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都立推薦をもらうには—公表された内申の基準はあるのか、中学校の校内推薦の流れ|武蔵野個別指導塾

都の要綱に「内申いくつ以上」という出願の条件は無く、推薦を出すか決めるのは中学校長です。校内の推薦委員会、推薦理由の欄、1月18日午後5時の入力の締めまで、担任への3つの聞き方とあわせてたどれます。
| 知りたいこと | 令和9年度入試(2027年4月入学)での答え |
|---|---|
| 推薦に出せる人 | 志望校を第1志望とし、在籍する中学校の校長から推薦を受けた人。あわせて、2026年12月31日の時点で都内の中学校に在籍して2027年3月に卒業する見込みであること、保護者と同居して都内に住み、入学後も都内から通うことが確実なことも条件になる |
| 「内申いくつ以上」の決まり | 都教委の令和9年度の実施要綱の、応募資格と選考の節に内申(評定)の数の線は書かれていない |
| 推薦を出すかを決める人 | 中学校長。校内の推薦委員会などの審査を参考にして決める |
| 校内で何を見るか | 内申や出欠、生活の様子をどう見るか、目安を持つかどうかは中学校ごとに違う。担任と進路の先生に聞くしかない |
| 締め切り | 出願サイトへの入力と考査料の支払いは2027年1月18日(月)午後5時まで。推薦書や調査書は中学校を通じて志望校へ郵送される |
よくあるのは、12月の三者面談の前に「推薦はもらえますか」と担任に聞くつもりで職員室の前まで行き、扉を開けずに帰ってきてしまう場面です。断られたら、志望校ごと否定される気がする。内申が足りないと言われたら、その場で受け方まで決まってしまう気がする。夕飯のあと、お子さまは「別に聞かなくてもいいし」と言って部屋に戻ります。けれども、出願サイトの入力は12月18日(金)に始まり、1月18日(月)の夕方に締まります。年末年始をはさんだ、ちょうど1か月です。聞くなら、その前です。
都の要綱が推薦に求めているのは、数字ではなく4つの条件
都立の一般推薦に出せるかどうかは、都教委の令和9年度の実施要綱にある「応募資格」で決まります。読んでみると、求められていることは4つに整理できます。1つ目は、志望校を第1志望にしていること。2つ目は、在籍している中学校の校長から推薦を受けていること。3つ目は、2026年12月31日の時点で都内の中学校に在籍し、2027年3月に卒業する見込みであること。4つ目は、保護者と同居して12月31日現在で都内に住所があり、入学した後も都内から通うことが確実であること。図1は、この4つを並べ、内申の数の線がそこに無いことを示したものです。

図1の4つのうち、3つ目と4つ目は暮らしと在籍の事実です。都内の中学校に通い、家族と都内で暮らしている中3なら、ふつうはもう満たしています。1つ目の第1志望は、本人と家庭が決められます。残る2つ目、中学校長の推薦だけは、本人がどれだけ望んでも本人の手の中にはありません。「推薦をもらうには」という問いは、結局この2つ目をどう通るかという問いです。応募資格の文には、推薦に志願する意思があることも書かれています。黙っていれば推薦が向こうから回ってくる、という仕組みではないのです。
第1志望の条件も、軽く読まないでください。推薦で出願できるのは1校の1コースか1科に限られ(同じ学科の中に科がいくつかある学校では、第2志望を1つ書ける場合があります)、出した後で志望校を変えることはできません。合格すれば入学確約書を出し、第一次募集にはもう出願できません。中学校長が出願後の辞退が起きないよう指導することまで、要綱には書かれています。推薦をもらうとは、その学校へ行くと先に約束することでもあります。
ほかにも細かな決まりがあります。都立中学校を卒業する見込みの人や、都立中等教育学校の前期課程を修了する見込みの人は、推薦には出せません。療養や転勤、離婚などで父母と別々に暮らしているなら、具申書という書類で事情を示す手続きが要ることもあります。当てはまりそうなら、三者面談を待たずに担任へ伝えてください。
「内申いくつで推薦がもらえるか」の数字が、どこにも公表されていない理由
「都立高校 推薦 基準」と検索すると、オール4やら内申40やら、さまざまな数字が目に入ることがあります。けれども、都教委の実施要綱の応募資格と選考の節を読むかぎり、内申がいくつ以上なら推薦に出せるという定めはありません。推薦の章で「基準」の語が出てくるのは、各都立高校が面接や作文の点のつけ方を決める所と、文化・スポーツ等特別推薦と理数等特別推薦で、学校が定めた基準に届いた人から合格候補者を選ぶ所です。どちらも受け入れる都立高校の側の話で、中学校が推薦を出すための線ではありません。
では、内申はどこで効くのか。一般推薦では、内申は出願の切符ではなく、点数として使われます。評定を使う学校では、9教科の評定の合計をその学校の調査書点の満点に合わせて点に直し、面接と、小論文や作文などの検査、学校によっては集団討論の点と合わせた総合成績の順で合格が決まります。たとえば調査書点の満点を450点にしている学校なら、9教科の評定の合計が1違うたびに、調査書点に10点の差がつきます。入り口に線を引かなくても、内申の差は総合成績の中にそのまま残る仕組みです。
それでも「内申がいくつ以上でないと推薦はもらえない」という話が出回るのは、別々の場所の数字が一つに混ざって語られるからだと思います。1つ目は、中学校の中の目安です。校内の推薦委員会などが何を見て、どこに目安を置くのか、そもそも目安を数字で持つのかどうかは中学校が決めることで、外からは見えません。2つ目は、合格の見込みの目安です。学校ごとの一覧に載る内申の目安は、受かる見込みを考える材料であって、推薦を出してもらう条件ではありません。3つ目が、私立の推薦や併願優遇の基準です。こちらは私立高校が学校ごとに決めているもので、都立の話に混ぜて読むと会話がかみ合わなくなります。
志望校ごとの配点や内申の目安を見比べたいときは、塾のサイトの「都立高校の目安一覧」で、志望校の行を先に見ておいてください。それを持って担任と話せば、どの数字の話をしているのかが互いにはっきりします。
中学校の中で推薦が決まり、書類が志望校へ届くまで
要綱は、中学校長が校内の推薦委員会などの「厳正な審査」を参考にして、推薦する生徒を決めると定めています。委員会の名前や顔ぶれ、開く時期、何をどの順で見るかは、中学校の側が決めることです。要綱が決めているのは、決めるのが中学校長であること、その前に校内の審査を経ること、そして決まった後に出す書類と期限です。図2は、推薦の希望が書類になって志望校の校長の手元に届くまでを、要綱の書き方に沿って左から並べたものです。

図2の左端の箱、本人と保護者の希望を、いつ、誰に、どんな形で伝えるかは中学校ごとに違います。12月の三者面談で志望校と受け方を話す中学校なら、その場が希望を口にする最初の機会になるでしょう。私立の入試相談は12月15日以降に中学校の先生と私立高校の間で行われるので、面談では都立の推薦と私立の併願を同じ机の上で話すことになるかもしれません。
校内で推薦が決まると、中学校長は一般推薦書を作り、ほかの書類と一緒に都立高校の校長あてに送ります。推薦書は親展の扱いです。本人は出願サイトに入力し、中学校長が、入力した中身と写真が本人のものであることと応募資格があることを確かめて承認します。入学考査料は全日制で2,200円です。推薦書、調査書、自己PRカードは中学校を通じて郵送され、2027年1月8日(金)から18日(月)までの間に志望校へ届いていなければなりません。図2の下の帯の左の印がこの締めで、右の印が1月26日(火)と27日(水)の検査です。受検票は1月22日(金)頃から出願サイトで出せるようになります。
中学校の中では、年明けの1月4日(月)から8日(金)にかけて、評定をまとめた成績一覧表が、区市の教育委員会などが置く委員会の調査を受けます。推薦の調査書に載る評定は、2026年12月31日現在の中3の評定です。年が明けてから評定を上げることはできないので、推薦を考えるなら、12月までの授業と提出物がそのまま材料になると考えてください。
推薦書の「推薦理由」の欄は誰が書き、選考でどう扱われるか
一般推薦書は中学校長が作る書類で、本人や保護者が書く紙ではありません。親展で送られるので、家庭の手を通ることもありません。それでも要綱は、一般推薦の選考に当たって、この推薦書の「推薦理由」の欄にも「十分配慮する」と定めています。総合成績の点の内訳には入っていませんが、点の外側で受検者を伝える紙として、選考の場に置かれます。
その欄に何が書かれるのか。都教委が公表している様式の抜粋には、文化・スポーツ等特別推薦書が載っています。その注意書きによれば、推薦理由の欄には、志望校への適性や学習の状況、道徳、特別活動、学校の外での活動などのうち特に目立つものを書きます。そこに、種目への取り組みや意欲を書き添えます。一般推薦書も同じ名前の欄を持ちますが、どう書くかは中学校の判断です。
ここで、本人にできることが一つあります。担任が推薦理由の材料にできるのは、担任が知っていることだけです。委員会の仕事や部活は見えていても、学校の外で続けているボランティアや習い事、取った検定は、本人が言わなければ担任には届きません。だから、活動の名前と続けた期間、自分の役割とやったことを事実だけで書いた短いメモを作り、三者面談に持っていってください。盛った言葉はいりません。「何年の何月から、週に何回、何をしたか」が書いてあれば十分です。
なお、検定や役職の点を都立の調査書点に足す欄は、都の要綱にはありません。こうした活動が生きるのは、調査書の諸活動の記録や自己PRカード、そして面接の場です。同じ部活や検定が、担任の書く推薦理由と、本人の書く自己PRカードの両方に出てくることもあります。手元のメモを一枚にしておけば、二つの紙と面接の受け答えで、年月や役割の事実が食い違うことを防げます。
担任には「もらえますか」ではなく、3つに分けて聞く
「推薦はもらえますか」は、聞く側にも答える側にも重い問いです。はいかいいえで答えさせる形なので、担任も、まだ校内で決まっていないことには答えようがありません。塾では、この一つの問いを、答えやすい3つの問いに割って持っていくよう勧めています。
1つ目は手続きの問いです。「この中学校では、推薦の希望をいつまでに、誰に伝えることになっていますか」。決まっていることを教えてもらうだけなので、担任もすぐ答えられます。2つ目は目安の問いです。「校内で推薦を決めるときに、見ることが決まっているものはありますか」。数字で答える学校もあれば、生活の様子も含めて決めると答える学校もあるでしょう。どちらの答えでも、それがその中学校の決まりです。言い返さずに、そのまま書き留めてください。3つ目は見通しの問いです。「志望校の推薦に出すことについて、先生はどう見ていますか」。ここで初めて、本人の評定と志望校の話がつながります。
3つの問いは、本人が聞いても、三者面談で保護者が聞いてもかまいません。2つ目の問いは、保護者から聞くほうが自然な場面もあります。持っていくものは、2学期の評定の見込みがわかる紙、志望校の「本校の期待する生徒の姿」、活動のメモの3つで足ります。
もし「今の評定では難しい」と言われても、そこで志望校まで下ろす必要はありません。推薦をもらえなくても第一次募集には出願できますし、推薦で不合格になった人も第一次募集に出せます。第一次募集の全日制は原則として、学力検査の500点を700点に換算した点と調査書点300点、それにESAT-Jの20点を合わせた1020点で争います。内申の差には、2月21日(日)の学力検査で取り返す道が残っています。推薦をもらえないことは、志望校をあきらめる理由になりません。
よくある質問
志望校の説明会やホームページで、推薦の内申の基準を教えてもらえますか
都教委の入試実施方法一覧や各校の資料で示されているのは、推薦で行う検査の種類と配点、「本校の期待する生徒の姿」などです。都の要綱には、都立高校の側が内申の数で推薦の出願を断るという定めもありません。説明会で数字が出てきたら、それが出願の条件の話なのか、合格した人の様子の話なのかを、その場で聞き直してください。聞き直せば、どの数字の話かがはっきりします。
推薦をもらったあとで、出願をやめることはできますか
出願する前に推薦の話を取り下げられるかどうかは、自分の中学校での扱いを担任に確かめてください。出願した後については、中学校長が辞退の起きないよう指導すると要綱が定めていて、志望校を変える志願変更も推薦ではできません。迷いが残っているなら、推薦を頼む前に家の中で決め切っておくのが筋です。
私立の推薦と都立の推薦を、両方もらうことはできますか
東京私立中学高等学校協会の説明では、私立の推薦入試は第一志望であることが条件で、合格したら入学します。都立の推薦や、ほかの私立の推薦は受けられません。都立を第一志望にして私立にも備えたいなら、私立は併願優遇などの一般入試の受け方で考えることになります。基準は私立高校ごとに違うので、数字は塾の「私立高校の推薦・併願優遇の基準と偏差値 一覧(東京・神奈川・埼玉・千葉)」で志望校を探し、入試相談の扱いは中学校に確かめてください。
文化・スポーツ等特別推薦にも、中学校長の推薦は要りますか
要ります。都教委の募集案内のQ&Aでも、特別推薦の応募資格は一般推薦と同じく、在学している中学校の校長の推薦を受けた人とされています。推薦書は文化・スポーツ等特別推薦書という別の様式です。同じ学校の一般推薦にも同時に出願でき、その場合は一般推薦の検査も受けます。特別推薦では、都立高校が定めた基準に届かないと、志願者が募集人員より少なくても不合格がありえます。
確かめる順番
今週、家で確かめることを、手元の紙、都教委の資料、聞く相手の順に並べました。図3のように左から右へ進めると、担任に会うころには、聞くことが3つに絞れています。

- 手元の紙: 1学期の通知表(2学期制の中学校なら前期の通知表)と、2学期の評定の見込みがわかるテストや提出物の記録を机に出します。推薦の調査書に載るのは12月31日現在の中3の評定です。あわせて、活動の名前と期間と役割を書いたメモを1枚作ります。
- 都教委の資料: 募集案内に載る志望校の「本校の期待する生徒の姿」を読み、自分に当てはまる行に線を引きます。続けて入試実施方法一覧で、志望校の推薦に面接のほか何の検査があるか、調査書点の満点が何点かを見ます。
- 聞く相手: 担任に、希望を伝える時期と相手、校内で見るもの、志望校への見通しの3つを聞きます。進路の先生がいる中学校なら、出願サイトの入力と書類の流れもあわせて聞きます。
- カレンダー: 出願サイトの入力と支払いが1月18日(月)午後5時に締まることを、家族のカレンダーに書き込みます。
個別指導で確かめること
個別指導では、推薦を頼むかどうかを決める前に、志望校の調査書点の満点と今の評定から推薦の調査書点を出し、面接と作文でどれだけの点を積む必要があるかを数字で並べます。そのうえで、担任への3つの問いを本人の言葉に直し、活動のメモを事実だけに削ります。推薦が難しいと言われたときは、学力検査のどの教科から点を積むかを決め、2月21日(日)までの時間割に落とし込みます。推薦を受けるか一般に絞るかは、数字を並べた紙を家に持ち帰り、ご家庭で決めてもらいます。
まとめ
都の要綱が推薦に求めているのは、第1志望であること、中学校長の推薦を受けること、都内の中学校に在籍していること、保護者と都内に住んでいることの4つで、内申の数の線は書かれていません。数字で目安を持つかどうかも含め、校内の決め方は中学校ごとです。検索で拾った数字におびえて黙り込む前に、自分の中学校の答えを取りに行ってください。推薦がもらえるかどうかの答えは、要綱のどのページにも載っておらず、扉を開けずに引き返したあの職員室の向こうにあります。
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