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家庭学習がすぐ終わる中学生—15分で「終わった」と言う子のノートで見る三つの所|武蔵野個別指導塾

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9時前に「終わった」と戻ってきた夜は、時計より先にノートを開いてください。丸つけの跡、×の直し、日付と範囲を30秒で見れば、足す一つを二択で選ばせる材料がそろいます。

15分で「終わった」と言う中学生の家庭学習は、短すぎるのではなく、中身が途中で止まっています。止まる場所はおおむね三つで、出された宿題を埋めたところ、答えを写したところ、解ける問題だけを解いたところです。時計を見て「もっとやりなさい」と言う前に、ノートの三つの所、丸つけの跡と、間違えた問題の直しと、日付と範囲を見てください。今夜の最初の一手は「お疲れさま。どこまでやったか見せて」と言って、ノートを一緒に開くことです。足す物はそのあとで一つだけ、本人に選ばせます。

よくあるのは、夜9時前に中1が「もう終わった」と言って居間へ戻ってくる場面です。部屋に入ってから、まだ15分ほどしかたっていません。手にはもうスマホがあり、ソファのいつもの場所に体を沈めています。親の口から出かかるのは「本当に」の一言で、それを言えば「やったって言ってるじゃん」が返ってくる。そこから先は、やったかやらないかの言い合いになり、肝心のノートは一度も開かれないまま夜が終わります。疑う前に、見る場所を決めておけば、この言い合いは始まりません。

「終わった」の中身—15分で止まる三つの形

中学生が「終わった」と言うとき、本人はたいてい嘘をついていません。本人の中では、決めた分はきちんと終わっています。ずれているのは「どこまでやれば終わりか」の線で、その線は次の三つのどこかに引かれていることが多いのです。図1の宿題だけ・答えを写す・解ける問題だけの三つは、どれもノートに見てわかる印を残します。

図1 15分で「終わった」になる三つの中身と、ノートに残る印

出された宿題を埋めたら終わり

小学校では、宿題をやれば家庭学習はおしまいでした。中1の春から夏にかけて、その感覚のまま机に向かう子供は珍しくありません。ワークの指定のページを埋め、プリントの空欄を埋めたら、本人の仕事は終わりです。出された分で終わるので、ノートには「やった」の跡はあっても「見直した」の跡がありません。空欄が無いことと、わかっていることは別の物ですが、その二つを分けて考える習慣を、まだ持っていないだけです。怠けているのではなく、終わりの線を一本しか知らないのです。

答えを写して、丸をそろえる

学校のワークに解答の冊子がついていると、それを横に開いて埋めることがあります。写したページは、見ればわかります。赤の丸がすべての問題にそろい、×が一つも無い。途中の式や書き損じの消し跡が無く、字の大きさがきれいにそろっている。本人は「提出できる形にする」ことを家庭学習だと思っているので、写すことにあまり悪気がありません。提出日が迫った夜や、部活で疲れて帰った夜ほど、この形に寄ります。写すこと自体より、写したあとに頭の中に何も残らないことのほうが問題です。

解ける問題だけ解いて、わからない所は飛ばす

三つめは、解ける問題だけを解き、わからない問題を空けたまま閉じる形です。ノートのところどころに空欄が残り、丸つけもされていないことがよくあります。わからない問題に向き合う時間は、中学生にとって気持ちのよいものではありません。教科書を読み返しても手がかりが見つからなければ、飛ばすのは自然な逃げ方です。ここで空欄が同じ単元に固まっていたら、授業のどこかで止まっている合図かもしれません。家の中だけで抱え込まず、学校の先生に聞くときの材料にしてください。

三つの形に共通するのは、「宿題の次に何をするか」を本人が持っていないことです。中学生の家庭学習の内容として、宿題の外に何があるのかを、具体的に聞いたことがない。だから「何やればいいの」と聞き返されて「自分で考えなさい」と返しても、話は前に進みません。考える材料が手元に無いからです。15分で終わるのは、本人の手持ちの選択肢がそこで尽きたから、と読むほうが、次の手を打ちやすくなります。

家でできる手順—「見せて」から「足す一つ」まで

手順は、ノートを開くところから、足した一つが終わるところまでで一組です。最初の夜から全部やろうとせず、1から5までで切り上げてかまいません。6と7は、平日の夜に何回か回してからで十分です。

1. 「終わった」と言われたら、時計の話をせずに「見せて」と言う

居間に戻ってきて、スマホを手に取る前がいちばん話しやすい時刻です。「早くない」「本当にやったの」は言わずに、「お疲れさま。どこまでやったか見せて」と言います。見せてもらうのは、今日使ったノートかワークを一冊だけ。全部を持ってこさせると点検の場になり、次の夜から見せなくなります。親が部屋へ取りに行くのも避けます。本人が自分の手で持ってくることに意味があります。

2. 三つの所を30秒で見る

ノートを開いたら、図2の三か所だけを見ます。一つめは丸つけの跡です。赤の丸と×がついているか、それとも丸つけそのものが無いか。二つめは間違えた問題の直しで、×の横か下にもう一度解いた跡が残っているかどうか。三つめは日付と範囲です。ページの上に今日の日付と、教科書やワークのどこをやったかが書いてあれば十分です。

図2 ノートの1ページで30秒で見る、丸つけの跡・直し・日付と範囲

三か所とも、内容をわかっているかどうかを親が判定するための所ではありません。誰が見ても「ある」か「ない」かで答えられる所を選んであります。数学が苦手な親でも、英語を忘れた親でも、30秒で見終わります。逆に言えば、30秒より長く見始めたら、それは点検になりかけている合図です。

3. 見えたことを、評価をつけずに声に出す

見たことは、そのまま言葉にします。「丸つけはしてあるね」「×が二つあるね」「今日はワークの24ページか」。ここで「×が二つもある」と言うと、×が悪い物になります。×は、次にやる物の目印です。直しの跡が無くても、その場では責めません。数を口に出すだけで、本人は自分で次を考え始めます。写した形のページを見つけても、この段では問いたださずにおきます。

4. 足す一つを、二択で本人に選ばせる

次に、足す物を一つ決めます。親が決めずに、二つ出して選ばせるのが要です。たとえば「×の二問を、答えを閉じてもう一回やる」か「明日の1時間目の教科書の、次のページを声に出して読む」。どちらも5分から10分で終わる大きさにします。丸つけ自体が無い日は、「丸つけをする」がそのまま足す一つです。×が一つも無い日は、丸のついた問題から一つ選んで、答えを閉じて解き直してもらいます。選んだら、その場で始められるように、ノートを開いたまま返します。

5. 足した一つが終わったら、「終わった」をそのまま受け取る

足した一つを終えて戻ってきたら、今度は確かめずに「お疲れさま」で終えます。二回目の点検をすると、足す一つが罰の延長になってしまいます。今夜は15分が25分になっただけですが、×が直った分、中身は確かに変わっています。長くすることが目当てではないので、ここで「ついでにもう一つ」は言いません。言いたくなったら、明日の足す一つに回します。

6. 週末に、「宿題のあとに何をやるか」を本人と紙に書く

平日の夜に1から5を何回か回したら、週末に10分だけ時間をもらいます。紙を一枚置いて、「宿題が終わったあとにやる物」を本人に挙げてもらいます。出てこなければ、平日の夜に二択から選んだ物を一緒に思い出します。×の解き直し、明日の授業の範囲の音読、今日の授業のノートの読み返し、英単語を5つ書く、などです。書くのは本人の言葉のまま。親が「数学を毎日」と付け足したくなっても、そこは待ちます。自分で決めた物でなければ、紙は三日で見なくなります。書いた紙は机の前に貼り、親は写真を一枚撮って手元に残します。

7. 二週間後に見直す日を、先にカレンダーに入れる

紙を貼った日に、二週間後の日曜を見直す日として決めておきます。その日は、紙に書いた物のうち、続いた物と続かなかった物を本人に聞きます。続かなかった物は消してかまいません。消した所には、本人がやれそうだと言う別の物を一つだけ書き足します。定期テストの範囲が出たら、紙の一部をテストの範囲に入れ替える、と貼った日に話しておくと、見直しの日に迷いません。

言葉と場面の例

言いがちな言葉は、たいてい心配から出ています。伝えたい中身はそのままにして、言い方だけを変えます。

「もう終わったの。早すぎない」

言い換えは「終わったんだね。今日のページ、開いて見せてくれる」です。疑う言葉から入ると、子供は守りに入ります。次の夜からは、ノートを見せる代わりに「やった」と言い張るようになります。見せてもらう言葉なら、やった中身が先に出てきて、言い合いの入口がありません。

「あと30分やりなさい」

言い換えは「×の問題、どれか一つだけもう一回やってみる」です。時間を足すと、机の前に座る時間が伸びるだけで、中身は同じままです。ノートを眺めて30分をやり過ごすことを覚えてしまうこともあります。一つと数を決めると、終わりが見えるので取りかかれます。

「答え、写したでしょ」

言い換えは「この問題、どうやって解いたか、ちょっと教えて」です。写したかどうかを問い詰めても、本人はまず認めません。説明してもらうと、写した問題は途中で言葉が止まります。止まったところを責めずに「そこからもう一回やろうか」と続ければ、写したことを話題にしないまま、直しへ進めます。

「何をやればいいかくらい、自分で考えなさい」

言い換えは「明日の時間割、見せて。1時間目は何」です。中1は、宿題の外に何をするかを考えたことがほとんどありません。材料を渡さずに「考えなさい」と言えば、返ってくるのは「わからない」です。明日の時間割を一緒に見ると、「理科があるから、今日習った図を一回描いておく」のような足す物が、本人の口から出てきやすくなります。

「丸つけくらいしなさいよ」

言い換えは「答えのページはどこにある。丸つけまでで宿題、にしようか」です。丸つけをしない子供は、答えのページの場所を知らなかったり、ワークの答えを先生が回収していたりすることがあります。叱る前に、答えがどこにあるかを一緒に確かめます。答えが手元に無いなら、丸つけの代わりに「自信のない問題に印をつける」を足す一つにします。

やりがちな三つのずれ

すぐ終わる家庭学習を前にすると、親は時間か、人か、量のどれかを動かしたくなります。三つとも善意から出る手ですが、中身を見ないまま動かすと、ずれが出ます。

終わりを時間で決める

「1時間は机に向かいなさい」と決めると、時間を守ることが目当てになります。中身は15分のときと同じまま、残りの45分を眺めて過ごす。時計を気にする子供ほど、終わりの時刻だけを待つようになります。直し方は、終わりを中身で決めることです。「宿題と、×の直しが済んだら終わり」と物で決めれば、早く済んだ日は早く終わってかまいません。

丸つけを親が引き受ける

親が毎晩丸つけをしている家があります。こうすると、本人は自分の×を見ないまま次の日を迎えます。丸つけは、どこで間違えたかを本人が知るための作業なので、親が代わるとその分がまるごと抜けます。直し方は、本人が丸つけをして、親は×の数を一緒に数えるだけにすることです。答えの冊子を親が預かっている家なら、丸つけのときだけ手渡します。

新しい問題集を買い足す

すぐ終わるなら量を増やせばいい、と考えて問題集を買い足すことがあります。けれど、学校のワークの×が残ったまま新しい物に移ると、わからない所が二冊に散らばるだけです。新しい冊子は最初の数ページで止まり、机の隅に積まれます。直し方は、学校のワークの×から始めることです。学校のワークは授業でやった範囲に合っていて、定期テストの範囲にもそのままつながります。

図3 時間・親の丸つけ・量で動かす三つのずれと、それぞれの直し方

図3のように、三つのずれは「時間で決める」「親が丸つけ」「問題集を買い足す」という形で出てきます。直し方は「中身で決める」「本人が丸つけ」「ワークの×から」の三つです。どれも、時間や人や量を動かす前にノートの中身を見る、という所で一つにまとまります。

よくある質問

宿題が無い日は、中学生は家で何をやればいいですか

宿題が出ない日は、足す一つが主役になります。今日の授業のノートを開いて、先生が黒板に書いた所を一度読み、そこから1問だけ解く。あるいは、教科書の今日進んだページの太字の語を、本を閉じたまま一つずつ口で説明してみる。どちらも15分あれば終わります。週末に本人と書いた紙があれば、そこから一つ選ばせてください。何も無い日に「好きな物をやりなさい」と言うと、選ぶ材料が無い分、かえって手が止まります。

答えを見るのは、全部だめですか

だめではありません。わからない問題で答えを見るのは、教科書を読むのと同じ、調べ方の一つです。差がつくのは、見たあとに何をするかです。答えを見たら一度閉じて、何も見ずにもう一度自分で書けるかを試す。書けたら、その問題の横に小さく印をつけておき、翌日にもう一度解く。写して終わりにしない決まりがあれば、解答の冊子は敵ではなく道具になります。

15分で本当に全部できている日は、そのままでいいですか

三つの所を見て、丸つけがあり、×が直してあり、日付と範囲が書いてあるなら、その15分には中身があります。「お疲れさま」で終えてかまいません。短いことを理由に足す必要はありません。その日はむしろ「今日は全部そろってるね」と、そろっていることを言葉にしてください。何がそろえば終わりなのかを、本人がその言葉で覚えていきます。

学校と相談先で確かめること

学校の決まりによって、家でやる中身が変わることがあります。家で手順を決める前に、担任か教科の先生に次のことを聞いておくと、家での言葉がぶれません。家庭学習の提出や、ノートの書き方の指示がある学校では、学校の指示が優先です。

空欄が同じ単元に固まっている、ノートを見せることそのものを強く嫌がる、夜になると机に向かえない日が続く。そうした様子があるときは、勉強の手順だけで片づけないでください。学校のスクールカウンセラーや、武蔵野市の教育支援センター、東京都教育相談センターに、家での様子をそのまま話すことができます。ほかの市にお住まいのときは、地元の教育委員会の相談窓口が入口になります。

個別指導で確かめること

1対1の授業では、ノートの×の問題を、本人に声に出して解いてもらうところから入ります。どの行で手が止まるか、どの言葉で迷うかを見ていくと、写した問題と、わかって解いた問題の境目が見えてきます。止まった所が中1の単元ならそこから、小学校の内容ならそこまで戻って、一人で最後まで書ける1問を作ります。どこまで戻ったかは家にも伝え、家で足す一つを決めるときの材料にしてもらいます。

まとめ

15分で「終わった」と言う夜に見るのは、時計ではなくノートです。丸つけの跡があり、×の横に書き直しがあり、ページの上に日付と範囲がある。三つがそろっていれば、その15分は短くありません。欠けている所が一つあれば、それがそのまま今夜の足す一つになります。×の横に書き直しが一行増えた夜から、お子さまの家庭学習は「すぐ終わる」とは呼べない物に変わっています。

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