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歴史総合のノートのまとめ方—日本と世界を同じ年代で並べる、見開きの作り方|武蔵野個別指導塾

左に世界、右に日本、左端に5年ごとの目盛り。1871年の廃藩置県とドイツ帝国の成立が同じ段に並ぶ見開きを授業の日の10〜15分で作り、考査前は1見開き5分で読み返す手順です。
歴史総合のノートのまとめ方は、見開きの左ページを世界、右ページを日本に分け、左端に5年ごとの目盛りを引いて、同じ頃の出来事を同じ高さの段に書くところから始めます。1つの見開きであつかうのは25年前後、1つの段に書く出来事は片側2つまでです。見開きの下には、左右を見比べて浮かんだ問いを1行だけ置きます。授業中は板書をいつもどおり写し、この見開きは授業のあった日に10〜15分で書き足してください。
よくあるのは、歴史総合の授業で日本の出来事とヨーロッパの出来事を別々のページに書き、同じ頃の話だと気づかなかったという場面です。高校1年のノートの前のほうに「1871年、廃藩置県」、ずっと後ろのページに「1871年、ドイツ帝国の成立」。どちらも自分の字で書いてあるのに、考査前の授業で先生に「この二つ、同じ年だよ」と言われるまで、隣に並べて考える話だとは思っていませんでした。年号は覚えていたのです。見比べる場所が、ノートのどこにも無かっただけでした。
なぜそうなるのか
歴史総合は、近現代の日本と世界を一つの流れの中で学ぶ科目です。文部科学省の高等学校学習指導要領では地理歴史の科目のひとつで、標準の単位数は2、地理総合と並んで高校生の全員が学ぶ科目と定められています。2022年4月1日以降に高校1年へ入学した生徒から始まったので、いまの高1から高3までは、みなこの科目を通る学年です。中身は「歴史の扉」「近代化と私たち」「国際秩序の変化や大衆化と私たち」「グローバル化と私たち」の4つ。学習指導要領の目標には、「世界とその中の日本」を互いに関わり合うものとして広く見ることや、いろいろな資料から歴史の情報を調べてまとめる力が挙げられています。科目の形がこれだけ変わっても、ノートの作り方は中学のころのまま、という高校1年を教室ではよく見かけます。理由は4つあります。
1つ目は、中学の歴史のノートが「日本の時代の順に1本の線」で書かれてきたことです。中学の歴史の授業は日本の時代の移り変わりを軸に進み、世界の出来事は、その背景として途中に差し込まれる形が中心でした。ノートも上から下へ、ページの順にそのまま時代が進めば困らなかったのです。歴史総合の授業は、ある時間はヨーロッパ、次の時間はアジア、その次は日本と、場所を移しながら同じ時期を何度も行き来します。1本の線のノートにこれを順に書き足すと、同じ年の話が何ページも離れた場所に散らばります。
2つ目は、板書がテーマごとにまとまっていることです。先生の黒板は「ヨーロッパの国民国家」「日本の近代国家づくり」のように、その時間のテーマで一枚の絵になっています。写す側もテーマが変わればページを変えるので、ノートの区切りはテーマの区切りになります。テーマで区切ったノートは、その時間の話を理解するには役に立ちます。けれども、ちがうテーマどうしで同じ年代を横に並べる仕組みがありません。図1の左のように、日本のページとヨーロッパのページの両方に1871と書いてあっても、ページをめくるうちに片方を忘れてしまいます。

3つ目は、資料の読み取りでページが埋まることです。歴史総合の授業では、グラフや写真、当時の文書を読んで考える時間が長くとられます。プリントを貼って読み取ったことを書き、班で話した中身まで足していくと、年号はページのすみに小さく残るだけです。目で探しても、もう見つかりません。
4つ目に、年号を「覚える数字」としてしか使っていないこともあります。単語カードのように1つずつ覚えた年号は、ほかの年号と比べる道具になりません。年号は本来、出来事どうしの前後と「同じ頃」を見るための目盛りです。図1の右のように、目盛りを先に引いた見開きなら、二つの1871年が同じ高さに並び、気づくのに記憶の力が要らなくなります。
今夜からの手順
授業のノートは、これまでどおり板書を写すために使います。そのうえで、同じノートを後ろのページから開き、年代をそろえる見開きを作ります。1冊の前と後ろを使えば、授業のページと見開きが同じ冊子に入り、片方だけ家に置き忘れることがありません。ノートの提出がある学校では、後ろのページを使ってよいかを先生の決まりで確かめ、だめなら薄いノートを1冊別に用意してください。
1. 見開きの左端に、5年ごとの目盛りを引く
後ろから開いた最初の見開きの、左ページの左端から指2本分ほど内側に、縦の線を1本引きます。この線の左が目盛りの欄です。上の端は1行あけて、左ページに「世界」、右ページに「日本」と書きます。その下を5つの段に分け、定規で見開きの端から端まで横線を通します。段の頭に1850、1855、1860、1865、1870と5年ずつ年を書けば、1つの見開きでおよそ25年をあつかえます。近代化の単元なら、1850年から1875年までで1つ、その前と後ろはそれぞれ別の見開きにします。
段の高さは同じでなくてかまいません。教科書の目次でその単元の年代を先に見て、出来事が詰まっていそうな段は線の間を広めにとります。変えないのは「1段で5年」という区切りのほうです。見開きごとに区切りを変えると、上下の位置で年代を比べられなくなります。最初の「歴史の扉」のように年代の順で進まない単元では、目盛りを引きません。授業で出た問いを書きとめるページにしておけば、後で見開きの問いの欄へ移せます。
2. 世界は左、日本は右に、同じ段へ書き込む
図2のように、1850の段の左ページに「1853 クリミア戦争が始まる」、右ページに「1853 ペリーが浦賀に来る」と書きます。1870の段なら、左に「1871 ドイツ帝国ができる」、右に「1871 廃藩置県」。1行の中身は「年・主語・何が起きたか」の3つにそろえ、行の終わりに授業のノートのページ番号を小さく添えます。この番号は見開きから授業のページへ戻るための道しるべで、これがあれば見開きに細かい説明を書かずに済みます。

1つの段に書く出来事は、片側2つまでにします。3つ目を書きたくなったら、教科書で太い字になっている物と、先生が授業で二度以上くり返した物を残し、あとは授業のページに任せます。2つまでに絞るのは、段の中で左右を一目で見比べられる量がそのくらいだからです。世界の欄にはヨーロッパだけでなく、アジアやアメリカの出来事も入ります。地域を色で分けると色ペンを持ちかえる手間が増えるので、黒1色のまま書き、どこの話かは主語の国の名前で読めるようにします。
世界を左に置くのは、世界の動きを先に見てから日本へ目を移す順番が、そのまま左から右へ読む順番になるからです。学習指導要領の「世界とその中の日本」という見方とも合います。日本を左にしてもノートとしては働きますが、1冊の中で左右を入れかえると、見開きをまたいで読むときに混乱します。決めた向きは最後の見開きまで変えないでください。
3. 資料は「名前・年・読めたこと」の1行にして段に置く
授業で配られた資料のプリントは、見開きには貼りません。貼るなら授業のページへ。見開きに書くのは1行だけで、中身は3つです。資料の名前(何のグラフか、何の写真か、だれが書いた文書か)と、その資料が何年のものかと、そこから読めたことです。グラフなら、縦の軸と横の軸が何を表しているかと、増えたのか減ったのか。写真なら、写っている物を3つ言葉にする。文書なら、下線を引いた一文を自分の言葉で言い直す。この1行を、資料の年に当たる段へ置きます。
資料の年と、関係する出来事の年がずれていることがあります。出来事より2つ下の段、つまり10年後の段に資料の行が来たら、そのずれ自体が「この資料は出来事の前の様子か、後の様子か」という問いの種になります。行の終わりには、教科書の何ページか、プリントの何番かを書いておきます。自分の言い直しと元の資料を、後で取り違えないための印です。
4. 見開きの下に、問いを1行だけ書く
見開きの下の端に3行分をあけ、横に線を引いて問いの欄にします。1行目に問い、残りの2行に自分の答えを書きます。問いは、左右を見比べたときに引っかかったことから作ります。1870の段を見て「同じ1871年に、日本とドイツではそれぞれ何が一つにまとめられたのか」。答えは教科書を見ながら自分の言葉で、「日本では藩をなくして県を置き、国が地方を直接治める形に変えた。ドイツではプロイセンを中心に多くの国がまとまり、一つの帝国になった」くらいの長さで足ります。
問いの形は、「なぜ」「どちらが先か」「同じ頃に何が違ったか」の3つを使い回せば困りません。答えがその日にわからない問いでも、書いてかまいません。答えの2行を空けたまま、次の授業で先生に聞くか、教科書の先のページで探します。1つの見開きに置く問いは1行だけです。2つ3つと書くと、見返すときにどれから考えるかで手が止まります。
5. 授業のあった日に、10〜15分で書き足す
書き足す順番も決めておきます。授業のノートを開き、その日に出てきた年号に鉛筆で下線を引く。見開きの当てはまる段に「年・主語・何が起きたか」を書き、ページ番号を添える。資料があれば1行にして段に置く。最後に、問いの欄がまだ空いていれば問いを1行。ここまでで10〜15分です。その日のうちに書くのは、板書の順番と先生の言い方を覚えているうちなら、どの段に置くかで迷わないからです。2日、3日とためると、授業のページを何度もめくり直す手間が増えます。15分を超えそうな日は問いを週末に回し、年と出来事の行だけをその日に済ませます。
学年と時期で変わるところ
中学3年のいまは、高校の歴史総合に入る前の準備の時期です。中学で年表の線と矢印を使ってノートを作ってきた人は、そのノートを捨てずに取っておいてください。「歴史のノートのまとめ方—中学生が年表の線と矢印で、出来事をつなぐページの作り方」の手順で作った見開きは、近代の日本の出来事を右ページに写すときの下書きになります。
歴史総合を何年生で学ぶかは、学校の教育課程によって違います。時間割に歴史総合がある学年では、ふだんは授業のあった日の10〜15分だけ見開きを書き足します。定期考査の前は、書き足しより読み返しに時間を回します。図3のように、まず左右のページを片側ずつ上から下へ縦に読み、それぞれの流れをたどる。次に同じ段を左から右へ横に読み、同じ頃に何が起きていたかを口に出す。最後に問いの欄の答えを手で隠し、問いだけを見て答えを言ってみる。1見開き5分で、この3つを順に回します。考査の時期と範囲は学校の予定表で確かめ、範囲に入る見開きだけを選びます。

夏や冬の長い休みには、見開きの空いた段を見直します。左右のどちらかが空いている段は、教科書の年表と見比べて、本当にその5年に何も無かったのか、授業で触れなかっただけなのかを確かめます。
歴史総合を学び終えた後の学年では、日本史探究か世界史探究を選ぶ人が出てきます。どちらも標準の単位数は3で、歴史総合を学んだ後に選ぶ科目です。共通テストでは『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』のように、歴史総合と組み合わせた科目で出題されます。ほかに、地理総合・歴史総合・公共の3つから2つを選んで解く『地理総合/歴史総合/公共』もあります。時間と配点は、どの科目も1つにつき60分で100点です。高2のいま見開きを作っている人にとっての本番は令和10年度の試験で、その本試験は2028年1月15日の土曜と16日の日曜に置かれています。大学入試センターの令和10年度の問題作成方針は、検討する問題の例に、教科書に載っていない資料から読み取れる情報を授業の知識と結びつける問題や、時代や地域をこえて一つのテーマを考える問題を挙げています。日本と世界を同じ段に並べた見開きは、この「地域をこえて」考える練習の土台になります。
いまの高3が受ける令和9年度の本試験は、2027年1月16日の土曜と17日の日曜です。この時期から見開きを1冊作り直す時間はありません。過去の問題を解いて間違えた問いだけを取り出し、問われた出来事の組を1つの見開きに書き出してください。過去の問題は、大学入試センターの過去3年分の試験問題の頁に、2026年11月8日の時点で令和6年度から8年度までの本試験と追・再試験が載っています。歴史総合が入っているのは、新しい教育課程の科目で出題が始まった令和7年度と8年度のほうで、令和6年度は前の教育課程の最後の年にあたります。
よくある失敗と直し方
1つ目の失敗は、最初の日に全部の単元の見開きを作ってしまうことです。目盛りと横線を何十ページ分も引き終えたところで満足してしまい、書き込みが授業に追いつきません。空欄の見開きが続くうちに、手が止まります。線を引く作業は進んだ感じがするので、つい先に済ませたくなるのです。直し方は、見開きを授業が進んだ分だけ1つずつ作ることです。次の見開きの線は、いまの見開きの最後の段が埋まった日に引けば間に合います。
2つ目は、行が年号だけになることです。「1871 ドイツ」「1871 廃藩」のように略して書き、1か月後に見ると、何が起きた行なのかを授業のページまで戻って確かめる羽目になります。急いでいる日ほど略したくなりますが、略した行は見返しのときの時間を食います。直し方は、手順の2で決めた「年・主語・何が起きたか」の3つを、どんなに急いでも崩さないことです。「1871 ドイツ帝国ができる」なら、略した行より数文字増えるだけです。
3つ目は、矢印の引きすぎです。同じ段にある左右の出来事を線で結び、片方が片方を起こしたかのように読んでしまう。1871年の廃藩置県とドイツ帝国の成立は、同じ年に起きたというだけで、片方がもう片方の原因になったわけではありません。並べると、つい一つの物語にしたくなります。同じ頃に起きたことと、一方が他方を引き起こしたことは別です。直し方は、矢印を引くのを、教科書か先生が「つながり」として説明した物だけに限ることです。それ以外は同じ段に並べて置くだけにし、気になるつながりは問いの欄に「関係はあるのか」と書いて、答えを教科書で探します。
よくある質問
高校生の歴史総合のノートは、どこまできれいに書けばいいですか
清書はいりません。見開きで大事なのは、同じ頃の出来事が同じ段にあるかどうかだけで、字の形や色は見返しの速さに関係しません。書き間違えたときは、消しゴムで消して書き直すより、線を1本引いて横に書き直すほうを勧めます。消した跡が残っていれば、どの段で年を取り違えたのかが後から見えて、同じ取り違えを考査の前に拾えます。見開きを最初から作り直したくなったら、それはやめどきの合図ではなく、書き込みすぎの合図です。片側2つまでに戻してください。
高校生の歴史総合の勉強法は、ノートを作るより問題を解くほうが先ですか
時期で入れかえます。考査の範囲が発表されるまでは、授業のあった日の見開きの書き足しを先にし、問題はその週に学校で配られた分だけで足ります。範囲が出たら書き足しを止め、問いの欄の答えを隠して言う練習と、学校の問題集の資料を使う問いに時間を回します。見開きは問題を解くための道具であって、作り終えることが勉強のゴールではありません。問題を解いて間違えた出来事が見開きのどの段にも無ければ、そこで初めて行を書き足します。
片側のページだけ出来事であふれます
単元によって、世界の側が多くなったり、日本の側が多くなったりするのは自然なことです。あふれた側は片側2つまでの決まりで絞り、反対側が空いていることのほうに目を向けてください。「この5年、日本では何が起きていたのか」を問いの欄に書き、教科書で探します。探しても見つからなければ、空欄のままでかまいません。空いた段は、その時期のその地域を授業であつかわなかったという記録です。考査の前に読み返したとき、空欄の多い見開きは、教科書のどこを読み足せばよいかを教えてくれます。
保護者が手を貸すなら
お子さまが見開きを作り始めたら、ノートの中身を毎日たしかめるより、ときどき「同じ段の反対側には何が書いてあるの」と一度だけ聞いてみてください。答えが合っているかどうかを確かめる必要はありません。左右を声に出してつなぐこと自体が、横に読む練習になります。「グローバル化と私たち」の単元に入ったら、家族の生まれた年や引っ越した年を、目盛りの横に一つ書いてもらうのも手です。教科書の出来事が、自分の家の時間と同じ物差しに乗ります。書くかどうかはお子さまに任せ、嫌がったら勧めないでください。ノートを見せてと頼むのも、お子さまが見せたいときだけにしておくと、見開きは本人の物のまま続きます。
個別指導で確かめること
見開きの同じ段に置いた二つの出来事を、教科書を閉じて生徒自身の言葉で説明できるかを確かめます。言えない段があれば、行の終わりのページ番号をたどって授業のページへ、さらに教科書の該当ページへと戻り、年と主語が合っているかから見直します。左右の片方が空いた段は、空いたままでよい段か、教科書に載っている出来事を落とした段かを一緒に見分け、落とした段なら授業のノートのどの日の話だったかまでさかのぼります。
まとめ
ノートの前と後ろに離れていた二つの1871年は、目盛りを引いた見開きの1870の段で左右に並びます。先生に言われるまで見えなかった「同じ年」が、自分で引いた横線の上では、書いたその日に目に入ります。並んだときに浮かぶ「同じ年に、日本とドイツでは何がまとめられたのか」という1行が、別々のページに書いていたころには持てなかった、歴史総合の考え方の入口になります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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