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教育ローン—国の教育ローンと銀行の違い、いつ申し込むか|武蔵野個別指導塾

奨学金は進学前に振り込まれません。入学金に間に合わせるなら、2026年11月時点で年4.60%固定の国の教育ローンは振込期限の2〜3か月前が動き始めの目安です。銀行の商品と比べる項目と200万円の返済額も載せています。
国の教育ローンは、日本政策金融公庫が扱う固定金利の融資です。銀行の教育ローンは、金利も条件も商品ごとに違います。どちらを選ぶにしても、動き始めるのは合格発表の後ではありません。お金が要る日の2〜3か月前が目安で、国の教育ローンは合格発表の前でも申し込めます。奨学金は進学前には振り込まれないので、入学金には間に合いません。
| 比べる点 | 国の教育ローン | 銀行のローンで確かめること |
|---|---|---|
| 金利 | 固定で年4.60%(2026年11月2日時点・保証料は別) | 固定か変動か、保証料を含むか |
| 借りられる額 | お子さま1人につき350万円まで(条件により450万円) | 上限額と使いみちの範囲 |
| 返す期間 | 20年以内。在学中は利息だけの返済も選べる | 最長の年数と在学中の扱い |
| 世帯年収の条件 | お子さま1人で790万円以内(事業所得者は所得600万円以内)。人数が増えると上がる | 年収や勤続年数の条件 |
| 申し込み | 1年中受付。合格発表の前でもできる | 審査と入金に要る日数 |
よくあるのは、合格発表の翌週、入学金の振込用紙を鞄に入れて銀行の窓口に座っている、という場面です。番号札を握って呼ばれるのを待ち、カウンターで教育ローンの話を切り出すと、必要な書類と審査の話が始まります。源泉徴収票は家のどこにしまったか。住民票はいつ取りに行けるか。頭の中では、用紙の隅に印刷された振込期限の日付だけが回っています。合格を喜ぶはずの週が、カレンダーを数える週に変わります。
国の教育ローンの中身を数字で読む
日本政策金融公庫の案内によると、国の教育ローンの金利は2026年11月2日時点で年4.60%の固定金利で、保証料は別です。見落としやすいのは、適用されるのが申し込んだ日ではなく、実際に借りる日の金利だという点です。定例の見直しは年2回、5月と11月の1日前後で、日本学生支援機構(JASSO)の案内に載っている2026年2月時点の金利は年3.55%でした。借りるまでは動くものとして見ておき、いったん借りれば完済まで変わらないと覚えておけば足ります。ここに書く数字はどれも2026年度時点のもので、金利も条件も変わるので、最新は窓口で確かめてください。
金利が0.4%低くなる世帯もあります。交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内の方、お子さまが3人以上で世帯年収500万円(所得356万円)以内の方で、2026年11月2日時点なら年4.20%です。自分の世帯が当たるかどうか迷うときは、教育ローンコールセンターに聞くのが早道です。
借りられる額は、お子さま1人につき350万円までです。自宅外通学、修業年限5年以上の大学(昼間部)、大学院、修業年限3か月以上の外国の教育施設への留学のどれかの資金なら、450万円まで広がります。枠はお子さまごとなので、上のお子さまが借りていても、下のお子さまには別に枠があります。対象の学校は、修業年限3か月以上で中学校卒業以上を対象とする学校で、高校、大学、短大、専修学校などが入ります。
世帯年収の上限は、扶養するお子さまの人数で変わります。給与所得者は年収で、事業所得者は所得で見ます。
| 扶養するお子さまの人数 | 世帯年収の上限 | 事業所得者の所得の上限 |
|---|---|---|
| 1人 | 790万円 | 600万円 |
| 2人 | 890万円 | 690万円 |
| 3人 | 990万円 | 790万円 |
| 4人 | 1,090万円 | 890万円 |
| 5人 | 1,190万円 | 990万円 |
お子さまが2人以内でも、上限が990万円(事業所得者は所得790万円)まで緩和される場合があります。勤続か営業の年数が3年未満、居住年数が1年未満、世帯の誰かが自宅外通学かその予定、申し込む方か配偶者の単身赴任、海外留学の資金、年収に占める借入金の返済の割合が30%超、親族の介護費用の負担、大規模な災害の被災の8つで、どれか1つに当たれば緩和の対象です。年収は原則として前年1年間の分を見ます。
使いみちは学費に限りません。入学金、授業料、施設設備費のほか、受験料、受験のための交通費と宿泊費、アパートの敷金や家賃、教科書代、教材費、通学費、パソコンの購入費、学生の国民年金保険料、修学旅行の費用などが案内に載っています。入学前に出ていくお金の多くが、ここに入ります。
銀行の教育ローンと比べるときの項目
銀行の教育ローンは、金融機関ごと、商品ごとに条件が違います。金利の一覧を眺めて低いものを選ぶだけでは、比べたことになりません。見出しの数字には保証料を含むものと含まないものがあり、固定と変動が混ざっているからです。確かめる項目は次のとおりです。
- 金利の型。固定か変動かを見ます。変動なら返済の途中で額が変わることがあるので、今の金利で出した返済額は約束された数字ではありません。
- 保証料。国の教育ローンの年4.60%に保証料は入っていません。教育資金融資保証基金を使う場合、保証料は融資金から一括で差し引かれるので、振り込まれる額は借りた額より少なくなります。連帯保証人を立てる方法もあります。銀行の商品では、保証料が金利に含まれているかを聞きます。
- 受け取り方。国の教育ローンは今後1年間に要る費用を対象に、まとめて受け取ります。枠の中から引き出す型の商品なら利息のかかり方が違うので、実際に使う額で計算を出してもらいます。
- 在学中の返済。国の教育ローンは在学中に元金を据え置き、利息だけを払う形を選べます。銀行の商品では、据え置きの有無と年数を確かめます。
- 申し込みの条件。年収の上限や下限、勤続年数、住んでいる地域、その金融機関との取引の有無を見ます。国の教育ローンの年収の上限を超える家庭にとっては、銀行の商品が現実の選択肢になります。
- 審査と入金の日数。振込期限に間に合わなければ、どれほど低い金利でも意味がありません。
- 繰上返済の手数料。国の教育ローンは手数料がかかりません(振込手数料は自己負担です)。銀行の商品では、一部を繰り上げるときと全部を繰り上げるときの両方を聞きます。
比べ方は1つです。同じ額、同じ年数で、保証料まで入れた返済総額を並べます。国の教育ローンは公庫の返済シミュレーションで保証料の目安まで見られるので、銀行にも同じ条件の試算を頼みます。200万円で10年、と条件を決めて2枚の紙を並べれば、金利が低く見えた商品が保証料を足して逆転していないかは、紙の上で決着します。総額の差がわずかなら、期限に間に合うほう、手続きの負担が軽いほうで選んで構いません。
奨学金との違いは、お金が入る日
貸与型の奨学金と教育ローンは、どちらも返すお金ですが、入る日と借りる人が違います。公庫の案内の比較によると、教育ローンの利用者は主に保護者で、1年分をまとめて受け取り、申し込みはいつでもできます。貸与型の奨学金の利用者は学生本人で、毎月定額を受け取り、決められた募集時期に学校を通じて申し込みます。
決定的なのは時期です。JASSOの案内は、進学前に奨学金が振り込まれることはないと明記しています。2027年度に進学する人向けの案内では、4月分の振込日は4月21日、5月分は5月16日で、進学届を出す時期によって初回が5月以降にずれると、4月分からまとめて振り込まれます。一方で入学金は、同じ案内によると国立大学の標準額で282,000円、私立大学の令和7年度の平均で240,365円で、進学前に払います。
図1は、入学金の期限が2月15日の学校を例に、順番を並べたものです。奨学金の初回振込まで、期限から2か月あまり開きます。この開きを埋めるのが、貯蓄か教育ローンです。

利息の条件は奨学金のほうが軽くできています。第一種は利子がなく、第二種は利子があるものの、利率は貸与の終了時に決まり、上限は年3.0%(増額した部分を除く)で、在学中は無利子です。数字だけを見れば、奨学金を先に考える順番になります。ただし奨学金は、卒業後にお子さま本人が返す借金です。JASSOの案内の4人世帯の目安では、給与所得者の世帯で第一種が803万円、第二種が1,250万円までで、世帯の構成で変わります。
落とし穴が1つあります。入学時特別増額貸与奨学金という、10万円から50万円までを10万円単位で選んで1回だけ振り込まれる制度です。名前に入学時とありますが、振り込まれるのは進学後です。しかも、国の教育ローンを申し込んだものの利用できなかった世帯向けの制度で(家計の収入が一定以下なら、その申し込みの手続きは省略できます)、国の教育ローンの融資を受けると使えません。両方を足して計算すると、春に穴があきます。
JASSOの案内は、進学前の資金の候補として、ほかに2つを挙げています。1つは市区町村の社会福祉協議会が窓口の教育支援資金で、市町村民税非課税程度の世帯を対象に、就学支度費50万円を無利子で貸します。もう1つは労働金庫のつなぎの融資で、入学時特別増額貸与奨学金の採用候補者が進学前に借り、進学後に振り込まれる増額分で一括返済します。
200万円を借りると、毎月いくら返すか
年4.60%で200万円を借り、毎月同じ額を返す計算です。図2のように、毎月の額は年数を延ばすほど下がり、利息の合計は増えます。

10年なら毎月20,824円で利息の合計は498,907円、15年なら毎月15,402円で772,410円、20年なら毎月12,761円で1,062,688円です。20年にすると毎月の額は10年の6割ほどに下がりますが、利息は2倍を超えます。保証料はここに入っていません。計算は1円単位で、公庫の試算は端数の扱いが違います。たとえば公庫の例では、100万円を10年で返すと毎月10,500円(119回払い)です。
年数を決めるときは、月の額と一緒に、返し終わるときの年齢を書きます。50歳で借りて20年なら、返し終わるのは70歳です。下のお子さまの学費と返済が重なる年も、ここで見えます。国の教育ローンは繰上返済の手数料がかからないので、毎月の額を無理のない水準に置いて、余裕のある年に繰り上げる組み方もできます。
在学中は利息だけ、という形も計算しておきます。200万円を10年で、うち4年を利息だけにすると、在学中は毎月7,667円、卒業後の6年間は毎月31,840円です。利息の合計は660,487円で、最初から元金も返す場合より161,580円増えます。学費と重なる4年間は軽くなり、その分が卒業後に回ります。
金利の動きも金額に出ます。同じ200万円を10年で返すとき、年3.55%なら毎月19,824円、年4.60%なら毎月20,824円で、毎月ちょうど1,000円、利息の合計で120,021円の差です。年4.20%なら毎月20,440円で、利息の合計は452,761円です。
もう1つ、4年分を一度に借りる計算にはなりません。国の教育ローンの対象は今後1年間に要る費用で、2年目以降の費用はあらためて申し込みます。残高と合わせて上限の内側なら追加で借りられますが、金利はそのときのものになるので、1年目の返済額に、2年目の借入を重ねた額まで見ておきます。
振込期限から逆算して申し込む
公庫の案内によると、申し込みは1年中受け付けていて、必要な時期の2〜3か月前が目安です。申し込みが終わってから審査結果の連絡まで10日前後、そこから入金までさらに10日前後かかります。10月から3月は入学シーズンで申し込みが多く、これより長くかかることがあります。合わせて20日前後というのは混んでいない時期の話だと読みます。
振込期限が2月15日の学校なら、2〜3か月前は11月15日から12月15日です。図1は、12月10日に申し込み、混む時期なので入金まで1か月かかった場合の例で、1月10日ごろの入金なら期限まで1か月あまり残ります。この余裕は、書類の不備で手続きが止まったときの保険です。合格発表の翌週に動き始めた家庭には、この余裕がありません。
合格を待たなくてよいことは、見落とされがちです。入学時の費用は合格発表の前に申し込めて、合格を確認できる書類は、申し込みのときには要らず、契約のときまでに出します。第二志望の学校へ進むことになっても、その学校が対象校なら、申込書を出し直さずに契約の手続きへ進めます。
手間がかかるのは書類です。要るのは、世帯全員の続柄入りの住民票の写し(本籍地と個人番号の記載がないもの)、本人確認書類、直近の源泉徴収票か確定申告書の控え、最近6か月分以上の支払いの状況がわかる通帳や領収書です。最後のものは住宅ローンか家賃に加えて、公共料金2種類以上が確かめられる必要があり、ここで探し物が始まります。自宅外通学の予定があるなら、賃貸借契約書や物件の明細も加わります。
申し込みはインターネットか郵送で、来店もできます。お金は申し込んだ方の名義の口座に振り込まれ、学校へ直接は送られないので、入学金の振り込みは家庭で行います。銀行の商品を使うなら、最初の相談で審査と入金の日数を聞き、同じように期限から逆算します。
よくある質問
合格する前に申し込むと、無駄になりませんか
国の教育ローンは、合格前の申し込みを最初から想定した手続きになっています。合格の書類は契約のときまでに出せばよく、進学先が第二志望に変わっても対象校なら続けられます。進学先がどこも決まらなかったときの扱いは公庫の質問集に載っていないので、申し込むときに教育ローンコールセンターで聞いておきます。
お子さま本人の名義で借りられますか
国の教育ローンの申し込みは、原則として保護者です。6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族が申し込む方になれる場合もあります。お子さま本人が借りる形になるのは奨学金の側なので、誰の名義で、誰が返すのかを、借りる前に親子で言葉にしておきます。
奨学金と教育ローンは両方使えますか
使えます。公庫の案内も、奨学金との併用ができると書いています。例外は先に触れた入学時特別増額貸与奨学金で、国の教育ローンの融資を受けると使えません。第二種と併用すると、利息のかかる借金が保護者とお子さまの両方に立つので、2人分の毎月の返済額を並べて見ます。
年収が上限を少し超えています
先に緩和の条件を確かめます。お子さまが2人以内なら、8つの条件のどれかに当たれば990万円まで上がります。それでも超えるなら国の教育ローンは使えないので、銀行の商品と貸与型の奨学金を調べます。奨学金の家計の基準は世帯の構成で変わるため、JASSOの進学資金シミュレーターで試算します。
確かめる順番
今週やることは5つで、順番は図3のとおりです。先に期限を書き出さないと、後の4つはどれも急ぐ理由がわからないまま止まります。

- 志望校と併願校の募集要項を開き、入学金と授業料の金額、納入期限を1校1行で書き出します。いちばん早い日付に印をつけ、3か月前と2か月前の日をカレンダーに書き込みます。
- 奨学金の状況を確かめます。高校で予約採用の手続きをしたか、入学時特別増額貸与奨学金を希望したかをお子さま本人に聞き、募集の時期は高校の担当の先生に確かめます。
- 進学前に出ていくお金を足し、貯蓄から出せる額を引いて、足りない額を出します。受験料、受験の交通費と宿泊費、下宿の敷金も忘れずに入れます。
- 前年の源泉徴収票か確定申告書の控えを出し、世帯年収の上限と金利が低くなる条件を公庫の案内で見ます。超えるなら、銀行の商品の条件を取り寄せます。
- 公庫の返済シミュレーションと銀行の試算を同じ額と同じ年数でそろえて比べ、書類を集めて申し込みます。
進路の話とつなげる
お金の話は、受験校の組み方と切り離せません。押さえの学校の入学金を払うのか、第一志望の発表を待つのか。その判断は納入期限の順番で決まり、受験校を1つ増やすごとに受験料が増え、場合によっては入学金の支払いも増えます。下宿が要る学校を受けるかどうかで、借りられる上限まで変わります。個別指導の進路面談で受けるのは、志望校と併願校の組み方と、納入期限を書き込んだ受験日程の整理までです。借りるかどうかと借りる額は、ご家庭で決めていただくものです。
まとめ
合格通知の封筒に振込用紙を見つけた時点で、申し込みの目安はもう過ぎています。国と銀行のどちらの負担が軽いかは、同じ額と同じ年数の試算を並べれば数字が決めますし、金利が動いても計算はやり直せます。過ぎた日付だけは取り戻せません。教育ローンの本当の締切は、合格発表の日ではなく、振込期限の2か月前にあります。
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