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都立の志願変更—取り下げと再提出の2日間と、変更の後の倍率の見方|武蔵野個別指導塾

取下げは2月10日(水)午後3時まで、出し直しは12日(金)正午まで。封をしたままの調査書、元の学科へ戻れない決まり、取下げ人員と再提出人員から最終応募倍率を読む計算まで、2日間の動きを順に追います。
都立高校の志願変更は、学力検査で選ぶ全日制の入試と一部の昼夜間定時制の入試で、1回だけできます。第一次募集では、2月10日(水)に出願した学校で入学願書を取り下げ、2月12日(金)に移る先の学校へ出し直します。推薦は、出願した後に学校を変えられません。全日制に出した人が出し直せる先は全日制だけで、取り下げた学校の同じ学科には戻れません。
| 動き | 第一次募集(全日制) | 第二次募集(全日制) |
|---|---|---|
| 応募人員が都教委のサイトに載る | 2月8日(月)夜 | 3月4日(木)夜 |
| 入学願書の取下げ(出願した学校で) | 2月10日(水)午前9時〜午後3時 | 3月5日(金)午前9時〜午後3時 |
| 入学願書の再提出(移る先の学校で) | 2月12日(金)午前9時〜正午 | 3月8日(月)午前9時〜正午 |
| 志願変更の後の最終応募人員が載る | 2月12日(金)夜 | 3月8日(月)夜 |
| 学力検査 | 2月21日(日) | 3月9日(火) |
よくあるのは、2月8日の夜に出た応募倍率を、次の日の夕方に台所のテーブルでもう一度開き、そのまま黙り込んでしまう場面です。志望校の数字は思っていたより高く、母親が「取り下げるなら、あしたの午後3時までなんでしょう」と声をかけても、返事がありません。黙っているのは、決められないからだけではありません。取り下げた時点で、その学校のその学科へは出し直せなくなる。その重さを、本人がもう知っているからです。
2月8日の夜から12日の正午まで—志願変更の日付と、間に挟まる祝日
令和9年度の第一次募集は、出願サイトへの入力が2月4日(木)午後5時に締め切られ、書類も同じ日までに学校へ届いた分で応募がそろいます。その数を都教委がまとめ、学校ごとの応募人員と応募倍率をサイトに載せるのが、2月8日(月)の夜です。
取下げの受付は2月10日(水)の午前9時から午後3時まで、出し直しの受付は2月12日(金)の午前9時から正午までです。間の11日(木)は建国記念の日で、祝日にあたります。倍率を見てから取下げの締め切りまで、平日は9日(火)と10日の日中しかありません。中学校の先生に相談し、保護者が書類に名前を書き、中学校長の確認をもらう。その段取りを、実質1日半でこなすことになります。
12日の夜には、取下げと出し直しを反映した最終応募人員が載ります。移った先の倍率がわかるのは、ここが初めてです。出し直しの受付が閉まってから数字が出るので、最終の倍率を見て、もう一度動くことはできません。都教委の令和9年度の実施要綱は、志願変更を1回に限っています。
図1のように、12日の正午から学力検査の2月21日(日)までは9日です。移る先が、それまでと違う種類の問題を出す学校なら、この9日で過去の問題の解き方を切り替えることになります。

第二次募集にも同じ仕組みがあります。3月4日(木)の夜に応募人員が載り、5日(金)に取下げ、8日(月)に出し直し、その夜に最終応募人員が載ります。第二次では、出し直した次の日の3月9日(火)が学力検査です。考える時間も、頭を切り替える時間も、第一次よりさらに短くなります。2月のうちに第二次の流れまで頭に入れておくと、3月に慌てずに済みます。
変えられるのは全日制から全日制へ—推薦と、戻れない学科の決まり
推薦は対象外です。都教委の募集案内のQ&Aは、推薦に基づく入試について、出願の後に志望校を変えることは「一切できません」と書いています。一般推薦も文化・スポーツ等特別推薦も同じで、1校1コース(1科)に出した時点で行き先が決まります。
学力検査の入試でも、出し直せる先には枠があります。都教委の「都立高等学校入学願書再提出先一覧」では、全日制に出願した人が出し直せるのは全日制だけで、定時制へは移れません。逆向きは一部だけ認められていて、チャレンジスクールや、一橋・浅草・荻窪・八王子拓真・砂川の昼夜間定時制に出した人は、全日制へ移れます。それ以外の定時制と通信制は、出願した後に学校を変えられません。第一次の検査日に学校感染症などで受けられず、追検査に出願した人も、志願変更はできません。
いちばん読み違えやすいのは、同じ学校の中の動きです。実施要綱は、同じ学校に普通科とコース、農業の学科と家庭の学科のように別の学科がある場合、それぞれを別の学科として扱います。だから、普通科に出した後で、同じ学校の外国語コースへ移ることはできます。けれども、同じ学科の中の科どうしで第1志望を入れ替えることはできず、書類を返してもらったそのコースや科へ出し直すこともできません。
つまり、第一次の取下げは「様子を見るために、いったん引いておく」手段になりません。普通科だけの学校で取り下げれば、その学校へ戻る道はなくなります。第二次募集はさらに厳しく、書類の返却を受けた都立高校そのものへは、学科を変えても出し直せません。どちらの募集でも、引き返せるのは取下げの窓口に書類を出す前までです。
2月10日と12日の手続き—志願変更願、封をしたままの調査書、新しい自己PRカード
取下げの日に出すのは、志願変更願という1枚の紙です。様式には、志願者の氏名と、保護者の住所と自署の氏名、それに中学校長が確認する欄があります。都内の中学校に通う人は、中学校長の確認を受けてから、出願した都立高校の校長あてに出します。様式をどこで受け取るか、いつ校長の確認をもらうかは、中学校の進路の先生に確かめてください。
窓口では本人確認があります。生徒本人が出すなら、生徒手帳などを見せます。保護者が出すときは、保護者の本人確認ができるものと、親子の関係を示すもの(住民票の写しなど)が要ります。受理されると、出願の書類と、中学校から届いていた調査書などが返されます。調査書は封をした状態で返ってきます。出し直しで求められるのは封をしたままの調査書なので、家で開けてはいけません。折れたり濡れたりしないよう、A4が平らに入るクリアファイルを持っていくと落ち着いて受け取れます。
書類を受け取った学校は、都立高校用の管理サイトで出願の情報を取り下げます。そのあと、決められた期間に、志願者が出願サイトで移る先の学校の情報を入力します。入力できる時間は、中学校と出願サイトの案内で確かめます。返された書類には移る先の高校名などを書き入れ、12日の正午までに、封をしたままの調査書と一緒に移る先の学校へ持っていきます。受検票は、出願サイトの上で新しく受け取ります。やむを得ない事情でインターネットの出願をしなかった人は、志願変更も紙で行い、入学願書と受検票も返されます。第二次募集の志願変更では、取下げのときに受検票も一緒に出し、出し直した学校で新しい受検票の交付を受けます。
移る先が面接をする学校なら、自己PRカードも新しく作ります。参考にするのは、移る先の学校が示す「本校の期待する生徒の姿」です。元の学校に合わせて書いたカードを写すのではなく、移る先の言葉で志望理由を組み直します。10日と12日の間の11日は祝日なので、第2案の学校のカードは1月のうちに下書きまで済ませておくのが現実的です。
費用の面では、実施要綱の志願変更の手続きの中で支払いに触れているのは、チャレンジスクールなど一部の定時制から全日制へ移る人が、入学考査料の差額1,250円を移る先の窓口で現金で納める決まりだけです。全日制どうしで移る人について、要綱の手続きに新しい支払いの段は書かれていません。図2は、第一次の手続きを順に並べたものです。

取下げ人員と再提出人員から、最終応募倍率を読む
2月12日の夜に載る数字は、2月8日の数字に二つの動きを足し引きした結果です。取下げ人員は、その学校から書類を引き取って出ていった人の数です。再提出人員は、ほかの学校から書類を持って入ってきた人の数です。
たとえば、募集人員190人の学校に、締め切りの時点で266人が出願していたとします。応募倍率は266÷190で1.40です。この学校から15人が取り下げ、ほかの学校から8人が移ってくると、最終応募人員は266人から15人を引いて8人を足した259人です。最終応募倍率は259÷190で、約1.36です。図3は、この動きを人数の棒で描いたものです。点線の高さが募集人員で、棒がその何倍あるかが倍率です。

気をつけたいのは、学校ごとの表で見える数です。令和8年度の公表の形では、学校ごとの最終応募状況の表に並ぶのは、募集人員・最終応募人員・最終応募倍率の三つでした。取下げ人員と再提出人員は、学科の区分ごとにまとめた総括表のほうに載っていました。志望校の欄から読めるのは、差し引きで何人減ったか、増えたかまでです。図3の学校なら、266人が259人になった差の7人しか見えません。15人が出て8人が入ったのか、7人が出ただけなのかは、その欄からは区別できません。
逆向きの例も置いておきます。たとえば、募集人員230人で応募人員253人、応募倍率1.10の学校に、5人の取下げと24人の再提出があると、最終応募人員は272人、最終応募倍率は約1.18です。二つの例を並べると、高かった学校の数字が少し下がり、低めだった学校の数字が上がっています。人が高いほうから低いほうへ移れば、学校の間の差は縮まる向きに動きます。
最終応募倍率のあとにも、実際に受けた人の数をもとにした倍率が公表されますが、言葉の違いは倍率の読み方を扱う別の1本に譲ります。ここで押さえておきたいのは、最終応募倍率が、出し直しの受付が閉まった後の数字だということです。
変えるか変えないか—倍率の前に測っておく三つのこと
倍率は、何人があふれるかを教えてくれます。たとえば、全員が受検して、募集人員と同じ数が受かると単純に数えると、図3の学校では259人のうち69人が届かず、その割合は約27%です。逆向きの例の学校なら、272人のうち42人で約15%です。差ははっきりしています。けれども倍率は、自分があふれる側にいるかどうかについては何も言いません。決める材料は、倍率より先に三つあります。
一つ目は、自分の総合得点の見込みです。共通の問題を使い、7対3で選び、教科の配点に比重をかけない学校どうしで移るなら、総合得点を出す式は同じです。換算内申から出す調査書点も、ESAT-J の点も、移った先で増えも減りもしません。変わるのは、一緒に受ける相手の顔ぶれです。だから、過去の問題を時間どおりに解いた点で見込みを出し直し、志望校の目安との距離を先に確かめます。学校ごとの目安と照らすときは、塾のサイトの「都立高校の一覧」を使ってください。
二つ目は、移る先の検査の中身です。国語・数学・英語を自校で作る学校(日比谷・戸山・青山・西・八王子東・立川・国立・新宿・墨田川・国分寺)と、共通の問題を使う学校の間を移るなら、残り9日の演習を組み替えます。7対3と10対0の高い方を使う北園・武蔵野北・深沢へ移るとき、あるいはそこから出るときは、点の数え方そのものが変わります。都教委の募集案内は、特定の教科の配点に比重をかける傾斜配点の都立高校もあると書いているので、移る先がそうした学校かどうかも入試実施方法一覧で確かめます。面接があるかどうかは、自己PRカードを作り直すかどうかに直結します。
三つ目は、移った先も動くということです。たとえば2月8日の時点で、募集人員200人に応募人員214人、倍率1.07の学校があったとします。同じように「ここなら」と考えた30人が移ってきて、6人が出ていくと、最終応募人員は238人、倍率は1.19です。8日の夜に見た低い倍率は、12日の夜には同じ数字ではありません。しかも、その夜にはもう動けません。
三つを並べると、志願変更が力を持つのは、見込みの点が志望校の目安からはっきり離れていて、移る先の検査に9日で間に合うときです。倍率の数字だけを理由に動くと、移った先で同じような数字に出会うことがあります。
よくある質問
取り下げたあと、やはり元の学校に出し直せますか
第一次募集では、書類を返してもらった学校の同じ学科(同じコースや科)へは出し直せません。同じ学校でも、普通科から外国語コースのように学科が変わるなら出せます。第二次募集では、書類を返してもらった学校そのものへ出し直せません。やめるなら、取下げの窓口に志願変更願を出す前に決めます。
保護者だけで取下げの手続きに行けますか
志願変更願を出すのは保護者でもかまいません。その場合は、保護者自身の本人確認ができるものと、志願者との関係を示す住民票の写しなどを窓口で見せます。出し直しの日にだれが学校へ行くか、中学校の授業との兼ね合いをどうするかは、中学校の先生の指示に合わせてください。
応募倍率は志望校の掲示板で見られますか
見られません。応募の状況も志願変更の後の状況も、受付の期間が終わってから都教委のサイトに載り、各都立高校では掲示しません。第一次なら2月8日の夜と12日の夜、第二次なら3月4日の夜と8日の夜です。前の年の数字を探すときは、表の題にある年度の書き方を確かめてから読みます。
推薦に落ちて、第一次で別の学校に出すのも志願変更ですか
違います。推薦の不合格者が第一次募集に出すのは新しい出願で、学校を変える手続きは要りません。第一次に出した後で、さらに学校を変えたくなったときに使うのが、ここで扱っている取下げと再提出です。推薦の発表から第一次の締め切りまでの動き方は、推薦に落ちたときの手続きを扱う1本で書いています。
確かめる順番
いまの時期に決めておくことと、2月の1週間に確かめることを分けて並べます。
- 今週: 都教委の募集案内の「都立高等学校の入試の概要」にある志願変更の欄と、「都立高等学校入学願書再提出先一覧」を親子で読みます。全日制から出し直せる先と、戻れない学科の決まりをここで確かめます。
- 12月の三者面談まで: 第1志望のほかに「変えるならここ」という学校を1校決め、その学校が自校作成の問題か、面接をするか、10対0の方式を使うかを、募集案内の入試実施方法一覧で確かめます。
- 1月のうちに: その学校の「本校の期待する生徒の姿」を読み、自己PRカードの下書きを作っておきます。
- 2月8日(月)の夜: 都教委のサイトで応募状況を開きます。倍率の横に、自分の点の見込みを書いた紙を置いて見ます。
- 2月9日(火): 中学校の進路の先生に相談し、志願変更願の様式、中学校長の確認、窓口へ行く人を決めます。
- 2月10日(水)午後3時まで: 出願した学校で取り下げ、封をしたままの調査書を受け取ります。
- 2月12日(金)正午まで: 移る先の学校へ出し直し、出願サイトで新しい受検票を受け取ります。夜に最終応募倍率を見たら、あとは21日に向けた演習に戻ります。
個別指導で確かめること
志願変更を迷う生徒とは、2月8日の夜より前に、過去の問題を時間どおりに解いた点で総合得点の見込みを出し直します。移る先が自校作成の問題か共通の問題かで、12日から21日までの9日の演習の順番を組み替え、面接のある学校なら自己PRカードの下書きを一緒に読み直します。武蔵境の教室では、倍率を見た翌日に、本人が「変える理由」を自分の言葉で1行にできるかを確かめてから、書類の段取りに入ります。
まとめ
2月10日に窓口へ志願変更願を出した時点で、その学校のその学科への道は閉じます。12日の夜に載る最終応募倍率は、もう動けなくなってから届く数字で、移った先にだれが集まったかも、その夜まで見えません。だから、8日の夜に開いた倍率の横には、過去の問題で出し直した自分の点の見込みを置いてください。取り下げるかどうかを決めるのは、倍率ではなく、その紙に書いた数字です。
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