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集中できない日は勉強をやめていいか—やめる日の決め方と、それでも残す10分|武蔵野個別指導塾

夜10時に同じ行を4回読んでも入らないとき、眠気・気持ち・疲れのどれが原因かで閉じるかを決め、閉じる夜にも付箋と明日の1問を残す10分の割り方を、今夜そのまま使える順番で書いています。
勉強に集中できない日は、やめてかまいません。ただし、やめる前に理由を「眠い」「気持ちが乱れている」「疲れている」の三つに分けます。眠気で同じ行を何度も読み直しているなら閉じる。気持ちの乱れや疲れなら、手を替えて15分だけ試し、それでも進まなければ閉じる。明日が締め切りの提出物が残っている夜と、理由が「なんとなく嫌」なだけの夜は閉じない。これが線です。閉じる夜も、机を離れる前の10分は残します。止まった行に付箋を貼り、覚えたはずのことを5つ見ずに言い、明日の最初の1問をメモに書く10分です。熱っぽい、頭が痛いなど体調が悪い日は、この判断の外です。勉強は休み、家の人に伝えてください。
よくあるのは、夜10時、理科の教科書の同じ行を4回読んでも意味が入ってこず、時計の針だけが進んでいく場面です。机の端には、明日提出の数学のワークが2ページ残っています。もう少し粘れば読める気もするし、今日はもう無理な気もする。決められないまま教科書を開いておくうちに、10時40分になります。結局、理科もワークも中途半端なまま布団に入り、翌朝もまぶたが重い。問題は、勉強をやめるかどうかより、その40分の使い方にあります。
なぜそうなるのか
夜の机で手が止まる理由は、一つではありません。教室で中高生の話を聞いていると、集中できない夜には別々のものが混ざっていて、それを「集中できない」という一つの言葉でまとめてしまうことが、判断をいちばん難しくしています。
一つ目は、眠い、気持ちが乱れている、疲れている、の三つが、机の前では同じ姿に見えることです。どれも、目は文字の上にあるのにページが進みません。けれど中身は違います。眠いときは、目が行の上を滑り、気づくと同じ行の頭に戻っています。読んだばかりの行を声に出そうとしても、何も出てきません。気持ちが乱れているときは、文字は読めているのに、途中で昼間の友だちとのやり取りや、明日の発表のことが割り込んできます。疲れているときは、頭より先に手が重くなり、ノートに1行書くのにいつもの倍の時間がかかります。
図1のように、理由が違えば効く手も違います。眠気には、閉じて寝るのがいちばん早い。気持ちの乱れには、頭の中にあることを紙に出すと、勉強に戻れることがあります。疲れには、作業を軽いものに替えると、手がまた動くことがあります。三つを分けずに粘ると、眠気の夜に読み直しを重ね、疲れの夜にいちばん重い問題へ向かう、という逆の手を打ってしまいます。

二つ目は、やめるかどうかを決めないまま、机の前に座り続けてしまうことです。やめれば怠けたように感じ、続けても進まない。その間の時間は、勉強の時間でも休む時間でもありません。夜10時から10時40分まで教科書を開いたまま過ごせば、寝る時刻は40分遅れ、ページは1枚も進まず、翌朝も眠い。集中できない日に出る損の多くは、勉強をやめたことからではなく、決めずに座り続けたことから来ています。
三つ目は、やめる基準を、いちばん判断の鈍っている時刻に決めようとすることです。夜10時の自分は、眠く、疲れ、早く楽になりたい。その自分に「今日はやめていいか」を聞けば、答えはその場の気分で揺れます。昨日はすぐやめたのに今日は0時まで粘る、粘った翌日は全部投げ出す、という波が出るのはこのためです。線は、頭のはっきりしている昼のうちに引いておくほうが守れます。
四つ目は、やめるときに何も残さないことです。教科書を閉じて寝た翌日、机に座ってから「昨日どこまでやったっけ」とページをめくる。その数分のあいだに前の晩の止まった感じがよみがえり、また手が重くなります。やめる日に残すべきなのは、勉強の量ではなく、翌日の自分が迷わず始められる入口です。
今夜からの手順
ここからは、夜10時に手が止まったその場でやる順番です。全部で6段あり、今夜やるのは5段目まで、合わせて20分ほどで終わります。6段目は翌日の机でやります。
1. ペンを置いて、2分で理由を見分ける
まずペンを置き、教科書から目を上げます。立ち上がってコップ1杯の水を飲み、席に戻ったら、さっきの段落を1回だけ読みます。本を伏せて、書いてあったことを一文で口に出してみてください。言えなければ眠気の側です。言えるのに、読み進めるうちに別の場面が頭に浮かんでくるなら、気持ちの側。中身は頭に入るのに、ノートに書く手が遅い、座っているだけで背中が重い、今日は部活が長かった、体育で走った、という日は疲れの側です。
二つが重なっている夜もあります。そのときは、眠気があれば眠気を先に数えます。眠い頭には、ほかの二つの打つ手が効きにくいからです。見分けにかける時間は2分までにします。ここで考え込むと、見分けそのものが40分の座りっぱなしの入口になります。
2. 閉じてよい夜か、閉じない方がよい夜かを線に当てる
次に、前もって決めた線に当てます。閉じない方がよいのは、明日が締め切りの提出物が残っている夜、テストの前日で見直す範囲が決まっている夜、それに理由が三つのどれにも当たらず「なんとなく嫌」なだけの夜です。閉じてよいのは、眠気で同じ行を3回読み直しても入らない夜、今日やると決めた予定の大きいところがもう終わっている夜、気持ちや疲れの側で手を替えて15分試しても進まなかった夜です。
閉じない方がよい夜でも、残りを全部やる必要はありません。明日提出の数学のワークが2ページ残っているなら、その2ページだけに絞り、理科の教科書は明日に回します。眠気の夜に締め切りが重なったときも同じで、締め切りの物だけを仕上げ、ほかは閉じます。解けない問題に30分以上止まるくらいなら、印をつけて空けておき、翌朝か学校で先生に聞きます。空けたまま出してよいか、どこまで解いてあれば提出として扱われるかは、学校の決まりを確かめておきます。
気持ちの側なら、頭に浮かんでいることを紙の端に3行だけ書き出してから、15分戻ります。疲れの側なら、計算や長い文章を読むことをいったんやめ、丸つけ、英単語の確認、明日の時間割をそろえる、といった軽い作業に替えて15分。15分たっても同じなら、そこで閉じる側に移ります。
3. 閉じる前の10分を、三つに割って使う
閉じると決めたら、すぐに立たずに10分だけ使います。中身は図2のとおり、3分、4分、3分の三つの作業です。

最初の3分で、今日進んだところの終わりに鉛筆で印をつけ、止まった行に付箋を貼ります。同じ行を4回読んだ夜なら、その行です。次の4分で、今日覚えたはずのことを5つ、教科書を閉じたまま口で言います。理科なら今日の範囲の用語を5つ、英語なら今日出てきた単語を5つ。言えなかったものは、付箋の余白に書き足しておきます。最後の3分で、明日の最初の1問を決めてメモに書きます。「理科の教科書、付箋の行から太字の段落を2つ」「数学のワーク42ページの3番から」のように、ページと番号まで書くのがこつです。
この10分は、止まった問題の続きをする時間ではありません。眠気の夜に難しいところへもう一度向かえば、10分では終わらず、また30分座ることになります。三つの作業は、どれも頭をほとんど使わずに手が動くものにしてあります。
4. 引き継ぎのメモを4行で書く
明日の1問を書いた紙を、そのまま引き継ぎのメモにします。1行目に日付と閉じた時刻、2行目にどこまで進んだか、3行目に明日の最初の1問、4行目に閉じた理由を、眠い・気持ち・疲れのどれかで書きます。
4行目が、あとで効いてきます。メモが1〜2週間ぶんたまると、閉じた夜がどの曜日に多いか、どの理由が多いかが見えてきます。部活が長い火曜に疲れで閉じることが続いているなら、火曜の予定を最初から軽くすればよく、眠気が多いなら勉強を始める時刻を前にずらす、という直し方が選べます。メモは閉じた教科書の上に置くか、表紙の内側に挟みます。翌日、教科書を開けば最初に目に入る場所です。
5. 閉じたら、寝るまでの道を短くする
閉じてから寝るまでを、できるだけ短くします。机を離れたあとに画面を眺めはじめると、閉じた意味がなくなります。眠気で閉じたのに、そこから布団の中で1時間画面を見れば、明日の夜もまた同じ机で同じ行を読むことになります。教科書とメモを鞄の横にそろえ、明日の時間割を合わせ、歯をみがいて寝る。閉じた夜の勉強は、ここまでやって終わりです。
6. 翌日は、メモの1問から15分で昨日の続きを片づける
翌日、机に座ったら、予定表を見る前にメモの3行目を読みます。そこに書いた1問から始めて、最初の15分を昨日の続きに当てます。15分で片づかなくても、その日の予定に戻ります。残りは週末か、週の中の空いた時間にまとめて回せば足ります。前の日の分を一晩で全部取り返そうとすると、その夜がまた遅くなり、同じ行を何度も読む夜が続きます。
学年と時期で変わるところ
閉じる線と残す10分の形は同じでも、学年と時期によって動かすところがあります。
中1は、部活も定期テストも初めてで、自分がどのくらいで疲れるのかがまだ読めません。理由の見分けも、最初のうちは外れます。この時期は、理由より時刻で線を引くほうが守りやすく、たとえば10時半になったら、どの理由でも10分の作業に入る、と決めておきます。閉じるときは家の人に「今日はここで閉じる」と一言伝えてからにすると、こそこそやめた後ろめたさが残りません。
中2になると、部活で任される役目が増え、疲れの夜が特定の曜日に固まってきます。引き継ぎメモの4行目が役に立ちはじめるのは、たいていこの学年です。疲れで閉じる曜日がはっきりしたら、その曜日は最初から「10分の日」として予定に入れ、浮いた分をほかの曜日に少しずつ振り分けます。
中3と高3は、入試までの距離が見えてきて、閉じることそのものが怖くなる学年です。けれど、夜中の1時まで粘って翌日の授業をぼんやり過ごせば、その授業をもう一度自分で読み直す時間が要り、取り返す量はかえって増えます。入試の本番は昼の試験です。冬に近づくほど、夜遅くの粘りを減らし、夕方と朝に勉強の山を移していくほうが、本番の時間帯に頭を合わせやすくなります。
高校生は全体に課題の量が増え、締め切りの重なる夜が多くなります。閉じない方がよい夜が増えるぶん、締め切りのある物を前の日までに片づけ、夜10時の時点で「明日締め切り」が残っていない形をめざします。
時期で見ると、図3のように線が動きます。テストまで2週間以上あるふだんの時期は、三つの理由のどれでも、手を替えて試して進まなければ閉じてかまいません。残すのはいつもの10分です。テスト前の2週間は、閉じてよいのを眠気のときだけにし、疲れや気持ちの乱れの夜は閉じずに作業を軽くします。閉じる夜の10分も、最後の3分を「範囲のワークで間違えた問題を見直す」に替え、明日の1問は見直した問題のどれかにします。

長期休みは、一日を丸ごと閉じないことが線になります。朝から集中できない日は、午前のぶんだけで区切り、昼ごはんのあとに同じ予定を始め直します。夜まで丸ごと閉じるのは、午後にもう一度試して同じだったときに限ります。休みの日は時間がたっぷりあるぶん、一度閉じた日をそのまま夜まで流しやすいからです。
よくある失敗と直し方
閉じると決めたのに、教科書を開いたまま座っている
線に当てて閉じると決めたのに、10分の作業に入れず、教科書を開いたまま20分、30分と過ぎていく失敗です。やめることへの後ろめたさと、「もう少しで入るかもしれない」という期待が、席を立たせません。直し方は、10分に入る前に、メモの1行目に閉じる時刻を書いてしまうことです。「22時15分に閉じる」と書いた紙が目の前にあれば、残りの10分は、終わりに向かう作業として進みます。時刻を書くのは、決めたことを夜の自分に覆させないための一手間です。
眠気を追い払う工夫を重ねて、夜中まで粘る
冷たい水で顔を洗う、立って読む、窓を開ける、と工夫を一つずつ試すうちに、気づけば0時を回っている失敗です。工夫が一瞬効くので、次の工夫も効くはずだと思ってしまいます。けれど工夫で開いた目は、次の段落に入るころにはまた重くなっていることが多いものです。直し方は、眠気を追い払う工夫を1回までと決めることです。手順の1段目で水を飲んで戻ったのがその1回で、それでも同じ行に戻るなら、もう工夫を足さずに10分の作業へ移ります。
閉じる夜が、週に何日も続く
気づくと、週の半分以上が閉じた夜になっている失敗です。見分けの2分を飛ばして、「眠い気がする」だけで閉じていることがあり、予定そのものが多すぎることもあります。直し方は、引き継ぎメモの4行目を1〜2週間ぶん並べて見ることです。同じ曜日に固まっていれば、その曜日の予定を減らします。毎晩眠気なら、始める時刻を30分前に動かします。理由の欄が空いている日が多ければ、見分けを飛ばしている合図なので、明日から2分の見分けを戻します。それでも眠気やだるさ、気持ちの沈みが何日も抜けないときは、勉強のやり方で解く話ではありません。家の人に話し、学校の先生や保健室、病院にも相談してください。
よくある質問
やる気が出ない時は、勉強をやらないほうがいいですか
やる気が出ないことと、集中できないことは別です。眠気も疲れも気持ちの乱れも無く、始めたくないだけの夜は、手順の2段目でいう「閉じない方がよい夜」に当たります。そういう夜は、量を決めずに始めるより、今夜の最初の1問をメモに書き、その1問だけ解いてみるほうが動きやすくなります。ただ、やる気の出ない夜が学期の途中から何週間も続いているなら、夜の過ごし方より、予定の中身が今の力に合っていないことを疑ってください。まだ解けない単元の問題を毎晩の予定に入れている、というような場合です。予定の難しさを一段下げると、閉じる夜も減ります。
集中できない日に、勉強する場所を変えるのは効きますか
三つの理由のうち、気持ちの乱れには効くことがあります。自分の部屋で昼間のことが頭をめぐるなら、家の人のいる部屋に移って15分だけやってみる価値はあります。眠気には、ほとんど効きません。明るい部屋に移ると少し目が覚めますが、移った先でも同じ行に戻るなら、移動のぶんだけ寝る時刻が遅れます。疲れの夜も、場所より作業を軽くするほうが先です。夜10時を過ぎてからの移動は、閉じる前の最後の1回だけにしておきます。
全く集中できず、10分の作業も無理な夜はどうしますか
10分の三つのうち、最後の「明日の1問を書く」だけを1分でやって閉じます。付箋もいりません。メモに「理科、教科書の続きから、付箋なし」と1行あれば、翌日の入口になります。全く集中できない夜がたまに来るのは、ふつうのことです。崩れるのは、その夜を何も残さずに終え、翌日も入口を探すところから始める、ということが何度も重なったときです。テストの前日にこの夜が来たら、明日の最初の教科の、間違えた問題を3つだけ見て寝てください。
保護者が手を貸すなら
夜10時を過ぎて、お子さまが教科書を開いたまま動いていないように見えるとき、「まだやってるの」「もう寝なさい」と結論を先に渡すと、閉じるかどうかを自分で決める機会がなくなります。かける言葉は「今日は閉じる日にする?」の一言で足ります。閉じると決めたら、それを責めず、「明日の最初はどこから?」とだけ聞いてください。メモの3行目をお子さまが口で言えれば、その夜は翌日につながっています。閉じた理由や、閉じた夜の数をこちらから数えて問いただすのは控えます。メモはお子さまのものです。見せてくれたときに、曜日の偏りを一緒に眺めるくらいが、ちょうどよい距離です。夜10時を過ぎてから部屋をのぞくより、夕食のあとに「今日は何時に閉じる予定?」と先に聞いておくほうが、本人の引いた線を守る手伝いになります。
個別指導で確かめること
授業では、引き継ぎメモの「止まった行」がどの単元に集まっているかを見ます。同じ単元で何度も止まっているなら、眠気や疲れより前に、その単元の一つ手前の内容でつまずいていることがあります。そこまで戻って教科書の例題を生徒と読み、どの行から意味がとれなくなるのかを確かめます。理由の欄が「眠い」ばかりなら、勉強を始める時刻と一晩の量の組み方を、授業のない曜日まで含めて見直します。
まとめ
同じ行を4回読んでも入らない夜10時には、粘るか閉じるかで迷う40分がいちばん高くつきます。迷う前に2分で見分け、閉じると決めたら10分だけ残して、布団に入ってください。4回読んで入らなかったあの一行に付箋を貼って閉じた夜は、怠けた夜ではなく、明日の最初の一行を決めた夜として数えられます。
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