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高校受験が不安な中学生へ—不安が点数を下げるしくみと本番までの練習|武蔵野個別指導塾

心配で手が止まる場面を選び、問いの読み直しや次の問題へ移る動作を短い練習で試します。不安の有無だけを採点せず、答案に戻れた経験を記録して、本番で迷ったときに試す動作を選んでおきます。

高校受験が不安な中学生へ—不安が点数を下げるしくみと本番までの練習
模試会場の入口で足が止まるとき
よくあるのは、模試会場の入口で、周りの人が全員自分より準備できているように見え、かばんの中のノートを何度も確かめてしまうという場面です。昨夜は解けた計算も、今聞かれたら答えられない気がします。「失敗したらどうしよう」と考えているうちに、今日確かめたかったことまで遠くなっていきます。
高校受験が気になる中学生にとって、不安は問題集を開く前にも、試験の途中にも現れます。保護者の方も、お子さまから「もう無理」と言われると、励ますべきか、勉強を促すべきか迷うでしょう。そこでまず、不安の強さだけで準備の良しあしを決めず、どの場面で何が止まるのかを見てください。
目標は、受験のことを考えても何も感じなくなることではありません。心配が浮かんだときに問題文へ戻る、解けない問題から次へ進む、終わった後に直す場所を選ぶ。その行動を本番までに用意します。今日取り組む問題を少なくしてでも、自分で使える手順を確かめるところから始めましょう。

不安と答案の間にあるものを見分ける
テスト不安とは、試験に関する心配や緊張を指します。「落ちたら困る」という考えと、「手に力が入る」という感覚は、同じ不安でも扱う入り口が違います。さらに「何を勉強すればよいかわからない」という準備の迷いも重なるため、まとめて「気持ちの問題」と呼ぶと、今日変えられる部分を見失います。
テスト不安に関する研究を統合したレビューでは、不安は標準テストや入試、成績平均など幅広い成績と負に関連していました(von der Embse・Jester・Roy・2017)。不安が強いことと、成績が低いことが結び付いていたという結果です。この関連を自分の答案に当てはめるときは、「自分は緊張するから解けない」と決めず、実際に止まった箇所を調べる材料にしてください。
たとえば数学で、条件を読み、式を作ろうとした瞬間に「前もここで間違えた」と考え始めたとします。問題の条件を追う途中に、過去の失敗を振り返る作業が入り、どこまで読んだかを探し直すことになります。不安が答案づくりを妨げる場面は、このように考えると具体的です。心配の中身をその場で解決しようとするほど、問題に戻る行動が後回しになります。
一方、時間を外して落ち着いて解いても、公式の意味が説明できない場合があります。こちらには内容を学び直す時間が必要です。同じ白紙でも、「知識が足りない」「条件の読み方が定まらない」「心配が浮かんで手が止まる」では練習が違います。白紙を見て不安だけのせいにすることも、努力不足だけで片付けることも、直す場所を曖昧にします。
手掛かりになるのが、対処の見通しです。テスト不安への介入を調べた研究では、心配や緊張とともに、「どうすればうまくいくかわからない」という不確かな統制の感覚も減り、心配と緊張の減少の一部はその感覚の減少で説明されました(Putwain・Pescod・2017)。家庭学習でも、「きっと大丈夫」と言い聞かせるだけで終えず、「止まったら何をするか」を決める方向が考えられます。
また、不安を下げるプログラムのメタ分析では、学習技能の指導に、行動や考え方への働きかけを組み合わせた方法が最も効果的でした(Ergene・2003)。前者は英国の中学生年代56人、平均14.7歳の無作為化比較試験で、後者は56研究・2,482人の統合ですが小中高校生の研究が不足しており、日本の高校受験生への適用には対象の違いを考慮する必要があります。そのうえで、学ぶ内容と、困ったときの動き方を一緒に整えるという視点を使います。
ここから紹介するのは、その視点を家庭での問題練習に取り入れる案です。「気持ちを整えてから勉強する」と順番を固定せず、取り組める小さな問題と、途中で戻る動作を用意してください。練習後には、落ち着けたかだけでなく、何を自分で選べたかも振り返ります。
今日の問題で戻る手順を作る
1. 心配を行動に置き換える
最初の3分で、紙に「気になる場面」「そこで困ること」「試す行動」を書きます。長い日記にする必要はありません。「最初の問題が難しい」「何度も読み直して進めない」「条件に線を引き、式が立たなければ印を付けて次へ進む」とつなげます。心配を消せるかどうかではなく、試す動作まで書けたかを確かめてください。
「受かるかどうか」という大きな心配は、そのままだと今日の練習に移せません。「英語の長文で知らない単語に出会うと、残りを読まなくなる」のように、問題を解く場面まで小さくします。そこから「問いを読み直し、答えの手掛かりになる文を探す」と決めます。わからない単語を全てその場で解決することと、設問に答えることを分けて扱います。
書いているうちに心配が増える場合は、詳しい理由を掘り下げず、今日の動作だけを残して構いません。「わからなければ印を付ける」と短くします。紙をきれいに完成させることより、問題を開いたときに読める短さを優先してください。書く作業自体が負担になるなら、同じ内容を頭の中で言ってから始める方法も選べます。
今日扱う心配は、気になるものから1つ選びます。読み始める前と、途中で迷ったときの対処を同時に変えず、まず使えそうな動作を試してください。練習を終えてから別の心配が出てきたら、次に扱う候補として残します。全ての心配への答えを揃えてから始める必要はありません。
2. 教材を用途で分けて用意する
机には、すでに習った問題のある教材、解答や解説、記録用の紙を置きます。教材を新しく増やすより、どこで詰まるかを調べられるものを選んでください。最初は解き方を一度学んだ計算や短い設問にし、未習の内容で不安への対処を試さないようにします。難しさと緊張が重なると、何を直すべきか判断しづらくなります。
問題は、始めるための短いもの、少し考えるもの、後で解き直すものに分けます。数学なら計算と条件を整理する文章題、英語なら短い文の確認と本文から根拠を探す設問を組み合わせられます。これは入試の出題順を予想する作業ではなく、手が動く課題から始めて、止まった後の対応まで試せるようにする準備です。
解答は裏返し、解説を読む場所にはしおりを挟みます。記録の紙には問題番号を先に書いておきます。始めてから教材を探す手間を減らし、終わった後に問題と記録を照らし合わせられるようにしてください。ページ数をたくさん進めるより、「何番で、何をしたか」が残る量に収めます。
3. 短い時間で解き、止まった場所を残す
まず10分を問題に取り組む時間、次の5分を振り返る時間にする案を試せます。時間は普段の課題の長さに合わせて短くして構いません。始める前に「今日は読み直し続けたときに印を付ける」と目的を決めます。時計は終了を知るために使い、残り時間を絶えず見張る課題にはしないでください。
手が止まったら、今の位置に小さな印を付け、問いが求めているものを読み直します。次に、すでにわかっている条件を書き出します。それでも進まなければ、戻る場所がわかる印を残して次の問題へ移ります。「難しいと思った瞬間に全て飛ばす」ことを防ぐため、読み直す対象と、書き出す内容を先に決めておきます。
問題用紙に書き込む練習では、答えと混同しない場所に、条件や途中式を残してください。頭の中だけで処理しようとせず、書いた内容を見て続きを考える形にします。何も書けなかった問題は、その事実だけを記録します。「自分には無理」と評価を付け足す必要はありません。
終了の合図が来たら、いったん筆記を止めます。続けたい問題には印を付けて、振り返りを先に行ってください。時間内の答案と、後から考えて書けた答案を分けるためです。余白に続きを書く場合は区切り線を入れれば、時間を外すと進めたのか、解説が必要だったのかを後で確かめられます。
4. 丸付けで原因と対処を点検する
最初の確認は、時間を外して同じ問題に取り組むことです。すぐ式が書けたなら、試験中にどこで迷ったかを振り返ります。落ち着いても式が出ないなら、例題に戻り、使う知識を確かめます。どちらの場合も、「不安があった」という記録だけで原因を決めず、解き方を説明できるかまで見てください。
次の確認では、解説を読んだ後に閉じ、最初の一手を自分で書きます。「答えを覚えた」だけなら、条件からその式を選ぶ説明が抜けることがあります。問題文のどの言葉を手掛かりにしたかを添えると、理解の点検になります。説明が途切れた部分が、次に教科の復習をする場所です。
もう1つは、予定した動作を使えたかの確認です。「不安だったが、条件を書いた」「次へ進めたが、戻る印を忘れた」のように、行動で残します。正解数が同じでも、止まった問題から別の問題へ進めたなら、その動作は次回も試せます。逆に気分が落ち着いていても、解説を写すだけだったなら復習の手順を調整します。
翌日には、印を付けた問題のうち取り組めそうなものを解き直します。同じ答えを再現するだけで終えず、前日に止まった箇所から自分で進めるかを確認してください。余裕があれば似た問題でも、同じ手掛かりを見つけられるか試します。できなかった部分を再び残せば、次の学習の入口になります。
練習を比べるときは、正解数だけを並べず、問題の量や難しさも一緒に見ます。短い計算で進めた日と、長い文章題で止まった日を比べて、「また悪くなった」と結論を急がないでください。同じ程度の課題で、前にできなかった動作を試せたかが確認の入口です。記録に使う言葉も、「だめだった」から「条件を書けずに読み直した」へ置き換えれば、次回は条件を書き出す練習を選べます。
5. 本番に近づける条件を少しずつ足す
短い課題で手順を使えるようになったら、次は問題の量、時間の制限、解く順序のうち、どれか1つを変えます。たとえば時間を15分にする日は、教材の難しさを急に上げないようにします。条件を分けて変えると、何が負担だったかを振り返りやすくなります。苦しくなった日は、前に取り組めた長さへ戻して構いません。
次の段階では、学習済みの範囲の過去問などを使い、解く問題を選ぶ練習をします。最初から全部を終えることにこだわらず、「着手する」「後で戻る」「今は復習が必要」と区別してください。練習が終わったら、後で戻ると決めた問題を実際に見直せたかを確認します。飛ばすことと、見失うことを分ける練習です。
本番が近づいたら、始める前の確認も短く揃えます。必要な物を置く、練習の目的を読む、最初に見る場所を決める、という流れです。新しい落ち着き方を次々に増やすより、普段使えた動作を残してください。不安の有無を確かめ続ける時間を、問題を扱う準備に置き換えていきます。
練習の途中で予定した手順が使えなかった場合は、終了後にその箇所だけやり直します。たとえば印を付け忘れたなら、問題を読み、止まった位置に印を付け、次の設問を見るところまでを試します。全ての問題をもう一度解く必要はありません。「次は頑張る」という言葉で終えず、忘れた動作を実際に行っておきます。次回の紙には、その動作だけを短く書いておくと、練習の目的を取り戻せます。

個別指導で相談したい役割と記録
教科の理解と試験中の動きを分けて見てもらう
個別指導を検討するときは、「不安をなくしてほしい」という相談に加えて、実際に止まった答案を持っていくと話が具体的になります。問題文を読んだ位置、書けた途中式、次へ進んだ印などが手掛かりです。塾に相談したいのは、その答案から、学び直す内容と、問題を解く手順を分けて考えられるかという点です。
たとえば「文章題が怖い」と話している場合でも、用語の意味が曖昧なのか、数量を整理できないのか、間違いを気にして式を書き始められないのかで必要な支援は変わります。体験授業では、正解を教えてもらうだけでなく、自分がどの説明なら次の一手を書けるかを見てください。その説明を家でも使えそうかまで確かめます。
質問に答えられないときには、「どこがわからないかもわからない」と伝えて構いません。止まった問題を見せて、読んだところまで指で示す方法もあります。困り方を上手に説明できることを、相談の条件にしないでください。見せる材料があれば、話す言葉が少なくても学習上の相談を始められます。
体験授業や面談では、家で取り組む課題が難しすぎた場合の相談もしてみてください。「始められなかったとき、どの問題まで戻ればよいですか」と尋ねると、困った後の選択肢を具体的に検討できます。逆に簡単に解けた場合は、量を増やすのか、少し条件を変えるのかを確かめます。本人が迷うたびに学習を止めずに済むよう、次の課題へ移る目安を自分の言葉で説明できるか見てください。
家庭で持つことを絞る
家庭では、問題の解説を全て引き受けるより、取り組む時間と終える時間を相談し、教材を広げられる場所を整える役割が考えられます。保護者の方は、お子さまが練習を終えるたびに合否の見通しを尋ねず、「今日はどこから再開できた」と行動を聞いてみてください。答えたくない日は、記録を残せたかだけで会話を区切れます。
励ましも、その日の事実に沿わせます。「絶対に大丈夫」と先の結果を言い切る代わりに、「途中で止まった後、次の問題に進めたね」と返します。これは気持ちを軽く扱うためではありません。本人が次にも使える行動を、本人と同じ言葉で確かめるためです。不安だという訴えには、まずそう感じていることを受け止めてください。
お子さまが話した直後に、勉強時間を増やす話へ移らない工夫も必要です。「今は聞いてほしいのか、一緒に次の練習を考えたいのか」を尋ねると、会話の目的を揃えられます。話を聞く時間と計画を変える時間を分ければ、不安を口にするたびに課題が増えるという受け止め方を避けやすくなります。
相談用の記録は答案に戻れる短さにする
進み具合を見る記録には、取り組んだ問題、止まった箇所、試した行動、次に確かめることを残す案があります。「数学の文章題。条件を読み直し続けた。数量を書いてから次へ進めた。次回は式まで書けるかを見る」という長さで十分です。感情を細かく採点するより、同じ問題を開けば確かめられる内容にします。
保護者から相談するときも、「家では全然できません」と全体を評価する言葉を、具体的な場面に置き換えます。「時間を決めると始める前に止まり、時間を外すと計算には取り組めました」と伝えれば、次の課題の条件を相談できます。本人の記録と保護者の見え方が違う場合は、どちらかを誤りにせず、別の場面を見ていた可能性を確かめます。
塾側に求めたい説明は、次の家庭学習で何を試し、何を見て調整するかまで含むものです。「復習しましょう」だけでは始めにくいので、どの問題を開き、解説をいつ閉じ、何を書ければ一区切りなのかを相談してください。家庭が学習の全てを判断する状態を避けるためにも、判断に迷う部分を具体的に渡します。
記録を共有する範囲は、お子さまと相談して決めます。不安について書いた言葉を、本人の知らないところで広く見せる必要はありません。答案上の困り方と、助けを借りたい内容を選んで伝えます。武蔵野個別指導塾についても、こうした相談ができるか、家庭で試す内容をどのように確かめられるかを、体験授業や面談で確かめてください。
不安への対処で迷いやすい3つのこと
Q1. 不安がなくなるまで模試や時間を決めた練習を待つべきですか
不安が少しある中でも取り組めるなら、短い課題から、自分で戻れる手順を試す方法があります。初めから長い試験を何度も再現する必要はありません。時間を外した問題、短い時間の問題、まとまった量の問題というように、今扱える条件を選んでください。終えた後は、怖さの強弱だけでなく、始められたか、止まった後に選べたかを見ます。
ただし、つらさを我慢して続けることを成功の条件にはしません。眠れない、食事が取りにくい、登校や日常生活に支障が出る状態が続くときは、練習量だけで解決しようとせず、保護者や学校の相談窓口、医療機関に相談してください。中学生本人が、不安の重さを一人で判定する必要はありません。
練習を休んだ翌日も、休む前の量を全て取り戻そうとせず、取り組める短い課題を選べます。再開する問題を先に決めておけば、遅れた分を数えることから始めずに済みます。その日の負担に合わせて、取り組む長さを保護者と相談してください。
Q2. 緊張するのは勉強が足りないからでしょうか
不足している知識を補うことは必要ですが、緊張の強さだけでは不足の場所は決まりません。まず、同じ問題を時間を外して解き、解き方を説明できるか確かめます。説明できなければ内容へ戻り、説明できるなら、試験中に止まった位置と、そのときの行動を見直します。どちらも必要な場合は、短い復習と短い練習に分けてください。
不安を感じるたびに新しい問題集を追加すると、取り組む対象まで増えます。今の教材で直す問題を選び、いつ終えるかを決めるところから相談しましょう。準備が足りたかという大きな問いを、今日の問題で自分の力を確かめる問いに変えます。
Q3. 保護者は「気にしなくていい」と励ましてよいですか
励ましたい気持ちはそのままに、「どの場面が気になる」と尋ねてみてください。「気にしなくていい」と言われても心配が残ると、お子さまは次に何を話せばよいか迷うことがあります。「最初の問題が難しいとき」と答えたなら、その場面の手順を一緒に短くできます。
本人が話したくないときは、理由を重ねて聞かず、相談したくなったら聞くと伝えます。毎日の会話を受験の確認だけで埋めず、普段の話題も残してください。家庭で安心して話せることと、学習で必要な修正をすることを、同じ会話で全て済ませようとしなくて構いません。
心配が浮かんだ後の一手を持つ
今日の練習では、解く問題を決めるのと一緒に、止まったときの動きを決めてください。問いを読み直す、条件を書く、印を付けて次へ進む。その中から今の自分に必要な動作を選び、終わった後に使えたかを確かめます。不安が残っていても、答案に戻れた場面は記録できます。
本番までに、知識を使う途中で困ったときの動作も試しておきましょう。練習の後には、戻れた場面と、まだ相談したい場面を分けて残します。話すのが難しい日は、答案に残った印を示すところからでも始められます。一度戻れた動作が、本番で迷ったときの足場を作ります。
参考文献
- von der Embse, Jester, Roy(2017). Journal of Affective Disorders. https://doi.org/10.1016/j.jad.2017.11.048
- Ergene(2003). School Psychology International. https://doi.org/10.1177/01430343030243004
- Putwain, Pescod(2017). School Psychology Quarterly. https://doi.org/10.1037/spq0000228
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