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指定校推薦の評定はいつまでの成績か—高3の成績の入り方と、2学期のテストの意味|武蔵野個別指導塾

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調査書の高3の欄は学年末の評定ではなく、出願の前に高校がまとめた途中の数字です。2学期の点数が単位と卒業に回る道筋と、2学期制の高校で区切りを聞く質問を持って面談に行けます。

大学が「この高校の生徒なら志願してよい」と枠を渡し、その高校の校長が推薦書を書いて送り出す入試を、指定校推薦と呼びます。文部科学省の要項の区分でいえば学校推薦型選抜の中の一つの形で、高校が作る調査書が主な資料になります。調査書の評定には高1から高3まで全学年の列があります。そのうち高3の列にだけは、まだ出ていない学年末の評定の代わりに、高校がその学年のいちばん新しい成績をまとめて判定した数字が入ります。塾の案内でも、指定校推薦で見られる評定平均は、高校に入って最初の学期から高3の1学期までに出た全教科の評定を足し上げたものだと書いています。2学期の定期テストは、その積み上げの後ろに来る、高3の単位と卒業を決める試験です。

確かめたいこと 決まりの中身と出どころ
調査書の評定の欄 在学した全学年の分を、学年ごとの列に書く(令和9年度の実施要項に付いた調査書の記入上の注意、7)
卒業見込みの高3の列 学年の成績が決まる前なら、その学年の新しい成績を合わせて高校が判定した数字を書く(同7の(4))
高3の修得単位数 決まる前なら、いま履修している単位を取れたものとして数える(同7の(2))
単位と卒業の認定 指導計画どおりに履修して成果が認められると単位になり、学校が定めた単位数(74単位以上)と特別活動の成果で校長が卒業を認める(高等学校学習指導要領・平成30年告示の総則)
単位を認めない科目 評定は1にする(高等学校の指導要録に記載する事項等)

よくあるのは、校内選考が終わった9月、2学期の中間テストの範囲表を受け取った高3が、ろくに目を通さないまま紙を半分に折ってしまう場面です。推薦の候補に決まったのだから、もう評定は動かない。そう思った瞬間に、範囲表はただの紙になります。けれど、これから高校が作る調査書の高3の列に何が入るのかという話と、2学期の点数がどこへ回るのかという話は、まったく別の線の上にあります。この二つを一本の線だと思い込むと、12月以降に合格の知らせを受けてから3月の卒業までが、高校生活でいちばん足元の危うい時間に変わります。

調査書の高3の列には、どの時点の成績が入るのか

令和9年度の大学入学者選抜実施要項には、調査書の様式と、その書き方の注意が付いています。評定の欄は「第1学年」「第2学年」「第3学年」と学年ごとに列が分かれていて、科目ごとに5から1までの数字を入れる作りです。書き方の注意の7は、この欄を高校に在学したすべての学年について書くよう求めています。高1と高2の列は、指導要録をもとに学年の評定を書く欄で、ここはもう動きません。

迷いが生まれるのは高3の列です。令和9年度の要項は、学校推薦型選抜の願書を受け付けてよい日を2026年11月1日から先に置いていて、その日に高3の学年はまだ半ばです。そこで注意の7の(4)は、卒業見込みの生徒で最終学年の成績が決まっていなければ、その学年でいま出ているいちばん新しい成績を合わせて見て高校が判定し、その結果を最終学年の成績として書くよう定めています。要項の言葉では「高等学校として判定した成績」です。判定するのは生徒でも大学でもなく、高校だという点を押さえてください。図1のように、3つの列のうち高3の列だけは決まった評定ではなく、出願の前に高校がまとめた途中の数字です。

図1 調査書の評定は学年ごとの列で、高3だけが出願前の判定

同じ考え方は、調査書のほかの欄にも顔を出します。修得単位数の計の欄は、高3の単位がまだ決まっていなければ、いま履修している単位を修得したものとして計算します(注意の7の(2))。出欠の記録の高3の欄は、直近の学期末か、高3の成績を判定した時点までの出欠を書き、どこで区切ったかを備考に書きます(注意の14)。成績も単位も出欠も、調査書の高3は出願の前のある日で切り取った姿だということです。しかも単位については、まだ取り終えていない分を、取れるものとして先に数えています。

いわゆる評定平均、調査書の言葉でいう全体の学習成績の状況は、この高3の列も含めたすべての評定を足し、評定の数で割って、小数点以下第2位を四捨五入した数です。高3の評定だけを重く数える決まりも、軽く数える決まりもありません。計算の細かな手順は評定平均の計算を扱う回に譲りますが、高3の列に入った数字は1つずつ、高1の数字と同じ重さで平均に入ります。

学年の成績が決まった後の扱いも、この決まりから読み取れます。7の(4)は卒業見込みで成績が未決定の生徒のための決まりなので、卒業した後に調査書を作る場面では、高3の列にも学年末に決まった評定が入ります。出願の前に高校がまとめた数字と、3月に決まる高3の学年の評定は、同じになるとは限りません。

区切りの学期と2学期の扱いは、高校の決まりで変わる

要項が決めているのは、高3の列には調査書を作る時点までの新しい成績をもとに高校が判定した数字を書く、という枠だけで、どの学期のどの数字を使うかの細部は高校が決めます。3学期制の高校で、出願の前に成績が出そろっているのが高3の1学期までなら、高3の列はその成績をもとに判定されることになり、塾の案内の区切りと重なります。

前期と後期に分ける2学期制の高校では、区切りの位置がそもそも違います。前期の成績が出る日が、校内選考や出願の日より前なのか後なのかで、高3の列に入る中身は変わりえます。前期の途中の成績で判定するのか、前期の成績が出そろってから判定するのかは、高校が決めることです。2学期制の高校に通っているなら、塾の案内の「高3の1学期まで」をそのまま自分に当てはめず、自分の高校ではどこで切るのかを担任か進路指導の先生に確かめてください。

評定そのものの決め方にも、高校ごとの違いがあります。指導要録の決まりは、評定を5段階で付けることと、その決め方の細目は各学校が定めることを書いています。3学期制の高校で、学年末の評定が1学期から3学期までをどう合わせて決まるのか、2学期の中間テストと期末テストと提出物がそれぞれどれだけ効くのかは、科目ごとの評価の方法を見ないとわかりません。年度の初めに配られる授業の計画や評価の説明があれば、それが手がかりになります。

単位の認め方も同じです。高等学校学習指導要領の総則は、単位の修得の認定を学期の区切りごとに行うこともできると書いています。学年末にまとめて単位を認める高校もあれば、学期ごとに認める高校もありえるということで、自分の高校がどちらなのかで、2学期のテストの意味は少し変わります。卒業に必要な単位数も、74単位以上という下限の上で各高校が定めています。

校内選考で使った成績の範囲も、高校の決まりです。二次募集があるとき、その選考に1学期より後の成績を使うかどうかも高校が決めます。大学の側では、指定校推薦の書類は高校に届くので、合格した後に成績や卒業について何かを求めるかどうかは、その書類と大学の募集要項に書いてあれば従うことになります。どれも、確かめる先は次の4つに絞れます。校内の推薦の要項、年間の行事予定に書かれた学期の区切り、科目ごとの評価の方法の説明、そして進路の先生との面談です。

なお、いまの高2が受ける令和10年度の実施要項はまだ出ていません。出たら、調査書の書き方の注意に変わりがないかを見てください。

範囲表を受け取った日から、卒業までにやること

ここからは、校内選考が済んだ9月の高3が、今日から手を動かす順番です。

  1. 区切りを聞いて1行で書く。「高3の列に入るのは、どの学期のどの時点の成績までか」の答えを、担任に確かめてから手帳の1行目に書きます。ここを推測で埋めないところから始めます。
  2. 3年分の評定を書き出す。通知表を並べ、学年ごとに科目と評定を一覧にします。たとえば高1に12個の評定があって合計51、高2も12個で合計50、高3の1学期までが9個で5・5・4・4・4・4・4・3・2なら合計35です。足すと136、評定の数は33で、136を33で割ると4.121…、小数点以下第2位を四捨五入して4.1になります。もし高3の3と2がどちらも4だったら、高3の合計は38、全体は139を33で割って4.212…で4.2でした。高3は33個のうちの9個ですが、1つずつが高1と同じ重さで効いていることが、この数字の動きで見えます。
  3. 高3の列で評定が低い科目に印をつける。上の例でいえば、2がついた科目と3の科目です。出願の数字に入る区切りを過ぎていても、この科目こそ2学期と3学期で単位を落とせない科目になります。調査書はこの単位も取れるものとして数えているからです。
  4. 範囲表を科目ごとに3つに分ける。印をつけた科目、卒業に欠かせない必修の科目、それ以外です。印の科目は、テストの範囲だけでなく、提出物の期限と、授業を休んだ回数も一緒に書き出します。単位の判断に何が使われるかは高校の決まりなので、印の科目は担当の先生に「単位を認めてもらうために、この学期で外せないことは何ですか」と直接聞きます。
  5. 答案の単元を見る。中間テストの答案が返ったら、点数より先に、落とした問題がどの単元に固まっているかを見ます。期末テストまでに直す単元を2つに絞り、週ごとの予定に入れます。
  6. 卒業まで続ける。出願と合格の後も、3学期の試験まで同じ表を使い続けます。令和9年度の要項では、学校推薦型選抜の合否を知らせてよいのは12月1日から先です。合格が出ても、大学に入る資格は高校を卒業する見込みに支えられているので、学年末の単位がそろうまでは手を止めません。

保護者の方は、お子さまと通知表を並べる時間を、9月のうちに一度だけ取ってください。数字を責める場ではなく、手順の1と2を一緒に確かめる場にすると、高校に聞くべきことが家の中で先に整理されます。図2は、この6つの手順を順番に並べたものです。

図2 9月の範囲表から卒業まで、手を動かす6つの順番

図2の上の段の3つは、9月のうちに一度やれば終わる作業です。下の段の3つは学年末まで繰り返す作業で、2学期の中間テストはその1回目にすぎません。

「出願したら成績は関係ない」と思い込む前に

校内選考の後に生まれやすい思い込みを3つ取り上げ、決まりに照らして答えます。図3のように、高3の2学期と3学期の成績は、出願の数字とは別の道を通って、単位と卒業の判定へ向かいます。

図3 2学期と3学期の成績が単位と卒業へ向かう分かれ道

1つ目は「推薦の候補に決まったから、もう成績は見られない」という思い込みです。調査書の高3の単位は、取れるものとして先に数えられています。学年末にその単位が認められなければ、指導要録の決まりでその科目の評定は1になり、卒業に必要な単位数に届かなくなるおそれが出ます。見られていないのではなく、見る人と場面が変わるだけです。

2つ目は「高3の評定は、学年末の数字として大学に届く」という思い込みです。出願の時点で学年末の評定はまだありません。大学に届くのは、高校がその時点までの成績をまとめて判定した数字で、3月に決まる学年の評定と一致するとは限りません。3月の数字にも役目があり、その数字が単位と卒業の土台になります。

3つ目は「2学期制の高校でも、区切りは高3の1学期まで」という思い込みです。前期と後期に分ける高校では学期の数え方そのものが違い、「高3の1学期」に当たる区切りがどこなのかは一つに決まりません。前期の成績が判定に入るのか入らないのかは高校の決まりで、自分で決めつけずに担任に確かめるのが答えです。出願より後に出る後期の成績は、3学期制の2学期や3学期と同じく、単位と卒業の側の道を通ります。

高校の先生に確かめる質問

次の問いは、面談の席で紙を見ながら聞いてかまいません。答えはその場でメモし、手帳の1行目に写します。

大学の扱いを知りたくなったときも、大学へ問い合わせる前に、まず高校の先生に相談してください。指定校推薦の書類は高校に届いているので、答えはまずその書類の中を先生と一緒に探すことになります。

個別指導で確かめること

塾では、通知表3年分を並べた評定の表と2学期の範囲表を机に広げ、高3の列で評定が低い科目と提出物の期限を書き込みながら、単位を落とせない科目を最初に決めます。返ってきた中間テストの答案は点数より落とした問題の単元を見て、期末テストと学年末の試験までに直す順番と、担任に聞く質問の下書きまでを一緒に作ります。

まとめ

大学に届く高3の成績は、秋のある日に切り取った途中の数字で、入学を決めるのは3月の卒業です。校内選考を通った日に締め切られたのは評定の積み上げのほうで、高3の単位と卒業の判定はまだ先に残っています。2学期の範囲表は、その二つの間を渡り切るための地図として、折らずに机に広げておいてください。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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