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家庭学習ノートに何を書くか—中学生が提出のために埋めるだけで終わらない1ページの使い方|武蔵野個別指導塾

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ページの右3分の1を直しの欄として空け、見ないで書いた字に本人が赤で丸をつける。日付・目当て・問題・直し・一行の振り返りの組み方を、漢字・計算・英単語の例で今夜から試せます。

家庭学習ノートの1ページには、日付と目当て、問題、直し、一行の振り返りの五つを書けば足ります。埋まった行の数ではなく、間違えた所をもう一度やった跡が残っているかどうかで、そのページが覚えるためのノートになっているかが決まります。手本を見ながら写した字は、手は動いても、頭が思い出す練習になっていないからです。今夜の最初の一手は、新しいページの右側に縦線を一本引き、幅の3分の1ほどを「直し」の欄として空けておくこと。親が見るのも、その欄の赤い字と、前の日の振り返りが今日のページの頭に出ているかの二つで足ります。

よくあるのは、提出日の朝、中2が食卓で空いた2ページを漢字で埋めている場面です。「貿易」を一行、「輸出」を一行、トーストをかじりながら鉛筆だけが速く動きます。家を出る時刻が近づくほど字は大きくなり、最後の数行は行からはみ出したまま終わる。ノートは閉じられて鞄に入り、2ページは確かに黒くなりました。けれど、その夜に「輸」の右側を手本なしでもう一度書けるかどうかは、本人にもわかっていません。

埋めるだけのページで、子供の側に起きていること

提出のために埋めるページと、覚えるために書くページは、遠目には同じに見えます。どちらにも字が並び、どちらにも日付が入っている。違いは中を開いたときに出てきます。埋めるだけのページで子供の側に起きていることは、次の四つに分けられます。どれか一つとは限らず、二つ三つが重なっていることもあります。

一つ目は、量そのものが目当てになっていることです。「2ページ」という形で課題を受け取ると、本人の頭の中のゴールは「覚える」から「埋める」にすり替わります。埋めるのがゴールなら、いちばん速く埋まる方法が正解になり、それは手本を横に置いて同じ字を続けて書くことです。手は休まず動くので、本人は勉強した手応えを持ったままノートを閉じられます。怠けているわけではなく、ゴールの置き場所がずれているのです。

二つ目は、もう書ける字を繰り返していることです。知っている字は速く書けるので、時間に追われるほど知っている字が選ばれます。形があやふやな字ほど手が止まり、手が止まる字は後回しにされる。こうしてページの中で、いちばん練習が要る字にいちばん時間が回らないという逆転が起きます。2ページのうち、本当に覚え直しが要った字は数行分しかなかった、ということも起こります。

三つ目は、丸つけと直しが無いことです。見ながら写しているので、そもそも間違いが出ません。間違いの出ないページには直す所も無く、本人は「全部できた」と思っています。ところがテストの日には手本が無いので、そこで初めて書けないことに気づく。間違いが出る書き方をしていないせいで、間違いに出会う日がテストの当日まで遅れてしまうのです。

四つ目は、何日分かの練習が一度に来ていることです。提出の前の晩や当日の朝にまとめて書くと、同じ字を何十回書いても、翌日や翌々日に思い出す場面が一度もありません。覚えたかどうかは、時間をおいてもう一度書けるかどうかでしか確かめられないので、まとめ書きのページには、確かめる機会がはじめから入っていないことになります。

図1のように、左の「埋めるページ」は同じ字を並べる形で、どの行も同じ黒さです。右の「覚えるページ」は、見ないで書く欄、赤で直す欄、明日やる字の欄に分かれていて、ページの中に色の違いが生まれます。親がノートを開いたとき、黒一色か、赤が混じっているかは、中身を一字ずつ読まなくても一目でわかります。

図1 同じ字を並べる埋めるページと、直しと明日の字がある覚えるページ

家でできる手順—1ページを四つの欄で組み立てる

ノートの使い方を変えるのに、新しいノートを買い足す必要はありません。今使っているノートの、次の白いページから始めます。ページ数、提出の曜日、書く科目の決まりは学校ごとに違うので、学校の指示が優先です。ここに書くのは、その決まりの中で1ページをどう組み立てるかという順番です。

  1. 前の晩に、ページに線を三本引いておく。定規を使い、ページの上から2行目の下に横線を一本、下から2行目の上にもう一本引きます。その二本の間に、右端から幅の3分の1ほどの所で縦線を一本。これで上に「日付と目当て」、真ん中の左に「問題」、真ん中の右に「直し」、下に「一行の振り返り」の欄ができます。線を引くのは本人です。親が線まで引いたページは、本人にとって「やらされるページ」に見えやすいからです。親の出番は「定規、そこにあるよ」の一言で足ります。

  2. 日付と目当てを一行で書く。目当ては「漢字2ページ」のような量ではなく、「何ができるようになるか」で書きます。たとえば「理科の教科書に出てきた漢字のうち、きのう書けなかった字を見ないで書く」「連立方程式の加減法で、符号を落とさずに解く」。目当てが思いつかない日は、前の日の振り返りの行をそのまま写せば十分です。

  3. 問題の欄では、見ないで書き、見ないで解く。漢字なら読みだけを先に並べてから字を書き、英単語なら日本語を見て英語を書き、計算なら問題だけを写して答えまで自分で出します。手本や教科書を見て写すのは、この欄の最後です。見ないで書けば、書けない字が必ず出ます。それが出ることが、このページの目的です。

  4. その場で、本人が赤ペンで丸をつける。書き終えた直後に教科書やワークの答えを開き、合っていれば丸、違っていればその字や行に印をつけます。道具は鉛筆と赤ペンの2本で足ります。色ペンを何本も並べると、色を選ぶ時間が覚える時間を食ってしまうので、蛍光ペンや色分けは、慣れてから本人が欲しがったときに足せば十分です。

  5. 直しの欄には、間違えた所だけを書く。正しい字や正しい行を一度書き、その横に「どこが違ったか」を一言添えます。「へんが違う」「点が一つ多い」「かっこを外すときに符号を変え忘れた」。間違いの中身を言葉にするところまでが直しです。何度も書いて欄を埋めるのではなく、違いを一つ見つけるのがこの欄の役目なので、直しが二、三行で終わる日があっても構いません。

  6. 一行の振り返りには、明日やる字や問題を書く。「がんばった」「疲れた」のような感想ではなく、次の日の問題の欄の最初に来る物を書きます。たとえば「明日は『膨』と『繊』をもう一度、見ないで書く」。こう書いておくと、翌日の1ページは前の日の振り返りから始まり、ページとページが一本の糸でつながります。図2の右下の矢印は、この「明日の最初へ」のつながりを表しています。

  7. 親が見るのは1日に一度、30秒だけ。ページを開き、直しの欄に赤い字があるか、前の日の振り返りに書いた物が今日の問題の欄の頭に出ているかを見ます。行数は数えません。直しの欄が空のページが何日か続くときは、見ないで書く手順が抜けて、写す書き方に戻っている合図です。そのときも叱らずに「直しの欄、きのうは何が入った?」と一言聞くだけにしてください。

  8. 提出の日から逆算して、1日の分を決める。提出の間隔と量が決まっているなら、それを提出までの日数で割り、1日の分を本人と決めておきます。朝のまとめ書きをやめるには、1日の分が小さいほうが続きます。最初は「1日に半ページ、直しの欄まで」から始め、直しまで毎日たどり着けるようになってから量を増やします。

図2のように、1ページの中で上から下へ「日付と目当て」「問題」「直し」「一行の振り返り」と進み、最後の一行が明日の最初へつながります。問題の欄は見ないで書く所、直しの欄は間違いだけを書く所と、欄ごとに役目を一つに絞ってあるのが要です。

図2 日付と目当て・問題・直し・一行の振り返りで組む1ページ

科目別の書き方—漢字・計算・英単語

欄の形は同じでも、問題の欄の中身と、直しの欄に何を書くかは科目で変わります。漢字、計算、英単語の三つを例に、具体的な書き方を並べます。

漢字は、問題の欄の左端に読みだけを縦に並べてから始めます。「じゅよう」「けいしゃ」「ていきょう」と五つほど書き、読みの横に、何も見ずに漢字を書いていく。書き終えたら教科書や学校の漢字のプリントで丸をつけます。たとえば「傾斜」のにんべんを落としていたら、直しの欄に「傾」を一度だけ正しく書き、落としたにんべんに赤で丸をつけ、「にんべんを忘れた」と一言添えます。同じ字を十回並べる必要はありません。違う所に印をつけたら、その字を振り返りの行に送り、翌日の問題の最初でもう一度見ないで書きます。

計算は、問題を写したら、途中の式を一行も省かずに書きます。丸つけで答えが違っていたら、答えだけを直すのではなく、最初に違った行を探します。たとえば 3(2x-y)-2(x+4y) の2行目を 6x-3y-2x+8y と書いていたとします。直しの欄には、その間違えた行と正しい行の 6x-3y-2x-8y を上下に並べ、「-2を4yにかけるとき符号」と書き添えます。正しい答えは 4x-11y です。答えだけを赤で書き直すと、どこでつまずいたかがページに残らず、同じ所でまた同じ間違いをします。

英単語は、問題の欄の左に日本語を書き、その右に英語を見ないで書きます。丸つけで「異なる」を diffrent と書いていたら、直しの欄に正しいつづりの different を一度書き、抜けていた e に赤で丸をつけます。書いたあとで一度だけ声に出して読むと、音とつづりの違う所がつながります。つづりを十回書き写すより、どの文字を落としたかを一つ見つけるほうが、次に同じ単語を書くときに手が止まる場所がはっきりします。

図3のように、直しの欄に書く物は、漢字なら書けなかった字と違う所に印、計算なら間違えた行と正しい行、英単語なら正しいつづりと違う文字に印です。三つとも、正しい形を一度だけ書き、間違えた形との違いがページの上で目に見えるようにしてある点は同じです。

図3 漢字・計算・英単語で直しの欄に書く物の違い

言葉と場面の例

ノートを見たときの親の一言は、本人が次のページで何をゴールにするかを決めてしまいます。言いがちな言葉と言い換え、なぜ変えるかを五組並べます。

  1. 「まだ1ページしか埋まってないの」→「直しの欄、今日は何が入った?」。量を口にすると、本人のゴールは量へ戻ります。直しの欄を指して聞けば、親が見ているのは間違いを見つけたかどうかだ、という合図になります。答えが「何も無い」でも、責めずに「じゃあ明日は見ないで書いてみて」と返せば十分です。

  2. 「全部丸じゃない、すごいね」→「全部合ってたなら、明日はきのう書けなかった所から始めてみる?」。全部丸のページは、知っている所だけを書いた結果のこともあります。丸の数をほめ続けると、本人は間違いが出ない書き方、つまり写す書き方を選びやすくなります。ほめるなら、直しの欄に書いた一言のほうです。

  3. 「字が汚い、書き直しなさい」→「この字、明日の自分が見て読める?」。書き直しは量を増やすだけで、覚える所に時間を回しません。読めるかどうかを本人に決めてもらえば、丁寧に書くのは直しの欄のように目的のある所だけになります。

  4. 「朝にまとめて書くのはやめなさい」→「今夜、半ページだけ先にやっておく?」。禁止の言葉は朝の焦りを増やすだけで、代わりの形を示していません。前の晩に小さな量を置いておけば、朝に残る分が減り、まとめ書きは自然に縮みます。

  5. 「ここ、間違えてるよ」→「丸つけが終わったら見せて」。親が先に間違いを指さすと、本人は自分で見つける前に答えを受け取ってしまいます。間違いを探す作業そのものが練習なので、親は丸つけが終わったページを受け取る側に回ります。

もう一つ、家での場面を置いておきます。夜9時、本人がノートを持ってきて「見て」と言う。開くと直しの欄に「繰」の字が一つだけ赤で書いてあり、「糸へんを木へんにした」と添えてある。ここでの一言は「明日もこれから始めるんだね」で足ります。直しの欄に一字あったことを親が見つけた、と伝わるだけで、次のページでも右側を空けておく理由が本人の中に一つできます。

やりがちな三つのずれ

一つ目は、ページ数や行数を数えることです。親が「何ページやった?」と聞くと、本人は量で答えられるように書き方を変えます。量が正解になれば、いちばん速く埋まるまとめ書きが正解になり、提出日の朝の2ページが繰り返されます。直し方は、聞く物を変えることです。開いたら行数ではなく直しの欄の赤を見て、前の日の振り返りの行が今日の問題の頭に出ているかを確かめます。

二つ目は、親が丸つけや直しまでしてしまうことです。忙しい朝に「貸して、丸つけしてあげる」と赤ペンを持つと、間違いを見つけるといういちばんの練習を親が持っていくことになります。本人の手元に残るのは赤の入ったページだけで、どこが違ったかを自分の目で見ていません。直し方は、丸つけは本人、親は終わったあとのページを受け取るだけ、と役を分けることです。答えの冊子を本人の机に置いておくのも、その一つの形です。

三つ目は、提出の前の晩にだけノートを開くことです。前の晩に開くと、話はどうしても「間に合うか」になり、中身の話ができません。足りないと気づいてから一晩で埋めることになり、親が見たことがかえってまとめ書きを呼びます。直し方は、提出日の二、三日前の、間の日に一度開くことです。そこで直しの欄が空なら、まだ書き方を戻す時間が残っています。

よくある質問

漢字は1字につき何回ずつ書けばいいですか

回数で決めるのではなく、見ないで書けたかどうかで決めます。見ないで書けた字は1回で次へ進み、書けなかった字は直しの欄で正しい形を一度書いて、違う所に印をつけます。そして翌日、もう一度見ないで書く。同じ日に何十回も書くより、日をまたいで思い出す場面を一つ作るほうが、テストの日に手が止まらない字が増えます。学校から回数の指定が出ているときは、その回数を守ったうえで、最初の1回を見ないで書く形にすれば両立できます。

書くのが遅く、1ページに1時間かかってしまいます

欄の形はそのままにして、問題の欄に書く数を減らします。漢字なら五つを三つに、計算なら大問一つ分にして、直しの欄と振り返りの行まで毎日たどり着ける量に合わせるのが先です。直しまで届かないまま問題だけが増えるページは、埋めるページに戻ってしまいます。ただ、手本を見ても字の形が取りにくい、行をよく飛ばす、書く作業だけが極端に疲れるといった様子が続くこともあります。そのときは書き方の工夫で押し切らず、様子をメモして担任やスクールカウンセラーに伝えてください。

答えを見て丸つけをすると、答えを写すだけになりませんか

答えの冊子を開くのは、問題の欄を最後まで書き終えてから、と順番を決めておきます。書いている途中で答えを開かないことが約束です。それでも写したくなる日はありますが、直しの欄の「どこが違ったか」の一言は、答えの冊子には載っていません。直しの欄に自分の言葉が書けているかどうかを見れば、写したページか、間違いと向き合ったページかは区別がつきます。

学校と相談先で確かめること

家庭学習ノートの決まりは学校と教科で違うので、迷ったら担任か教科の先生に聞くのがいちばん早く確かです。保護者会や面談、連絡帳でそのまま使える質問を並べます。

中学の成績は三つの観点を合わせて付けられます。ノートの提出がそのどこでどう見られているのかを学校の評価の計画で確かめておくと、家で何を優先するかが決まります。

書くことそのものがつらそうな日が重なることもあります。ノートを開くだけで表情が固くなる、鉛筆を持ってから書き始めるまでに長い時間がかかる、といった様子です。そのときは、ノートの書き方の話だけで抱えないでください。担任のほかに、学校にはスクールカウンセラーが来る日があります。曜日は学校に確かめてください。武蔵野市にお住まいなら武蔵野市の教育支援センター、都内なら東京都教育相談センターでも、子育てや学校生活の相談ができます。三鷹市や小金井市など武蔵野市の外にお住まいなら、住んでいる市の教育委員会の教育相談の窓口が入口です。

個別指導で確かめること

1対1の授業では、お子さまの家庭学習ノートの1ページを一緒に開き、直しの欄に入っている字や問題を、その場で見ないでもう一度書いてもらいます。書ければ直しが効いていて、書けなければ直しの欄の一言がまだ形だけということです。

計算の直しで符号の間違いが続いていれば、中2の式の計算から中1の正負の数のかけ算まで戻り、どの行で符号が入れ替わるのかを一問ずつ確かめます。漢字で同じへんの取り違えが続くなら、その部首を含む字を並べて書き分けを見ます。家で書いたページを授業の始めの材料にするので、ノートの中身がその日の授業の行き先を決めます。

まとめ

提出日の朝に黒く埋まった2ページは、一つも間違えなかった記録であって、何かを覚えた記録ではありません。右の欄に赤い字が一つ入り、下の一行に明日の字が書かれたとき、その1ページは次の日の1ページを呼び込みます。家庭学習ノートで親が数えるのは、ページの枚数ではなく、そうしてつながった日の数です。

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