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勉強は無音と音楽のどちらが集中できるか—歌詞のある曲、生活の音、耳栓の使い分け|武蔵野個別指導塾

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サビで英単語が止まる夜に向けて、暗記・読解・計算・書き写しごとに無音と曲の向き不向きを分けました。生活の音の足し方、耳栓とイヤホンの役、最後の5分を無音で確かめる並べ方も載せています。

勉強に集中したいとき、無音か音楽かをどちらか一つに決めるより、作業ごとに音を切り替えるほうが崩れません。英単語や用語を覚える暗記と、長い文を読む読解は、無音か、言葉の入らない生活の音で進めます。計算と書き写しなら、歌のない曲を小さく流しても手は止まりにくい。好きな歌を気兼ねなく流せるのは、頭をあまり使わない書き写しの時間です。教室で勧めているのは、この線です。

よくあるのは、イヤホンで好きな曲を流しながら英単語を覚えていて、サビに入ったところで口ずさんでいた、という夜です。気がつくと、シャーペンは単語帳の横に転がり、口だけが歌詞を追っています。単語帳は同じ見開きのまま。曲が終わって我に返り、もう一度最初の単語から覚え直します。机に向かうまでは、たしかに曲が背中を押してくれました。困るのは、座ってからの30分のうち、英単語のほうを向いていた時間がどれだけあったのか、本人にもわからないことです。

なぜそうなるのか

音が勉強の邪魔になるかどうかは、音の種類だけでは決まりません。同じ曲でも、計算の横では平気なのに、英単語の横では口が動きます。教室で中高生の勉強を見ていると、理由は次の3つに分けられます。

頭の中の声と、歌詞の声がぶつかる

黙って英単語を覚えている生徒の口元を見ると、小さく動いていることがよくあります。声に出さなくても、頭の中で「s、p、r、i、n、g、スプリング、春」と唱えているからです。国語の教科書を読むときも、頭の中で文を音にしながら読んでいます。暗記と読解は、この頭の中の声を使う作業です。そこへ歌詞が流れてくると、言葉の通り道に別の言葉が割り込みます。好きな曲ほど次の歌詞まで知っているので、頭が先回りして歌い始める。サビで口が動くのは、そのためです。計算や書き写しは、頭の中の声をあまり使いません。だから同じ曲を流していても、作業によって邪魔の大きさがまるで違ってきます。

読解は、流れが切れると段落の頭まで戻る

読解は、前の文の意味を抱えたまま次の文を読む作業です。曲が急に盛り上がったり、曲と曲の切れ目で音ががらりと変わったりした瞬間に、その流れが切れます。切れたら、たいてい段落の頭から読み直しです。暗記は1語ずつの短い繰り返しなので、途切れても戻るのは1語分ですみます。読解は戻る距離が長く、1回の途切れで数分が消えます。歌のない曲でも長文の読解には向かないのは、ここに理由があります。

静かすぎる部屋では、小さな音が目立つ

では無音がいちばんかというと、そうとも限りません。音の無い部屋では、時計の秒針、冷蔵庫の低いうなり、廊下を歩く家族の足音が、いちいち耳に入ってきます。無音だと落ち着かないという生徒は、音そのものより、静けさの中で浮き上がる小さな音に気を取られていることが多いのです。換気扇の音や雨の音のような、言葉の入らない一定の音を薄く足すと、その小さな音が埋もれて、かえって気にならなくなります。

図1は、作業と音の組み合わせを、教室で勧めている目安として表にしたものです。○は向く、△は音量や曲を選べば使える、×は避けたい組み合わせです。

図1 暗記・読解・計算・書き写しごとに、無音と生活の音と曲の向き不向きを分けた表

図1のように、暗記と読解の行には×が並び、書き写しの行には○が続きます。暗記の行で歌のない曲が△なのは、小さな音量で、曲の途中で大きく盛り上がらないものに限れば使えるからです。計算の行で歌のある曲が△なのは、計算練習のあいだは平気でも、文章題に入った途端に読解の作業に変わるからです。ここで言う書き写しは、授業のプリントをノートに清書する、教科書の図や表をノートに写す、といった、覚えることを目的にしない作業を指します。漢字を覚えるために何度も書くのは、手を動かしていても暗記の行に入ります。音を決める前に、いまからやる作業がどの行に当たるかを見るのが先です。

今夜からの手順

1回の勉強の中で、作業ごとに音を切り替えます。用意するのは、今夜の課題の一覧と、耳栓かイヤホンのどちらか、それに音を流す機器です。

課題を4つの作業に分けて書き出す

ノートの端に今夜やる課題を並べ、それぞれの横に「暗記」「読解」「計算」「書き写し」のどれかを書きます。たとえば、英単語20〜30語は暗記。国語の教科書の説明文を2〜3ページ読んで問いに答えるのは読解。数学のワークの計算問題2ページは計算。理科の授業プリントをノートに清書するのは書き写しです。1つの課題に2つの作業が混ざるときは、時間の長いほうで分けます。英語の長文問題で知らない単語を辞書で引くのは、暗記ではなく読解の一部として扱います。迷ったら、頭の中で言葉を唱えるかどうかで決めてください。唱えるなら暗記か読解、唱えないなら計算か書き写しです。

好きな曲を最後に回して、並べる順を決める

並べ方の例が図2です。90分なら、暗記20分、読解20分、計算30分、書き写し15分、最後の確かめ5分と並べます。

図2 夜の90分を作業ごとに区切り、音を無音から好きな曲へ切り替えていく並べ方

図2のように、頭がまだ疲れていない最初の時間に、言葉を使う暗記と読解を置きます。音を足してもよい計算と書き写しは後ろに回します。好きな歌は、最後の書き写しの時間まで取っておきます。先に好きな曲を聞いてしまうと、そのあと止めるのがつらくなるからです。最後に取っておけば、暗記と読解の40分を静かに過ごす理由にもなります。課題の量で時間は変わりますが、1つの作業は15〜30分くらいで区切ると、音を切り替える回数がちょうどよくなります。

暗記と読解の時間は、曲を止めて生活の音にする

暗記と読解に入ったら、曲を止めて無音にします。無音が落ち着かないときは、生活の音を足します。手軽なのは、台所の換気扇を回しておく、窓を少しだけ開けて外の車や風の音を入れる、部屋のドアを細く開けて家の物音が遠くに聞こえるようにする、といったやり方です。雨の音の録音や、人の声が聞き取れないくらいのざわめきの録音を小さく流す方法もあります。どれも、言葉が聞き取れないことが条件です。テレビの音や家族の会話がはっきり聞こえる距離まで来ると、それは生活の音ではなく言葉の音になります。音量は、すぐそばで名前を呼ばれたら気づけるくらいにとどめます。録音を流すなら、再生を始めた時点で機器の画面を下に向け、作業の区切りまで触りません。

耳栓とイヤホンを、役で使い分ける

耳栓は音を減らす道具、イヤホンは音を足す道具です。周りの音が気になる日は耳栓、静かすぎて落ち着かない日はイヤホン、と役で分けます。リビングでテレビがついている、きょうだいが隣の部屋で電話をしている、という日は耳栓の出番です。イヤホンを耳栓の代わりにして、何も流さずに着けておく人もいます。ただ、それだと流したくなった瞬間にすぐ流せてしまいます。暗記の時間に耳に入れるなら、何も流せない耳栓のほうが確かです。イヤホンは、書き写しの時間に曲を流すときか、生活の音の録音を小さく流すときに使います。どちらも着けっぱなしにせず、1つの作業が終わるたびに一度外して、耳を休ませます。

最後の5分は、無音で書いて確かめる

最後の5分は、曲を止め、耳栓もイヤホンも外して、最初に覚えた英単語を何も見ずに書きます。20〜30語覚えたなら、そのうち10語ほどを選び、日本語を見て英語を書きます。書けなかった語には印を付け、翌日の最初の暗記に回します。定期テストの教室で、自分の好きな曲は流れていません。家の机で曲と一緒に覚えたものが、静かな部屋でも出てくるかどうかを、毎回ここで確かめるわけです。書ける語が日ごとに増えていけば、音の使い方が合っているという手がかりになります。

学年と時期で変わるところ

中1は、家で勉強する時間が小学校のころより長くなり、自分のスマホを持ち始める時期とも重なります。曲を流しながら勉強する癖がまだ固まっていないので、初めての定期テストの前に「暗記の時間は曲を止める」と決めておくと、あとから直す手間がいりません。

中2になると、英語の教科書の本文が長くなり、国語や社会でも文章を読んで答える問題が増えます。中1のころは歌のない曲を流しながらこなせた課題が、いつのまにか読解の行に移っていることがあります。学期の初めに一度、課題の横に書く作業の種類を見直してください。

中3は、入試の過去問を、時間を計って通しで解く練習が始まります。都立高校の学力検査は2027年2月21日(日)です。秋からは、過去問を解く時間だけでも曲を止め、耳栓も外して、本番の教室と同じ静けさに慣れていきます。耳栓を試験で使えるかどうかは試験ごとの受験上の注意に従うことになるので、そこを確かめたうえで、耳栓なしでも解ける練習を混ぜておきます。

高校生は科目が増え、1回の勉強が長くなります。放課後に学校の自習室を使う日も増えますが、自習室でイヤホンを使ってよいかは学校の決まりを確かめてください。高3は、2027年1月16日(土)・17日(日)の大学入学共通テストまでに、模試や過去問を通しで解く時間を無音で過ごす日を増やしていきます。

時期で見ると、ふだんの日は書き写しや計算の課題が多く、曲を使える時間も長めです。テスト前になると暗記が一気に増え、無音で過ごす時間が長くなります。生活の音の出番が増えるのはこの時期です。夏休みや冬休みのような長期休みは、昼間の家に家族の会話や外で遊ぶ子どもの声が多くなります。言葉の入る音が多い時間帯には計算と書き写しを寄せ、家が静かな朝のうちに暗記と読解をすませます。

図3 ふだんからテスト前、入試前へと、曲を流す時間を少しずつ減らしていく流れ

図3は、ふだんからテスト前、入試前へと、曲を流す時間を少しずつ減らしていく流れをまとめたものです。いきなり全部を無音にすると、続かずに元へ戻ってしまいます。段を一つずつ下りるように減らしていきます。

よくある失敗と直し方

曲を選び直しているうちに、時間がたつ

1曲終わるたびに次の曲を選ぶ。気分に合わない曲を飛ばす。新しい曲を探し始める。気づけば、30分のうち何分かが曲を選ぶ時間になっています。曲を選ぶのはそれ自体が楽しく、しかも画面を見る作業なので、ついでに通知まで目に入るからです。直すには、勉強を始める前に、計算と書き写しの時間のぶんだけ曲を並べておき、勉強中は1曲も飛ばさないと決めます。新しい曲を探すのは、勉強が終わってからの楽しみに回します。

歌のない音源なら大丈夫だと思って、知っている歌の伴奏を流す

歌詞が入っていなければよいと考えて、よく知っている歌の伴奏だけの音源を流すことがあります。ところが知っている歌なら、伴奏を聞いただけで頭の中に歌詞が鳴ります。耳に歌詞は入っていないのに、頭の中の声は歌っているわけです。暗記の時間に使うなら、知っている歌の伴奏は避け、もともと歌のない曲の中から、何度か聞いて耳に慣れたものを選びます。初めて聞く曲は、この先どう展開するのかが気になって、それはそれで耳が引っぱられます。

音量が少しずつ上がっていく

始めは小さかった音が、1時間後にはイヤホンの外まで漏れている。耳が音に慣れていくのと、周りの物音に負けまいとして少しずつ上げてしまうのが重なるからです。音量は着けた最初に決め、途中では上げないことにします。周りがうるさくて上げたくなったら、音を大きくするのではなく、耳栓に替えるか、座る場所を変えて周りの音のほうを減らします。

よくある質問

歌を口ずさみながらのほうがはかどる日もあります。歌いながら勉強するのはやめたほうがいいですか

作業によります。書き写しの時間なら、歌っていても困りません。困るのは、英単語や古文の言葉を覚えている最中に、まったく別の歌詞を歌っているときです。ただし、覚えたい中身に自分で節をつけて唱えるのは話が別です。理科の用語の並びや歴史の時代の順を、自分で作った節にのせて覚えるなら、歌っている言葉そのものが覚えたい中身なので、邪魔にはなりません。もう一つ気をつけたいのが、英語の勉強中に英語の歌を流すことです。ふだんは意味を気にせず聞き流せる歌でも、英語の勉強をしているあいだは、聞き取れた単語に耳が引っぱられる様子を教室でもよく見かけます。

勉強に使う曲は、どう選べばいいですか。曲がないと始められなくなりそうで心配です

選ぶときは、曲と曲の切れ目の少なさも見てください。短い曲を何曲も並べると、切れ目のたびに音ががらりと変わり、そのつど注意がゆるみます。1曲が長めのものや、似た調子の曲が続く並びのほうが向いています。心配のほうは、曲を止めてから手が動き出すまでの様子で見分けます。止めてもすぐ次の問題に入れるなら、曲に頼りすぎてはいません。曲を止めると何も手につかない日が続くなら、週に2〜3日は曲を一切流さない日を作り、曲なしで始める練習をします。

音楽を流すと眠くなります。眠くならない音楽はありますか

眠くならない曲を探すより、眠くなりやすい作業の時間に曲を流さないことのほうが先です。静かでゆっくりした曲を、手をあまり動かさない暗記の時間に流すと、眠気が来やすくなります。逆に、速くて大きな音の曲で目を覚まそうとすると、今度は曲に気を取られます。眠いときは、音を変えるより作業の形を変えます。座ったまま単語帳を眺めるのをやめて立って小さく声に出す、書いて覚える形に切り替える、計算の課題に移って手を動かす、という順に試してください。毎晩のように強い眠気が続くときや、イヤホンや耳栓を外したあとに耳の痛みが残るときは、家の人に話し、学校や医療機関に相談してください。

保護者が手を貸すなら

お子さまがイヤホンをして机に向かっていると、つい「音楽なんか聞いて」と言いたくなります。けれど、曲が流れているから勉強していないとは限りません。声をかけるなら、「いまは何の作業をしているの」と作業のほうを聞いてみてください。書き写しの時間なら、曲が流れていても構いません。家の側でできるのは、生活の音を整えることです。暗記の時間だけテレビの音を少し下げる、リビングで耳栓を使うのを当たり前のこととして受け入れる。イヤホンの音が外まで聞こえるほど大きいときだけ、音量を一緒に決めます。曲の中身や選び方には口を出さないほうが、お子さまが自分で音を切り替えるようになります。

個別指導で確かめること

教室では、家で曲を流しながら覚えた英単語を、静かな机でそのまま書けるかどうかを、授業の最初の数分で確かめます。書けない語が多いときは、音の使い方を直す前に、覚えるときに一度隠して思い出しているか、という覚え方の手順まで戻ります。音のせいに見えて、実は思い出す練習が抜けていた、ということが少なくないからです。

まとめ

曲を流すかどうかは、好みではなく、いまの作業が頭の中の声を使うかどうかで決めます。暗記と読解の時間は曲を止め、好きな歌は書き写しの時間まで取っておく。最後の5分は、耳に着けた物を全部外して書いてみる。イヤホンを外した静けさの中で書けた単語が、テストの教室まで持っていける単語です。

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