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指定校推薦で遅刻や早退は見られるか—調査書に回数の欄がない記録の行方|武蔵野個別指導塾

令和9年度の調査書は出欠を日数で書く様式で、遅刻と早退の回数の枠はありません。それでも校内選考や所見の文に表れる道は残るため、高校で聞く質問と朝の立て直し方を順に載せています。
大学に届く調査書には、遅刻と早退の回数を書き込む枠がありません。令和9年度の様式で出欠の記録に並ぶのは日数の欄と備考だけで、遅れて登校した回数も、途中で帰った回数も、数字としては表に載らない作りです。けれども、誰を推すかを決める校内選考で遅刻を数えるかどうかは高校ごとに違い、出欠の備考や所見、推薦書といった文章の欄で触れられる道も閉じてはいません。「欄が無いから平気」でも「全部筒抜け」でもなく、記録が誰の手元にあって、どの紙へ移りうるのかを知ってから、朝の立て直しに取りかかるのが近道です。
| 確かめたこと | 決まりの中身 | 出どころ |
|---|---|---|
| 調査書の出欠の記録の欄 | 学年ごとの日数の欄(出席しなければならない日数/欠席日数/出席日数/留学中の授業日数ほか)と備考。遅刻・早退の回数を書く欄は置かれていない | 令和9年度の大学入学者選抜実施要項(文部科学省)に付いた調査書の様式 |
| 令和9年度だけの書き方 | 出席停止や忌引きで休んだ日数は書かず、そこから逆算できてしまう授業日数も書かない。システムの改修が重い高校は前の書き方でもよい | 同じ要項の調査書記入上の注意 17(2) |
| 出欠の備考 | 調査書の出欠は指導要録から写す。指導要録の出欠の備考は「出欠に関する特記事項等」を書く欄 | 同じ要項の記入上の注意 14と、文部科学省が平成31年3月29日に出した通知の別紙3(高校の指導要録に書く事項の決まり) |
| 文章で触れうる欄 | 指導上参考となる諸事項は、行動に関する所見などを要点だけ箇条書きにする。努力を要する点も、その後の指導で特に配慮が要るものなら短く書く。推薦書にも同じ趣旨の記載を大学が求める | 通知の別紙3と、令和9年度の要項の第3の1(3)③、記入上の注意 12 |
よくあるのは、1限の始まりを告げるチャイムを校門の手前の横断歩道で聞いてしまい、門をくぐる直前で足が止まる高2という場面です。走れば数十秒の距離なのに、体が前に出ません。頭に浮かぶのは職員室の前で書く遅刻の届けと、部活の先輩が言っていた「推薦の校内選考は遅刻も見ているらしい」という一言です。今学期に入って何回目だったか、指を折って数え直してしまう。門の内側では、もう誰も走っていません。
調査書の出欠の欄は「日数」しか数えない
指定校推薦という呼び名は、文部科学省の要項の本文には出てきません。要項の区分でいえば学校推薦型選抜に入るもので、大学があらかじめ指名した高校の校長から推薦を受けて出願する形を、高校や受験生がそう呼んでいます。校長の推薦が要るので、出願の前に高校の中で誰を推すかを決める段取り、つまり校内選考があります。遅刻の話は、この校内選考と、大学へ出る調査書という二つの場所に分けて考えると見通しがよくなります。
まず調査書のほうです。調査書は、高校が生徒一人ずつについて作って保管している指導要録をもとに、担任などが原案を書き、教員でつくる委員会の審議を経て、校長の責任で大学へ出される書類です。令和9年度の様式では裏面の最後に「出欠の記録」があり、1年から4年までの学年の列が並びます。行として用意されているのは、授業日数、出席停止や忌引きなどの日数、留学していた間の授業日数、出なければならない日数、欠席日数、出席日数、そして備考です。数字を入れる行はどれも「日数」で、遅れて来た回数や途中で帰った回数を入れる行はありません。文部科学省のQ&A(令和8年9月2日更新)は、様式の項目の並びや枠の配置を変えないよう求めています。
令和9年度には、もう一つ手当てがあります。忌引きや出席停止で休んだ日数は書かず、授業日数が残っていると引き算でその日数が割り出せてしまうため、授業日数の行も空けておく、という扱いです(校務のシステムを直すのが重い高校は、従来の書き方でもかまわないと但し書きがあります)。図1は、この手当てどおりに書いたときに数字が入る行と備考だけを抜き出したものです。

図1のように、学年ごとに数字が入るのは日数の4つの行で、文字で書けるのは備考の1行だけです。では、遅れて登校した日はどこに数えられるのか。指導要録の決まりで欠席に数えるのは、出なければならない日のうち、病気や事故などで学校を休んだ日です。出席日数は、出なければならない日数から欠席日数を差し引いて出します。遅刻や早退をした日をこの2つのどちらに寄せるのか、遅れて出られなかった時間の授業をどう扱うのかは、別紙3の出欠の記録の説明には書かれていません。高校ごとの出欠の数え方で決まるところなので、後の質問の節に入れておきます。
ここで取り違えやすいのが、「回数の行が無い」ことと「遅刻がどこにも書かれない」ことは別の話だという点です。調査書の出欠は指導要録の同じ欄を写すもので、指導要録の出欠の備考は「出欠に関する特記事項等」を書くところとされています。何を特記事項とみなすかは、作る側の高校が判断します。
さらに、調査書の「指導上参考となる諸事項」の欄があります。ここには、指導要録の行動に関する所見や、成長の様子をまとめた所見などをもとに、要点だけを箇条書きにして載せます。指導要録の決まりは、長所や進歩の様子を取り上げるよう促す一方で、努力を要する点も、その後の指導で特に配慮が要るものであれば短く書くとしています。推薦書について要項は大学に、推薦理由に加えて「その後の指導において特に配慮を要するもの」があれば中身を書いてもらうよう求めています。遅刻が続いた時期が、こうした文章の欄で触れられるかどうかを決めるのは、書く側の高校です。
もう一つ覚えておきたいのは、調査書は書き手の個人的な見方や手心で作るものではないと、記入上の注意のはじめのほうに書かれていることです。出す前に「遅刻のことは伏せてほしい」と頼む性格の書類ではありません。
大学の側はどうか。要項は大学に、調査書の教科の成績の欄だけでなく、ほかの記載も生かして評価するよう求めています。また、出欠の状況を推薦の要件や判定の材料にするときの配慮も書いていますが、その文が扱っているのは欠席の日数です。令和9年度の要項とQ&Aを通して読んでも、高校生活の中の遅刻の回数をどう扱うかを決めた文はありません。要項に「遅刻」の語が出てくるのは、災害や事故で試験当日に遅れた受験者への配慮の箇所だけです。
遅刻を数えるかは、校内選考の決まりと大学の条件しだい
調査書に枠が無くても、高校の中に遅刻の記録が無いわけではありません。遅刻と早退を数えて通知表に載せている高校なら、その数は高校の手元にあります。校内選考でその数を見るのか、見るならどの学年のいつまでの分なのか、何回からを問題にするのか。決め方は高校ごとに違い、校内の推薦の要項に書いてある高校もあれば、生徒向けの紙には書かれていない高校もあります。先輩の話や、別の高校の友だちの話は、自分の高校の決まりの代わりになりません。
自分の場合を知るために見る物は、次の4つです。
- 校内の推薦の要項。申込の条件や選考の観点の欄に「出欠」「生活の様子」「授業への取り組み」といった語があるかを見ます。語があっても、その中に遅刻が入るかどうかまでは書かれていないことがあるので、印をつけて面談で聞きます。
- 指定校の一覧の条件の欄。推薦の要件は大学が具体的に決めて示すものなので、学部ごとの条件に出欠にかかわる項目があるかを確かめます。要項は、大学が出欠の状況を推薦の要件にする場合を想定した書き方をしています。
- 高校に届く大学の書類。募集要項や出願の書類に、欠席の理由の申し出を受けるといった記載があるか、出欠について別に書く用紙があるかを見ます。指定校の書類は高校に届くので、見せてもらえる範囲を担任に聞いてください。
- 担任や進路の先生との面談。上の3つで印をつけた所をまとめて聞く場です。数を言われたら、その場でメモします。
早退は、遅刻とは別の筋で効いてきます。授業を途中で抜けた時間が積もったとき、その科目の履修や単位の認定をどう扱うかは高校の規程で決まります。単位が認められなかった科目は評定の欄に1が入り、評定の平均にもそのまま響くので、早退の多い科目がある人は、規程の中身を早めに聞いておくほうが安全です。何時間でそうなるかという数字は高校ごとに違い、ここに書ける共通の値はありません。
大学ごとの違いもあります。出欠を推薦の要件や判定に使うかどうか、使うなら欠席の日数のどこを見るのかは大学が決めることで、中身は大学の書類と、自分の高校に示された条件で確かめるしかありません。ただ、書類の作りから言えることはあります。大学に届く調査書で出欠にかかわるのは、日数の行と備考、それに所見の文章です。書類の上で大学が遅刻に触れる道として考えられるのは、高校が備考や所見、推薦書の文章に書いた場合か、大学が自分の出願書類や面接で尋ねた場合です。どちらがあるのかは、高校に届いた大学の書類を見るまでわかりません。
高3の扱いにも触れておきます。卒業見込みの生徒の最終学年の欄は、調査書を作る時点の直近の学期末(または最終学年の成績を判定した時点)までの出欠で書かれ、その区切りが備考に添えられます。どこで区切るかは高校に聞くことですが、区切りの後の遅刻が帳消しになるわけではありません。単位の認定と卒業は高3の最後まで続き、出願資格は高校を卒業する見込みであることが前提です。
遅刻の原因を朝・通学・睡眠に分けて、2週間で立て直す
ここからは、今日からできる手順です。遅刻を減らすには気合いより、どこで時間が足りなくなっているのかを見つけるほうが早く効きます。
- 回数を書き出す。通知表と自分のメモから、学年ごと、月ごとに遅刻と早退の回数を出します。曜日と天気、校門に着いたおおよその時刻も、思い出せる範囲で添えます。たとえば、2学期の9月から11月の遅刻が7回で、そのうち5回が月曜、残りの2回が雨の日だったとします。書き出してみると、遅刻は毎日少しずつではなく、決まった日に固まっていることが見えてきます。
- 原因を3つのどれかに決める。朝の支度にかかる時間が日によってぶれるなら「朝」。乗る電車やバスに余裕がなく、少しの遅れで間に合わなくなるなら「通学」。寝る時刻が遅く、起きる時刻が守れないなら「睡眠」です。上の例では、月曜に固まる遅刻は日曜の夜の寝る時刻、雨の日の遅刻は自転車をやめてバスに乗った日の通学、と分けられます。
- 校門の時刻から逆に決める。たとえば、校門を8:30までに通る必要があり、いまは7:10に起き、7:45に家を出て、7:52の電車に乗り、校門に8:27に着いているとします。余裕は3分しかなく、電車が少し遅れただけで1限に間に合いません。1本前の7:37の電車に替えると、校門に着くのは8:12で、余裕は18分になります。そのためには家を7:30に出て、6:55に起きる。起きる時刻を15分早めるだけで、余裕は6倍に広がります。

図2のように、上の段がいまの朝、下の段が直した朝です。大事なのは、起きる時刻を先に決めるのではなく、校門の時刻と電車の時刻から逆にたどって決めることです。逆にたどると、どこを何分削ればよいかが一目でわかります。
- 前の晩に、朝の決めごとを済ませる。制服、かばんの中身、定期券、その日の提出物を寝る前にそろえておけば、朝の支度のぶれが小さくなります。スマートフォンの充電は寝る部屋の外でする、と決めておくと、寝る時刻も守りやすくなります。
- 曜日と天気の弱点に、別の手を打つ。月曜に固まるなら、日曜の夜だけ寝る時刻が遅れていないかを見直します。雨の日に遅れるなら、雨の日の経路と家を出る時刻を、晴れの日とは別に決めておきます。
- 早退は理由ごとに分けて残す。体調や通院で早退した日は、その日のうちに担任へ伝え、通院の予約の控えなどを家で保管しておきます。それを校内選考や調査書でどう扱うかは高校が決めるので、出すかどうかは先生の指示に従ってください。体の不調が続くなら、推薦より先に受診の相談です。
- 保護者の方は、責めるより時刻表を一緒に作る。お子さまと朝の逆算を紙に書き、家族の目に入る所に貼っておくと、声をかけるべき時刻が家族全員にわかります。家の事情で遅れた日があったなら、その事情は保護者から学校へ伝えておくと、本人の説明だけに任せるより行き違いが減ります。
- 2週間ごとに数え直す。月曜と雨の日に分けて、回数が減ったかを確かめます。減らなければ、原因の見立てを3つの中で替えて、もう一度試します。
- 校内選考の前に、担任へ短く話す。遅刻が続いた時期に事情があったなら、何が原因で、何を変えて、いまの回数がどうなっているかを、1分で話せる長さにまとめて伝えます。言い訳ではなく、直した事実を見せる話し方にします。
「欄が無いから平気」を3つの角度から崩す
調査書の様式を見て安心する人と、先輩の噂を聞いて怯える人とでは、同じ遅刻の話でも思い込みの向きが逆です。決まりに照らすと、どちらも半分ずつ外れています。図3は、遅刻の記録がどこへ移りうるかを3つの道に分けたものです。

一つめは、「調査書に欄が無いのだから、遅刻は推薦に関係ない」という思い込みです。図3のいちばん上の道のとおり、校内選考は高校の手元の記録で行われ、遅刻を数えるかどうかは高校の決まりしだいです。真ん中の道では、たしかに調査書の数字の行に遅刻は載りません。けれども下の道、つまり備考や所見、推薦書の文章の欄は開いています。欄の有無は、大学の表に数字が並ぶかどうかの話でしかありません。
二つめは、「無遅刻無欠席なら、そう書いてもらえる」という期待です。無欠席は、各学年の欠席日数の行が0で並ぶことで、数字のまま表に出ます。ところが無遅刻のほうは、回数の行が無いので表には出ません。指導要録の決まりは、表彰を受けた行為や活動を指導上参考となる諸事項に入れる事項の一つに挙げていますが、皆勤の表彰がある高校でそれを所見に書くかどうかは高校が決めます。調査書のその欄は要点だけを必要な分に絞る決まりなので、書かれる前提で数えないほうが安全です。
三つめは、「遅刻や早退は欠席より軽いから、多少は平気」という読み方です。遅刻と欠席の重さを比べる共通の物差しは、令和9年度の要項にもQ&Aにもありません。校内選考での重さは高校が決めることで、軽いと言える根拠を生徒の側は持っていません。早退は、先に書いたとおり授業を抜けた時間として積もり、単位の認定の数え方につながります。
3つとは別に、「先生に頼めば所見から外してもらえる」という考えも外しておきます。調査書は書き手の手心を加えずに作るものと決まりにあります。頼むことではなく、事情を正しく伝え、直した後の数字を見せることが、生徒にできる手立てです。
高校の先生に確かめる質問
面談の前に、次の質問を紙に書いて持っていくと、聞き漏らしが減ります。答えをもらったら、その場で日付を書き添えておいてください。
- 校内選考で、遅刻と早退の回数を見ますか。見るなら、何年生のいつまでの分を数えますか。
- 校内の推薦の要項にある「出欠」や「生活の様子」の条件には、遅刻と早退も入りますか。
- 遅れて登校した日や早退した日は、出欠の記録で出席の日として数えられますか。出られなかった時間の授業は、どう扱われますか。
- 早退で抜けた授業が多い科目があるとき、単位の認定の決まりで気をつけることはありますか。
- 通院や体調で遅刻や早退をした日について、いま伝えておくことや、出しておく書類はありますか。
- 無遅刻無欠席や皆勤の表彰は、調査書や推薦書のどこかに表れることがありますか。
- 調査書の出欠の備考には、どんなことを書くことがありますか。
- 遅刻が続いた時期があっても、いまから直したことを校内選考で見てもらえる場面はありますか。
個別指導で確かめること
教室では、通知表の出欠の欄と評定の表を並べ、遅刻の多かった月と点数の落ちた科目が重なっていないかを一緒に見ます。朝の逆算を紙に書き出して2週間後の回数で効き目を確かめ、担任との面談で事情を話すときの下書きも、言い訳に聞こえない順番に整えます。大学の面接で出欠のことを尋ねられた場合に備え、起きたことと直したことを30秒で話す受け答えも、声に出して練習します。
まとめ
校門の前で止まった足は、調査書のどの行にも数字としては残りません。残りうるのは、校内選考で高校が見る手元の記録と、先生が備考や所見に書くかもしれない一文です。だから回数の欄が無いことは、遅刻を忘れてよい理由ではなく、これからの朝で記録の中身を塗り替えられる理由になります。次の月曜、逆算して決めた時刻に玄関を出た朝が、その最初の1回に数えられます。
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