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TOEFL ITPとは—団体受験の形式と点数の見方|武蔵野個別指導塾

通知に載った310から677の点は、3つのセクションの点を足して10/3倍した数です。Level 1と2の差、CEFRの目安、iBTとの違いを図で確かめてください。
TOEFL ITP は、大学や高校、企業などが団体で実施する TOEFL です。個人では申し込めません。形と点の範囲は次の表のとおりです。
| 見るところ | Level 1 | Level 2 |
|---|---|---|
| 測る範囲 | 中級から上級 | 初級から中級 |
| 問題数と時間 | 140問・約115分 | 95問・約70分 |
| 総合点の範囲 | 310〜677 | 200〜500 |
| 点の有効期限 | テスト日から2年間 | テスト日から2年間 |
ETS が決めた合格点はありません。そして ITP の点は、公式の TOEFL スコアとしては認められません。募集要項が TOEFL iBT を指定しているなら、ITP の点では代わりになりません。
よくあるのは、大学のクラス分けの通知を開いた場面です。入学して間もない4月、ポータルの画面に「英語クラス分け TOEFL ITP」とあり、日時と教室が書いてある。申込の手順はどこにもありません。自分で何か手続きをするのか、何を測られるのか。数週間後に返ってきた紙には 480 という数字があり、高いのか低いのかもわかりません。通知の読み方と、その数字の読み方を順に見ていきます。
Level 1とLevel 2は、長さの違う試験です
ITP の 3 つのセクションは、どれも 4 択の選択式です。図1のように、Level 1 は聴解 35 分、文法 25 分、読解 55 分で約 115 分、Level 2 は 22 分、17 分、31 分で約 70 分です。問題数も 140 問と 95 問で差があります。Level 2 は時間を縮め、難しさを下げて作られていて、日本事務局の案内では Level 1 が CEFR の A2〜C1、Level 2 が A2〜B1 を測る位置づけです。

中身を見ます。Listening は北米で話される標準的な英語を聞くセクションで、音声は 1 度しか流れません。Level 1 は二人の短い会話、少し長めの会話、短い話の 3 パートです。Structure and Written Expression は文法の知識を測り、前半は空所に入る語句を選び、後半は文の中の下線部から誤りを選びます。Level 1 の公式の練習問題では、前半が 15 問、後半が 25 問です。Reading は大学の授業で扱うような題材を読みますが、その分野の専門知識は問われません。Level 2 では同じ位置のセクションが Reading and Vocabulary という名前になり、文章はやや平易です。
実施の形は紙とデジタルの 2 種類で、問題数と点の尺度は共通です。違うのは、デジタル版では試験が終わるとその場で点がわかること、追加で Speaking を付けられることです。Speaking は約 15 分で 4 問、点は 31〜68 で、総合点の 310〜677 とは別に示されます。紙の ITP には Speaking も Writing もありません。
もう 1 つ、時間の見積もりです。公式の案内は、注意事項の説明や解答用紙の配布と回収のために、試験時間のほかに 30 分ほどの余裕を見るよう実施団体に求めています。Level 1 なら教室にいる時間は 2 時間半近くになります。次の授業やアルバイトを、試験の終わりの時刻に直結させないでください。
総合点は3つの点から計算します
結果に載るのは、総合点とセクションごとの点です。セクションの点は正解数そのものではなく、正解数を換算した数です。試験の版ごとの難しさの差を調整するためで、公式の練習問題の例では、50 問の Listening で 28 問正解が 48〜49、40 問の Structure で 30 問正解が 56〜58 に換算されています。「何割取れたか」を点から逆算しても、当たりません。
総合点の出し方は公式に示されています。3 つの点を足して 10/3 をかけ、小数は近い整数に丸めます。Listening 50、Structure 54、Reading 53 なら、合計 157 で、157 × 10/3 = 523.33 なので 523 点です。Level 1 の範囲は Listening と Structure が 31〜68、Reading が 31〜67 なので、最高は 203 × 10/3 = 676.67 で 677、最低は 93 × 10/3 = 310 になります。上限が 677 という半端な数なのは、Reading の上限が 67 だからです。Level 2 は各セクションが 20〜50 で、総合点は 200〜500 です。
数字の意味をつかむには、ETS が公式に示す CEFR との対応を使います。あくまで目安ですが、これが手元の点を読むいちばん確かな物差しです。
| CEFR | Listening | Structure | Reading | 総合点 |
|---|---|---|---|---|
| C1 | 62 | 64 | 60 | 620 |
| B2 | 55 | 53 | 55 | 543 |
| B1 | 46 | 43 | 41 | 433 |
| A2 | 38 | 32 | 33 | 343 |

図2のように、B1 の 433 と A2 の 343 は Level 1 にも Level 2 にも載ります。一方、Level 2 の上限 500 は B2 の入口 543 に届きません。Level 2 で満点に近い点を取っても、B2 の力があるとは示せない仕組みです。
読む順番は総合点、次にセクションです。総合点が 543 あっても Listening が 50 なら、Listening は B2 の欄の 55 より下にいます。総合点は 3 つの点の平均を 10 倍した数なので、1 つの弱点を残りの 2 つが隠します。冒頭の 480 は B1 の欄の範囲ですが、どのセクションで稼ぎ、どのセクションで落としたかは、カードの 3 つの数字を見ないとわかりません。
大学では学内の物差しとして使われます
日本事務局の案内によれば、利用の目的で最も多いものの 1 つがクラス分けで、新年度の始めに実施する大学が多くあります。そのほかに挙げられている使い方は、授業や語学研修の前後で伸びを測ること、単位認定や成績評価の一部にすること、海外研修の選考、提携校との交換留学の提出スコア、大学院を含む入学試験の一部です。団体の都合で試験日と会場を決められるので、受ける側には掲示 1 枚で予定が決まって見えます。
ここで大事なのは、基準を決めるのが ETS ではなく各機関だという点です。何点でどのクラスに入るのか、何点で交換留学に出願できるのかは、大学ごとに違います。ETS の資料も、点を使うのは実施した機関であると書いています。480 が学年の上のほうなのか下のほうなのかは、その大学の中でしか決まりません。学部の履修案内と、国際交流の窓口の募集要項を読むのが近道です。
結果の流れも個人受験の試験とは違います。スコアはすべて実施団体に送られ、受験者は団体を通して控えを受け取ります。紙の試験は、テスト資材が日本事務局に届いた日から数えて 8 営業日目に発送されるので、手元に届く時期は学内の配り方で変わります。受験者用控えは薄紫色のカードで、紛失しても再発行されません。交換留学の出願が先に控えているなら、受け取った日に写真を残しておいてください。
TOEFL iBTとは測るものも尺度も違います
図3のように、ITP と iBT は名前が似ているだけで、申込も領域も点の尺度も別です。iBT は自分のアカウントから申し込み、会場か自宅のコンピューターで受けます。Reading、Listening、Writing、Speaking の 4 つで構成され、所要は約 2 時間です。

尺度には特に注意が要ります。2026 年 1 月 21 日以降の iBT は、4 つのセクションと総合点を 1〜6 の 0.5 刻みで示します。総合点は合計ではなく、4 つの平均を 0.5 刻みに丸めた値です。旧の 0〜120 は、移行の 2 年間に限って総合点だけが成績表に併記されます。公式の対照では、総合の 4 が旧の 72 以上、5 が旧の 95 以上にあたります。大学のページには 2 つの尺度が混ざっていることがあるので、基準がどちらの尺度で書かれているかは各校の案内で確かめてください。ITP の 310〜677 は、そのどちらとも別の数字です。
比べるなら CEFR の欄を経由するのが、公式の資料に沿った見方です。iBT の総合点で B2 にあたるのは 4 と 4.5、C1 にあたるのは 5 と 5.5 で、ITP Level 1 の B2 は 543、C1 は 620 からです。ただし同じ B2 の欄でも、測った範囲が違います。ITP には Writing がなく、Speaking は追加の選択です。日本事務局は ITP を iBT の準備に活用できると書いていますが、準備になるのは主に聞く、読む、文法の部分で、話す力と書く力は別に練習が要ります。
通知が届いたら、この順番で準備します
- 通知で Level、紙かデジタルか、日時と持ち物を確かめます。不明な点は所属先に尋ねてください。受験者個人からの問い合わせに日本事務局は答えません。
- ETS が公開しているサンプル問題で、3 つのセクションの形を見ます。指示文を読む時間も制限時間に含まれるので、指示の中身を先に知っているだけで解く時間が増えます。
- Structure の 2 つの形に慣れます。空所を埋める問題と誤りを探す問題では、目の動かし方が違うからです。
- 本番では全問に答えます。点は正解数から決まり、公式の説明にも、推測でもすべての問題に答えるほうが有利だと書かれています。
- 公式の練習問題の説明によれば、早く解き終えても次のセクションには進めず、見直せるのは今のセクションの問題です。守らないと不正とみなされ点が無効になります。余った時間は、今のセクションの見直しに使い切ってください。
Listening の練習は、同じ音声を何度も聞き流すより、1 度で聞いて答えてから確かめる形にします。本番の音声が 1 度しか流れない以上、聞き直せる環境だけで慣れると、試験の教室で初めて焦ることになるからです。
例題で確かめる
形式だけをまねて作った問題です。まず自分で解いてから解説を読んでください。例題 3 は記号の直後の語句が下線部にあたります。
例題 1 Level 1 で、Listening 46、Structure 52、Reading 53 でした。総合点はいくつですか。また、B2 の欄までいちばん遠いセクションはどれですか。
解説 合計は 151 で、151 × 10/3 = 503.33 なので総合点は 503 です。B1 の 433 以上、B2 の 543 未満なので、CEFR では B1 の範囲が目安になります。B2 の欄は Listening 55、Structure 53、Reading 55 なので、差は順に 9、1、2 です。いちばん遠いのは Listening で、次の学習の時間はここに多く割く根拠になります。総合点だけ見ていたら出てこない判断です。
例題 2 空所に入る語を選んでください。
The bridge, ( ) was built in 1890, still carries trains.
- what (B) which (C) where (D) it
解説 答えは (B) です。空所の直後は was built と動詞が続くので、空所には主語の働きをする語が要ります。コンマの前の The bridge を受けて主語になれる関係代名詞は which です。(A) の what は先行詞を持たず、(C) の where の後ろには主語と動詞がそろった形が来ます。(D) の it は主語になれますが、接続する語が無いまま文を 2 つつなぐことになり、文が成り立ちません。
例題 3 誤りを含む部分を 1 つ選んでください。
The (A) number of students (B) who study abroad (C) have grown (D) steadily.
解説 答えは (C) です。The number of の主語は number で単数なので、have grown ではなく has grown が正しい形です。直前の students や abroad に引かれて複数の動詞を選びたくなる位置に、誤りが置かれています。(A) の number of students、(B) の関係代名詞と動詞、(D) の副詞に問題はありません。主語と動詞の間が長い文では、修飾の部分を指で隠して読むと、主語の単複が見えます。
まちがえやすいところ
1 つめは、ITP の点を公式の TOEFL スコアとして書いてしまうことです。出願書類の「TOEFL」の欄に ITP の点を書いてよいかは、提出先が決めます。交換留学では認められていても、正規留学の出願では iBT を指定されることがあります。要項の中の試験の名前を、1 語ずつ読んでください。
2 つめは尺度の混同です。友人の「5 だった」と自分の「500 だった」を比べても意味がありません。前者は iBT の 1〜6、後者は ITP の数字かもしれません。古い資料に残る 0〜120 は、iBT の旧の尺度です。また日本事務局の案内によれば、ITP Level 1 は紙で実施されていた TOEFL PBT と問題数も点の範囲も同じです。古い案内の 3 桁の数字を見たら、どの試験の数字かをまず確かめてください。
3 つめは Level の読み違いです。Level 2 の 500 は上限で、それ以上の力があっても数字に現れません。Level 2 の結果を見て「もう B2 は超えた」と考えるのも、「まだ B1 止まりだ」と決めつけるのも早すぎます。上限に近い点の本当の高さは、Level 1 を受ける機会に測り直してはじめてわかります。
4 つめは「Written Expression」という名前です。書く試験に見えますが、文を書く問題は出ません。下線部の誤りを選ぶ選択式です。ここで点が高くても、英文を書く力の証明にはなりません。
5 つめは有効期限です。期限はテスト日から 2 年間で、カードを受け取った日からではありません。2 年を超えた点は報告も証明もされなくなります。1 年生の春のクラス分けの点を 3 年生の秋の出願に使おうとすると切れる計算です。提出先が別の期限を決めていれば、そちらに従ってください。
よくある質問
個人で受けることはできますか
できません。ITP は団体向けの試験で、個人や個人の集まりでは申込も受験もできないと公式に書かれています。受験の予定は、所属する大学や高校、会社に尋ねてください。料金の詳細も実施団体が日本事務局に問い合わせる形なので、自分の負担があるかどうかは通知か実施の担当で確かめます。
結果はいつわかりますか
デジタル版は試験が終わるとその場で点がわかります。紙の試験は、資材が日本事務局に届いた日から数えて 8 営業日目に発送され、宛先は団体です。実際に手元に届く日は実施団体の配り方によるので、通知か担当者に尋ねるのが確実です。
ITP の点から iBT の点を計算できますか
公式の案内で手がかりになるのは、CEFR との対応です。B2 の欄の 543 と iBT の 4 を「同じ点」として書類に書くことはできません。出願先が ITP の点を認めるかどうか、どの点を求めるかは、募集要項か窓口で確かめてください。
今週の進め方
今日、通知の Level と形式と日時を手帳に写します。明日、サンプル問題で Structure の 2 つの形を解き、週の後半に Listening と Reading を時間を計って 1 回ずつ解きます。外した文法の問題は、なぜ外したかを 1 行で書きます。個別指導では、主語と動詞の一致で落とすなら中学の三人称単数まで、関係代名詞で落とすなら文の骨格を取り出す練習まで戻って確かめます。結果が返ってきたら 3 つの数字を CEFR の表に並べ、次に時間を割くセクションを 1 つ決めてください。
まとめ
クラス分けの通知に載る 1 つの数字は、3 つの点と 1 つの尺度を縮めた物です。学内で読むなら CEFR の欄へ、外へ出すなら要項の試験名へ、必ず戻して読んでください。同じ 520 点でも、学内のクラスは決められ、iBT を指定した出願書類の欄は埋められません。
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