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古文の勉強法はノートから—教科書の本文を写して、品詞分解と現代語訳を書き込む作り方|武蔵野個別指導塾

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本文1行のあとに2行あけて写し、行間に品詞分解の印と助動詞の意味、敬語の向きを書く。右のページは自分の訳。予習30〜45分の割り振りから考査前に訳と印を隠す3周まで、高1の古文のノートを今夜から作り変えられます。

古文の勉強法をノートから立て直すなら、見開きの左のページに教科書の本文を自分の手で写し、本文1行のあとに2行の行間をあけます。行間の1行目には予習で品詞分解の印と助動詞の意味、敬語の向きを書き、2行目は授業で足す場所として空けておきます。右のページには自分の現代語訳を、本文と同じ高さに書きます。予習は次の授業で読む5〜8行を、写す・印を付ける・訳すの3つで合わせて30〜45分。考査の前は、訳を隠し、印を隠し、最後は教科書だけで言えるかを3周で確かめます。

よくあるのは、古文の授業で黒板の現代語訳だけをノートに写し、本文は1行も写していなかった高校1年の場面です。授業の間はそれで足りた気がします。先生の訳は筋が通っていて、話の流れもわかる。ところが配られた練習のプリントで、本文の「けり」に引かれた傍線の意味を聞かれると、手が止まります。ノートの訳のどこが「けり」だったのか、探しようがありません。訳はあるのに、訳と本文をつなぐ糸が、ノートのどこにも残っていないのです。

なぜそうなるのか

訳は文の単位で書かれ、問いは語の単位で来る

板書の現代語訳は、一文をまとめて自然な日本語に直したものです。「竹取の翁という者がいた」という訳には、「あり」も「けり」も溶け込んでいて、どの音がどの意味に変わったのかは見えません。ところが、古文の問いの多くは語の単位で来ます。この「けり」の意味は何か。この「たまふ」は誰への敬意か。この「る」は受身か尊敬か。訳だけのノートは文の単位の答えしか持っていないので、語の単位の問いを受け止める場所がありません。

図1のように、本文を写して「けり」を丸で囲み、その下に「過去」と書いてあれば、問われた語を指で押さえられます。訳は同じでも、本文があるかないかで、ノートが答えられる問いの数が変わります。

図1 訳だけのノートと、本文と訳を並べたノートの違い

写す手は、読む目より先に語の切れ目を見つける

教科書を読むだけだと、目は字の上を滑ります。歴史的仮名遣いの「いふ」や「使ひ」を頭の中で勝手に「いう」「使い」に直して読み進めるので、どこで語が切れるかを考えずに済んでしまいます。手で写すと、視線が一字ずつ止まります。「ありけり」と書く手が「あり」で一度止まれば、そこが語の切れ目です。品詞分解の半分は、写している手が先に見つけています。

教科書の行間は、書き込むには狭すぎる

教科書の本文に直接書き込むと、行と行の間が狭く、助動詞の意味と敬語の矢印と単語の意味が重なります。重なった字は、考査の前に見返したとき自分でも読めません。それに、教科書が書き込みで埋まると、印の無い本文で自分を試すことができなくなります。ノートに写せば、行間の広さを自分で決められます。

予習でつまずいた所が、授業の後に残らない

訳を板書から写すだけだと、自分がどこで読めなかったのかが消えてしまいます。予習で自分の訳を先に書いておき、授業で直された所だけをペンの色を変えて足すと、見返したときに「自分が読めなかった所」が浮き上がります。考査の前に時間をかけて見るべきなのは、その色の付いた所です。

今夜からの手順

始める前に、次の古文の授業で読む所を教科書で確かめます。授業で進む量は先生によって違いますが、予習で写すのは5〜8行ほどを1回分の目安にします。写す・印を付ける・訳すの3つで合わせて30〜45分。ノートは図2のように見開きで使い、左のページを本文と行間、右のページを自分の訳と単語の欄に割ります。

図2 左に本文と2行の行間、右に同じ高さの訳と単語の欄

1. 左のページに本文を写す(10〜15分)

ノートの見開きの左のページに、教科書の本文を写します。本文を1行書いたら、その下を2行あけて、次の本文を書きます。3行で1組です。縦書きにするか横書きにするかは、授業の板書の向きに合わせると、授業中に書き足すときに迷いません。

ノートの1行に書くのは、教科書の1行ではなく、一文か読点までの区切りです。1行に詰め込みすぎると、行間の印がどの語の下なのかずれてきます。行の頭には教科書のページと行の番号を小さく書いておくと、考査の前に教科書と照らすときにすぐ戻れます。

写すときの約束は一つだけです。仮名遣いを1字も変えないこと。「いふ」を「いう」と書いてしまうと、ハ行四段活用の動詞だと気づく手がかりが消えます。読めない漢字には横に小さく読みを書き、意味のわからない語にはまだ何もせず先へ進みます。字をきれいにそろえることより、10〜15分で写し終えることを優先します。

2. 行間の1行目に、品詞分解の印を付ける

本文の真下の行に、品詞分解の印を書きます。印の決まりは、最初にノートの表紙の裏に書いておきます。

竹取物語の冒頭「今は昔、竹取の翁といふものありけり。」なら、区切りは「今/は/昔、竹取/の/翁/と/いふ/もの/あり/けり。」の11語です。そのうち、行間に名前を書くのは次の3語だけです。

本文の語 品詞と活用 行間に書く印
いふ 動詞(ハ行四段活用)の連体形 四・体
あり 動詞(ラ行変格活用)の連用形 ラ変・用
けり 助動詞(過去)の終止形 丸で囲んで、過去・終

活用形は、その語だけを見ても決まらないことが多く、すぐ後ろの語で決まります。「あり」が連用形だとわかるのは、後ろの「けり」が連用形に付く助動詞だからです。「いふ」が連体形なのは、後ろに「もの」という名詞が来るからです。ですから印は、文の後ろの語から前へ向かって付けると迷いにくくなります。意味のわからない語は古語辞典で引き、右のページの単語の欄に移します。「翁」なら「おきな 年をとった男の人」のように、読みと意味を1行で書きます。

3. 助動詞の意味と、敬語の向きを書き込む

助動詞は、形が同じでも意味が一つに決まらないものが多くあります。土佐日記の冒頭「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」には、「なる」と「なり」が出てきます。最初の「なる」は、サ行変格活用の「す」の終止形に付いているので伝聞推定、最後の「なり」は、同じ「す」の連体形「する」に付いているので断定です。行間には「伝推」「断定」と書き、その横に「終止形に付く」「連体形に付く」と決めた理由を短く添えます。理由まで書いておくと、初めて読む文章でも同じ見分け方が使えます。予習で決めきれないときは、候補を2つ並べて書いておき、授業で決まったほうを残します。

敬語は、誰から誰への敬意かを矢印で書きます。源氏物語の冒頭の一文にある「女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に」なら、「さぶらひ」は「お仕えする」という意味の謙譲語で、敬意は作者から帝へ向いています。「たまひ」は尊敬語で、敬意は作者から女御・更衣へ向いています。行間には「謙 作者→帝」「尊 作者→女御・更衣」と書きます。地の文の敬語は作者から、会話の中の敬語はその言葉を話している人から出る、という出発点は毎回同じです。向かう先は、尊敬語なら動作をする人、謙譲語なら動作を受ける人、丁寧語なら聞き手(地の文なら読み手)です。手順2と3を合わせて、15〜20分を目安にします。

4. 右のページに、自分の訳を書く(5〜10分)

右のページには、本文の行と同じ高さに自分の現代語訳を書きます。左右の高さがそろっていると、訳のどの部分が本文のどの語から来たのかを、目を横に動かすだけで照らせます。図2の赤い矢印が、その「同じ高さ」です。

訳は不格好で構いません。竹取物語の2文目「野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。」を、予習で「野山に入って竹を取って、いろいろなことに使った」と訳したとします。授業で先生の訳が「野山に分け入って竹を取っては、いろいろなことに使っていた」だったら、差は「つつ」にあります。自分の訳は「つつ」を落としていました。そこが、この文で自分が読めていなかった所です。

右のページの外側には、縦に線を引いて細い列を作り、上を単語の欄、下を問いの欄にします。問いの欄には、予習で解けなかった所を1行の問いの形で書きます。「この『けり』は過去か詠嘆か」「『たまひ』は誰への敬意か」のように書いておくと、授業で答えが出た瞬間に線で消せます。

5. 授業で足す所はペンの色を変え、その夜に5〜10分見直す

授業では、行間の2行目と右のページに、直された所と足された所を書きます。予習と違う色のペンを1本だけ決めておき、授業で書いたものは全部その色にします。色が1色なら、見返したときに「予習で書けた所」と「授業で知った所」の2つにきれいに分かれます。先ほどの「つつ」なら、行間の2行目に色を変えて「つつ 反復 〜しては」と書き、右のページの自分の訳にも「取っては」と書き足します。

その日のうちに、5〜10分だけノートを開きます。見るのは色の付いた所だけです。問いの欄に答えが書けた問いは線で消し、まだ答えが出ていない問いには、次の授業の前に先生に聞く印を付けておきます。

6. 漢文の日は、行間を書き下し文に使う

漢文のノートも、本文1行のあとに2行あける見開きの形は同じです。違うのは、行間の1行目に書く物です。古文では品詞分解の印でしたが、漢文では書き下し文を書きます。

写すのは、返り点と送り仮名の付いた本文です。「読書」の「読」の左下にレ点が付いていれば、下の「書」を先に読み、行間には「書を読む」と書きます。論語の最初の章にある「学而時習之」なら、行間の書き下し文は「学びて時に之を習ふ」です。「而」は置き字で読まないので、書き下し文には書きません。「習」の左下にレ点があるので、「之」を先に読んでから「習」に戻ります。

書き下し文は、送り仮名をひらがなにして、歴史的仮名遣いのまま書きます。日本語の助動詞や助詞にあたる漢字は、「不」は「ず」、「也」は「なり」のように、ひらがなに直します。古文のノートでは行間の主役が品詞の印でしたが、漢文では読む順番が主役です。読む順番を間違えた所を授業の色で直していくと、自分がどの返り点で読み違えやすいかが見えてきます。

学年と時期で変わるところ

中学の国語でも古典の文章は読みます。中学では、歴史的仮名遣いを今の仮名遣いに直して読むことと、本文と訳を照らすことが中心になることが多く、品詞分解まで求められることはあまりありません。中学生のノートは、左に本文、右に訳の2つで足ります。行間には、仮名遣いを直した読みを書きます。「いふ」の下に「いう」、「使ひ」の下に「使い」。この形で続けておけば、高校に入ってから同じ見開きの行間に品詞分解の印を足すだけで済みます。

高校1年は、用言の活用と助動詞を順に習っていく学年です。どの時期に何を習うかは学校ごとに違うので、まだ習っていない助動詞には丸だけ付けて、意味の欄は空けておきます。知らない印を無理に埋めると、間違った意味を覚えてしまいます。習うたびに空けておいた丸へ意味を書き込んでいくと、ノートがそのまま自分用の助動詞の表になっていきます。

高校2年と3年になると、敬語の多い文章が増え、読む量も増えます。全文を写す時間が取れない週は、写すのを助動詞と敬語が重なる文だけにして、ほかは教科書のページを拡大してコピーし、左のページに貼ります。拡大すれば、コピーの行間にも印が書き込めます。大学入学共通テストの国語は、いまの高3と既卒生が受ける令和9年度、いまの高2が受ける令和10年度のどちらも90分200点で、近代以降の文章に加えて古文と漢文が出ます。教科書で読んだ文章がそのまま出るとは限らないので、ノートの本文を覚えていても点にはつながりません。つながるのは、語を区切り、助動詞を丸で囲み、敬語に矢印を引く手順そのものです。ノートを作る手順が、そのまま初めて見る文章の読み方になります。

ふだんは、授業の前の晩に30〜45分の予習と、授業の日の5〜10分の見直しで回します。週に古文の授業が2回あれば、予習の晩も週に2回です。行事や大会の前で予習の時間が取れない週は、手順1の写す所だけを先に済ませ、印と訳は授業の中で足していきます。写してある本文さえあれば、授業の色で書き込む場所はもうできています。

考査の前は、ノートの使い方が変わります。定期考査で教科書の本文がどう出るか(本文に傍線を引いて問うのか、訳を書かせるのか、教科書で読んでいない文章を出すのか)は学校ごとに違うので、前の考査の問題用紙や先生の説明で確かめておきます。そのうえで、考査の2週間ほど前から、図3の3周を1つの話につき1回20〜30分で回します。1周目は、右のページの訳を紙で隠し、本文を見て訳を言います。2周目は、行間を紙で隠し、本文だけを見て助動詞の意味と敬語の向きを言います。3周目は教科書で。印の無い本文だけを見て、品詞分解を口で言います。言えなかった所は、前の周に戻ってやり直します。

図3 考査前の3周 訳を隠す、印を隠す、教科書で言う

長い休みに古文の宿題が出るかどうかも、学校ごとに違います。宿題が無くても、その学期に読んだ話を1つだけ選んで、教科書で言う3周目だけをやっておけば、休み明けの最初の授業で行間の印の付け方を思い出す時間がいりません。

よくある失敗と直し方

失敗1 写すのに1時間かかり、印を付ける前に力が尽きる

本文をきれいに写すことに時間を使い切って、品詞分解に手が届かない型です。写すことを清書だと思っていると、こうなります。字の大きさをそろえ、定規で線を引き、書き損じた行を消して書き直す。そのたびに時間が延びます。

直し方は、写す時間を10〜15分で切ることです。時計を見て始め、時間が来たら写し終わっていなくても手順2に進みます。写しきれなかった文は、行の頭に教科書のページと行の番号だけ書いて、2行の行間ごと空けておき、授業の前の休み時間に足します。ノートの字は、自分が読めれば十分です。

失敗2 解説書の訳を写して、自分の訳が1行も無い

訳の載った解説書を開いて、右のページにそのまま写す型です。間違った訳をノートに残したくない、という気持ちから始まることが多いのですが、写した訳は全部正しいので、自分がどこで読めなかったのかがノートのどこにも残りません。

直し方は、順番を入れ替えることです。自分の訳を先に書き、解説書は授業が終わってもまだわからない所にだけ使います。間違えた訳は消さずに残し、色を変えて正しい訳を横に書きます。考査の前にいちばん時間をかけて見るのは、その2本の訳が並んでいる所です。

失敗3 印を全部の語に付けて、どこが大事かわからない

品詞分解を、全部の語に品詞の名前を書く作業だと思っている型です。「今」の下に「名」、「は」の下に「係助」と11語すべてに名前を書くと、行間が字で埋まって、丸で囲んだ助動詞が目に入らなくなります。

直し方は、名前を書く語を絞ることです。名前を書くのは、用言と助動詞と、係り結びを起こす係助詞と、敬語だけ。名詞とそのほかの助詞は区切りの線だけにします。印の数が減ると、丸と四角と矢印が浮き上がり、考査の前の2周目で行間を隠したときに、何を言えばいいかがはっきりします。

よくある質問

品詞分解は、教科書の全部の文でやらないといけませんか

高校1年の最初の考査までは、全部の文でやって手順を手に覚えさせるのが近道です。区切りの線を引く速さが上がってきたら、名前を書くのは助動詞と敬語がある文だけにしていきます。やめどきの目安は、行間を隠しても本文を見ただけで助動詞の意味が言える文が増えてきたときです。最後に目指すのは、初めて見る文章で、ノートに書かなくても頭の中で区切れることです。

教科書の文章は、本文ごと覚えたほうがいいですか

本文を丸ごと覚えるより先に、本文を見て訳と文法が言える状態を作るほうが、考査の出し方が変わっても崩れにくくなります。教科書の本文がそのまま出る学校なら、3周目まで回したノートの本文は、何度も目と口を通っているぶん自然に残っていきます。冒頭を暗唱するテストがある場合の覚え方は、別の記事「春はあけぼのの暗記のコツ—枕草子や平家物語の冒頭を、暗唱テストで言い切る覚え方」に分けて書きました。ノートは読むための道具、暗唱は声に出す練習と、役を分けて使います。

漢文のノートは、古文と同じノートでいいですか

古文と漢文の授業が別の時間に分かれているなら、ノートも分けたほうが、考査の範囲ごとに見返しやすくなります。授業の分け方は学校ごとに違うので、時間割に合わせて決めてください。1冊にまとめるなら、前から古文、後ろから漢文と、両側から使います。漢文のノートの最後の数ページは、再読文字や、否定・疑問の形のように何度も出てくる句の形を集める欄にしておくと、話が変わっても同じ形を一か所で見返せます。

保護者が手を貸すなら

古文がわからなくても、手伝えることがあります。お子さまのノートの右のページを手で隠して、左のページの本文を指でなぞりながら訳を言ってもらうことです。合っているかどうかを判定する必要はありません。言い終わったら手をどけるだけで、自分の言った訳と書いてある訳の差に、お子さまのほうが先に気づきます。

声をかけるなら「古文の勉強したの」より「次の古文、どこまで写した」のほうが、答えやすい問いになります。ノートの字の形や色の使い方には触れないでください。予習が30〜45分を大きく超えて夜が遅くなる日が続くときは、写す量を減らせないか、お子さまと一緒に先生に相談するのが先です。

個別指導で確かめること

ノートの行間の印を一緒に見て、助動詞の意味を取り違えた所が、前の語の活用形を見分けられていないせいなのか、その助動詞の意味を覚えていないせいなのかを分けます。前者なら用言の活用の表まで戻り、後者ならその助動詞だけを覚え直します。

まとめ

板書の訳を写すだけだった高校1年のノートに足りなかったのは、勉強の量ではなく、左のページの本文でした。訳は黒板が貸してくれますが、本文の「けり」に付けた丸は、自分で写した人の手元にしか残りません。

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