、押さえられるのは自分のほうになります。
二つ目は、「総合型に受かったら、指定校は後から断ればいい」という思い込みです。塾の指定校推薦の案内でもお伝えしているとおり、校内選考を通っても、大学に出願した後で辞退することは原則できません。校内選考を通ってから出願するまでの間に取り下げられるかは、高校の決まりで、聞くまでわかりません。そして枠に限りがある以上、あなたが通った席は、同じ学科を望んだほかの生徒が座れたかもしれない席です。断る前提で申し込むのは、その席を空のまま預かることになります。
三つ目は、「国の決まりで併願はできない」あるいは「国が認めているから高校も止められない」という思い込みです。どちらも要項には書かれていません。先に見たとおり、令和9年度の要項とQ&Aには「併願」という語そのものが出てこない。止めるのも認めるのも、高校と大学です。検索で見かけた体験談の「うちの高校ではできた」は、その人の高校の答えで、あなたの高校の答えではありません。

図3のように、分かれ道は大きく二つです。最初の分かれ道は、高校が両方に出すことを認めるかどうかです。認めないなら、どちらかに絞ります。認めるなら、次の分かれ道で、総合型の最終結果が指定校の出願より先に出るかを見ます。先に出るなら、結果を見てから決められます。後に出るなら、結果より先に約束が来ます。その場合は、指定校に出願すると決めた時点で、総合型のほうは「受かっても行かないかもしれない出願」になることを、受け入れられるかどうかで決めてください。
高校の先生に確かめる質問
聞く順番にも意味があります。上から順に聞いていけば、答えがそのまま図3の分かれ道を埋めていきます。紙に写して面談の机に置き、答えはその場で日付と一緒に書き込みます。
- 総合型選抜に出願している生徒、またはこれから出願する生徒が、校内選考に申し込めますか。申し込むときに、総合型の出願先を届け出る必要はありますか。
- 校内選考を通った後で、総合型選抜に新しく出願できますか。
- 校内選考を通った後、大学に出願する前に推薦を取り下げたいと申し出たら、どう扱われますか。申し出られるのはいつまでですか。
- 総合型の最終結果が指定校の出願の締め切りより後に出る場合、どちらを優先するように指導されていますか。
- 校内の申込で、指定校の希望を二つ以上書けますか。書けるなら、推薦が出るのは一人いくつまでですか。
- 指定校の大学の出願の締め切り、試験の日、発表の日は、いつ、どの書類で生徒に知らされますか。
- 指定校で受かった後、総合型で受けていた大学への取り下げの連絡などについて、高校に決まりはありますか。
- 指定校を希望する生徒が共通テストにも出願しておくことについて、高校としての方針はありますか。
個別指導で確かめること
塾では、校内の推薦の要項と二つの大学の募集要項を机に並べ、図2の四つの日付を一緒に写します。一人で写すと、自分に都合のよい並びの日付から目に入るので、写した日付は元の書類と一行ずつ照らします。そのうえで、総合型の志望理由書と指定校の校内用の書類を読み比べ、二つの大学を選んだ理由がそれぞれ自分の言葉で説明できるかを、面接の受け答えの形で確かめます。
まとめ
総合型と指定校のあいだで揺れる9月に、背中を押すのは勇気でも情報の量でもありません。四つの日付を早い順に写した一枚の紙です。併願できるかという問いは、その紙の上では、約束をいつ差し出すかという問いに変わります。受かったら入学すると約束する日が、総合型の結果より前にあるのか後にあるのか、その一点を見てから、ペンを申込書に下ろしてください。
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