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体調不良の欠席は指定校推薦で不利になるか—要項にある「本人に帰責されない欠席」の配慮|武蔵野個別指導塾

熱で休んだ日が欠席に数えられるか出席停止になるかで、調査書の数字は変わります。令和9年度の要項が大学に求める配慮と、校内選考の前に高校で聞くことを、休んだ朝から順に追ってください。
指定校推薦は、大学から推薦の枠を示された高校で、校長の推薦を受けた生徒が出願する学校推薦型選抜のひとつで、要項の中にこの呼び名は出てきません。推薦のあとに大学が判定するとき、令和9年度の大学入学者選抜実施要項は、病気やけがのように本人の責任でない理由で休んだ日を申し出や調査書で知ったなら、不利益が出ないよう配慮することを、出欠を使う大学に求めています。つまり、体調不良で休んだ日は、日数の多さだけで不利にしないよう大学に求められていますが、この決まりの宛先は大学で、校内選考で欠席をどう扱うかは高校が決めます。熱で休んだ日がどの欄に数えられ、その理由がどの道で大学まで届くかを、高校と大学の両方で確かめてください。
| 確かめたこと | 決まりの中身 | 文書 |
|---|---|---|
| 健康の状況 | 原則として合否の判定の資料にしない | 令和9年度大学入学者選抜実施要項 第13の2(1) |
| 本人の責任でない欠席 | 大学が申し出や調査書で知ったら、不利益にならないよう配慮する。例に新型コロナの罹患後症状と考えられる症状、月経随伴症状 | 同 第13の2(1) |
| 高校と大学の動き方の例 | 高校は配慮があると生徒に伝え、調査書の備考欄に書く。大学は申し出を受けると募集要項に書き、必要なら面接で理由を聞く | 同 Q&A(令和8年9月2日更新)Q13-2-2 |
| 校長が出席を止めた日 | 学校保健安全法による出席停止の日は「出席停止・忌引等」に入り、欠席日数に数えない | 高等学校の指導要録に記載する事項等(平成31年3月29日通知の別紙3) |
| 令和9年度の調査書 | 出席停止・忌引き等の日数と授業日数は書かない(作り直しが難しい高校は従来の書き方でもよい) | 令和9年度大学入学者選抜実施要項 調査書記入上の注意17(2) |
よくあるのは、熱で起き上がれないお子さまの額に手を当てたあと、母親が高校への欠席連絡に「発熱のため」と打ち込んでいる場面です。送る直前に指が止まります。今月これで2日目。娘が口にしていた指定校推薦の大学の名前が頭をよぎり、この1日が調査書に残って、秋の校内選考で順番を下げるのではないかと考えてしまう。休ませるべき朝に休ませたことが、あとで本人の足を引っぱるのではないかという迷いです。
要項が大学に求める配慮と、熱の日の数えられ方
令和9年度の実施要項は、第13の「健康状況の把握及び障害のある者等への配慮」という節で、志願者の健康の状況を原則として合否の判定に使わないと書いています。健康の状況を知る必要がある特別な事情を持つ大学は、そのことを募集要項に具体的に書くことになっています。しかも、健康を理由に不合格にしてよいのは、入学後の保健の指導を考えに入れても、志望する学部の学びに耐えられないことが明らかな場合に限られます。体調のことが書類に出たらそれだけで落とされる、という心配は、この順番で読むと形が変わります。
出欠についての決まりは、そのすぐ後に置かれています。大学が出欠の状況を推薦の条件や合否の材料のひとつにするとき、本人の責任でない体や健康の理由でやむを得ず休んだ日があると、本人の申し出や調査書の記載でわかったなら、本人が不利益を受けないよう配慮する、という中身です。何が本人の責任でない理由にあたるかについて、要項は病気や事故を挙げ、例として新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)と考えられる症状と、月経随伴症状を書き添えています。周りに言い出しにくい不調にも、例の中で名前が与えられているということです。
同じ年度のQ&Aには、この留意事項が令和7年度の要項から書き足されたと書かれています。出欠の欄を合否の材料に使うこと自体は否定していません。そのかわり、使う大学には、使い方と理由を筋道立てて説明できるようにすること、欠席が多いという一点だけで不利に扱わないことを求めています。そのうえで、高校と大学がとれる動き方を例として挙げています。高校は、病気や事故による欠席は大学入試で配慮されると生徒に伝え、調査書の備考欄にその旨を書く。大学は、欠席の理由の申し出を受け付けることを募集要項に書き、事情を前もって知っていれば判定で考え、知らなくても欠席が判定に響くなら、必要に応じて面接などで本人に理由を確かめる。どれも「例えば」として示された動き方で、どの高校とどの大学にも同じ形があるという意味ではありません。
試験の当日に体調を崩したときのことも、同じ節に書かれています。本人の責任でない体調の理由で当日受けられない人について、要項は、試験の時間を遅らせる、別の日程に振り替えるといった柔軟な対応が望ましいとしています。「望ましい」という書き方なので、実際にどう扱うかは、その大学の募集要項の決まりで確かめることになります。
次に、休んだ日がどこに数えられるかです。高校の指導要録の決まりでは、欠席日数として数えるのは、出席が求められている日に、病気や事故などで休んだ日です。これに対して、学校保健安全法の第19条にもとづいて校長が出席を停止させた日は、忌引などと一緒に「出席停止・忌引等の日数」にまとめられ、出席しなければならない日数から先に引かれます。学校保健安全法施行規則は、学校で予防すべき感染症としてインフルエンザや新型コロナウイルス感染症などを挙げています。学年の一部を臨時に休みにした日、いわゆる学級閉鎖の日も、同じ「出席停止・忌引等」の側に入ります。
図1のように、熱で休んだ日は、校長が出席停止にしたかどうかで行き先が分かれます。出席停止になった日は、欠席日数にそもそも入りません。かぜや原因のわからない発熱で休んだ日は病気の欠席として欠席日数に入り、そのうえで、本人の責任でない理由だと大学に伝われば配慮の対象になります。

たとえば、ある生徒の高2の1年間で、授業日数が196日、そのうち感染症で校長に出席を止められた日が4日、それとは別に熱やかぜで休んだ日が3日あったとします。出席しなければならない日数は196から4を引いた192日で、欠席日数は3日、出席日数は192から3を引いた189日です。体調のせいで学校に行けなかった日は合わせて7日あっても、欠席日数の欄に入るのは3日です。令和9年度の特例どおりに作られた調査書なら、出席停止・忌引き等の日数と授業日数は書かれないので、留学の欄を別にすると、並ぶ日数は192と3と189になります。
高3の欄については、卒業見込みの段階では直近の学期末、または最終学年の成績を判定した時点の出欠を書き、そのことを備考に示すと記入上の注意にあります。いつまでの欠席が入るかは、調査書を作る時期と学期の区切りで動くので、後の節の質問で確かめてください。
校内選考の物差しは高校の手元にある
ここまでの決まりは、どれも大学の入学者選抜にかかるものです。校内選考は、推薦する生徒を高校が選ぶための手続きで、何を見るか、欠席をどこまで認めるか、病気の欠席を分けて考えるか、診断書のような記録を求めるかは、高校が決めます。決め方を紙にして生徒に配る高校もあれば、表に出していない高校もあります。要項に配慮が書いてあるのだから校内選考でも同じように扱われるはずだ、と考えるのは一歩早いのです。
大学の側でも、出欠をどう使うかは大学ごとに違います。志望する学部の指定校の条件に欠席の項目があるかどうかは、高校に示された指定校の一覧の条件の欄と、大学から高校に届く書類を見なければわかりません。外から言えるのは、出欠を使うかどうかを大学が自分で決め、使うのであれば要項の配慮がかかる、というところまでです。ここに数字を当てはめて「何日までなら大丈夫」と考えるのは、根拠のない線を自分で引くことになります。
理由の届け方も、大学ごとに形が違います。Q&Aの例にある「欠席の理由の申し出」を募集要項で受け付けている大学なら、募集要項のどこかに申し出の方法が書かれているはずですが、それがどの大学なのかは書類を見るまでわかりません。高校に届いた大学の書類のどこに、欠席の理由を伝える方法が書かれているかを、先生と一緒に探すのが確かな道です。
面接で理由を聞いてもらう、という道も、指定校推薦では残っているとは限りません。令和9年度の要項は学校推薦型選抜に面接を求めながら、高校との連携で組み合わせを丁寧に決め、合格したら入学すると約束して受ける非公募の選抜については、面接をするかどうかを大学が判断できるとしています。面接が無い場合、理由が大学に届くのは、調査書のような高校の書類と、本人の申し出という紙の上の道になります。
備考欄に何をどう書くかも高校が決めることで、本人が中身を読めるかどうかも高校によって違います。調査書は、担任などが原案を作り、関係する先生の委員会で審議したうえで、校長が作って責任を持って大学に出す書類です。家から「この事情を書いてほしい」と頼むことはできても、書く文を決めるのは高校です。
出席停止の扱いにも、高校ごとの手順があります。学校保健安全法は出席を停止させる権限を校長に与えていて、どの診断をどう届け出るか、医療機関の書類が要るかといった細かな運びは、高校の決まりの中にあります。診断を学校に伝えなければ、高校は出席停止にするかどうかを考える材料を持てません。
自分の場合を知るために見る物は、次の4つです。
- 校内の推薦の要項(校内選考の申込の案内): 欠席や出席停止について何か書かれているか
- 指定校の一覧の条件の欄: 志望する学部に欠席の条件が付いているか
- 高校に届く大学の書類: 欠席の理由を申し出る欄や方法があるか
- 担任や進路指導の先生との面談: 備考欄の書き方と、診断書などの記録の扱い
熱で休んだ朝から出願の日までに打つ手
休んだ日の数を、後から減らすことはできません。できるのは、休んだ理由を正しく残し、それが高校と大学に届く道をふさがないことです。図2のように、休んだ朝から出願の書類が届く日まで、6つの手を順に打ちます。

- 欠席の連絡で、理由をそのまま伝えます。「体調不良」の4文字で済ませず、「朝から熱が高く、午前中に受診します」のように、症状と受診の予定を添えます。連絡の方法は高校の決まりに従います。
- 受診して病名を言われたら、その日のうちに高校へ伝えます。学校で予防すべき感染症であれば、出席停止にするかどうかを決めるのは校長で、家ではありません。どんな書類を出すかは、そのときに高校に聞きます。
- 家に記録を残します。1回の欠席につき1行で、日付、症状、受診したか、医療機関で言われたこと、高校に伝えた日と方法を書きます。たとえば次のような書き方です。
- 6月10日 朝から発熱。午後に受診し、学校で予防すべき感染症と言われた。夕方に担任へ電話で伝えた
- 6月11日から 高校から出席停止の扱いになると聞いた。登校の再開は高校の指示に合わせた
- 9月2日 頭痛とだるさで欠席。受診はせず、朝に欠席の連絡を入れた
- 学期末に、通知表の出欠の欄と家の記録を突き合わせます。欠席の数が記録とずれていたら、その学期のうちに担任に尋ねます。卒業までの記録は高校がまとめて持つので、ずれを高3まで持ち越さないことが大事です。
- 同じ不調で欠席が重なってきたら、担任や保健の先生に相談します。月経随伴症状のように口にしにくい理由ほど、早めの相談と記録が後で効きます。調査書の備考欄に書いてもらえるか、そのために家から何を出せばよいかを、この時点で聞いておきます。そして校内選考の申込の前の面談で、「高校の先生に確かめる質問」の節にある問いを聞き、答えを日付つきでメモに残します。
- 出願の書類が届いたら、欠席の理由を申し出る欄や方法があるかを見ます。本人が書く欄があれば、「いつ」「何の理由で」「何日」「いまはどうか」の4つだけを、事実のまま短く書きます。
試験の当日に熱が出たときは、まず高校の先生に連絡し、そのうえで大学の書類にある決まりに従います。要項が別の日程への振り替えなどを望ましいとしていても、それを使えるかどうかと手続きは大学の書類の中にあります。出願の書類が届いた日に、当日の欠席の扱いが書かれた行に印を付けておくと、慌てる朝に探さずにすみます。
保護者の方にお願いしたいのは、記録を親だけのものにしないことです。高校に何を伝えたかをお子さま本人が知らないと、面談や面接で話が食い違います。記録の紙は家族で1枚にして、本人が読める場所に置いてください。
「休んだら推薦は終わり」と思う前に
ひとつめは、休んだ日はぜんぶ欠席日数に入る、という思い込みです。校長が出席を停止させた日と、学級閉鎖の日は「出席停止・忌引等」に入り、欠席日数には入りません。令和9年度の調査書では、その日数そのものも、授業日数と一緒に書かない扱いが基本です。ただし、出席停止かどうかを決めるのは高校なので、家の判断で「これは出席停止のはず」と決めつけず、記録と照らして担任に確かめます。
ふたつめは、要項に配慮と書いてあるから校内選考でも欠席は気にされない、という思い込みです。図3のように、物差しは2つあります。校内選考の物差しは高校が持ち、大学の判定の物差しに要項の配慮がかかります。Q&Aが例に挙げる届き方は、備考欄、本人の申し出、面接の3つで、そのうち面接は無い場合もあります。2つの物差しを1つだと思っていると、校内選考の面談で聞くべきことを聞きそびれます。

みっつめは、体調のことは黙っていたほうが得だ、という思い込みです。要項の配慮は、本人の申し出や調査書の記載で大学が事情を知った場合の話で、何も伝わっていなければ、大学に見えるのは欠席の数だけです。しかも健康の状況は原則として判定に使わないと決まっているので、理由を伝えることと、健康で判定されることは同じではありません。面接で欠席を聞かれたら、2文で足ります。「高2の6月に高い熱が続き、受診して3日休みました。休んだ範囲の数学は、翌週に先生へ質問して取り戻しました」。何があったかと、そのあと自分がどう動いたかを並べれば、欠席は弱みの説明ではなく、立て直しの話になります。
最後に、熱を押してでも登校して欠席を1つでも減らしたほうがよい、という考えです。感染症であれば、診断を伝えた先にあるのは校長の判断による出席停止で、校長が出席停止にすれば、その日は欠席日数の外に置かれます。感染症でない熱の日も、本人の責任でない欠席として大学に伝える道があります。減らしたいのは欠席の数より、理由の書かれていない欠席のほうです。
高校の先生に確かめる質問
校内選考の申込の前の面談で、そのまま読み上げられる形にしてあります。答えは日付と先生の名前を添えてメモに残し、家の記録と同じ紙にまとめておくと、出願の書類が届いた日にすぐ読み返せます。
- 校内選考で欠席を見るとき、病気による欠席と、それ以外の欠席を分けて考えますか。
- 校長の判断で出席停止になった日は、校内選考の資料ではどのように扱われますか。
- 病気で休んだ日について、診断書や受診の記録を出す必要はありますか。出すなら、いつまでに誰へ出せばよいですか。
- 本人の責任でない欠席であることを、調査書の備考欄に書いていただけますか。そのために家から何を用意すればよいですか。
- 志望している学部の指定校の条件に、欠席についての項目はありますか。
- その大学から届いた書類に、欠席の理由を申し出る欄や方法は書かれていますか。
- 高3の欠席は、調査書のどの時点までの数が入りますか。
- 大学の試験の当日に熱が出たら、最初に誰へ、どの方法で連絡すればよいですか。
個別指導で確かめること
塾では、通知表の出欠の欄と家の記録を学期ごとに並べた表を一緒に作り、数のずれと、高校の先生に聞くことを書き出します。休んでいた週の授業の範囲は、定期テストの答案を見れば穴の場所がわかるので、その単元から順に戻します。面接で欠席の理由を聞かれたときの2文の受け答えも、声に出して何度か整えてから本番に持っていきます。欠席の理由を申し出る欄に書く文があれば、日付と日数が家の記録と合っているかも、一緒に照らします。
まとめ
熱の朝に休ませた判断を、あとから悔やむ必要はありません。欠席の数は書き換えられなくても、その日の理由は記録に残り、高校の書類と本人の申し出を通って大学の判定の場まで運ぶことができます。母親が打ち込んだ「発熱のため」の一行を、日付と受診の記録をつけたまま、出願の日まで家族で手放さずにいてください。
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