
武蔵野個別指導塾の特徴
連立方程式から行列と固有値へ 「同時に成り立つ」をまとめて扱う|武蔵野個別指導塾
加減法の計算を行列に書き換え、解が一つに決まる条件や固有値の意味までたどります。消した文字の先に残る情報を見直し、連立方程式の学習を次へつなげましょう。

連立方程式から行列と固有値へ 「同時に成り立つ」をまとめて扱う
文字を消したあとに何が残るのでしょうか
よくあるのは、部活帰りの教室で、連立方程式の片方を何倍するかはすぐ答えられるのに、「なぜ引いてよいのですか」と聞かれると鉛筆が止まるという場面です。計算の手順は覚えた。それでも、せっかく置いた文字を消すために式を書き換えるのは、遠回りに感じるかもしれません。
連立方程式で探しているのは、別々の式の答えではありません。すべての式を同時に成り立たせる、同じ文字の値の組です。文字を消すのは、その組を変えずに、条件を読み取りやすくするためです。この見方を持つと、加減法が単なる計算の工夫から、情報を整理する方法へ変わります。
その方法は、高校で扱う複数の条件を持つ問題にも、大学で学ぶ行列にも続いています。やがては「条件がいくつ独立にあるか」を調べたり、「変化させても同じ直線上にとどまる特別な方向」を探したりする道具になります。いまノートに書いている引き算の意味を確かめながら、その先まで歩いてみましょう。

中学では二つの条件を一つの組に集めます
多くの教科書では、中2で連立二元一次方程式を学びます。「二元」は未知数が二つ、「一次」は各項が文字の1乗までで、未知数同士の積を含まないことを表します。ここでは、二つの未知数を x、y とし、実数の範囲で考えます。次の二つの式を同時に満たす組を探しましょう。
x+y=7
2x+y=10
上の式だけなら、x=1、y=6 でも、x=2、y=5 でも成り立ちます。しかし、その組が下の式にも合うとは限りません。連立の意味は「上にも下にも合う」ということです。まず、下の式から上の式を引きます。左辺だけでなく右辺も引くと、y が消えます。
(2x+y)−(x+y)=10−7
x=3
これを上の式に代入すれば、3+y=7 なので y=4 です。求めた組は (x,y)=(3,4) です。最後に元の両方の式へ戻します。3+4=7、2×3+4=10 と確かめて、初めて二つの条件を満たしたと言えます。片方だけへの代入では、もう片方に合うかどうかが残ります。
ここで気をつけたいのは、引いて得た x=3 だけを答えの条件にしてはいけないことです。それだけでは y が決まりません。元の上の式を残し、下の式を「下から上を引いた式」に取り替えるので、情報を保てます。逆に x=3 と x+y=7 があれば、両辺を足して 2x+y=10 に戻せます。行き来できることが、解の組を変えない理由です。
同じ問題を代入法でも解いてみましょう。上の式を y=7−x と直し、下の式の y を置き換えます。
2x+(7−x)=10
x+7=10
したがって x=3、y=4 です。加減法では同じ量を引き、代入法では同じ量を置き換えています。見た目は違っても、二つの条件を使って未知数を一つに減らす点は共通です。どちらを選ぶか迷うときは、係数がそろっているか、ある文字について簡単に解けるかを見ます。
グラフで見ると、x+y=7 は y=7−x、2x+y=10 は y=10−2x という直線です。交点 (3,4) が両方の直線上にあることと、解の組が両方の式を満たすことは同じ内容です。計算で一組を探す作業と、図で交点を探す作業が重なります。
文章題では、ここへ単位と意味が加わります。x を個数と置いたなら、計算で出た値が個数として使えるかを最後に判断します。方程式を解く段階では実数として扱っても、問題が求める値には整数や正の数という条件がある場合があります。式の中での正しさと、もとの場面への適合を順に確かめる習慣を持っておきましょう。
高校から先へ進むと解の個数と整理の仕組みが見えます
理系の高校数学では、直線や平面、ベクトルなどを学ぶにつれて、複数の条件を同時に満たすものを探す場面が増えます。ここからはその考え方を行列へつなぐ橋も渡ります。行列をまとまって学ぶ時期は学習の進め方によって異なりますが、中学の加減法を理解していれば、その基本操作を読み始められます。
先ほどの式から、文字の係数と右辺だけを順序をそろえて取り出します。行列とは、数などを縦と横に並べたものです。横の並びを行、縦の並びを列と呼びます。次の表示では、セミコロンの前後がそれぞれの行です。
[1, 1 | 7; 2, 1 | 10]
縦線の左は x、y の係数、右は定数です。このように係数行列の右に定数の列を付けたものを拡大係数行列と呼びます。列の順番を決めておけば、x や y を毎回書かなくても式を復元できます。文字が増えるほど、同じ場所に同じ役割の数を並べる利点が大きくなります。
第2行から第1行の2倍を引くと、次の形になります。
[1, 1 | 7; 0, −1 | −4]
下の行は −y=−4、つまり y=4 を表します。上の行へ戻れば x=3 です。今度は x を先に消しましたが、答えは同じです。行列の書き方は、別の答えを出す新しい技ではなく、同じ加減法を整理して記録する仕組みです。
連立一次方程式では、解を変えずに行える操作が三つあります。二つの行を交換すること、一つの行全体を0でない数倍すること、一つの行に別の行の定数倍を加えることです。これらを行基本変形と呼びます。右辺を含めて操作するのが条件です。それぞれ逆の操作で戻せるため、変形前後で解の組が保たれます。
「0でない」という条件は読み飛ばせません。一つの式を0倍すると、どんな式も 0=0 になり、その式が持っていた条件を失います。一方、行を交換しても、二つの条件を同時に課す意味は変わりません。規則を覚えるときに、元へ戻せるかを自分で確かめると、許される操作の理由が見えてきます。
次は、式が二つあれば必ず解が一つになるのかを考えます。x+y=7 と 2x+2y=14 を並べ、下から上の2倍を引くと 0=0 になります。下の式は上の式の言い換えなので、新たな制約を加えていません。実数 t を自由に選び、x=t、y=7−t と置けば、すべて解です。解は無数にあります。
ところが、下の式だけを 2x+2y=15 に変えると、同じ操作で 0=1 が現れます。これはどの x、y を選んでも成り立ちません。したがって解はありません。グラフでは、前の場合は同じ直線が重なり、後の場合は異なる平行な直線になります。
この違いから、計算が途中で文字のない式に変わっても、失敗と決めつけないことが大事だとわかります。0=0 は、その行からは追加の条件が出ない合図です。0=1 は、条件同士が両立しない合図です。実数の連立一次方程式では、解は一つ、無数、または存在しないという形に分かれます。計算の目標に、値を出すことだけでなく、どの場合なのかを見極めることが加わります。

大学では条件の数と変化の方向を調べます
大学1〜2年で多くの理系学部が学ぶ線形代数では、行列を使って連立一次方程式やベクトルの変換を扱います。まず、独立な情報を数える言葉を準備しましょう。いくつかのベクトルが線形独立であるとは、それらを定数倍して足した結果が零ベクトルになるのが、すべての係数を0にした場合だけであることです。
行列の階数は、その列ベクトルから選べる線形独立なベクトルの最大本数です。行ベクトルについて同じように数えても同じ値になります。行基本変形によって階段状に整理したときの、0だけではない行の本数として求めることもできます。式の行数そのものと、有効な条件の数とを区別する道具です。
未知数の個数を n、係数行列を A、定数を並べた列を b として、連立一次方程式を Ax=b とまとめます。この x は、未知数すべてを並べた列ベクトルです。係数行列 A と拡大係数行列 [A|b] の階数が等しいとき、解が存在します。等しくなければ解はありません。解が存在して共通の階数が r なら、自由に選べる実数の個数は n−r です。
中学の例へ戻ると、x+y=7 と 2x+y=10 では両行列の階数が2で、未知数も2個なので解は一つです。下が 2x+2y=14 の場合は両方の階数が1で、自由に選べる数が一つ残ります。下が 2x+2y=15 なら、係数行列の階数は1、拡大係数行列は2です。「式が重複する」「式が矛盾する」という違いを、同じ基準で判定できます。
自由に選べる数が残るときも、「何も決まらない」という意味ではありません。x+y=7 なら、一方を選ぶと他方は決まります。自由さと制約が同時にあるのです。未知数が増えた場合にも、行基本変形で先頭の係数を持つ文字と、自由に値を選べる文字を分ければ、解の全体を表せます。階数は、その整理を終えたあとに残る制約を数えています。
さらに行列は、ベクトルを別のベクトルへ移す働きとしても読めます。例えば次の行列 A を考えます。
A=[2, 1; 1, 2]
A は成分が (x,y) のベクトルを (2x+y,x+2y) に移します。足し算と定数倍を保つこのような対応を線形写像と呼びます。一般に写像 T が線形であるとは、任意のベクトル u、v と実数 a、b に対し、T(au+bv)=aT(u)+bT(v) が成り立つことです。複数の入力を足してから動かしても、別々に動かして足しても一致します。
ここで、零ベクトルでない v が Av=λv を満たすとき、λ を A の固有値、v をその固有値に属する固有ベクトルと呼びます。今回の行列では、v=(1,1) を移すと (3,3) になり、固有値は3です。w=(1,−1) を移すと (1,−1) のままで、固有値は1です。一般には負の固有値なら向きが反転し、0なら零ベクトルへ移ります。
固有値の問題にも連立方程式が隠れています。恒等行列 I を、どのベクトルもそのままにする行列とすると、Av=λv は (A−λI)v=0 と書けます。問うているのは、この連立方程式が零ベクトル以外の解を持つ λ です。正方行列では、それは A−λI の階数が未知数の個数より小さくなる条件に当たります。解の個数を調べた考え方が、特別な方向を探すために再登場します。
今回の v と w は線形独立で、どの平面ベクトルもその定数倍の和に一通りに表せます。このような組を基底と呼びます。例えば (4,2)=3v+w なので、A を一度作用させれば 9v+w=(10,8) です。もう一度なら 27v+w=(28,26) です。元の x、y では成分が混ざりますが、v、w を基準にした成分では、それぞれ3倍、1倍になるだけです。
基底を変えるとは、対象のベクトルを別のものに取り替えることではありません。同じベクトルを、どの方向を基準にして記述するかを変えます。もとの横方向と縦方向で測った成分と、固有ベクトルを基準にした成分は違いますが、表している対象は同じです。だからこそ、新しい成分で計算してから元の成分へ戻すことができます。
このように基底を選び直して、行列を対角成分以外が0の対角行列で表すことを対角化と呼びます。正方行列が対角化できるのは、その空間の次元と同じ本数の線形独立な固有ベクトルを選べるときです。どの行列でもできるわけではありません。工学で結び付いた部分の振動を調べる際にも、固有ベクトルを使って運動の成分を分ける考え方が役立ちます。多くの量が影響し合う変化を、扱いやすい方向ごとに読み直すのです。
三つの段階をつなぐのは条件を保つ見方です
中学では、文字を消して一組の値を取り出しました。高校から先への橋では、式を並べ直し、解が決まる場合と決まらない場合を区別しました。大学では、その違いを階数という数で表し、固有値の問題にも同じ判定を使いました。変わらないのは、複数の条件を一度に満たすものを探すという姿勢です。
一方、何を答えとするかは広がります。最初は x と y の値でした。それが、解の集合全体の姿や、自由に選べる量の個数へ進みます。固有値の問題では、行列の中に λ という調べたい数を置き、どの値で零ベクトル以外の解が現れるかを問います。答えを出す手順そのものが、新たな問いを立てる道具になります。
ただし、行基本変形と対角化は目的が違います。行基本変形は、連立方程式の解を保ちながら式を整理します。対角化は、同じ線形写像を別の基底で表します。行基本変形をした行列が、もとの行列と同じ固有値を持つとは限りません。「行列を簡単にする」という言葉だけで二つを混ぜず、何を保つ操作なのかを意識すると、先の学習でも足場が安定します。
つながりを使った学び方
最初の手順は、解く前に「何と何を同時に満たすのか」を声に出すことです。文章題なら未知数の意味と単位を添え、計算問題なら二つの式を同じ x、y が満たすと確かめます。次に、消したい文字を選び、その係数がどうそろうかを書きます。いきなり答えへ進まず、操作の目的を短い言葉で置きます。
続いて、一回の変形につき一行を使い、どの式の何倍を足したのかを脇に記します。答えが出たら元のすべての式へ代入します。ここまでを終えてから、同じ問題を別の方法で解くか、直線の位置関係を考えます。加減法と代入法で同じ組に着くことを見れば、手順の違いと条件の共通性を分けて捉えられます。
さらに余裕があれば、右辺や係数を一つ変え、解がなくなる場合と無数になる場合を比べてください。文字が消えた行が 0=0 なのか、成り立たない等式なのかを読みます。高校生なら、同じ操作を拡大係数行列にも書き、式と数の配置を往復するとよいでしょう。大学の用語を先に暗記しなくても、階数を理解するための問いは今から持てます。
塾が担うのは、生徒が止まった行を見て、係数の計算、等式の操作、解の意味のどこに迷いがあるかを切り分けることです。武蔵野個別指導塾での学習でも、正答だけを確かめるのでなく、残した式から元の条件へ戻れるかを説明する時間を取りたいと考えています。理解の場所に合わせて、数値の計算と図の説明を選びます。
家庭で持っておきたいのは、すぐに方法を教える役割より、途中の説明を聞ける余白です。お子さまが手を止めたら、「今、どの文字を消そうとしているの」と目的を尋ねるだけでも、考えを言葉にする入口になります。毎回別解まで求める必要はありません。元の式へ戻して確かめた跡を、一緒に見られるとよいでしょう。
よくある質問
加減法と代入法は、どちらを優先すればよいですか
係数がそろっていれば加減法、ある文字が簡単に表せれば代入法を選びやすくなります。両方を毎回使う必要はありませんが、一度は同じ問題で比べ、どちらも条件を保ちながら未知数を減らしていると確かめましょう。
行列は文字を数字に置き換えただけですか
連立方程式の整理では、係数を一定の順番に並べるところから始まります。その先では、行列をベクトルの変換として扱います。同じ数の並びを、条件の表にも、量を動かす規則にも読めることが、行列の力につながります。
固有値を知るには難しい公式が必要ですか
まずは、行列で動かしたベクトルがもとの何倍になったかを確かめれば、定義に触れられます。すべての固有値を求める方法はその先で学びます。零ベクトルはどの倍率でも等式を満たしてしまうので、固有ベクトルから除く点も押さえておきましょう。
「何倍して引くか」がわかった次には、「何を保って引いたか」を一言添えてみてください。それだけで、答えのための途中式に、条件を整理した記録という意味が生まれます。今すぐ固有値まで解けなくても、中学の式から大学の考え方へ続く道は見えます。武蔵野個別指導塾が連立方程式の答案で見届けたいのは、答えに添えられた「両方の条件に戻って確かめた」という本人の説明です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



