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受験生の反抗期で勉強しない中3—志望校の話が言い争いで終わる家の立て直し方|武蔵野個別指導塾

「志望校どうするの」で戸が閉まる中3の家へ。食卓を離れて歩きながら話す、学校の資料と日程表を二人の間に置く、三者面談の前に聞くことを三つ書く。今夜から順に試せる立て直しの手順です。
志望校の話が毎回言い争いで終わる家で、先に変えるのは話の中身ではありません。話す時刻と場所、そして二人のあいだに置く物です。中3の子供が勉強しないまま秋を迎えると、「志望校は」という問いは、一言で答えられない自分を正面から見られる時間になります。だから戸が閉まる。今夜は追いかけず、明日の朝に「日曜の昼前に、進路の紙を一緒に見る時間を15分ちょうだい」と、日時だけを伝えてください。志望校を決めるのはお子さまで、親が用意するのは白い日程表と学校の資料と、話を終える時刻です。
よくあるのは、11月の夜、夕食の皿を片づけ終えた居間で「志望校どうするの」と聞いた途端、返事のかわりに部屋の戸が閉まる、という場面です。三者面談の案内は冷蔵庫に磁石で留めたまま、机の問題集は夏休みに開いた頁で止まっている。親は「今聞かなければ間に合わない」と焦り、子供は「今それを言わないでほしい」と身を固くする。閉まった一枚の戸の両側で、二人とも同じ日付に追われています。
戸が閉まるとき、中3の側で起きていること
高校受験の前の反抗期で勉強しない様子を、「反抗期だから」とひとまとめにすると、手の打ちようがなくなります。戸を閉めるのは、話を拒むためというより、その場をいちばん早く終わらせる手だからです。中身は家ごとに違いますが、塾で中3と話すとき、最初に確かめるのは次の四つです。どれか一つと決めつけず、お子さまの様子に近いものを探してください。
一つ目は、まだ決められないことを、決まっている前提で聞かれる苦しさです。「どうするの」という問いは、答えが一つある形をしています。ところが11月の中3の頭の中には、行きたい学校、行けそうな学校、仲のいい友だちが受ける学校、親が喜びそうな学校が、順番のつかないまま並んでいることがあります。一言で返せない問いを食卓で出されると、残る手は黙るか言い返すか部屋へ戻るかくらいです。
二つ目は、勉強していないという自覚です。勉強が止まっていることは、本人がいちばんよく知っています。志望校の話は、その先で必ず「じゃあ今の勉強は」に行き着く。だから入口で戸を閉めます。言われる前に閉めるのは、言われたときの自分の返事が、本人にはもう見えているからです。
三つ目は、自分で決めたいという気持ちと、親の答えがもう決まっている気配とのぶつかり合いです。親が「ここがいい」と思う学校を胸に置いたまま「どうするの」と聞くと、問いの形をした説得に聞こえます。自分で選んだ手応えのない志望校は、机に向かう理由になりにくい。本人はそれを言葉にできないので、話し合いそのものを避けます。
四つ目は、話す形です。食卓は向かい合わせで逃げ場がなく、夜は一日の疲れが出る時刻です。正面から目を見て問われると、言葉がやさしくても取り調べの形に近づきます。同じ問いでも、横に並んで歩きながらなら短い返事が出ることがある。中身の前に、形が言い争いを呼んでいる家もあります。

図1のように、「志望校どうするの」という一つの問いの後ろに、四つの中身が重なっています。一つだけのこともあれば、四つ全部が同じ夜に重なることもあります。どれが近いかで手の打ち方は少し変わりますが、次の節の手順はどの場合にも使えるように組んであります。ただし、言い争いのたびに物に当たる、眠りや食事が崩れているといった様子があれば、手順より先に学校へ相談してください。
家でできる手順
立て直しは、志望校を決めるところからは始めません。話せる形を作り直すところから始めます。次の七つを、一週間から二週間かけて順に進めます。
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戸が閉まった夜は、追いかけない。戸を叩いて続きを言うと、閉めた戸が「やっぱり閉めて正しかった」ことになります。その夜は戸の外から「急に聞いたね。今度、時間を決めて話そう」とだけ言って離れます。返事はなくてかまいません。続きは日時を決めてから、と親の側が先に示すことが、次の話の土台になります。
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志望校の話を、食卓から外す。夕食の席では志望校の話をしない、と親が決めます。代わりに選ぶのは、疲れていない時刻と、横に並べる場所です。土日の昼前、駅やコンビニまでの往復、犬の散歩、車の助手席。歩きながらだと目を合わせ続けなくてよく、話の終わりが道の長さで自然に決まります。1回は15分から20分で切る、と最初に決めて伝えておくと、本人は長い説教が始まると身構えずに済みます。
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紙を二人のあいだに置く。話す日は、口だけで済ませず紙を用意します。用意するのは三つです。学校から配られた進路の資料や三者面談の案内、気になっている高校の学校案内や説明会の紙、そして11月から3月までの月の名前だけを書いた白い日程表(A4の紙1枚)。日程表には、親が先に二つだけ書き込んでおきます。一つは都立の推薦の検査がある2027年1月26日と27日、もう一つは一般の学力検査の2月21日です。私立の出願や試験の日は学校ごとに違うので、候補の学校の募集要項を本人に調べてもらいます。紙を置くと、二人の目は相手の顔ではなく紙の上に向きます。言い争いは「あなた」と「わたし」のあいだで起きますが、紙に書いた日付は誰のものでもありません。
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一回の話で決めるのは、一つだけ。紙を広げても、その日のうちに志望校を決めようとしないでください。決めるのは「次の説明会に行くかどうか」「学校案内を一冊だけ取り寄せるかどうか」のような、次の一歩だけです。決まったことは本人が日程表に書き込みます。親が書くと、そこからまた親の計画になります。
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勉強の話は、日程表から逆に数えて小さくする。紙の上に志望校の候補が少しでも出てきたら、そこで初めて勉強の話をします。日程表の次の日付を指して、「この日までに、やれそうなことを一つ書くとしたら何?」と聞きます。答えは小さくてかまいません。2学期の期末テストの範囲のワークを一周する、苦手な単元のプリントを1枚やり直す、候補の学校の過去問を1年分だけ眺めてみる。都立の調査書に載るのは中3の12月末の時点の成績なので、いまの授業と定期テストも、志望校の話の続きとして扱えます。
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三者面談の前に、家で「聞くことの紙」を作る。三者面談を、担任の前で親子が言い争う場にしないための準備です。面談の数日前に、先生に聞きたいことを本人と一緒に三つ紙に書きます。たとえば「候補の学校の説明会で、まだ間に合うのはどれか」「苦手な教科を今からやり直すなら、どこからか」「学校で過去の入試問題を借りられるか」。面談では本人が先に話し、親はあとから足す、と前もって決めておきます。帰り道で、面談で決まったことを一つだけ日程表に書き足せば、面談が家の話につながります。
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親が決めずにおくことと、手放さないことを分ける。親が決めずにおくのは、志望校の最後の一校、勉強のやり方、毎日机に向かう時刻です。親が手放さないのは、出願の締切、受験にかかる費用や通える距離といった家の事情、そして睡眠と食事です。家の事情は「この範囲の中なら、どこを選んでもいい」という枠として先に伝え、枠の中を選ぶのは本人に残します。

七つのうち中心になる四つを、図2にまとめました。食卓を離れることから面談の準備までを順に進めると、一回ごとの話が短くなり、次に話す日付が日程表に残ります。途中で戸がまた閉まったら、1に戻ってかまいません。戻るたびに、日程表には前の回に書いた日付が残っています。
言葉と場面の例
言いがちな言葉を、伝えたい中身はそのままに言い換えた例です。
- 「志望校、そろそろ決めないとまずいよ」→「決めるのはまだ先でいい。今は候補を三つ、紙に書くところまで」。「決めないと」は、遅れている責任を本人に渡す言葉です。決める日を先に置き、今日やることを小さくすると、答えが決まっていなくても手が動きます。
- 「このままじゃ、どこにも受からないよ」→「受かるかどうかは、私にはわからない。わかる人のところへ、一緒に聞きに行こう」。合否の見通しを親が言い切ると、本人には打ち消すことしか残りません。親がわからないと認めると、本人も見栄を張らずに済みます。聞きに行く相手は担任です。
- 「私は◯◯高校がいいと思う。あそこにしなさい」→「候補に一つだけ入れてほしい学校がある。選ぶのはあなたでいい」。親の案は、隠すほど透けて見えます。出すなら一つだけにして、選ぶ権利を言葉で本人に返します。
- 「いつになったら本気出すの」→「手伝えることがあったら、紙に書いて机に置いといて」。本気かどうかを問う言葉は気持ちの評価で、言い返すほか答え方がありません。口で頼みにくい時期でも、紙なら助けを求める道が残ります。
次は家での場面です。土曜の昼、親は駅前まで買い物に出るついでに、本人に荷物持ちを頼みます。持って出るのは説明会の紙1枚だけ。行きの道では志望校の名前を出さず、信号待ちで紙を見せて「これ、行ってみる?」とだけ聞きます。返事が「別に」でも、紙を本人に渡して話を終え、帰り道は昼ごはんの話をします。家に戻って、その紙が本人の机の上に移っていれば、それがその日の返事です。
もう一つは、本人の側から話が出た夜です。「友だちが◯◯高校を受けるって」と、本人が台所でぽつりと言った。ここで「あなたは?」と返すと、また正面からの問いになります。「そうなんだ。どんな学校なの」と、その学校の話を聞くだけにして、日程表の空いた欄を指で示す程度で止めます。話を広げすぎないことが、次も本人から話を出してもらう近道です。
やりがちな三つのずれ
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親が志望校を決めて、話し合いの形で伝える。本人には説得に聞こえ、決めたのが自分ではないので、勉強を始める理由になりません。受かっても落ちても「親が決めた学校」として残ります。直し方は、親の仕事を候補を並べるところまでにとどめることです。家の事情の枠を伝えたら、選ぶのは本人に残します。
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毎晩、食卓で聞く。確かめる回数が増えるほど、避ける回数も増え、やがて食卓そのものが避けられる場所になります。家族で食べる時間まで減ると、志望校どころか毎日の様子も見えなくなります。直し方は、志望校と勉強の話をする日を週に1回と決め、ほかの日の食卓では聞かないことです。
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模試の判定や点数を持ち出して責める。数字は過去の結果で、責める話は過去で終わります。本人が動けるのは、これから先の日付の上だけです。直し方は、話を日程表の次の日付から始め、数字は「次の一つ」を選ぶための材料として、本人と並んで見ることです。

図3のように、三つのずれはどれも、親が答えを先に持っていることから起きています。直し方の側に並ぶのは、親が答えを手放し、候補と日付と話す回数だけを持つ形です。どれか一つを直すだけでも、次の週の話は少し短く、少し静かになります。
よくある質問
反抗期が落ち着くまで、受験の話は待ったほうがいいですか
待ってよいのは、話しかける回数のほうです。出願の締切や三者面談の日は、反抗期が落ち着くのを待ってくれません。話す回数は減らしても、日程は親が持ち続けてください。「落ち着くまで一言も言わない」と決めると、短く話す練習の機会までなくなり、出願の直前にいちばん重い話を一度にすることになります。
高校受験を前に子供が勉強しないのは、もう間に合わないという合図ですか
11月に勉強が止まっていることだけでは、間に合うかどうかは決まりません。決まるのは、今の成績と、候補の学校の入試で求められるものを見比べたときです。その見比べは、成績の資料を持って担任と一緒にするのが確かです。家で親が「もう無理」と先に口にすると、見比べる前に本人が降りてしまいます。
私立の併願校は、いつまでに決めればいいですか
進め方も期限も学校ごとに違い、どの家にも当てはまる日付はありません。中学の担任と、候補の私立高校の募集要項や説明会で確かめてください。わかった期限は、本人に日程表へ書き込んでもらいます。期限が紙の上に見えていると、決める話を親が毎晩持ち出さずに済みます。
学校と相談先で確かめること
担任には、次のことをそのまま聞いてかまいません。
- 三者面談の日と、家で前もって用意しておくとよい物
- 志望校を絞る時期の目安と、学校の進路指導の進め方
- 成績の資料から見て、候補の学校それぞれに何が足りないか
- 私立の併願や推薦の相談は、いつまでに何を決めるか
- 授業中や休み時間の様子に、家と違うところがあるか
- 家で話がこじれたとき、学校で本人の話を聞いてくれる先生は誰か
図1の節の終わりに書いたような荒れ方が見えるときや、学校へ行きにくくなっているときは、勉強の話より先に担任やスクールカウンセラーへ相談してください。スクールカウンセラーが学校に来る曜日は、学校に確かめます。学校の外では、武蔵野市の教育支援センターや東京都教育相談センターが、子供と保護者の相談を受けています。武蔵野市の外に住んでいる場合は、住んでいる市の教育委員会の教育相談の窓口へ。体や心の不調が気になるときは、医療機関に相談してください。
個別指導で確かめること
1対1の授業では、志望校の話を講師の側から持ち出しません。最初に見るのは本人の答案です。解けなかった問題から中2、中1の単元へ一つずつ戻り、どこから積み直せば2学期の範囲に届くかを本人と確かめます。本人が日程表を持ってきたら、書かれた次の日付から逆に数えて、次の授業までにやる一つを本人の言葉で決めます。家で志望校の話がこじれている時期ほど、教室では勉強の話を淡々と続け、家に持ち帰る話を増やしすぎないようにしています。
まとめ
戸が閉まった夜に親が手元に残すのは、言い返す言葉ではなく、次に話す日時です。食卓を離れて横に並び、学校の資料と日程表を間に置き、一回に一つだけ決め、三者面談では本人に先に話してもらう。志望校の最後の一校だけは、はじめから親の手を離れたところに置いておく。日程表に一つずつ増えていく日付は、言い争いのかわりに親子が交わした返事です。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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